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↑キャッシュ検索、類似スレ動作を修正しました、ご迷惑をお掛けしました

♂倒錯シンジきゅんハァハァ スレ♀ 2



1 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/01/17 04:20 ID:4PJppt7U]
純情可憐なシンジきゅんは女の子のほうがお似合いだと思ったことはありませんか?
ここはシンジきゅんを女装、女性化させてアンアンいわせたり
実は元から女の子だったということにして萌えあがったりするスレです。

☆前スレ
倒錯シンジきゅんハァハァスレ
comic3.2ch.net/test/read.cgi/eva/1055333144/

☆関連スレ
男の子のまま愛でたい人はこちら
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新たな妄想を補充してくれるスレ 
こんなエヴァ小説がどうしても読んでみたい!!6
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TSFF探すなら
シンジキュンの女体化FFを集めるスレ
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758 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/16 07:27 ID:???]
おい! >>753



ティッシュここに置いときますね
 _,,..i'"':,
  |\`、: i'、
  .\\`_',..-i
   .\|_,..-┘


759 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/16 08:23 ID:???]
>>757
撮影してるときだけじゃない?
やってる最中にとれるさ(何を?)

760 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/16 10:20 ID:???]
うーむ
女装の時はカツラか髪長い方がいいな
長さはレイくらいまで
髪短い時は男子制服の方が萌える

761 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/16 15:41 ID:???]
ハゲドウ。

762 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/16 20:12 ID:???]
>>758
おかわり!
いや、続きが待ち遠しくてモエモエ研究所の方に行ってたもんで

763 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/16 20:33 ID:???]
徐々に馴染んで(堕ちて)いく経緯表現に、自髪も伸ばしていく、というのは一応ありかなあ?
同じになったら一丁あがり、と――ただこれきっちり時間かけていくんでないとシンジがシンジでなくなってしまうのがどうにも(何を今更)

764 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/16 20:40 ID:???]
その辺の心情の変化の経緯をきっちり書けるならありかと。
これはTSシンジの場合にもあてはまりますな。

765 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/04/17 00:04 ID:???]
「自分じゃわからないかも知れないけど、今のお前、どっからどう見たって女
にしか見えないぜ」
「……」
 笑って言うケンスケを、シンジは渋面を作って睨みつけたが、
「その格好だと、怒った顔でも可愛く見えるよ」
 余計にケンスケを、にやにやさせてしまう。
「じゃ、始めようか」
 ケンスケがカメラを手に取る。シンジはこれから行われることを思い出して、
怒りを忘れ不安に震えた。
「ほんとに、僕の写真を売るつもりなの……?」
 無駄だと知りながらも、つい聞いてしまう。
 ケンスケは、人差し指を左右に振りながら舌を鳴らした。
「違うだろ? これから撮影するのは、シンジじゃなくて、どこにも存在しな
い謎の美少女さ」
「で、でも、ばれないかな?」
 いくら女子制服を着て、かつらを被っているとはいっても、見る人が見れば
その正体がシンジだと簡単にわかってしまうのではないだろうか。むしろ、気
づかれないほうが不自然な気さえする。

766 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/04/17 00:04 ID:???]
「かもな」
 ケンスケは、あっさりと言い放った。
「なっ……」
 あまりに無責任な発言に、言葉が出ない。嘘でも「だいじょうぶ」「わから
ない」と言ってくれれば、少しは不安や恐怖を紛らわすことができるに。ケン
スケはシンジの不安を煽っているようにしか思えない。
「嫌なら、やめてもいいんだぜ。霧島との写真は売らせてもらうけどな」
「うぅ」
 シンジは、唇を強く噛み締めた。やめられるわけがない。最初から選択肢な
どないのだ。
「撮ればいいだろっ」
 自棄気味に吐き捨てる。
 と、短く溜め息をつき、ケンスケがカメラを置いてしまう。
「なんだか興ざめだな。そんな言い方されると」
「え……?」
「何度も言うけど、僕はやめたっていいんだぜ。あっちの写真の方が、売り上
げも断然いいだろうしさ」



767 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/17 00:10 ID:???]
型にハメにキタ━━━━━y=ー( ゚д゚)・∵. ━ン!!

768 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/17 00:36 ID:???]
GreenGablesにある投稿作のエヴァンゲリオンMAIの続きを待っているんだが、
たぶんもう永遠に続きは投稿されないんだろうなあ

769 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/17 00:36 ID:???]
連日の投下、ありがとうございます。

770 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/17 01:12 ID:???]
>>768
サイト自体が自然消滅しそうな予感も

771 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/17 09:14 ID:???]
うひゃー、とことんケンスケ鬼畜だなぁ…しかも結構似合ってるのがなんとも。
オレは基本的には、創作でショタとか♂はかわいそうと思わないタイプなんだが、
それでもムゴイと感じたw
アスカやレイと違って、彼独特の陰湿さでこれからどんどんねちっこく責めていくんだろうなぁ。
期待。

772 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/17 10:47 ID:???]
黒ケンスケでは「相田ケンスケの策略」っつー雛型があるからねえ。
あれはいい造形だった。

773 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/17 10:57 ID:???]
ケンスケの一人称は「僕」ではなく「俺」「おれ」「オレ」系でおながいします。
ばーちゃんオレオレ。

774 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/17 15:32 ID:???]
このままシンジきゅん(美少女モード)の純潔を奪ってしまうのか?!
がんばれ、黒ケンスケ!w

775 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/17 16:39 ID:???]
やってる間にかつらがとれ(ry

776 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/17 17:22 ID:???]
>>775
そういうのも(・∀・)イイ!



777 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/17 17:27 ID:???]
奪うのかYO!?

羞恥と倒錯で攻めて欲しい……。

778 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/17 17:55 ID:???]
いいや、
「オレの処女やるよ。さあ」
と、無理矢理押し付けるのだw

779 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/17 20:12 ID:???]
女装に当惑するシンジってのは、倒錯シンジ萌えの重要ファクターですな。
自分では認識していなかった己の価値に気付き、更に当惑がエスカレートしていく様は
可憐シンジファンの自分にとってはかなりなご馳走。

780 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/17 22:35 ID:???]
で、今回ケンスケが撮る(であろう)シンジキュンの写真は幾らで売ってもらえるんでつか?

781 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/17 23:50 ID:???]
>>779
それでだんだん女言葉になったり仕草が色っぽくなったりするとw

782 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/18 00:02 ID:???]
「ボク、こんなコじゃないのに……アアン」
萌え氏ぬ。

783 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/18 00:09 ID:???]
>780
一枚拾萬円也

784 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/18 00:24 ID:???]
嫁のへそくりで3枚買ったっ!

785 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/04/18 05:00 ID:???]
 シンジは、うろたえた。ここでやめられてしまっては、何のためにこんな格
好までしたのかわからない。
「そんな……撮ってよ。僕を、撮ってよ」
 自分でも何を言ってるんだろうと思うが、ケンスケに機嫌を直して欲しい一
心で言う。
「まだ、頼む態度じゃないよな?」
 ケンスケの視線は、依然として冷たい。
 シンジは、必死にケンスケの気に入りそうな台詞を考え、口にした。
「……お、お願いします。僕を撮ってください」
 頭を下げて言ってしまうと、なんだか本当に自分が女装しての撮影を望んで
いるようで、情けない気持ちになる。
「だよな。俺は、シンジがどうしてもって言うから撮ってやるんだぜ」
 ケンスケは途端に上機嫌になって、再びカメラを手にした。最初から、やめ
る気なんてなかったように思える。
「じゃあ、そこの椅子に座ってみてくれよ」
 カメラを構えながら、ケンスケが言う。釈然としないものを感じながらも、
またへそを曲げられては困るので、シンジは素直に指示に従った。
「ん?」
 唐突に、ケンスケが訝しげな声を出す。
 シンジは、不安になって聞き返した。

786 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/04/18 05:01 ID:???]
「な、なに?」
「いや、言うまでもなく、女の子の座り方になってるんだなって思ってさ」
 言われて見下ろすと、確かに足を閉じ傾けた女の子の座り方になっている。
意識したのではなく、スカートでは内腿をぴったりつけていないと落ち着か
ないし、自然とそうなってしまったのだと思う。
「案外、満更でもないんじゃないか?」
「ち、違うよっ」
 シンジは、顔を真っ赤にして否定した。
 ケンスケの指示通りに、様々なポーズをとる。想像していたほど際どい格好
はないが、本来男であるシンジにとってはほとんどが初めてする仕草や、体勢
だった。
(昔の人は、カメラに魂を吸われるって思ったらしいけど……)
 ケンスケの手でシャッターが押される度に、確かに何か大切なものが自分の
中から失われていくような気がする。
 と、ケンスケが動きを止めた。
「う〜ん、どうも表情が固いんだよな。もっと、自然にできないか?」
「そんなの、できるわけないよ」
 女装で自然な表情などできてしまったら、それこそ不自然だ。
「まっ、怯えた表情ってのもそそるかもな」
 ぞっとすることを言われて、シンジは身震いした。
(なんだよ、そそるって……)



787 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/18 09:46 ID:???]
個人的に今回の微熱氏の作品は一番「鬼畜」な感じがするなぁ。
いままでは、甘美だったり愛ゆえにの責めが多かったけど、
今回は冷たいなぁ。これからどうするのか期待。

788 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/18 10:28 ID:???]
Sッ毛のある漏れて男してはハァハァ

789 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/18 10:42 ID:???]
それはちと早計かと。
どのキャラも最終的にはシンジきゅんの魔性の魅力にとりつかれてしまうのさ。

790 名前:787 mailto:sage [04/04/18 10:52 ID:???]
>789
てか微熱氏は常にいままでもオレらの
浅はかな予想を裏切り、かつ期待を裏切らないからね。
最後はマジで楽しみ。

791 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/18 12:53 ID:???]
>ケンスケは途端に上機嫌になって、再びカメラを手にした。
>最初から、やめ る気なんてなかったように思える。
こーゆーさり気ないけど他の作品にはない描写が、微熱節だよなぁ。

792 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/18 16:31 ID:???]
ところで今回シンジキュンが着た制服は幾らで売って貰えるんでつか?

793 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/18 16:32 ID:???]
微熱氏降臨でスッカリ忘れてたけど今日は847氏も来る日ではないか!
うほー同時に2作読めるとは し あ わ せ

794 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/18 21:37 ID:???]
うむ、847氏を読まないと一週間が終わらんというか始まらんというか…

795 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/19 09:25 ID:???]
ケンスケどっから制服手に入れたのかなあ……
まさか黒幕が居る?

796 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/19 12:57 ID:???]
ふつーにケンスケ自体の繋がりでブルセラっぽい繋がりがありそう。

無くても「シンジに着せる」と言えばいくらでも提供しそうな女子は居るだろ?



