- 803 名前:水先案名無い人 mailto:sage [2008/12/23(火) 03:20:17 ID:t+1V+Zp20]
- 栗山会の抽選で千明様とクリスマスイブを過ごせる事になり、最高の夜を準備すべく先ず西麻布界隈の飲食店を全て買い切り、246を渋谷駅前まで全て進入禁止とし
千明様と私だけの二人だけの時間を満喫したい。 当然だが、当日千明様はこんな約束をすっかりお忘れになられて、ご友人らとご歓談を交えた楽しい時間をお過ごしになられ 私はと言えば、この実行の為に実に余る借財を背負い込んだ事で身動きも取れなくなり、ただ徒に準備の時の熱情を思い出しつつ、西麻布の交差点で地方のダム現場へと向か うワゴンを待ちたい。交差点のお花屋さんで小さな花を買い込んでそれを千明様に例えてそれを見ることだけを楽しみにして過酷な土木工事現場で汗水垂らして働きたい。 そんなこんなで10年が経過し、千明様のお花もただ乾いた一握りの草と成り果てた。 激烈な労働ですっかり身体を壊して、宿舎で休みながら命の灯火が消えていくのを体感し ながらふと元は綺麗だったお花を見つめると、花は何故か色鮮やかに咲き誇り美しい蝶まで舞っている風景を見ることが出来た。これが千明様からのクリスマスプレゼントだった 事に気付き、その優しさに胸打たれながらも消え行く意識の中で草を握りながら静かな淵へ身を委ねたい。あの時見た蝶の美しさを瞼に焼き付けてほの暗い道を一歩踏み出したい。
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