- 616 名前:オムライスbyジル mailto:sage [2007/07/29(日) 21:38:21 0]
- 私は、目の前のオムライスに、そっとナイフを立てた。
柔らかな弾力が、ナイフをそっと押し返す。そして、刃先がすっと中に食い込むと、へこんだ表面に沿って、ケチャップがとろりと皿に垂れ落ちた。 その切れ目にスプーンを差し込んで、中身とケチャップをゆっくりかき回し、すくい取る。 ほのかな湯気とともに、芳しい香りが私の鼻の奥をくすぐる。口中に唾液が湧き出す。私はそれを飲み込むと、口を開いた。 ケチャップの酸味と玉子のまろやかなとろみが、舌を包む。ぎゅっと噛み締めると、チキンのかけらが歯にあたる。心地よい歯ごたえ。 おいしい。 私は夢中になって、食べ続けた。ケチャップがテーブルに垂れる。それも指ですくい取ってなめる。 ――私が満腹したとき、お皿に残っているのは、小さな骨と、一房の髪の毛。 生まれたばかりの、私の赤ちゃん…… イマイチね。
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