797 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/19 12:59 ID:???]
桃井の報復w

798 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/04/19 18:05 ID:???]
「んじゃあ、次は四つん這いになってくれよ」
「四つん這い?」
 嫌な予感を覚えて、聞き返す。いよいよ卑猥な格好をさせられるのだろうか。
「ああ、尻をこっちに向けてな」
 シンジは、しぶしぶケンスケの言葉に従った。
「もう少し、尻を上げてくれ」
「え……」
 シンジは動きを止めた。この短いスカートでそんなことをしたら、下着が見
えてしまう。
「早くしろよ!」
 ケンスケが語気を強めて言う。シンジは仕方なく、お尻を少しだけ持ち上げ
た。
「ねえ、この格好だと、その……パンツ見えちゃわない?」
 恐る恐る聞いてみる。
「もう、見えてるぜ」
「っ!?」
 思わぬ答えを聞いて、シンジは慌ててスカートを手で抑えようとした。瞬間――
 シャッターが切られる。
「顔を真っ赤にして、必死にパンツを隠そうとする美少女。いやぁ、いい画が
撮れた」
 満足気にケンスケが言う。
 シンジは、羞恥に変わって怒りが沸いてくるのを感じた。感情まで弄んで利
用するやり方に、憎しみさえ覚える。
 次の撮影は、ベッドの上だった。リボンを解き、ボタンも上からふたつ外し
て、仰向けに寝る。

799 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/04/19 18:07 ID:???]
(もう、ケンスケの思い通りになんてならない)
 この時間が過ぎるのを、じっと耐えよう。何も考えない。何も思わない。だ
から、何も感じない。それが、シンジにできる精一杯の抵抗だった。
 ケンスケの言葉に、ただ機械的に従う。瞳には天井だけを映す。そうしてい
る内に、酷く覚めた第三者的な感覚を手に入れることができた。
 シャッターを切る音。フラッシュの光。荒い息。それらが、情報として脳に
伝わる。
 と、シンジは違和感を覚えた。
(荒い息?)
 自分のものではない。ということは――。
 ケンスケを見ると、先ほどまでとは違い黙々とシンジを連写している。なん
だか鬼気迫るといった感じだ。
「ケンスケ……?」
 声を掛けてみるが、反応がない。
 ケンスケは、だんだんとシンジの身体に近づいてきた。まったく、不必要に。
 シンジの眼前にまでカメラが近づいて、シャッターが切られる。これではま
ともに撮れるはずもない。
「ケンスケっ!」
 恐怖から叫ぶと、ようやくケンスケはカメラの構えを解いた。
「あ……あぁ、疲れたな。今日は、これくらいにしようぜ……」
 言葉通り、酷く疲れた様子で言う。
「じゃあ外出とくから、着替えろよ」
「うん……」
 うなづいて、ケンスケが部屋から出て行くのを見送るが、シンジは彼の下腹
部がはっきりと膨らんでいたことに気づいてしまっていた。

800 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/19 19:02 ID:???]
よ、よちゅんびゃい・・・赤い顔して必死に・・・(;´Д`)ハァハァハァハァ・・・・・・ウッ!
おい!誰か早くティッシュをくれ!

801 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/19 19:18 ID:???]
ティッシュ! プリーズ!!

802 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/19 19:45 ID:???]
いやぁ今度の連載は手応えずっしりだなぁ。
一見ステレオタイプなスケベ少年、その実高度なフェティッシュを内包したマニアですか。
マユミ編連載のときとおんなじ感触ですな。
あれもただのストーカー少女ものに見せかけて、実は変態性欲者の愛情表現と情動が
テーマだったと自分は認識しております。

803 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/19 19:57 ID:???]
エヴァ板一の良スレだと胸を張って言ってみるテスト

804 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/19 20:05 ID:???]
ティッシュ準備完了!

 _,,..i'"':,
  |\`、: i'、
  .\\`_',..-i
   .\|_,..-┘
 _,,..i'"':,   
  |\`、: i'、
  .\\`_',..-i
   .\|_,..-┘


805 名前:  mailto:sage [04/04/19 23:51 ID:???]
微熱氏を追いかけて、初めてこのスレに来ました。
ざっと目を通させてもらいましたが、
なんというか・・こんな世界もあるのねって思いました。


806 名前:847 mailto:sage [04/04/19 23:54 ID:???]
少年は、ただ歩いていた。 当て所も無く。 何も考えず、考えられずに。
段々と強くなる雨が靴の中に滲み込み、濡れた靴下が踏みしめる足に張り付く。 耳に
差し込まれたイヤホンからは少し前―少年が此処に居なかった頃だ―流行った女性
ヴォーカルの声と軽いリズムの音楽が流れていたが、それも少年の心に雫を落とす
役目を果たさなかった。
彼は後悔していた。 少女を、妹を詰ってしまった事に。
解っていたのだ、自分の力が足りないだけだと。 だが、悔しかった。 守らねばならぬ
少女に見せる、己の姿に対して。
その怒りを少女へと向けてしまった自分へ対する、やり場の無い憤りを胸に抱え、少年は
ただ歩いていた。
その時、少年の後ろから声が聞こえた。
「お、シンジ君じゃないか」
振り向いた少年の目に、無精髭を生やし、長い髪を後ろにまとめた男―加持リョウジ―
の姿が映った。



「…で、君は逃げ出してきたって訳だ」
加持の言葉に、思わず少年は立ち上がって反論する。
「そんな、逃げ出してなんか!」
だが、他の客の好奇の目に晒され、少年は顔を赤くして座りなおす。
繁華街から程近い喫茶店に二人は居た。 と言うより、加持が半ば無理やり連れて来た
のだ。 少年は勧められるままホットココアを飲み、気付いた時には顛末を話し始めて
いた。



807 名前:847 mailto:sage [04/04/19 23:55 ID:???]
悪かった、悪かったよ。 だからそんなに興奮するもんじゃないさ」
苦笑を浮かべながら謝る加持に、少年は毒気を抜かれ、憮然とした表情を作る。
―ミサトの奴、面倒な仕事押し付けやがって―
そう思いながらも加持の表情は柔らかい。 歳の離れた弟と会話する事は、彼にとっても
良い気分転換になっているらしかった。

「用が無いんなら、僕帰ります」
そう言って再び立ち上がりかけた少年を、加持の言葉が釘付ける。
「何処にだい?」
「……」
少年の声無き声を解したのだろう、加持は更に続ける。
「例えば今君が自分の家に帰ったとして、どうするつもりだい?」
「それは…」
俯き、小さな声を絞り出す少年。
「だから、俺の話をちょっと聞いてみないか、って事だ」
打って変わって薄い笑いを浮かべ、軽妙な調子で言葉を綴る加持に抗う術も持たず、
少年は席に着く。

加持は煙草に火を付け、窓ガラスに流れる雨の雫を眺めながら少年に問う。
「君は、人と話すのが好きかい?」

808 名前:847 mailto:sage [04/04/19 23:56 ID:???]
「…それが、シヲリと関係あるんですか」
押し殺した少年の声に眉を動かす事無く、加持は紫煙を吐き出し、答える。
「苦手なんだな、人と言葉を交わすのが。 だから、そうやって誤魔化そうとする」
「な…!」
眼を大きく見開いた少年に対し、加持は言葉を少年に差し出す。


「いいかシンジ君、これだけは覚えておけよ。 大事な人に伝えたい、本当に大切な事は、
口で言わなきゃ伝わらない。 好きとか、嫌いとか、幸せだとか、不幸だとか、嬉しい、
悲しい、そういったもの全部だ。 『眼を見れば解る』、あんなのは嘘も良いとこ
なんだよ。 …そりゃあまあ、ある程度は伝わることも有るけどな。 でも、本当の
本当に大切な、伝えたいことが有るんなら、言葉にして伝えなきゃ、相手の心には
届かない」
俺は失敗したからな、と加持は嗤う。
自分は大事な、護りたい人間を失ってしまったから。 あの時、愛していると伝えて
いたら。 それは青春の終わりの苦い想い出。

「…ちょっと喋り過ぎたかな。 ここの勘定は払っておくから、もう少し考えると良い」
加持は、いつもの調子でそう言って、伝票を振りながら出口へと歩いて行った。

―こりゃシンジ君に嫌われたな―
たまには、雨に濡れながら帰るのも良いものだ、加持は空を見上げた。

809 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/20 00:00 ID:???]
お待ち致しておりました。乙です。

ここで加持ですか!
俺のシナリオにはなかったぞw

810 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/20 00:20 ID:???]
847氏お疲れ様です。
これでまた一週間頑張れますわ。

漏れはてっきりその場にいなかったヒカリンあたりと接触するもんだとばかり…
加持初登場がこんな形で実現するとはまさに予想外のできごと。

このシンジはシヲリに甘やかされて変に満たされてたようですのでいつか破綻が起きるの
ではないかと期待していましたが、さて、どうなることやら…

811 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/20 12:06 ID:???]
847氏乙でしたー
加時さん登場とは
エロなくても面白いっす
これからもガンガレー

812 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/20 18:48 ID:???]
投稿サイト行って初めの方読み直してきますた。
ぬぅ、847氏め、内容が全然違うじゃないかw
でも今のシリアス路線もおもすろいです。がんがれ!

