- 476 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2009/06/23(火) 23:49:04 ID:9SnkYdbo]
- 深海に事情を説明すると、気難しい表情を見せながら、腕組みをする。
「どこかに置き忘れた、という事はないの?」 「無い。基本的に学校では、体育の授業以外で取り外したりしない」 「鞄に入れたのは確か?」 「ああ。間違いない。今日は特に暑かったから、弁当箱の袋に入れていた保冷材を載せていたからな」 一汗かいた後のひんやりとしたちんこは、何よりの清涼剤なのだ。 「じゃあ、やはり盗まれたとしか考えられないね」 「ちくしょう。一体どこのどいつが俺のちんこを……」 苛立ちのあまり、俺は自分の机を叩いた。 「犯人に心当たりはあるの?」 「いや……」 首を振る。そもそも、俺のちんこなんて盗んで誰が特をするんだ。 可能性その一。女子が盗んだ。 男性的な快楽を体験しようと、着脱可能である俺のちんこに目を付けた。 もっとも、他人が俺のちんこを付けた所で、正常に機能が作用するのだろうか、という疑問はさておき。 有りえない話ではない。 可能性その二。自分のちんこに自身の無い男子が、俺のちんこを盗んだ。 自慢に聞こえたら悪いが、俺のちんこはそんじゃそこらの並のちんことは違う。 屹立すれば、黒光りした全長28cmの弓長な大砲がお出ましになる(ただし未使用である) 日本人は平均的にちんこの長さが欧米と比較すれば小さい。コンプレックスを持っている輩はいくらでもいるだろう。 これも十分にあり得る話だ。 可能性その三。俺を困らせる為だけに盗んだ。 苛めである。俺は波風立たぬ様学生生活を過ごしてきたつもりだったが、人から恨まれたり妬まれたりされるのは正直へこむ。 ……様々な可能性を頭に列挙してみたものの、どれもこれも、犯人を特定するには至らない。 誰が犯人であってもおかしくない状況だ。 「どうしよう……」 「とりあえず先生に相談してみたら」 俺は終礼のホームルームの光景を思い浮かべる。 クラスメイトが揃った時点で、担任の教師がおもむろに切りだす。 「ちんこが盗まれた」と 「正直に名乗り出ろ」と 名乗り出るわけがない。犯人も俺も立ち直れない。 「教師に納得いく説明が出来そうにない」 「それはそうだよね――とりあえず、教室を留守にしている間の時間帯に居た人を探してみようよ」 聞き込み捜査。事件の初動の基本だ。
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