- 768 名前:なるほど×みぬき5 mailto:sage [2007/06/27(水) 03:21:02 ID:bZmir9wh]
- 久しぶりの経験だった。それは遥か昔、法廷で手強い検事達に追い詰められた時の感覚に酷似している。だがあの時は検事席やら弁護席やら裁判長やら、色々なものを間に挟んでいたわけで、今のように吐息がかかる程の近さで繰り広げられたものではなかった。
(というか吐息がかかる近さにあいつらが居たらそれはそれで嫌なんだけど) 確実に法廷と今とでは危機感が違う。何と言うか、意味的に。 身動きは取れなかったのだが、成歩堂は出来るだけみぬきから離れようとソファーの背もたれに体を押し付けた。みぬきの顔が、少しだけ遠ざかる。みぬきの大きな瞳がやけにキラキラしているのが更に成歩堂の不安を煽った。 成歩堂は、みぬきの説得を試みる。 「みぬき」 「なあに?」 「赤ちゃんっていうのは、コウノトリが運んでくるんだよ」 出来るだけ平常を装いそれだけ告げると、みぬきは手を頬に当て、少し考えるそぶりを見せた。しめた、と成歩堂は思う。これなら逃げ切れるかもしれない。 「だから、ぼくに跨がってても赤ちゃんはできないんだ」 ホントはできるけど、という言葉は飲み込む。今時こんな嘘で騙される人がいるだろうかとは思ったのだが、他に上手い嘘が思い付かなかったのだ。 だがみぬきは騙される人だったようで、本格的に黙り、そして考え込むように俯いてしまった。成歩堂は心の中でガッツポーズを取る。 「さ、みぬき。おりて一緒にトノサマンのDVDでも見ようか」 「――よ」 「え?」 みぬきが俯いたまま、何やら呟いた。それはとても小さな声だったので、成歩堂は聞き返す。 「何、みぬき?」 「ガッツポーズにはまだ早いよ、パパ」 みぬきは勢いよく顔を上げ成歩堂を見つめ、そしてとてもとても愛らしく笑った。 そして成歩堂は、そろそろ泣いてもいいんじゃないかと思った。 「パパ、みぬきを幾つだと思ってるの? もう中学生なんだよ? そういうお勉強だって……せーきょーいく、っていうの? してるに決まってるじゃない!」 「…………」 「ね!」 開いた口が塞がらなかった。近頃の中学生はなんと早熟なのか。自分のときはどうだったろうかと成歩堂は過去に思いを馳せる。現実逃避に近かった。 そしてそのポカンと開いたままだった口を、 「……っ!」 みぬきが塞いだ。 エロパロスレなのにエロパートが苦手なので今日は一つだけ。 明日また頑張る
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