- 230 名前:レズ追加編2 [2005/09/25(日) 03:38:08 ]
- 甜歌「ちひろさん、ひどいことされたね・・・。辛いめにあったね・・・」
甜歌はちひろをギュッと抱きしめた。ちひろの頬と甜歌の胸が一つになった気がした。 ちひろ(甜歌・・・暖かい・・・それに、柔らかい・・・) この感覚、覚えがある。ちひろは遠い記憶の糸を手繰り寄せる。 ちひろの父はユゲデール最強の武道家で、スチームナイツの創設者の一人でもあった。 現リーダー・レッド長官は彼の出来の悪い弟子である。優秀な弟子は皆戦死したため、最後の弟子、レッドが意思を継いでいる。 父はちひろに厳しく接した。ちひろは物心ついた頃から剣の修行に明け暮れていた。あまりの修行の激しさに、当然幼いちひろはよく泣いた。 それでも父は容赦しなかった。ちひろが女であることなど気に掛けなかった。いや、女であるからこそ厳しかったのかもしれない。 「ちひろが男ならば、スチームナイツを託すことができるのだが・・・」父は酒に酔うとこの言葉をいつも口にする。 それが悔しくてちひろは剣の修行に打ち込んだ。そんな彼女の傷ついた心と身体を優しく抱きしめてくれる人がいた。ちひろの母だ。 母が抱きしめてくれるから、ちひろは修行に耐えてこれた。しかし、弟が誕生すると父はちひろの修行をやめた。そしてちひろにこう言った。 父「昔の仲間の息子に竜一という子がいる。なかなか優秀な騎士だそうだ。一度会ってみるといい。」 ちひろ「なぜ、突然そんなことを言うのですか?」父「おまえも女なのだから、剣など捨て、騎士を支える立派な妻になりなさい。母さんのように」 ちひろは意地でも剣を捨てなかった。竜一は確かに優秀な騎士で魅力的な男だったが、あくまでも対等な戦友として彼に接した。 ある日、竜一は自分を庇って死ぬ。更に女という理由だけで、階級を自分よりも新参者の公輝の下に置かれた。そして、ただでさえ憤慨していた時にあの事件だ。ちひろはスチームナイツを飛び出した。 魔法使いの集団、ジョーキマホーンズに転向したことに一番落胆したのは父だった。ゴルゴ家やド・ランクザン家との先祖代々の確執もあったが、常々父は魔法使いを毛嫌いしていた。 ジョーキマホーンズの一員になってから、ちひろは家族に会っていない。そう、あの優しかった母にも・・・。 その母が今、抱きしめてくれている。「お母さん・・・」ちひろは思わず呟いて、ハッと我に帰る。「何を言っているのだ、私は・・・」 甜歌「いいんですよ、ちひろさん・・・」甜歌は優しく微笑む。そんな甜歌の顔を見上るちひろの瞳から、涙が溢れこぼれ落ちる。 ちひろ「わあああああ〜〜〜〜〜!甜歌〜〜〜〜〜!!」ちひろは思いの丈、泣き叫んだ。 幼少からの厳しい修行の日々、女という理由で男の下に置かれたスチームナイツでの日々、新参者ゆえ、信頼を得るのに必死だったジョーキマホーンズでの日々、そして卑怯極まりない望の拷問・・・。 すべてを涙で洗い流したかった。(そう、みんな、みんな流れていってしまえ!) 気づくと、ちひろは甜歌の乳首にむしゃぶりついていた。
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