1 名前:卵の名無しさん mailto:age [2016/07/27(水) 18:07:10.78 ID:L7wiJkHO.net] 精神科医の皆さんが玉石混交、また〜り語り合うスレです。 外科や内科に決してない鷹揚さが重要です。 ★患者・MRの立ち入りは禁ず★ 患者様wは保険証もって外来に来い
225 名前:薬剤師 [2016/08/14(日) 23:15:45.72 ID:lRZ2r3Zt.net] >>223 さん 結論から言うと、論文等のエビデンスを提示することはできません。 @現在、論文にアクセスできる状態にないこと。 A前職では、論文へのアクセスと担当疾患領域の国内外の学会参加が可能でしたが、 担当疾患領域が、身体科(末梢組織)なので、精神科(中枢)での論文を知らないこと。 さて、それだけでは申し訳ないので、うだうだと書いてみます。 B まず、>>170 に記載したように、NCNPでSCAP法の責任者の山之内先生からのコメントがあります。 SCAP法のHPが見つからなかったのでNCNPに電話をしたところ、山之内先生に電話が回り、 工事中とのお返事。せっかく先生とお話しできたので、以前より疑問に思っていた 精神科・中枢領域では、対数関係になるか否かを伺いました。 C 次に、>>129 記載のように、同等性試験では標準薬の血中濃度を100%とした場合、 被験薬の血中濃度が80-125%であれば、同等とみなす。これは末梢作用の薬物でも 中枢作用の薬物でも同じはずです。はず、というのは違うと聞いたことがないからで あって、厳密に「中枢作用薬でも同じ」と明示的な記載は知らないということです。 80-125%になるのは、対数関係によるためです。
226 名前:薬剤師 [2016/08/14(日) 23:17:22.74 ID:lRZ2r3Zt.net] D学生・院生時代に、隣の実験台で、1年先輩が薬物の脳室内投与により、末梢組織 での反応性(胃酸分泌)の研究をしていたが、対数刻み以外の用量設定をしていた 記憶がない。これは、教室内の研究報告会で、その先輩だけ投与量設定が異なっていた 記憶がないこと。すなわち、普通は対数刻みで投与するから、特に脳室内投与の 先輩だけ投与量設定が異なれば、印象に残るはず。 E 前職(といっても長いので部署は変わっていますが)で、中枢移行性の強い コリン刺激薬オキソトレモリンの末梢投与により、中枢を介した血圧変化の実験を したことがある。この時、オキソトレモリンを対数刻みで投与すると、きれいな 用量反応曲線を描いた。なお、この実験は末梢選択的M2またはM3拮抗薬を投与して 中枢移行性がないことを確かめる実験。M3拮抗薬は上市されたので、この実験も 論文化されているはず。M3拮抗薬の薬物名は言えないが、medline(今はpubmed?) で、M3、oxotremorineを入れれば検索できると思います。 DEから明らかなように、中枢神経を介して、末梢へインパルスが伝達される場合、 中枢側では薬物を対数刻みに投与すると、生物反応は直線的に表れる。これは、中枢内の 薬物受容体における用量反応曲線が対数関係にあるからと考えられる。 問題は、中枢内の精神的な生物反応が、いわゆる受容体論と同様かということだと思が、 それを明らかに示したものは知らない。そもそも、精神科は生物試験ができない点が かなり重要な点と理解しています。しかし、DEで明らかなように、中枢内での 受容体と薬物も末梢組織と同様に対数関係にあるので、ドパミン受容体と薬物との関係 (この場合受容体占有率)は、一般的な受容体結合論に当てはまると考えられる。 となれば、受容体結合実験でドパミン受容体に100%結合すると推定される濃度以上の 抗精神病薬を投与しても、効果の上乗せは考えられない。 ここまで書くと、「しかし、大量投与により沈静化する」からこそ、多剤大量投与を している、との反論がありそうです。それに対しては、ドパミン受容体をほぼ完全に 遮断した用量以上を投与して発現してくる鎮静効果は、ドパミン受容体遮断に起因しない のではないですか?と疑問に思っている。
227 名前:薬剤師 [2016/08/14(日) 23:20:20.08 ID:lRZ2r3Zt.net] 高血圧や高コレステロール血症治療においては、異なる作用点に作用する薬物を 併用すると、効果は原則相加的になる。しかし、同一作用点への倍量投与は 極めて効果の上乗せが悪い。これは用量反応曲線を理解していれば明白。すなわち 併用療法の基本は、異なる作用点を介した相加的効果増強。にもかかわらず、 同一作用点の倍量投与はおろか、さらに違う分子種を投与する精神科医! 理由を考えてみると、中枢移行性のある薬物は中枢移行性を確保するために、 構造上の縛りが強く、ピュアな受容体拮抗薬が作れない。その結果として、末梢治療薬と 比べて驚くほど、薬理学的に「きたない」薬剤ばかり。 その「きたない」薬剤を精神科医は、患者ごとに使い分けているのだけれども、 抗精神病薬を大量投与の際には、その「汚い」部分が効果の上乗せをしているのではないか? すなわちH1拮抗作用が、大量投与によってより強く効き始めるとかね。 つまり、1薬剤を理論上の用法用量の上限を超えて、または、同一作用点に対し 2種類目の薬剤を投与することにより、ドパミン受容体に対する作用を 求めているのではなく、それ以外の作用点への作用を強引に引き出して、 結果的に沈静の相加作用を得ているのではないか?薬理学を理解していない 精神科医は、それをドパミン受容体への作用と誤解していないか? 異なる作用点に対する薬剤の併用の例として、ベゲタミンがあげられる。 もし、そうなら、抗精神病薬を大量投与するよりも、CP換算で1000くらいまで行ったら アタP、ピレチアあたりで中枢性抗ヒスタミンの沈静狙ったら?と思ったりする。
228 名前:薬剤師 [2016/08/14(日) 23:35:28.07 ID:lRZ2r3Zt.net] >>223 さんの言う、用量反応曲線の例として挙げているのは、致死量で、個体差。 これに対して、個体内で用量反応曲線が描ける。それが、私の説明。 で、個体内で用量反応曲線が描けるのでED50が求められる。しかし、個体差があるので 個体間のED50はばらつく。すなわち、添付文書上の用法用量の最大まで投与しても 個体によっては十分な反応が得られないことは当然ある。しかし、個体内でも 個体間でも用量反応曲線は、正規分布を累積度数にしたものだから、ほとんどの患者で 抗精神病薬をCP換算で1000以上投与するなんてのは、やっぱり変だよね、ってことでしょ?