- 65 名前:名前は開発中のものです。 mailto:age [2006/03/17(金) 00:32:59 ID:r00oI8rr.net]
- はじめ、この世界には一本の巨大な樹が立っていた。
どれくらいの高さがあるのか、どこに立っているのかも分からない。 ただ、確かにそこには大きな樹が存在していた。 それ以外には何もない。 やがて、その大きな神木に果実が実り、数多の神々を生んだ。 無数に積み重なった神木の枯葉と、張り巡らされた幹は、いつしか広大で豊かな大地へとその姿を変えていった。 そこには様々な命が生まれ、育っていった。 世界の名はマナヘイム。神々と、人と、神々と人の仲介をする存在、ビフロストが住む世界。その豊かで平和な時代も、長くは続かなかった。 人間は些細な出来事から、人を憎むことを覚えた。 その憎しみによって。人は傷つけ争い、それがまた新たな憎しみを生んだ。 はじめは小さかった憎しみが、愚かな争いが、いつのまにか膨れ上がり、やがて大地は荒れ果て、神々はこの世界を去っていった。 「さて、今日のお話はこれでおしまい。ちょっと坊や達には難しかったかな」 男は紙芝居の最後をめくりおえると、表紙をはじめに戻して片付けはじめた。静かに話を聞いていた数人の子供が一斉に口を開いた。 「ねぇねぇ、神様達はどこにいっちゃったの? もう戻ってこないの?」 「お、そうだな・・・」 思わぬ子供の反応に、男はしばらく考えて、やがてこう言った。 「もし、坊や達がこの世界を立派で綺麗にすることができたら、戻ってくるのかもな。おっと、時間だ・・・。また明日もいつもの時間にくるからな。気をつけて帰んなよ」 「またね、おじちゃん」 子供たちがまた広い野原へ遊びに駆けていく。その空が偽りの空だとは知らずに。 現在VC++で製作中です。参考にするだけなら。
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