813 名前:88 mailto:sage [04/04/20 18:56 ID:???]
847さん、微熱さん、乙です。
微熱さんの作品は以前からエロパロ板の方で読ませていただいてましたが、
まさかこちらに来ていただけるとは。嬉しい限りです。

>847さんへ
連絡が遅れてすみません。この度私のサイトのURLが変わりました。
旧URLからは自動的に飛ばされるようになってますが念のためお知らせしておきます。
www.ric.hi-ho.ne.jp/lynn/
新しいメールアドレスの方も同様にサイト内に書いてあります。

それでは、今後ともよろしくお願いします♪

814 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/20 21:07 ID:???]
ここはティッシュの消費量が膨大なインターネットですね

815 名前:847 mailto:sage [04/04/20 23:38 ID:???]
皆さん、どうもです。
流れを切ってしまって申し訳ありませんでした>微熱氏

>>813
了解いたしました。 出来るだけ早く投稿したいと思っております。

…エロを書きたいのに何故シリアスになってるのかは、本人が
一番疑問に思っております (ノД`)
申し訳ございませんが、もう少しだけお付き合い下さいませ。

816 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/04/22 16:58 ID:???]
>>815
お気になさらずに。
こちらこそ、お邪魔させて頂いている身ですので。



817 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/04/22 17:01 ID:???]
 数日後、シンジは再びケンスケの部屋を訪れていた。
「いやぁ、おかげさまで前回の写真は大好評だったぜ」
 ほくほく顔で、ケンスケが言う。
 信じられず、シンジは聞き返した。
「ほんとに僕の写真なんか売れたの……?」
 気味悪がられて、一枚も売れないのではないかとシンジは思っていた。そう
なれば、もうこんな馬鹿げた撮影会をする必要はなくなるとも。
「あぁ、売れた、売れた。売れ上げの記録更新だよ。惣流よりも、霧島よりも、
綾波よりも売れたんだぜ」
「うそ……」
 思わずつぶやいてしまう。あの三人よりも、女装した自分の写真の方が売れ
るなんて絶対に有り得ない。
「なんか嬉しそうだな。口元がにやけてるぜ」
 ケンスケに指摘されて、シンジは慌てて口を手で隠した。嘘だ。からかわれ
てるだけだ。自分は口元を綻ばせてなんかいない。喜ぶ理由なんて、どこにも
ないんだから。
「嬉しいわけないだろっ」
 男っぽい口調を意識して言う。が、返って不自然になってしまったのか、ケ
ンスケに嘲笑されてしまう。
「ほら、お前の分」
 言って、ケンスケが現像された写真を差し出してくる。
「い、いらないよ」

818 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/04/22 17:02 ID:???]
 突き帰そうとするが、
「いいから。記念だから持っとけよ」
 強引に手に持たされてしまう。
(なんの記念だよ)
 胸中で毒づく。何気なく写真に目を落として、シンジはそこから目を反らせ
なくなってしまった。
「え……」
 そこには、見たこともない――しかし、よく知っているはずの――美少女が
少しエッチなポーズで写っている。
(これが……僕……?)
 雑誌に載っているヘタなグラビアアイドルより、ずっと可愛く見えてしまう。
(こういうのも自画自賛なのかな……?)
 溜め息さえ漏れそうになるのを、シンジはなんとか堪えた。軽く頭を振って、
写真をポケットに雑に突っ込む。
(僕は、こんなこと嫌で嫌で堪らないんだ)
 心の中で何度も繰り返し、ケンスケに聞く。
「ねえ、こんなこといつまで続ければいいの? 今日で、最後にしてくれる?」
「そりゃ、需要がある限りは撮らせてもらうさ。いつまでもね」
 さも当然のように、ケンスケは答えた。
「いつまでもって――」
 反論しようとするが、言い終わらぬうちにケンスケに遮られてしまう。

819 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/04/22 17:03 ID:???]
「あんまりガタガタ言うなよ。エヴァのパイロットの仕事だって、霧島とのデ
ートだって考えてスケジュール組んでやってるんだぜ。少しは感謝しろよな」
 感謝なんか、できるはずがない。そう思うが、これ以上言い返しても逆効果
にしかならない。シンジは口をつぐんだ。
「今日は、これを着てもらうぜ」
 ケンスケがクローゼットから取り出したものを見て、シンジは目を疑った。
女子の体操服の上下だ。
「じょ、冗談だよね……」
 シンジはなんとか笑おうとしたが、渇いた声は震えるだけだった。
「なんだよ。嫌なのかよ。じゃあ、こっちだな」
 ケンスケが、もう一着クローゼットから取り出す。それを見て、シンジは今
度こそ自分の目がおかしくなってしまったのだと思った。そう思わずにはいら
れない。
「……」
 しかし、何度目を擦っても、目を瞬かせても、それは――女子用のスクール
水着は姿を変えはしない。
「どっちがいいんだよ?」
 ケンスケが、右手に体操服、左手に水着を持って迫る。シンジは、こんな究
極の選択を自分の運命に用意した神を呪わずにはいられなかった。
 どちらかを選ぶ以外、道はどこにもない。
「早くしろよ。時間がもったいないだろ」
 眼前にふたつを並べられ、シンジは恐る恐る指差した。

820 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/22 17:20 ID:???]
ティッシュを…
誰かティッシュプリーズ!

821 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/22 17:24 ID:???]
おつ。         
これでスク水を指差したら笑える。

822 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/22 18:28 ID:???]
当然水着だろ。

823 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/22 21:16 ID:???]
今晩あたり120%必要になるであろうティッシュ置いときますね…

 _,,..i'"':,
  |\`、: i'、
  .\\`_',..-i
   .\|_,..-┘

824 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/22 22:33 ID:???]
まあ体操服だと胸さらけ出しちゃうからな。
スク水なら股間も最低限は守れるし、シンジキュンの選択は妥当なものでしょう。

825 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/22 23:15 ID:???]
>>823
おかわり!

826 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/24 00:14 ID:???]
返事がない……チンコを勃起させて続きを待っているようだ



827 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/24 00:27 ID:???]
おまいらの性欲に尽きがないのはわかるが、精力にも尽きがないのでつか?

828 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/25 02:11 ID:???]
むしろ鼻血を吹きそうなのですが。

ポケットに突っ込んだ写真の行方が気になる……

829 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/04/27 17:50 ID:???]
「体操服でいいんだな」
 ケンスケの確認に、目を伏せて頷く。仕方がない。水着よりは、
いくらかましだ。
「最初っから、そうすればいいんだよ。余計な手間取らせるなよな」
 ケンスケが体操服を投げてよこす。手に抱えたそれを見下ろしながら、シン
ジは心を凍りつかせようと努力した。
(これは夢。悪い夢なんだ)
 目が覚めれば、別の世界のことになる。だから平気だ。我慢できる。
 気持ちの整理をつけ着替えようとするが、ケンスケがまだ部屋の中にいる。
「あ、あの……」
「なんだよ、早く着替えろよ」
「だから……外、出ててよ」
「この前は緊張してるだろうと思って気を利かせてやったけど、よく考えたら
男同士だもんな俺達。いたって別にいいだろ?」
 ケンスケの言い分に、シンジは面食らった。正論ではあるかもしれない。け
れど――。
「やだよっ。出ててよっ」
 シンジは大声で叫んでいた。ブラジャーやショーツを身に着けるには裸にな
らなければならないし、何よりそれらを身に着けていく過程を観察されるのは
耐えられない。
 ケンスケは少しの間憮然とした表情で固まっていたが、口を開くと、
「なんで、そんなに嫌がるんだよ。何なら、着替えるの手伝ってやろうか?」
 シンジに向けて一歩、足を進ませた。怒りを押し殺したような表情が、恐ろ
しい。本当に、力ずくで無理やり着替えさせられてしまうかもしれない。
「わ、分かったよ。着替えるから」
 シンジはケンスケに背を向けた。
(これは夢なんだ。これは夢……)
 また何度も、何十回も胸中で懸命に繰り返す。

830 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/27 20:01 ID:???]
体操服キターーー!

831 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/27 20:07 ID:???]
だんだんエスカレートしていきますなぁ。
ああ、シンジきゅん危うし!ハァハァ

832 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/28 04:09 ID:???]
エヴァGをふと読みなおした。
プロットは最低なのにやっぱり面白いわ、これ。
でもTSシンジより後半は他のキャラの活躍の方に目が向くのはいかがなものか。
特にケンスケ。

833 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/28 09:59 ID:???]
うわわわわわわああああああああ、鼻血がああああああああああ

834 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/28 10:13 ID:???]
折れは普通に女に興味がある人間なのに、なんでシンジきゅんには
こんなに萌えられるんだ・・・

835 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/28 11:11 ID:???]
まぁ確かにシンジは♂なんだけど、あの年代って奴に限らずセックスがまだ未分化ぽいんだよね。
(同性の)親友に対する感情なんて本来なら友情の筈なんだけど、嫉妬を覚えたりする辺り多少
性愛ぽかったり。

あ、俺はもちろんノンケwっすけどね。
お陰でケンスケ→シンジはエグい人向けかなぁなどと思ってたりする。
どーゆー意味かって問われるなら、性未分化シンジに萌えを覚えている、っていうのかな。
ケン→シンじゃ通りいっぺんの801ぽく感じるつーか。

俺的萌え(未分化)シンジは、むしろ自分以外の女の子を撮るケンスケに嫉妬を覚え
更にその感情に戸惑いまくってくれるシンジ?
いや、ほんっといいコなんだよねシンジってw

836 名前:834 mailto:sage [04/04/28 12:47 ID:???]
そうか、俺は実はエグい人だったのかorz

汚されちゃったよぅ・・・




837 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/28 18:50 ID:???]
>>835
そっちのシンジの方が801っぽいね。

838 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/29 00:58 ID:???]
スレを最初から読んでみた

萌え死ぬ

839 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/29 09:47 ID:???]
前スレもやばいよ

840 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/29 11:59 ID:???]
>>828
アスカに見つかって大騒ぎとか?
「誰よコイツは!?・・・!?・・・・もしかしてこれアンタ?」

841 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/29 12:09 ID:???]
自分の写真に恋しはじめるシンジ

842 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/29 15:29 ID:???]
女装して鏡にキスするシンジきゅん(;゚∀゚)=3ハァハァ

843 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/29 15:58 ID:???]
そこをアスカに発見されて・・・

844 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/04/29 18:00 ID:???]
(だいじょうぶ、これは夢) 
 意を決して上半身だけ裸になり、詰め物を入れたブラを着ける。酷く滑稽な
姿だ。
 体操服の上を着て、ズボンを脱ぐ。そこで、シンジの手は止まってしまった。
 思わずちらりと後ろを見てしまい、シンジは後悔した。、ケンスケが腕組み
をしてこちらを凝視している。そのことを意識すると、ブリーフに掛けた手が
余計に固まってしまう。
「どうしたんだよ? やっぱり手伝ってやろうか?」
 ケンスケが剣呑な台詞で急かす。
(あぁっ、もうやだよぉ……)
 シンジは、体操服を精一杯下に伸ばして――サイズが小さいせいで、ほとん
ど隠すことはできなかったが――ブリーフを脱いだ。
 できる限りの最速のスピードでショーツを穿き、さらにブルマも穿く。着替
え終えられてホッとするが、体操服も羞恥を溢れさせるものに違いはない。
 シンジは顔を赤くして、ケンスケの方にゆっくりと振り返った。
 ケンスケは顎に手を当て、シンジをしげしげと見つめてから、
「可愛いな」
 ぽつりと、言った。
 シンジの胸が、びくりと跳ねる。
「か、可愛い……?」
「あぁ、クラスの女なんか比べもんにならないぜ」
「そ、そんなこと……あるわけないよ……」

845 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/04/29 18:01 ID:???]
 身体が、だんだんと恥ずかしさとは違うもので熱くなってくるのを、否定す
るように言う。
「なら、見てみろよ」
 ケンスケが、姿見の前にシンジを引っ張った。
 髪の短い体操服姿の女の子が、鏡の中にいる。
(これが、僕……?)
 体中が、激しく熱を帯びていく。それは恥ずかしさのせいじゃない。
「なっ、可愛いだろ?」
(うん、すごく……可愛い……)
 シンジは、胸中でケンスケに同意した。顔を伏せがちにしているその姿が、
儚げで堪らなくいとおしい。
(どうしちゃったんだろ、僕? これは――この娘は僕なのに……)
 不意に身体の一部が急激に膨らんで、シンジは慌ててそれを手で抑えた。
「か、かつらは?」
 ケンスケに気づかれないように、話を逸らす。
「あぁ、今日はつけなくていいよ」
「で、でも、それじゃあ……」
 写真を撮っても、シンジが女装した姿だと確実に分かってしまう。
「おまえは、俺の言うとおりにしてればいいんだよ。ほら、撮影始めるぜ」
 そう言い切られてしまうと、機嫌を損ねるのが恐ろしくて何も反論できない。
 と、ケンスケがシンジの不自然な格好に気づいた。
「ん? なんでそんなとこ押さえてるんだよ?」

846 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/29 18:28 ID:???]



