- 11 名前:前スレ847さんの作品第壱話 mailto:sage [04/01/17 04:26 ID:4PJppt7U]
- 僕は、もう一度触れたいと思ったんだ…。
…でも、やっぱり他人を傷つけたり傷つけられたりするのは怖いかもしれない……。 赤い空。 「やっぱり、僕だけだよね…、戻ってきたのは。 あんなこと思ったんだし」 少年―名前は碇シンジという―が口走った。 「でも、他の人に、僕じゃないヒトに触れたい、と思ったのは嘘じゃないんだ」 そう、呟く。 「でも、ヒトはヒトを傷付けるんだ。 僕は、もう、耐え切れないと思う」 思い出すのは、赤い髪の少女。 「アスカは僕を傷つけたんだ。 でも、もっと僕はひどいことをしたんだ」 病室の記憶。 「だから、もう他人は要らない」 じゃりっ 少年が音のした方へ頭を向けた― 「?」 少女が寝ている。 見知らぬ少女らしい…が。 ゆっくりと、彼女が起き上がった。 怪我はしていないようだ。 少女が目を開けた。 黒髪、黒い目、黄色の肌、何かに怯えたような瞳の中。 そう、それはまるで… 「「僕だ」」 「「な、なんでぇ!?」」
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