- 627 名前:ss2 mailto:sage [2009/08/04(火) 22:54:18 ID:yazK/KXo0]
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開けてみろよ、と促されたそこには。 「プロデューサー?これって…?」 シルバーのネックレス、しかしチェーンだけというそっけないものである。 「さっき渡した指輪、貸してくれないか?」 意味がわからないままながらも、素直に手渡すと、彼はそれへネックレスを通した。 「よし、そのまま後ろむいてみてくれ」 この言葉にも言われるままに従う。 次の瞬間後ろから回された彼の腕に、胸の奥が音を立てて跳ねた気がする。 そのまま項に触れる彼の指に、呼吸さえも忘れそうになる。 「これでよしっと。もうこっち向いてもいいぞ」 震える指で自分の首下へと手を伸ばす。 指に触れたそれを恐る恐る辿っていくと、その先には小さなリングが。 「今はこれくらいしかできないけど…」 「ありがとうございます…プロデューサー…!」 そう言って真は、どんな宝石にも負けない輝く笑顔を浮かべた。 その瞳から一筋の涙が流れた。 「あの…プロデューサー?」 「何だ?真」 「いつか…いつかですけど。ボクがもっと大人になったら、もう一つ、もらってもいいですか?」 「ああ、今度はちゃんとサイズも測ってからプレゼントするよ、約束する」 いつかくるその時を信じて待っていよう。 だって彼は、いつだって自分との約束を守ってくれるのだから。
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