ティッシュここに置いときますね
 _,,..i'"':,
  |\`、: i'、
  .\\`_',..-i
   .\|_,..-┘



847 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/29 18:30 ID:???]
神様、乙でした。
やべぇシンジがエロカワイイ。
興奮が収まらねぇ

848 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/29 18:33 ID:???]
自分に欲情するシンジきゅん・・・

849 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/29 20:17 ID:???]
本物のオナニーですな

850 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/29 20:58 ID:???]
ナルシズム全快ですな。

851 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/29 21:30 ID:???]
んで、漏れらはそれを見て欲情すると。

852 名前:847 mailto:sage [04/04/30 01:03 ID:???]
少年は、走っていた。 傘を忘れてきた事にも気付かずに。 雨に打たれるその眼は、
少女やレイが未来を見た、黒い、澄んだ夜空の様で。

加持の言葉に穿った見方を出来る程少年は大人では無かったし、また、加持に嫌悪を抱く
程には少年は子供では無かった。
少女に、謝らなければいけない。 それだけを思って、少年は走る。 その行為は言わば
少年の単なる自己満足に過ぎないものであったし、その事に少年は気付いていなかったが。
それでも、いや、だからこそその行動によって少年の内部は透き通り、少女やレイの様に
少年へ惹かれる者が居るのかもしれなかった。


扉の前に立つ少年。 少女に責められる覚悟は既に、出来ている。 だから、少年は
迷わず扉を開けた。
謝ろう。 少女に、悲しい思いをさせてしまった事に。 自分の全てを以って。
「ただいま…」


しかし、その言葉を聞くべき者は、今、此処に居なかった。

853 名前:847 mailto:sage [04/04/30 01:04 ID:???]
数時間前。

灰色の河が、天を流れている。 それは濃い灰色となり、薄い灰色となり、左から右へと
緩やかに、全てを包み込む様に。
少女は、雨に打たれていた。 己の不甲斐無さに唇を噛み締めながら。
部屋着にしていたクリーム色のTシャツとデニムのホットパンツが雨に濡れ、裾から水が
滴る。 それでも、少女は動かなかった。 まるで、こうする事が少年への償いである
のだ、と言わんばかりに。 それは、空を牧師とした懺悔だった。


その時、少女の上に後ろから傘が差し出された。
「…別に心配したわけじゃないのよ、コンビニの帰りに見かけただけなんだから!」
振り向いた少女の目に映ったのは、アスカ。
「ほら、帰るわよ」
そう言って少女へ傘を渡し、出口へと向かって歩き始めたアスカだったが、後ろから
少女が付いてくる気配が無いことに気付き、振り返った。

「…まだ、ここに居るよ」
少女のその言葉に口を開きかけたアスカだったが、少女の表情を見、口を閉ざした。

―そんな顔されたら、何も言えないじゃないの―
少女がただ悲しみに暮れていただけだったら、アスカは黙っていられなかっただろう。
だが、少女の眼に宿っていたのは悲哀や、落胆では無かった。 そこに見えるのは、
決意、そして覚悟。 その眼は奥が見えないほど黒く、空を映したように濁ってはいたが。
初めて少女のその眼を見たアスカは、一言声を掛け、帰っていった。
「気が済んだら、帰って来なさいよ」
と。

854 名前:847 mailto:sage [04/04/30 01:05 ID:???]
一時間程後、自宅に戻った少女が見たのはボストンバッグを抱えたアスカと、何処かへと
電話を掛けているミサトだった。
「―じゃあ、そういう事だから」
ミサトは、受話器を本体へと戻す硬質な音と共にアスカの方を向き、言う。
「良し、シヲリちゃんも帰ってきたことだし、準備できたら行くわよ、アスカ」
「え…?」
状況が掴めずに居る少女に、アスカが継いで言う。
「今からアンタと一緒にネルフへ行くのよ、ユニゾンの特訓しにね」
「悪いけど、もう余り使徒が来るまで時間が無いの。 次の作戦はアスカとシヲリちゃん
のユニゾンで行くことに決まったから、シヲリちゃんも準備して。 …あ、でもその前に
シャワーでも浴びて来なさい。 風邪引いちゃうわ」
ミサトの言に、シヲリは戸惑いながら問う。
「え、お兄ちゃんじゃ…」
ミサトは仄かに笑みを浮かべつつ、少女を諭す。
「シンジ君には私から言っておくわ。 暫く此処には帰れないと思うけど、そんな長くは
ならないから、我慢してね」

そして、少女達は彼の地へ赴く。 独り、少年を残して。

855 名前:847 mailto:sage [04/04/30 01:06 ID:???]
同時刻。

「碇、これで良かったのか」
薄暗い司令室の中、冬月が問う。 主語は、碇シヲリ。
「ああ」
冬月の方に振り返りもせず、ゲンドウは答える。 その眼は、正面を見据えたまま、
微動だにしない。

「なら構わんが…何故、今になって許可を出したりしたんだ」
それは、突然と言っても良かった。 シンクロテストすらまともにさせず―作戦部から、
と言うより葛城ミサトから再三の要求が出ていたにも関わらず、だ―にいた少女を、今に
なって何故。 作戦部長の要請が有ったにしろ、冬月にはそれは理不尽な決定に思えて
ならなかった。
再びゲンドウの口が開く。
「…老人達への薬だよ」
「そうか」
冬月はそれを信じる訳では無かったが、これ以上詰問しても望んだ返答が得られぬと悟り、
口を噤んだ。

その薬は、死へと誘う毒薬である様に冬月には思えてならなかった。 そしてその効果は
老人達だけでは無く、自らも蝕まれる毒である様にも、また。

856 名前:847 mailto:sage [04/04/30 01:06 ID:???]
第七使徒は、倒された。
アスカとシヲリのダンス。 その華麗さと強さとは、オペレーター達、そして、赤木
リツコを驚嘆せしめるに充分であった。 そう、嘗て少女が経験した舞とは万倍も
異なっていて。

「…シヲリ、良かったね」
笑顔を見せる少年に、アスカと共に本部へと帰還した少女はこちらも微笑で答える。
「うん」


それは己の仕事に忙殺されていたミサトを責めるべきなのか、そのミサトに任せた少女を
責めるべきであるのか。 おそらくそのどちらでも無く、また、誰が悪い訳でも無い
のだろう。 ただ、残酷な事実だけが其処に横たわる。

少年へ、今日の緊急連絡まで連絡は無かった、と言う事実が。


勝利に酔う皆は、少年の笑みの浅さに気付かない。
赤い靴を履き、踊り続ける少年。 彼の脚を切る者は、未だ居ない。



857 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/30 01:56 ID:???]
           キター
キター       ((゚∀゚))
  ((  ))/■\ 
     (( ´∀`))
    ∧∧ ||
   ( ゚д゚).|| いつもより多く廻しております
    / づΦ

858 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/30 03:38 ID:???]
キタワァァァ
高まっていく疎外感、ですな。
負けるなシンジ
がんばれシオリ
しっかりしろミサト

アスカとシオリの仲が深まったかな?

859 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/30 03:49 ID:???]
やっぱり世界に同じ人間は一人しかいられんだよ。ふふふ。
なんか、どんな展開でもありって感じで良いのう。

860 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/04/30 09:51 ID:???]
両者ともに目が離せません!!

861 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/01 00:08 ID:???]
どっちも続きが気になる

862 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/01 23:59 ID:???]
なんか、シンジきゅんが・・・シンジきゅんがぁぁああああ!!!!



続き気になる。

863 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/02 03:26 ID:???]
んほう!Fateでセイバーにハァハァしてるうちに
大量投下されてるじゃありませんか(;´Д`)ハァハァ
何だかもの凄い豪華なスレな気がしてきた

864 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/02 11:22 ID:???]
月厨は(・∀・)カエレ!!

865 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/05/07 09:28 ID:???]
「な、なんでもない」
 首を振って否定しながら、必死に静まれと念じる。が、それは逆に大きさを
増してしまう。
「だったら手、どけてみろよ」
 ケンスケが、にやりと笑う。シンジがなぜ手をどけられないのか分かっていて、
わざと意地の悪い言い方をしているのだ。
「な、なんでもないったら」
 否定を続けながら、膨張を抑える時間を稼ごうとするが、
「どけろって言ってるんだよ! 俺を怒らせたいのか!?」
 大声でケンスケに怒鳴られ、シンジは身体をびくりとさせた。そこまで強く
命令されてしまっては、逆らうことはできない。
(お願いだから、小さくなってよ……)
 一縷の望みを託しながら、シンジはゆっくりと下腹部を隠している手を取り
去った。
「うぅ……」
 自己嫌悪から唇を噛み締める。願いも虚しく、ブルマははっきりと膨らんで
しまっていた。
「はっ、ははははっ。なんだよ、シンジ。やっぱり、女の格好するの好きなん
じゃん。自分を見て興奮してるんだろ?」
 ケンスケに嘲笑されても、何ひとつ言い返すことができない。理性に反して
勃起した自らの性器が、堪らなく憎かった。
(なんなんだよっ。こんな格好で勃起しちゃうなんて……ばかぁ。こんなの生
えてなければ良かった)
 と、連続してフラッシュが浴びせられる。
「ちょ、ちょっと、こんなとこ撮らないでよ!」

866 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/07 10:10 ID:???]
きたぁぁぁぁぁぁぁぁ



867 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/07 17:53 ID:???]
キタァァァ(゚∀゚)ァ( ゚∀)ァ( ゚)ァ( )ァ(` )ハァ(Д`)ハァ(;´Д`)ハァハァ


868 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/07 18:00 ID:???]
OK、ケンスケ。その写真、いちまんえんで譲ってもらおう

