- 464 名前:@巴のマスター mailto:sage [2007/11/18(日) 20:07:59 ID:HVgZrOFn]
- そんなおれの前に、今度はソフトボールのユニフォームにサンバイザーの少女が突っ込んできて、金色の
金属バットをぶんぶんと勢い良く振り回してきた。 バイザーから零れた茶色の髪が美しく、まだあどけない顔立ち…。 しかも泣きそうな顔で一生懸命振り回している。 良く見ると小柄で…『OJ-MD8』のバッジが…無い!? さっきの娘は自分の意思があったようだし…どうなっているんだ?これは。 「おとなしく…従ってください!」 相手は、どう見てもローティーンの女の子にしか見えない外見だが、風切るスイングスピードは異様だ。 「馬鹿!そんなもん振り回されて大人しくできるかぁ!!」 金属バット相手では、電磁警棒でも直撃したらこっちが折れる可能性があり…分が悪い。 …畜生、こうなったら、電磁警棒一本犠牲にしてもう一本で…。 一旦飛び下がってかわし、右腰に下げた方を、素早く左手で抜き取る。 だが、着地の際、体勢が崩れてかわし損ね、一瞬早く、ソフトボール少女のバットが右の電磁警棒に当たった。 ギン…という金属の弾ける音がして、おれの手はびりびりと痺れ、思わず堪りかねて取り落としてしまった。 しまった!やっちまった。 「ぼっちゃま!」 インカム越しで無い巴の声がして、それと同時に物凄く長い棒状の物体がソフトボール少女に振り下ろされる。 「きゃっ!」少女の顔が恐怖に歪み、そのまま目をつぶる。 そして少女の小さな肩に長い棒がもろに命中し、そのまま電撃の閃光が上がった。 ユニフォームが焦げて裂け、ブラの白い肩紐が露出するのが見えた。 正気を失い、膝からすっと崩れ落ちる少女から、サンバイザーが外れ落ち、長い茶髪がなびく。 振り返ると、巴の手にしている電磁警棒は、巴の肩ぐらいまである…つまりはおれの身長ほどのもの。 先端が湾曲していて…どう見てもナギナタみたいだ。 「済まん…助かった」電磁警棒を拾い、まだ痺れる右手をさすりながら、軽く手を上げた。 巴はにっこり笑って首を振ったが、すぐに真剣な顔で少女たちの方を向いた。 「いいえ、どういたしまして……それにしても、敵も戦法を変えているみたいですね…」 「…こちらの戦法を分析しているのか」 「はい…しかもシロー君の分析では、増援が近づいているようだと」 だから、電磁警棒対策に、金属バットなんて持ち出してきたのか? そうなると長丁場は一層不利となる。 「だとすると、やはり短期決戦で決めるしかないな」 おれは唇をかみ締めた。
|
|