- 633 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの mailto:sage [2005/10/18(火) 01:14:24 ID:???]
- 僕と奥さんの馴れ初めを他人に話すのが僕は一番苦手だ。
第三新東京市以外の人に説明するのが特に。まず、僕らの中学生のころに話はさかのぼる。 僕が物心がついたころ父と母はそばにはいなかった。先生呼んでいた初老の男性が僕のすぐそばにいた。 14歳になったら僕は父に呼ばれて第三新東京市にやってきた。なぜ今頃になって父が僕を呼ぶのか、わからないまま僕は目的地に着いた。 そこでの目の前に女の子がいた・・・・ような気がした。 多分錯覚だったのだろう。 結局父が僕を呼んだのは、僕に会いたいからという父親なら誰もがもつであろう当たり前の感情ではないという事に会ってすぐ気づかされた。 わけのわからないロボットのようなものに乗り同じくわけのわからないロボットのような敵をやっつけろと父は言った。 僕のわずかな期待は打ち砕かれた。少しだけ親子の感動の再会を思い描いていた。 しかし、父は乗らないなら帰れという。約10年ぶりにあった息子に向かって・・・ 僕はもちろん拒否した。乗りたくないというよりも父への失望が反抗につながった部分が大きかったと思う。 すると、父が命令したとおり別のパイロットがやってきた。白いノースリーブのパイロットスーツらしきものを着た重傷の女の子だった。 その女の子を見て僕ははっとした。今朝電話ボックスの近くで見た女の子だったからだ。 その女の子はまだ、点滴もはずされていなく、あちこち骨折していそうなのが嫌でもわかった。 父がその女の子に「乗れ」というと女の子は苦痛に顔を歪めながら起き上がろうとしていた。 すると、大きく揺れた。僕はたまらず女の子の元へ駆けつけた。倒れそうな女の子を支えるために僕の腕で抱えた。 すると、苦しそうな息づかい、体のふるえ・・・決して気持ちよくない感覚が僕の中に流れ込んできた。 この子がかわいそうというよりも父への反抗心の方が強かったのかもしれない。僕はわけのわからないロボットに乗って わけのわからない敵ロボットと戦う事に決めた。 これが僕と奥さんとの始めての出会い。馴れ初めというよりも父への反抗が強く思い出に残っているから、 どうしても奥さんがメインの話が出来ない。色気もへったくれも無い話になってしまう。 だから僕は奥さんとの馴れ初めを人に話すのが苦手だ。
|

|