- 398 名前:enchart×ancient ◆WkbUbgPYt6 mailto:sage [2007/11/08(木) 00:13:20 ID:N08g9tZO]
- 「―――――」
ん?もう朝か? 「―――――!」 もうちょい寝かせろよ……。 「―――――!!」 いてっ。何かがおでこに当たった。 「もう何だよ……」 俺は渋々、重い瞼を上げた。視界が黒から白に変わっていく……。 俺の眼前にいたのは、昨日の空色の髪の少女だった。身にはクリーム色の布をまとっている。 「うわっ」 当然ながら驚いた俺は、即座に後退りしようとした。しかし、木を背に寝ていたのを忘れていた為、頭を軽くぶつけてしまった。 そんな俺を少女がまじまじと見つめてくる。俺も見返してみた。 14,5歳ぐらいだろうか。何処か幼さが残っている。そして、その白瓷の顔には、何かの民族なのだろうか、赤や緑のフェースペイントが描かれていた。 体型の方はやや高めの身長と相俟ってスレンダーで、胸も中学生にしては……(ゴホゴホ 俺はそんな事を考えていて、少女の顔が眼前に迫っている事に気が付かなかった。 互いの吐息を感じる距離。おまけに、彼女の柔らかい双丘が当たっている。 少女が頬をより一層赤く染め、瞼を閉じる。そして、俺も目を閉じ…… パチン! 「痛っ」 デコピンされた。 少女は、腰まで伸びた髪を振るわせて、腹を抱えて笑っている。 騙された。もしかしてさっきの寝起きのもか?おい、m9(^д^)ってするなよ。 くーきゅるきゅるきゅる…… ん? 少女の顔がみるみるうちに赤くなっている。腹の音だな。m9(^д^)し返してやったよ。 「ちょっと待ってろ、何か食うものを…」 野暮な事に、通じるはずもない日本語で話してしまった。 次はちゃんと現地の言葉でおはようと言ってみたが通じてないみたいで、少女は首を傾げるばかりだ。 どうしようかな、などと考えていると、少女が自分を指差しながら、 「tete」 「テテ?それがお前の名前か?」 また通じない日本語で話してしまった。それでも少女は頻りに自分を指差しながら、 「tete」 やっぱりテテが名前みたいだな。俺も自分を指差し、 「かんなぎとしみつ」 「kannagi…toshimitsu……?」 「そ、かんなぎとしみつ」 「kannagitoshimitsu…toshimitsu……toshi!」 「トシ?」 「toshi〜」 まぁ、それでいいか。昔そういうあだ名で呼ばれていたこともあったし。 「tete」 「toshi〜」 「tete〜」 「toshi〜♪」 しばらくそのまま呼び合っていた。何か和んだ。
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