- 173 名前:しまっちゃうメイドさん mailto:sage [2007/03/04(日) 01:37:51 ID:ebyXowoD]
- 「はぁー、否命、本当にあんたどうするの?このままだと…」
「むっ、無理をせずに自分のペースで頑張って…」 「だーかーら、それだと浪人よ」 「はぅぅ…」 そんな否命と源之助のやりとりを、沙紀は何処か遠い瞳で見つめていた。 高二は既に自分の将来を選択する時期だ。その選択の一環としてある大学受験は、人生のゴールではないけど、やはり人生の関門の一つだろう。 その来たるべき関門をどう乗り越えるかを、否命と源之助は悩んでいる。それが、沙紀に時間の流れというものもひしひしと感じさせた。 この楽しい時間…、沙紀が大好きな日常はいつまでも続くはずは無い。沙紀だって、それぐらい分かっている。そして、次にまたもっと楽しい時間が待っている事も沙紀は分かっていた。 それでも、この日常が終わるのは寂しかった。 ただ、無性に寂しかった。 沙紀は理解していた。もう、日常が終わりかけている事を。この楽しい一時は終わっていく日常の中の、文字通り「一時」でしかないことを、沙紀は実感として理解していた。 「この偏安いつまで続く…」 言葉にしてみると、それは沙紀の胸によく響いた。 投下終わります
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