- 617 名前:それも名無しだ mailto:sage [2007/02/26(月) 23:31:45 ID:l7EumDSZ]
- もう直ぐ雛祭り、という訳でSS投下〜。
「統夜、ひな祭りってなんです?」 夕飯の買出しの途中、商店街のとある店の前でカティアが尋ねてきた。 その店は幼い頃に五月人形やらこいのぼりを買ってもらった店だった。 無論、今の季節は店先に雛人形が飾ってある。 「あぁ、知らなかったのか。 ひな祭りっていうのは女の子を祝う日のことだ」 「女の子を祝う・・・ですか」 「そうか。 今年は女の子がいるから、何かしようか」 「いいんですか?」 カティアは好奇心で満たした目で俺を見る。 「そうだなぁ。 雛人形でも買おうか」 「雛人形・・・・・この人形ですか?」 店先に飾ってある、7段の雛人形を見る。 「ああ、そうだ」 「綺麗ですね。 古文の教科書で見たようなお姫様みたいです」 うっとりと眺めるカティアの方が綺麗だ、とは流石に言えなかったが。 「でも・・・・・・高いな」 「とっ、統夜・・・・・ゼロがいっぱいです・・・・」 具体的に14にゼロが4つくらいついている。 「・・・・・・すまん。 俺が頼りないばっかりに・・・・・」 「いえ! そんなことありません!」 「安くても1万2万は飛んでくか・・・・・」 現在の紫雲家の財産では、それは大ダメージだ。 「統夜、雛人形はいりません。 ですから、その・・・・・・気を落とさないで」 「ああ・・・・・・すまない。 代わりといっちゃなんだが、ひな祭りの料理だけは豪勢に行こう。 千鳥さん達を誘って」 「それは、楽しみです」 余談だが・・・・・数日後、その店の名前の入った、やけに大きなダンボール箱が紫雲家に運ばれたそうな。
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