- 30 名前:マジレスさん [2022/11/17(木) 23:46:33.68 ID:VNDjlxHH.net]
- (もう少し続きです)
某ハウスメーカーのCMに歌われていたような、「あったかい我が家」は、当時の俺にはありませんでした。 玄関に入った瞬間は外気に比べて暖かく感じても、すぐに寒気を覚える冷たい屋内。 風呂場で手桶に溜めたお湯に両手足を突っ込み、ジーンと伝わってくる暖かさに「ああ、俺、生きてるんだな」と思いながらも、浴室から出ればすぐに手足は氷のように。 自宅だけでなく、職場にいても、両手足から熱が逃げていく感じがしました。 それ以前の、実家から通っていた年には感じなかった、「生気が抜けていくような」感じ。 同僚とかに「新婚生活、どうよw」と聞かれれば、「2人の間の空気が物理的に冷たい・・・」と呟く俺。 同僚たちは「は?」と不可解な顔。事情を話すと、「電気ストーブの電気代なんて月1万円くらいだろwそれくらい超勤で稼いでるんだから使えばいいじゃんw」とありがたいお言葉。 しかし、元嫁のキレっぷりを何度も見てきた俺に、それをぶつける勇気は、もうありませんでした。 何を言ってもキレて聞かない、記念日やイベントの過ごし方やプレゼントの希望を聞いても無表情・無感情に生返事を返す元嫁。 部屋は寒いし、相手の素振りも冷たいし、俺は「家に帰りたくない病」になっていました。 そんな俺が、一度だけ、勇気を出してみたことがありました。 「帰った後どうしても寒いから、電気ストーブ使わせて欲しい」と、元嫁に頼んでみました。 「・・・どれくらい?」と、明らかに不機嫌な元嫁。 本当の要望を伝えてはキレられるのが容易に推察できる様子だったので、俺は答えました。 「・・・1時間ぐらい」。本当は2時間許して欲しかったのですが。 すると元嫁。 「ダメー!!絶対エアコン!!」 史上最高に激ギレしました。 「あれメチャクチャ電気代高いんだよ!!寒かったらエアコン使うか、服着ればいいじゃん!!」 そのキレっぷりに、俺は「・・・分かった」と要望を引っ込めました。 そして悟りました。 「(ああ、この子は俺がこんなに苦しんでるのに、俺の健康より金の方が大事なんだ)」 その電気代は、100%俺の給料から負担してたんですが・・・それを武器にすることすらできなかった俺も大概ですけどね。
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