869 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/05/08 11:06 ID:???]
 シンジは狼狽して、ケンスケに掴みかかった。こんな姿を晒されたりしたら、
恥ずかしくてもう外に出ることなんてできなくなってしまう。
「なんでだよ? ブルマ穿かされて勃起してる男の画なんて、最高に笑えるじ
ゃんか」
 耳元に口を寄せ、ケンスケがシンジの羞恥を高める台詞を吐く。
「うぅ、酷いよ……酷いよ」
 恥辱の余り涙が出そうになり、シンジは弱々しく呻いた。と、ケンスケの足
がすっと動いたかと思うと、足を掛けられ床に倒されてしまう。
「きゃっ」
 悲鳴を上げたシンジの上に、ケンスケが覆い被さってくる。
「でも、興奮するのもしょうがないかもな。こんなに似合ってんだもんな。ま
るっきり女だぜ」
 ケンスケの手が、シンジの剥き出しの太ももを撫で擦った。
「ひっ」
 ぞっとする悪寒が走り、全身が総毛立つ。女性が痴漢やセクハラに合うこと
がどれほど耐え難い苦痛であるか、シンジは初めて実感した。
「ここ以外はな」
 言って、ケンスケはブルマの膨らみを撫でた。

870 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/05/08 11:08 ID:???]
「ひゃぁっ」
 ブルマ越しの微妙な刺激に、思わず上擦った声が漏れてしまう。
「感じてんのか? ほんと……どうしようもないくらい可愛いよ」
 ケンスケの顔が近づき、シンジの唇を塞いだ。
「うぅ!」
  太腿を触られた時とは比べ物にならない嫌悪感が一瞬で全身を支配し、シ
ンジはあらん限りの力でケンスケを突き飛ばした。
「変態っ!」
 勢いよく後ろに倒れたケンスケに向けて、侮蔑の言葉を吐き出す。
 ケンスケは頭を打ったらしく、後頭部を手で抑えながら起き上がった。
「変態はお互い様だろ? お前だって、女装した上に勃起まで見せてるんだか
らさ」
 そう言うケンスケの瞳は、底の見えない沼のようにほの暗く、見ていると引
きずり込まれてしまいそうな錯覚を覚える。
(僕は、違う……僕は変態じゃない……)
 心の中でケンスケの言葉に抗う。しかし、シンジの股間は、いまだに熱を持っ
てその存在を主張し続けていた。

871 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/08 11:08 ID:???]
う、うほっ!!!
すばらしいでつ・・・。

872 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/08 16:40 ID:???]
お、俺のシンジきゅんがケンスケなんかに喰われちまう〜
ハァハァハァハァハァハァうっ…
最低だ俺って

873 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/08 17:30 ID:???]
いろんな意味で過去最大のピンチだなあw
直前にマナといい思いしてるだけに……

874 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/08 18:31 ID:???]
こういう感じになるのかな(*´Д`)ハァハァ
ttp://eva-2ch.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/imgboard2/img-box/img20040508183025.jpg

875 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/08 19:20 ID:???]
…じょ…女装は最後の砦っつーか……小隊長! 自分の分隊は後退させます!!

876 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/08 19:41 ID:???]
>>869
>「きゃっ」
マアカワイイ



877 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/09 10:46 ID:???]
なんで、僕らのシンジきゅんはこんなに受けが似合うんだろう・・・。


このまま鬼畜ケンスケがんがれ!

878 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/09 10:54 ID:???]
>>874
勃っちゃった…otz
僕は、違う……僕は変態じゃない……

879 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/09 18:30 ID:???]
>>878
事実よ、受け止めなさい。
変態、いいわね。

880 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/09 19:51 ID:???]
>879
ミサトサン、ハケーン。

881 名前:847 mailto:sage [04/05/12 01:16 ID:???]
「ええっ、修学旅行行っちゃ駄目!?」
アスカの声がダイニング・キッチンに響く。 食事の後の洗い物―4人分だ―をしている
少女は表情を見られないのを良い事に苦笑する。
「そ、ネルフで待機」
食後に出された緑茶を啜りながらミサトは言う。
「そんなぁ、折角今日水着買ってきたのよ!」
アスカの言葉に、だがミサトは当然のように答える。
「だって、いつ使徒が来るかも分からないのに出かけさせるわけに行かないでしょ?」
「そりゃそうだけど―」
怒りの矛先を向けるべき所を決めかねていたアスカの目が、彼女の斜め前、つまりミサト
の横に座っている少年を捉える。 少年もまた、ミサトと同じ様に静かに茶を飲んでいる。
「アンタも何か言いなさいよ!」
「だって、行けないって思ってたし…」
少年は答える。
「……なっさけない男」
「なっ…」
嘲る視線に、少年は一瞬椅子から立ち上がりかけ、しかし諦めた様に座り直す。
「何よ、文句有るんなら言いなさいよね」
アスカの言葉に、少年視線を落とし、そして呟く。
「何でも無い…」

882 名前:847 mailto:sage [04/05/12 01:17 ID:???]
「…そ」
さほど興味が無さそうに答えたアスカは、顔を流しの方に向けると、少しばかり声を
張って言う。
「シヲリだって行きたいでしょ?」
ちょうど洗い物が終わったのだろう、少女は蛇口から流れる水を止めると振り返る。
「うん、まあ、ね…」
曖昧な笑みを浮かべる少女は、少年の顔色を窺う。 だがテーブルの上へ視線を向けて
いる少年の表情を識ることは出来ない。
そして少女は気付く。 ここ一週間、そう、少女が使徒を倒して以来、少年の眼を、あの
透き通る黒いモノを見ていない事に。
少女が話し掛けていない訳では無かった。 いや、むしろ日を追うごとに少女から
少年へと話す回数が増えているのだから、眼を見る回数が増えても良い筈なのだ。

―ボクが、使徒を倒したから?―
少女は脳の片隅で浮かんだ考えを、しかし取り除いた。 何故ならあの時、自分が本部へ
戻ってきた際に、少年は笑顔で祝ってくれていたから。

ならば何故なのだろう。 少女は傾げた首を戻す事が出来なかった。 偶々なのかも
しれない、と自分を納得させる少女。


仕方が無い事なのかもしれない。 少女の黒い瞳は周りを見渡せる程良く動かなかったし、
今日は、少女の身体の火照りを冷ます事が出来る日だったから。

883 名前:847 mailto:sage [04/05/12 01:17 ID:???]
「お兄ちゃん、入るよ…」
日付が変わるか変わらないかの時刻に、少女は少年の部屋の扉を静かに開ける。 もう
一人の同居人が起きて来ないように、殆ど音を立てずに。 その行為がまた、少女の
中心を熱くさせる。

少年の部屋は暗かった。 と言って、照明が全て消えている訳では無く、常夜灯の灯りが
部屋全体を橙色に染めている。
「こっち向いて…」
少女の声に、少年は壁側を向いて横になっていた身体を起こし、ベッドに腰掛ける。
少年の陰茎は既に屹立し、触れる前から粘度の有る透明な液体が下着と、その上の寝間着
を濡らしていた。

少年は、幻滅していた。 殆ど訓練もせずに少年よりも良い動きをし、使徒を倒した
少女にほんの少し嫉妬している事に。 パイロットとして必要とされていない自分が、
妹のおかげで此処に残る事を許されている事に。 そして、妹が服を脱いでいる姿を見て、
痛いほど勃起してしまっている事に。

だが、それもまた淫靡な香となって、少年の鼻腔から脳へと電流を駆け抜けさせる。

884 名前:847 mailto:sage [04/05/12 01:18 ID:???]
目の前では、ショーツ1枚だけとなった少女が、官能に濁った眼を少年へと向けている。
真っ白な下着は既にしとどに濡れ、ほんの少し動いただけで蜜が垂れそうな程に濡れて
いる。 使徒戦を挟んで、もう1週間以上も自慰をしていない少女の陰核は、熱くしこり、
包皮をめくりあげている。
少女は立ったまま、下着の上から淫裂をなぞる。 潤滑油に塗れた下着が擦れ、敏感に
なり過ぎた少女の中心には適度な刺激を与える。
「…っ! んっ、あぅん、はぁっ…」
それだけで少女の太腿に蜜が流れる。 水音が部屋に溢れる中、少女の愛液の匂いが
少年の全身に纏わり付く。
少年は無意識の内に自身の陰茎を服の上から擦り始めていた。 尿道から驚く程多量に
出ている透明な液体が少年の自慰を助ける。 その音は少女の秘唇から出ている音と
合わさり、部屋の外へと聞こえる程となっている。
己の亀頭から感ずる痺れに気を取られていたのだろう、少年が気付いた時には少女の白く、
細い指がズボンと共に少年の下着を降ろし始めていた。
「ああっ…」
少年が思わず屹立から手を離してしまった事で、すんなりと少女は少年の下着を降ろす
事が出来た。 跪いて脱がせていた少女の目の前に、丁度ベッドに座っている少年の
脈打つ、赤く濡れている怒張が見える。 少女が触れようと手を伸ばす。
「だ、ダメだよ、触っちゃ…」
黄色の靄がかかっている少年の頭は、それでも少女に触れられる事を拒否する。 食い
下がるかと思われた少女はしかし、何故か自身の下着を脱ぎ出す。

885 名前:847 mailto:sage [04/05/12 01:19 ID:???]
「…じゃあ、これで良いでしょ?」
少女の右手に握られていたのは、全体が淫液塗れとなった少女のショーツだった。
少女の手は、そのまま少年の陰茎を擦ろうと再び動き出す。
「それもダメだ…ぁあんっ! んっ…あああっ!」
またも拒否しようとした少年の行動は、だが遅過ぎた。 滑やかな手に包まれた下着が、
既に少年の固くなった物へと触れてしまったのだ。 少年自身での自慰で限界近くまで
上り詰めていた、一週間以上放出される事の無かった精液は、濡れた下着の卑猥な感触に
包まれた瞬間に少女の顔目掛けて大量に噴出していた。

少女の顔面を粘度の高い白濁液が垂れ落ちていく。 精液の匂いは生臭かったが、少女は
その匂いが苦にならなかった。 あまつさえ、口の周りに付いた精子を左手で掬って舐め
取っている。 その表情は恍惚とし、自分の欲情に酔っている様にも見えた。

その間も少女の右手は休まずに少年の陰茎を擦り続ける。
「ひゃうっ、はっ、はっ、あっ、あっ!」
射精したばかりの敏感になっている陰茎を擦り上げられる感触に、少年の腰は少女の
右手が一往復する毎に激しく跳ねる。 鈴口からは、先程の射精で尿道に残った汁が
染み出している。

886 名前:847 mailto:sage [04/05/12 01:20 ID:???]
少女の左手の指は、顔に付着した精液を塗り広げる事を既に止め、少女の膣に差し
込まれている。
「ひんっ、あああぅんっ! かはっ、ひっ…あはっ、あ!」
己が指が作り出す快楽によって、眼の焦点が合わなくなってきている。 喘ぎを洩らす、
開け放しになった口からは唾液が零れ、顎に付いた濃い精液を少女の薄い陰毛へと落とす
役目を果たしている。

