- 840 名前:682 mailto:sage [2010/11/14(日) 19:32:03 ID:3PIfdr1s]
- 「え、N、何をするつもりなの!?」
プラズマ団たちに引きずられながらチェレンがやってきた。 散々殴られたのだろう。 顔は青あざだらけで腫れ上がっているし、鼻血が流れていた。 そして、彼のトレードマークともいえるメガネは割れていた。 「がっ、ぐっ、あ…、と、トウコ、逃げ……!」 Nは、もう自力では立つこともままならぬチェレンの胸元をつかみあげた。 「君が、再びボクを裏切るなら、君がボクにしたことと同じことをしようかと思ってね。『トモダチ』を傷つけられる気持ち、わかるかい?トウコ。」 「そ、そんな、N、やめてってば!何でも、なんでも、あなたの言うこと聞くから!これ以上二人に手を出さないで!」 Nは力いっぱいチェレンを床にたたきつけた。 「………君の言うことは信じない。それに、ボク自身、彼にはイラついているんだよ。」 ひどくたたきつけられた衝撃で、肺の中の空気が押し出される。 息を吸うことも難しい。 それでも、チェレンは必死に叫んだ。 「っ!!え、N!力ですべてを解決できると思うな!人の心は、力で動かすことはできないんだよ!何が、英雄だ!そんなもの、ただの………!」 「黙れ!黙れ黙れ!ボクは、英雄となり、トモダチを救うんだ!力がなければ、今のお前のように、なにもできないんだ!あの時、力さえあれば、みんなを助けられたんだ!!」 今まで一体何匹のトモダチを助けられなかっただろう。 人間に虐げられたトモダチが腕の中で冷たくなっていく、その感覚をNは忘れられなかった。 だからこそ、トモダチを救うという目的をもって強さを求めたのだ。 その、自分の信念を、目的もなく強さの身を求め続けていた男に否定されるのは腹が立った。 「そうだ。チェレン、君にも、苦しんでもらおうか。君の『トモダチ』が、ボクによってめちゃくちゃにされるってどんな気分だろうね?」 Nの、冷たい瞳がトウコをとらえた。 「トウコ、チェレンに、見せてやれ。君が、だれのものなのかを。」
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