- 504 名前:487 mailto:sage [2007/02/15(木) 00:18:27 ID:H+E7jq9m]
- 今日は一日大変だった。
朝は相良がテッサさんのファンクラブ会員と思しき多数のボン太君軍団と死闘を繰り広げ、校舎が所々 焦げ臭くなってしまった。当然のことながら、千鳥さんのハリセンが唸りを上げて全員を叩き伏せたけど。 でも、その後で顔を赤くして「ぎ、義理なんだからね! 勘違いするんじゃないわよ!」って言いつつ 綺麗にラッピングされた小箱を手渡してたのは、ちょっと微笑ましい光景だった。 昼休みはテニアとメルアがチョコを渡しに来て、それを阻止しようと押しかけてきた2人の親衛隊共と俺の間で 校舎中を舞台にした鬼ごっこが始まってしまった。10分以上も全力で走り通し、いい加減疲れてきたところで マサトと美久さんの助けが入ったのはホントありがたかった。・・・ただ、後ろから「この俺の楽しみを邪魔する とはいい度胸だ。消え失せろ虫けら共がぁっ!!」とか「他人の幸せを妬み、妨害しようとする不届き者には天の裁きを!!」 っていう、ちょっと親衛隊の身を案じてしまうようなセリフが聞こえた直後に背後で ⊃天⊂ だか ⊃烈⊂ だかの大爆発が起こり、遠ざかっていく親衛隊の悲鳴が俺の耳にエコーして飛び込んできた。 ・・・成仏することを祈って、テニアとメルアからありがたく頂いたチョコを食べるとしよう。 そして現在。時間帯は、星が瞬く夜中、と言えるかな。 俺達――俺とカティアはテレビの前でくつろいでいた。ただ、カティアの手にはほかほかと湯気を上げている茶色の液体、即ち ホットチョコレートという奴が注がれたマグカップが握られている。カティアはチョコをくれなかった、というわけじゃない。 今、渡されている真っ最中さ。 「統夜・・・んっ・・・」 「・・・ふぅっ・・・」 ・・・・・・口移しという形でな! 「どうですか、お味は?」 「とっても甘くて美味しいよ。ただ・・・」 「ただ、何ですか?」 「・・・何でわざわざ口移しにしたんだ?」 そう、俺の頭はそのことで一杯だった。不満は無い、というか寧ろ嬉しいんだけど・・・やっぱり、なあ? それが顔に出てしまったのか、カティアはむぅ、とばかりに軽く眉を寄せて睨み付けてきた。 「統夜はイヤでしたか、こういうのは?」 「そいうわけじゃないさ。嬉しかったよ」 「・・・無理にそんなこと言わなくてもいいんですよっ」 そう言って、カティアは拗ねたようにぷいっとあっちをを向いてしまった。 やれやれ、仕方ないなぁ・・・・・・ 俺は彼女を背中から抱きすくめ、そっと耳元で囁いた。 「無理じゃないさ、本心だよ。・・・カティアの唇も、とっても美味しかったしな」 最後の一言が聞いたのか、俺の大事なお姫様は真っ赤になって縮こまっちゃった。 ・・・まぁ、たまにはこういうのもいいよな?
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