少年の剛直が、再び臨界を迎える。
「僕、あっ、またっ…出る、出ちゃ、ひっ、うよ、あっ! あああああっ!」
「ボクもっ…! ああああんっ、ひっ、はっ! んっ! …んんんんんぁっ!」
二度目の熱い精液を顔面に受けながら、少女もまた絶頂に達する。

「んんっ…」
白い靄に包まれた少女の脊髄は、快楽によって意識を刈り取られた。 座ったまま愛液を
垂れ流し、失神している少女は官能に囚われ、従する女神の像の様で。


其を見る少年は再び己に嫌悪する。 美しき物を汚してしまった自分に。 汚された
美しき物を見、昂奮する自分に。



887 名前:847 mailto:sage [04/05/12 01:21 ID:???]
遅れてしまって申し訳ないです…。
やっぱりエロ書くのは楽しい。

888 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/12 01:29 ID:???]
乙っす。久々のエロですな。

しかし、シンジの苦しみに気づけていないシヲリと一人でドツボに
はまっていくシンジの救いのないエロですなあ。それがいい。

889 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/12 01:35 ID:???]
いつのまにやらシヲリとナニしあう秘密の習慣が出来上がっていたのか!
うーむ、素直に欲望に流されてしまえば二人して幸せになれるのになぁw

890 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/12 02:26 ID:???]
乙。

ネルフに気付かれないのか?
それとも気付かれているがほっとかれてるのか。
アスカは初対面のとき恋人みたいだと一瞬思ったわけだから、
じょじょに怪しくは思っているかもね

しかしビンビンにおったててダメとか言っても説得力がないぞ!w

891 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/12 02:33 ID:???]
下着で包んでしごくのか。
こしゅこしゅ、と言う音がしそう。
気持ちよさそうですね

顔に射精も、ぴゅっぴゅっと飛ぶ様子が興奮を誘いそうですね。

GJ。

892 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/12 05:09 ID:???]
>890
まあ、そのうち現場を押さえられでしょw


893 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/13 00:25 ID:???]
つーかそこまできてお互い実際にやってないとは、
さすが座右の銘が自制心。

894 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/13 00:40 ID:???]
っていうかやってるも同然
そんな寸どめの我慢じゃあんまり意味がないぞシンジ!

895 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/13 00:45 ID:???]
そのうち体をこすり合わせ始めて・・・・それでもまだというw

896 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/13 02:12 ID:???]
つっこんでも射精しなければまだ、
射精してもゴムつけてたらOKとか言いそうだ。



897 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/13 14:20 ID:???]
そんな風に堕ちた自分に対して儚い言い訳を盾にしてエロいことを受け入れていくシンジきゅんってのが良いんじゃないか。
是非見透かした上でまだ足りないと責め手を強めるシヲリたんが見たい物ですなあ。

898 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/13 21:38 ID:???]
よー考えたらシヲリってシンジだったんだな。忘れてた。

899 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/14 21:34 ID:???]
>>ALL

お前ら基地外だろ・・・。

900 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/14 22:05 ID:???]
omaemona->899

901 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/14 22:09 ID:???]
うるさいバカ!
お前と一緒にすんな!!! 
変態!!
       >>900

902 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/15 01:32 ID:???]
ま、普通の女の子でもいけるし
俺はそんなに変態じゃない

903 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/15 07:36 ID:???]
えぇぃ!目クソが鼻クソを笑っているということに何故気付かん!

904 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/15 08:26 ID:???]
倒錯スレで変態性を否定してしまうのもいかがなものか?


905 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/15 13:12 ID:???]
だいたいスレタイで「倒錯」を名乗ってるんだから変態なのは当たり前なのだ。
わざわざ指摘するほうがおかしいし、否定するほうもスレの主旨を間違えてる。

906 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/15 13:13 ID:???]
ただの煽りやん。
目くじら立てるほどのことでもないわさ。



907 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/15 14:02 ID:???]
変態なら別によいんだけどね。キチガイ呼ばわりは心外じゃのう。

908 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/15 16:10 ID:???]
いいのかよ!

909 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/15 16:21 ID:???]
女装に性転換、おまけにバイセクシャルが主題のスレだからな〜(;´∀`)


910 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/15 16:24 ID:???]
・・・あ、そう。


911 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/15 17:07 ID:???]
限定されたスレ内部でやるだけだから問題なし

912 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/15 22:01 ID:???]
変態で何が悪い。萌えた者が勝ちだ。萌えさせた者が神だ。

913 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/15 23:44 ID:???]
>>911
スレが伸びてるので期待したのに雑談だけでスゲエ鬱。
もう少し生産的な事に費やして頂きたいモノだ……いや、
「シンジきゅん」という時点であんまし生産的ではないんだけれども……ね。

914 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/05/16 06:29 ID:???]
 その後、シンジは元の制服に着替えると、逃げるようにして自宅に帰った。
 平時通り夕食を食べ入浴を済ませるが、その間も胸の内には整理のできない
もやもやとした感情が居座り続けていた。
「はぁ……」
 自室に入ったシンジは、深々と溜め息を吐いた。なんなのだろうこの感情は?
なんとも言い表しづらい。
「気持ち悪い……」
 もどかしさから、そうつぶやく。そして、その言葉こそ心の中のもやもやを
表す一番適した言葉だと、シンジは思った。
(そう、気持ち悪いんだ。それだけだよ)
 ケンスケにブルマ越しとはいえ性器を撫でられ、あろうことか口づけまでさ
れてしまった。
(信じられない……)
 まだ現実感がない。少しマニアックな所はあるが、いい友達だと思っていた。
まさか自分が性的対象として見られることになるなんて、想像もしていなかっ
た。
「まだ、続けなきゃいけないのかな……女装」
 さらに嫌悪を感じるのは、自分が女子の体操服を身に着けて勃起してしまい。
ケンスケに襲われている最中でさえ、それを維持してしまったことだ。
「まるで変態じゃないか……」
『変態はお互い様だろ?』
 ケンスケの言葉が、頭の中で響く。
「違う。僕は変態じゃない」

915 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/05/16 06:30 ID:???]
 必死に自分に言い聞かせる。が、
「……」
 シンジは自身を見下ろして、唇を噛んだ。ケンスケの部屋での出来事をほん
の少し思い返しただけだというのに、股間が膨らんでしまっている。
「くそっ」
 シンジは毒づいて、ハーフパンツとブリーフをまとめて引き下ろした。
「なんで、勝手に大きくなるんだよ」
 忌々しく睨み付けるシンジの視線などお構いなしに、ペニスは隆々と誇らし
げに立ち上がっている。
「このっ」
 シンジはペニスを乱暴に掴み、擦り上げた。
「うぅっ、お仕置きしてやるからぁ」
 普段の自慰とは比べ物にならない激しさで行う行為は、皮肉なことに何倍も
の快楽を感じさせる。
「こいつ、こいつぅっ」
 軽く足が震え、すぐに立っているのが辛くなってしまう。
 シンジはふらふらと机の前まで進み、一番上の引き出しを開けた。中にある
写真の束を手に取る。
「あぁ……」
 感嘆の声が漏れた。写真には、女子制服を身に纏ったシンジ自身が収められ
ている。それを見ただけで、また一回りペニスが大きさを増したように感じら
れた。

916 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/05/16 06:31 ID:???]
 シンジはベッドに腰を下ろすと、写真を片手に持ったまま一層乱暴にペニス
を弄った。鈴口に透明の汁が溢れ出す。
「よだれなんか垂らして……変態なのはお前だ。僕じゃない。悪いのは、こい
つなんだ」
 我慢汁を指で絡め取り、ペニス全体に塗りつける。それが潤滑油となって、
さらに快楽を増幅させた。
「お前なんか、お前なんかついてなきゃよかったのに」
 ペニスさえなければ、当然節操なく勃起してしまうことも、自分が変態かど
うかなんて悩むこともなかったはずだ。それに――
(そうしたら、本当の女の子になれる)
 無意識にそんなことを思う。それは甘美な想像だった。蜜のように甘く、身
も心もとろけてしまいそうなほどに。
(って、今僕、なに考えたの……?)
 はっとして思い返そうとするが、それより早くペニスを掴む指に脈動が伝わっ
た。
「あっ、あぁぁっ、で、出ちゃうっ!」
 絶頂を迎えて、ペニスから白濁の液体が噴き出す。音を立てそうなほど勢い
良く、そして大量に吐き出されたそれは、絨毯の上に点々と染みを作った。
「はぁ……はっ……少しは、反省した?」
 肩で息をしながら、自分のペニスを見下ろす。しかし、そこは省みる様子な
どまるでなく――やや勢いを失ったものの――依然として勃起を続けていた。
「そっか……まだ、お仕置きが足りないんだね」
 奔放な性器への仕置きは一度では終わらずに、その夜、二度三度と繰り返さ
れた。



917 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/16 07:47 ID:???]
シンチャンコワレチャッタ――――――――――――!!

918 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/16 16:14 ID:???]
くらくらする……とってもくらくらする……

919 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto: [04/05/17 00:06 ID:???]


920 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/17 01:05 ID:???]
こんなのシンジきゅんじゃない・・・・・・_ト ̄|○

921 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/17 01:10 ID:???]
微熱さんのシンジは壊れると、その壊れ方が良い感じなんだよな。

922 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/17 09:02 ID:???]
さすが微熱さんだ。すげぇよ。

923 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/18 01:38 ID:???]
都合のいい大団円を迎え都合よくゲンドウとシンジが和解した世界。
シンジはエヴァがソレでアレして女の子になっている。
そしてゲンドウとのDOKIDOKI二人暮しが読みたい。
エロひかえめで。エロっぽいくらいで。

924 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/18 12:54 ID:???]
やばい!この世界から抜けられなくなった・・・。

興味本位でこのスレ覗いて、変態になっってしまったかわいそうな人です。

925 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/18 13:11 ID:???]
>>924
(゚∀゚)人(゚∀゚)

926 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/05/18 16:41 ID:???]
 目が覚めてシンジは、しかし一向にベッドから出る気になれなかった。
 日曜日だというのに気が重い。今日も、ケンスケの家に行かなければならな
い。
 このまま一日寝過ごしてしまおうかとも思うが、そうしてしまった後のこと
を考えると、恐ろしくてできない。
(しょうがないよね……)
 シンジは、のろのろとベッドから這い出ると、出掛けるための身支度を整え
た。
 玄関に向かう途中で、リビングでテレビを見ていたアスカに声を掛けられる。
「なに、あんた出掛けんの?」
「え、うん、ちょっとね……」
 できるだけ平静を装って、答える。
「ふ〜ん、またあのスパイ女とデートってわけ?」
 半眼で、不機嫌そうにアスカが言ってくる。そうだったら、どれほどよかっ
ただろう。
「……今日は違うよ。ケンスケの家。約束があって」
 行き先だけを正直に答える。声のトーンが自然に低くなってしまうのは、ど
うしようもない。
「へえ、そいつはご愁傷様。いってらっしゃい」
「いってきます……」
 アスカとの会話を終わらせて、玄関から外に出る。扉を開けた途端、シンジ
はまぶしい光に目を細めた。
 雲ひとつない快晴の天気。しかし、それとは対照的にシンジの胸の内は、暗
く分厚い雲に覆われていた。



