- 88 名前:名無したんはエロカワイイ mailto:sage [2008/06/05(木) 01:54:50 ID:b6dY6nfo0]
- “そして、これからも……私にとって――”
あの日から1年後、アイドル活動と進路に悩む春香は、 かつての担当プロデューサーの元へと足を運んだ。 だがそこにあったのは、その後成功を収めることなく、 敏腕の肩書きに押し潰された、ボロボロの男の姿だった。 プロデューサーの訃報から数日後、部屋の整理をしていた春香は、 一台の古い携帯電話を発見する。 そのメモリ内にはプロデューサーからのメールがそっくり残されていた。 メールを読み返すうちに、春香は不思議な夢の中へと落ちていった。 まるで、そのメールの日に戻ったような…… ふと、春香が目を覚ますと、そこはいつもの部屋。やはり夢か…… だが異変は起きていた。机の上の、エアメールの存在。 差出人は……“プロデューサー”?! 過去を変えられる、今をも変えられる!そう確信した春香は、 次々とメールを読み漁った。しかし…… 事務所の倒産、同僚との結婚、声帯の損傷…… 望むものとは全く別の未来しか、春香は手にする事が出来なかった。 そして、頭上のセットが崩れ落ちる瞬間から目覚めた春香は、 致命的な事態を目の当たりにする――ない。どこにもないのだ、あの携帯が! 錯乱する娘を前に、母はあきらめがちに説き伏せた。 “あの携帯は、プロデューサーもろとも下敷きに……” これで終わるわけには……!春香は別の手段を求め、部屋中をひっくり返した。 やがて見つかったのは、一枚の小さな写真。春香は最後の夢を見る―― 郵便ポストの前に立った春香。全ては、ここから始まるはずだった。 “さようなら” 封筒を乱暴に掴み、春香はその細い両腕の、目一杯の力で…… 人ごみの中すれ違う、一組の男女。 彼女がその存在に気付き、振りかえろうとした時―― 旧型の携帯電話が、誰も知らないメロディを奏でた。 “新着メール 1件” 「『プロポーズ大作戦』、ですか?」 「いや、サイコ野郎が鼻血出しまくる方。」
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