927 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/05/19 03:41 ID:???]
 玄関で扉の閉まる音がした。シンジは外に出たようだ。
「にしても、なんでもすぐに顔に出るやつよね。あいつって」
 煎餅をかじりながら、アスカはひとりごちた。
 遠足前の小学生みたいに前日からうきうき気分を発散させられるのもかなり
いらついたが、さっきのように市場に連れていかれる子牛のようなオーラを出
されるのも鬱陶しい。
「なによ。日曜日にデートできないくらいでさ」
 煎餅の残りを口の中に放り込んで、ばりばりと噛み砕く。
「まぁ、私には、これっぽっちも関係ないんだけど」
 誰が聞いているというわけではないが、断りを入れる。シンジが誰とデート
をしようが、できなかろうが、自分には一切関わりのないことだ。ただ、そん
なシンジの様子を見ていると、わけもなくいらついてしまうのだ。繰り返すが、
理由なんてない。ただ、心がささくれ立つ。
「はぁ〜、暇だわ……」
 予定のない日曜。テレビも惰性で見ているだけで、面白くもない。からかい
相手のシンジまで外出とあっては、退屈でしょうがない。
「あ、そうだ」
 思い立ってアスカは、立ち上がると真っ直ぐにシンジの部屋に向かった。平
然と――なんの後ろめたさもなく、室内に侵入する。
「ズリネタでも探して、からかってやろうかしらね」

928 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/05/19 03:42 ID:???]
 身を屈めてベッドの下を除いてみるが、それらしいものはない。
「ちぇ……。じゃあ、と――」
 室内を見渡して、シンジの隠しそうな場所を探す。
「ははん、そこね」
 アスカは、机の一番上の引き出しに見当をつけた。早速開けようと引くが、
開かない。鍵が掛かっているようだ。
「ふ〜ん、馬鹿シンジでも、一応用心はしてるわけね。けど――」
 アスカはポケットからヘアピンを取り出し、鍵穴に差し込んだ。
「こんな鍵、かざりよね」
 ヘアピンを動かすこと数十秒。確かな手応えがアスカの指に伝わった。
「ちょろいもんね。さて、拝ませてもらいますか」
 引き出しを開けて、まず目に付いたのは写真の束だった。アスカは、それを
手に取って、呆気に取られた。
「なによ、これ……?」
 制服姿の少女が、グラビア風のポーズをとって写っている。問題は、それが
アスカのよく知っている人物で、
「シンジじゃない……」
 男のはずのシンジであることだった。双子の姉か妹たど言われれば納得する
が、それがいない以上、これは間違いなくシンジであるはずだ。
 アスカはわけがわからずに、しばらくの間呆然と写真を見下ろしていた。

929 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/19 04:31 ID:???]
アスカ様
キタ━━━━━━\(゚∀゚)/━━━━━━ !!!!!

930 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/19 07:22 ID:???]
シンジにプライバシーねー!!

931 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/19 09:34 ID:???]
アスカキタァァァ(゚∀゚)ァ( ゚∀)ァ( ゚)ァ( )ァ(` )ハァ(Д`)ハァ(;´Д`)ハァハァ

932 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/19 09:38 ID:???]
>わけもなくいらついてしまうのだ。繰り返すが、
>理由なんてない。ただ、心がささくれ立つ。

この辺が微熱アスカらしくて好きですわぁ。

933 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/19 10:51 ID:???]
アスカバレキタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!

934 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/19 10:55 ID:???]
これで昼間ケンスケに散々嬲られたあと、帰ってきてからアスカに嬲られて、
おまけにそれがバレてマナにフられてしまったりしたら・・・・

なんて可愛そうなシンジきゅんハァハァ

935 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/19 12:46 ID:???]
>>934
いんや、マナにも嬲られるのです。そのうちレイにも嬲られるようになりますw

936 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/19 12:51 ID:???]
さすがアニメ史上最強の受けキャラだなw



937 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/19 13:28 ID:???]
カヲルきゅんはまだー?

938 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/19 13:37 ID:???]
ピッキングマスターアスカ

939 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/19 13:41 ID:???]
まるでトワイライトシンドロームの岸井ミカ

940 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/05/20 17:55 ID:???]
 熱に浮かされたように頭の中がくらくらして、今すぐにでも倒れてしまいそ
うだった。すれ違う人皆が、興味深そうにシンジに視線を浴びせてくる。
 顔を真下に伏せながら、それも無理はないとシンジは自嘲気味に思った。男
である自分が、淡いピンク色のワンピースを身に着けて歩いているのだから。
一応かつらは着けているが、行き交う人達の目には酷く滑稽で、愚かで、醜く
写っていることだろう。
 ただ普通に――いや、むしろゆっくりと歩いてるだけなのに、吐息が乱れて
しまうのは、初めて履いた踵の高いサンダルのせいばかりではない。
「ね、ねぇ、もう帰ろうよ」
 シンジは堪らず、側らを歩くケンスケの腕を引っ張った。
 が、ケンスケはまるで取り合ってくれない。
「なんでだよ。まだ、駅からいくらも歩いてないだろ」
「だって、こんなの恥ずかし過ぎて堪えられないよっ」
 人通りの多い繁華街。視線が針のように、四方から絶え間なく襲い掛かって
くる。この苦痛に比べたら、まだ全裸で歩けと言われたほうがましかもしれな
い。
「きっと皆、心の中で僕のこと笑ってるんだ。馬鹿にしてるんだよ」
 涙がシンジの視界を滲ませた。
「誰も馬鹿になんかしてないさ。お前が可愛いから、つい見とれちまうんだよ」
「そんなわけない……」
「なら、見てみろよ」
 ケンスケは立ち止まると、ショップのウィンドウにシンジを向けさせた。

941 名前:微熱 ◆DIO.JVXsqE mailto:sage [04/05/20 17:56 ID:???]
「あ……」
 顔を朱に染めた美少女が、目の前に現れる。ピンクのワンピースが、すごく
よく似合っている。客観的に見ても、間違いなくかわいい。けれど、目の前の
少女と自分が同一だとは認めてはいけない気がした。
(僕って、かわいいの……?)
 心が揺らぎかけて、慌てて、そんなわけはない、そんなわけはないと、自分
に言い聞かせる。けれど、目の前に移っているのは、自分で――。
 と、葛藤に決着が着く前にケンスケに腕を引かれ、シンジは思考を中断した。
「ほら、いくぜ」
 水の中を歩いているような息苦しさを感じながら、ケンスケに着いて歩く。
顔を吐息も胸も、身体中全部が熱い。
(それになんだか、あそこも……)
 数分――シンジには何時間にも感じられたが――も歩いた所で、前方の人影
にとんでもないものを見つけて、シンジは心臓を跳ね上がらせた。急いで脇道
に逃げ込もうとする。
「どこ行くんだよ?」
 しかし、ケンスケの手が素早く伸びて、捕まってしまう。
「だって、だって、あれ!」
 緊急事態であることを伝えようと視線で前方を指し示すが、ケンスケもとう
に気づいていたようで、
「トウジと委員長だな」
 落ち着いた声音で、そう告げた。

942 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/20 20:47 ID:???]
ケンスケGJ

943 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/20 21:50 ID:???]
堕ちるところまで堕としてください

944 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/20 23:49 ID:???]
鬼すぎる・・・

945 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/21 01:19 ID:???]
もしかして4P?

946 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/21 01:48 ID:???]
割と落ち着いてるな、ケンスケ。



947 名前:ケンスケ mailto:sage [04/05/21 09:25 ID:???]
ふ、問題ない。シナリオ通りだ。

948 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/24 01:03 ID:???]
テレビ朝日系列のテレメンタリー、俺の地方じゃ今、中学二年生の女形
役者の話やってるんだが、リアルで見るとまた違うねえ。
性的倒錯、ってわけじゃないんだが。

949 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/24 02:01 ID:???]
このスレで聞くのもどうかと思うんだが、柳楽優弥ってどう?
ちょっと唐突だが、あのタイプの子ってどんなもんかなと。

950 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/24 07:53 ID:???]
かわええけどあれは完全に男でしょ。

951 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/24 10:37 ID:???]
なんでここで聞くんだろうね。

952 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/24 10:46 ID:???]
男好きだからこのスレにいるのではない!
シンジきゅんが好きだからこのスレにいるのだ!

953 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/24 11:57 ID:???]
いま>>952がとてもいい事をいった。
つまり、次スレは>>980よろ。

954 名前:♂倒錯シンジきゅんハァハァ スレ♀ 3 mailto:sage [04/05/24 12:03 ID:???]
純情可憐なシンジきゅんは女の子のほうがお似合いだと思ったことはありませんか?
ここはシンジきゅんを女装、女性化させてアンアンいわせたり
実は元から女の子だったということにして萌えあがったりするスレです。

☆前スレ
comic4.2ch.net/test/read.cgi/eva/1074280823/

☆過去スレ
倒錯シンジきゅんハァハァスレ
comic3.2ch.net/test/read.cgi/eva/1055333144/

☆関連スレ
男の子のまま愛でたい人はこちら
【甘い夜】しっぽりと…俺とシンジ第六夜【LOS】
comic4.2ch.net/test/read.cgi/eva/1068840800/

新たな妄想を補充してくれるスレ 
こんなエヴァ小説がどうしても読んでみたい!!7
comic4.2ch.net/test/read.cgi/eva/1083426024/


955 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/24 12:30 ID:???]
女装もいいが、男装女の子シンジものも見たいな
エヴァGの逆ね、竜之介か

956 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/24 12:35 ID:???]
>>955
マユミあたりに無理矢理男装させられておもちゃにさせられたりするシヲリ
ランドセルに半ズボン
男子体操服
学生服にサラシ




957 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/24 14:30 ID:???]
・・・・・・・・・・・・・。

958 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/24 14:38 ID:???]
>>948
女形みたな存在があると、倒錯シンジきゅん萌えも日本の伝統に根ざしたものであるということがわかるな。

959 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/24 14:45 ID:???]
そうか、俺はシンジきゅんに萌える自分を変態だと思っていたけど、それは正常なんだな。

960 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/24 16:26 ID:???]
>>951-952
まあ、ショタスレの役割も兼ねてる、と見えても仕方はなかろう。
ある意味、話題の幅は広がるから、歓迎すべきかも。

ところで、微熱氏の作品、どこかのサイトにうpしたほうがよくないか?
エロパロ板はdat落ち後間もなく過去ログ倉庫に入るから微熱氏のは全部読めるけど、
エヴァ板はかなり時間がかかるし。
次スレにまとめて貼り付けるってのも手ではあるが。

961 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/24 16:40 ID:???]
真正ショタならむしろLOSスレだと思うんだけどな。こっちは素直に少年に欲情できないけどシンジきゅんの
妖しい魅力に囚われてしまってしかたなく女の子にしてみたり女装させたりしてるわけで・・・
まあ、どうでも良いが。

エロパロ板の男萌えスレの保管庫は更新してないのう。

962 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/24 16:42 ID:???]
>>960

1.向こう(男が〜)の独立倉庫にお願いする。
2.それこそ汁の方にお願いする。

もう、どっちかじゃないのかな。

1.のほうが現実的かもしれないけど…確かに更新してないしなぁ、最近。

963 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/24 16:44 ID:???]
こっちはシンジきゅんに悪戯して愉しむスレ?

964 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/24 16:44 ID:???]
html保存しといてうpすればいい

965 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/24 16:52 ID:???]
>>958
面白いもんで、いい女形が美男子か、っつーと必ずしもそうでないんだな。
その番組で見た子は色白で女の子みたいに細くて顔も悪くはなかったけど。
あれを「中性的」というのなら、まさにそうなのかもしれない。

966 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/24 18:10 ID:???]
番組見てないからわからないけど、メイクも濃いだろうしあまり顔は関係ないかもね。
男から見た女の仕草ととかの女らしさを再現しているってとこかのう。




967 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/24 18:23 ID:???]
>>955
いいね。
昔倒錯少女補完とか言ってちょっとそれっぽいFFがあったなあ。
かなり男の子っぽかったから微妙に違うけど。
サイトごと消滅したし。

968 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/24 18:55 ID:???]
>>962
微熱氏の作品の保存に余り熱心でないスタイルはなにやら拘りなのかもしれないし、
御本人の希望も聞かねばな。

シルクソックス中の人の作品も汁カラーにあってるかもな。


969 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/25 22:56 ID:???]
eva-2ch.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/imgboard/img-box/img20040525193134.jpg

970 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/26 00:17 ID:???]
誰これ?

971 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/26 03:52 ID:???]
絵が美鳥の日々っぽいな。

972 名前:847 mailto:sage [04/05/26 23:29 ID:???]
蒼い空、白い雲。 そして、飛び回る戦闘機の輝点。
セカンド・インパクト以降、空が美しくなったと大人達は言う。 それは、自分の周りが
世界の全てだったあの幼い頃を思い出す度に生ずる、甘い、色褪せた感覚に似ている
ものなのかもしれなかった。


紅い機体が灼熱したマグマの中へ入ってから、暫く経つ。 火口に立つ初号機、そして
中にいる碇シヲリは、沸き立つ火口を静かに見下ろしていた。

「何故、あの子なの?」
白衣を着、壁に凭れ掛かりながら。 周囲に居る人間に聞かれない為だろう、あるいは、
聞かれて欲しく無いというアピールか。 赤木リツコが小声で問う。
「…シヲリちゃんの事?」
こちらも小声で答えるのは、葛城ミサト。 ミサトは腕を組みながら僅かに嘆息し、
横目でリツコを捉える。
無言で微かに頷くリツコに、ミサトは口を開く。
「ん、リスクは分散させないとね」
そう嘯くミサトの顔にかかる薄い膜に、リツコは追求しても詮無いと感じたのだろう、
オペレータ達の方へ向かいながら口を開く。
「まあ…、良いわ。 私達も仕事、しなくっちゃね」
そう言いながら離れてゆく白衣を見ながら、ミサトは数時間前の事をその脳裏に
浮かべていた。


前回と違い、作戦にシヲリを使う事には大した反対が出なかった。 いや、実際には
前と同じ程の量の反対は有った筈だ。 が、ミサトはそこにリアリティを感じる事が出来
なかった。
その薄さは、何か在るからか、それとも何も無いと判断されたからなのか。
―鬼が出るか、蛇が出るか―
ミサトは口の中でそう呟きながら、リツコの背中を追った。

973 名前:847 mailto:sage [04/05/26 23:29 ID:???]
ネルフ、パイロット控え室。 少年が初めてその存在を知った時は使う者など居るの
だろうか、と思った場所だ。 だが、少年は其処に居た。 蒼い髪をした少女と共に。

固く、座り心地の悪いプラスチックの椅子。 だが、今はそれが助けとなっていた。
尻の痛さで、二人で居る気まずさに少しだけでも眼を逸らしておけるから。 レイは
未だ姿勢を崩さず、まるで自分独りしかここには存在しない、とでも言った風に、いつも
そうするように本を開いていた。

此処へ来てどれくらい経ったのだろう。 30分か、それとも数時間経っているのか。
利用者の事など考えても居ない無機質なコンクリートの直方体―もちろん時計など無い―
は、少年の時間感覚を混乱させるのに充分な役目を果たしていた。


少年は幾度隣のモノに話掛けようとしたのかしれなかった。 しかし、その決意はレイの
表情を見る度毎に霧散して。

それでも、ついに沈黙に耐え切れず、少年はその重い口の錠を開ける。
「あ、あのさ、綾波…」
そこまで言って少年は口を噤んでしまう。 彼女が自分の話に興味なぞ持つ訳が無い
のに、何故自分は声を発して仕舞ったのだろう、と悔いつつ。
しかし、少年の悔恨は裏切られる。 レイが本から顔を上げ、少年の方を向いていたから。

「何?」
涼やかなその声色に導かれ、跪く者は告白する。
「綾波は、寂しくないの? …その、独りでさ」
再び静寂が訪れる。 今度は、ページをめくる音すら聞こえない。
よく冷房が効いている部屋の中で、少年の脇から汗が染み出し、制服の下に着たTシャツ
へと染みを作っていく。 自分の息遣いすら騒音に思える中での数瞬。

974 名前:847 mailto:sage [04/05/26 23:31 ID:???]
「分からない」
よもやそのような答えが返ってくるとは思わなかったのだろう。 少年は一度レイの顔を
見、そしてすぐに膝の間で組んだ己の両手に視線を戻しながら、言う。
「分からないって…。 寂しいとか、思ったこと無いの?」
「…どうして?」
「どうしてって…。 綾波はさ、学校でもずっと独りじゃないか。 授業中でも、昼休み
でも。 ネルフでも人と話してるの殆ど見た事無いし…。 だから、そういう風に思った
事って、無いのかなって思って」
礼を失した質問は、だが、少年がどうしても彼女に聞きたい事でもあった。
何故なら、少年もまた独りであったから。 不幸な事に、それが少年の思い込みに
過ぎないとしても、事実は少年の脆い心に存しているから。
またも数瞬の後、レイが答える。
「…私には、何も無いから」
レイの言葉を飲み込めず、困惑した表情の少年。 少年は、更なる言葉を求めようと
話しかける。
「何も無いから、寂しく無いの? …それなら、僕だって何も―」
無いのに、何故寂しいんだろう、と続けようとしたその言葉は、驚くべき事にレイの
言葉によって打ち切られた。

「違うわ、貴方が思うより、私には何も無い」
「そんな事―」


言おうとして、少年はレイがもう話す気が無い事を知った。 再び本の上に落とされた
彼女の瞳はいつもと変わらず、しかし、蒼い悲哀を湛えているように、少年には思えた。

975 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/26 23:48 ID:???]
どんどん他人との接点が断たれてくな

976 名前:そろそろ980だから mailto:sage [04/05/26 23:53 ID:???]
純情可憐なシンジきゅんは女の子のほうがお似合いだと思ったことはありませんか?
ここはシンジきゅんを女装、女性化させてアンアンいわせたり
実は元から女の子だったということにして萌えあがったりするスレです。

☆前スレ
comic4.2ch.net/test/read.cgi/eva/1074280823/

☆過去スレ
倒錯シンジきゅんハァハァスレ
comic3.2ch.net/test/read.cgi/eva/1055333144/

☆関連スレ
男の子のまま愛でたい人はこちら
【甘い夜】しっぽりと…俺とシンジ第六夜【LOS】
comic4.2ch.net/test/read.cgi/eva/1068840800/

新たな妄想を補充してくれるスレ 
こんなエヴァ小説がどうしても読んでみたい!!7
comic4.2ch.net/test/read.cgi/eva/1083426024/

エヴァサーチ
ttp://www.keddy.net/~seseseri/eva/cgi/eps.htm



977 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/27 00:54 ID:???]
やっぱシンジきゅんには自問自答で悩んでもらわないとな。

978 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/27 17:32 ID:???]
エヴァサーチはいらんだろ

979 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの [04/05/27 18:02 ID:JuEU7kZe]
シリアスでイイ!ね

980 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/27 18:58 ID:???]
>>978
いらんかな?
折れは立てられないのでよろ↓

981 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/27 20:26 ID:???]
サーチは必要ないと思うのでテンプレ修正してみた。
誰か頼む。
---
純情可憐なシンジきゅんは女の子のほうがお似合いだと思ったことはありませんか?
ここはシンジきゅんを女装、女性化させてアンアンいわせたり
実は元から女の子だったということにして萌えあがったりするスレです。

☆前スレ
comic4.2ch.net/test/read.cgi/eva/1074280823/

☆過去スレ
倒錯シンジきゅんハァハァスレ
comic3.2ch.net/test/read.cgi/eva/1055333144/

☆関連スレ
男の子のまま愛でたい人はこちら
【甘い夜】しっぽりと…俺とシンジ第六夜【LOS】
comic4.2ch.net/test/read.cgi/eva/1068840800/

新たな妄想を補充してくれるスレ
こんなエヴァ小説がどうしても読んでみたい!!7
comic4.2ch.net/test/read.cgi/eva/1083426024/

982 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/27 20:47 ID:???]
では漏れが…

983 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/27 20:53 ID:???]
スマン、テンプレでミスった。
シンジきゅんに会わせる顔が無いんで、新スレにカキコは当分自粛する。

984 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/27 22:51 ID:???]
なんで新スレにカヲルスレが貼ってあるんだ?

985 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/27 23:09 ID:???]
さあ?タブリス好きが紛れ込んだかな?

986 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/28 03:29 ID:???]
次スレの場所貼ってないよね?

comic4.2ch.net/test/read.cgi/eva/1085658253/

誘導しとく。
職人の皆様、次スレでもよろしくお願い致します(*´Д`)ハァハァ



987 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/28 13:28 ID:???]
>>986


988 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [04/05/29 08:25 ID:???]
そういう時は微熱氏の連載や847氏の連載の新作部分を転載しとけば良かったのに。
とりあえずネタをふるとか。
いくらなんでも、あれはないだろう…






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