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恋姫†無双〜ドキッ☆乙女だらけの外史演義〜 19



1 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/11/08(日) 15:55:13 ID:Coezll470]
ヘ:::::::::;;: -‐''''""( )1
 ゙、::::::::-‐''""" ̄"'i
  :V;;||:::: '~ニ=ッ, r='|
  i!f !:::::      ゙、i
  i!ゝ!::::     ‐/リ
  i::/:、 :::、  /''ii'V
  ̄ハ:::::\ "''il|バ''
諸葛亮 曰く
「は、はわわ、ご主人様、次スレは>>960前後の人か480KBを越えたら宣言してから挑戦してください」

外史より生まれ落つる外史。その無限に広がる可能性を書き綴る場です。
幾たび終端を迎えようとも、それは千代に八千代に続く恋の物語。

■関連サイト
BaseSon               ttp://baseson.nexton-net.jp/
真・ぷち姫†無双(携帯向け)   ttp://nexton-net.jp/sinputihime/
まとめサイト&専用UP板     ttp://koihimemusou.x0.com/
■前スレ
恋姫†無双〜ドキッ☆乙女だらけの外史演義〜 18
set.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1255853237/
■関連スレ
恋姫†無双 シリーズ 総合スレ 173
qiufen.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1257301745/
恋姫†無双〜ドキッ☆乙女だらけの避難所〜 8
koihimemusou.x0.com/test/read.cgi/koihime/1256115147/

■投稿ガイドライン(さるに関しては>>2参照)
1.SSはある程度書き溜めてから1レス分の最大行数32行&最大バイト数2048バイト以内に収まるように分割する。
2.分割して20レス以上になった場合は投下直前ではなく早めに告知してくれると支援され易いし他の書き手と被らない。
3.陵辱・オリキャラ・クロスオーバー等特殊ジャンルの場合はSSを書き込む前に告知する。
4.投下予定レス数は投下前に告知するか、もしくはSSを書き込む際に名前欄に 「1/10」「2/10」…「10/10」のように投下状況を記載してくれると解り易い。
5.分割したSSをひとつずつメ欄sageで投下していく。支援や時間帯にもよるが、1分以下間隔では規制されやすいのでご注意を。3〜5分間隔くらいがオススメ。

785 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/21(月) 21:34:38 ID:vNmniNz80]
>784
ジーンズの生地が再現できるかはともかく、恋姫世界の服飾業界なら再現できると思う。
しかし、横から見えていたり、背中が丸見えだったり、トイレでほぼ全裸になったり、固めの生地に体の敏感な位置がこすれたりと大変なのでは?

786 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/21(月) 22:10:05 ID:S1rP45li0]
【無言問答】
桃香「鈴々ちゃん!ご主人様から聞いたよ!問答であの曹操さんを負かしたんだって?凄いね!」

鈴々「?なんの事なのだ?」

一刀「長板橋の戦いの時だよ、鈴々が橋を落す前に曹操と対峙したろ?
あの時曹操と鈴々が身振り手振りて無言問答をしたじゃないか。」

鈴々「あぁその事なのか、あれは鈴々が勝った事になってたのかー?」

桃香「魏軍に潜り込んでた斥候さんの話によるとね、
あの張飛が六韜を知っているとは…これは侮れないわね
って言っていたって〜!あの曹操さんを感心させるなんて凄いよ〜!」

朱里「(六韜…もうオチが読めてきました…)」


787 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/21(月) 22:21:30 ID:AZRwCJXFP]
また蒼天ネタかよ……つまんね
長坂橋の饅頭は蒼天と恋姫知ってりゃ誰でも思うことだろ

788 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/21(月) 22:32:27 ID:W8TGXwPI0]
そうか?おれはへーって思ったよ

789 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/21(月) 23:14:53 ID:nMfjVfjX0]
布教だわな

790 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/21(月) 23:24:19 ID:cgkog1YP0]
普通に投下するだけなら何の問題もないんだが数日前からマルチで貼ってる奴だからなぁ

791 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/22(火) 13:38:13 ID:KRzFl55O0]
なんか久々にきたらギスギスしてる感じだな
とりあえず貧乳メンバー達と部屋でキャッキャウフフしてくるわ、入ってくんなよ

792 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/22(火) 17:41:18 ID:GSUImsHQO]
だが断る!(笑)
この程度戯れよ。一番クジで恋姫、出ないかな〜?

793 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/22(火) 21:42:39 ID:HJxn3DEQ0]
特に問題なければ呉アフター短編桃香します
オリキャラ?として孫登を動かしますので、イラネな方にはご容赦願いたく



794 名前:父さまといっしょ・孫登編(1/5) mailto:sage [2009/12/22(火) 21:51:18 ID:HJxn3DEQ0]
「もーいーくつねーるーとー、くーりーすーまーすー…っと」
今年最後の月を迎え、年越しの準備に慌ただしく行き交う民たちで賑わう市の片隅で、
何とも気の抜けたクリスマスソングをぼそりと呟くのは天の御遣いこと北郷一刀。
魏との決戦後、戦災の復興と治安回復・維持、新たな交易と新田畑の開墾に明け暮れた10年。
友国蜀との関係も良好に、今では国境など気にせず民たちが行き来できるまでになった。

「父さま、『くりすます』とは何ですか?」
書簡に使う墨が切れたのをこれ幸いと、息抜きがてらに市へ出てきた一刀の裾を握って
見上げているのは、蓮華との間に産まれた愛娘の一人、孫登。
今年8歳になる娘に訊かれ、久しぶりに『天の世界』の話をする一刀。
「クリスマスって言うのはね、キリスト…って言ってもこっちには伝わってないのか、えー…」
「『きりすと』?」
「あー、そんな名前の『神様の子供』がいたんだよ」
「神さまの子ども?父さまみたいな方ですか?」
「いやいやいや、俺はそんな大それたもんじゃないから」

天の御遣いと呼ばれ10年余、最初の頃こそ民たちからは『天の国から来た男』として
神妙に扱われていたが、今やもっぱら『孫家の婿殿』などと呼ばれている始末である。

795 名前:父さまといっしょ・孫登編(2/5) mailto:sage [2009/12/22(火) 21:56:53 ID:HJxn3DEQ0]
「それで、だ…そのキリストさんの誕生日を祝う祭り…みたいなもんかな」
「お祭りなのですか!」
祭りと聞いて孫登は目を輝かせる。
蓮華に似たのか少々自制心が強すぎる感のある子だが、まだまだ遊びたい盛りのようだ。
「うん、元々は厳粛な催しだったらしいけど、俺が居た国に伝わった頃には大分様変わりしていてね」
話に食いつく娘に、少し嬉しくなった一刀は話を続ける。

「家族や友人、恋人同士でケーキや御馳走を食べたり、贈り物をし合ったり、まぁ色々だ」
「ケーキ!あまくてふわふわ…でも、おたんじょう日にしか食べてはだめだと母さまが…」
「あー、まぁ確かに贅沢品ではあるしなぁ」
ケーキは俺が天から持ち込んだ菓子として、今や様々な種類が大陸全土に広まっている。
派生してパイやらタルトやらまで作ってしまうのだから、敢えて言いたい、職人ってすげえ。
ともあれ王家といえど質素倹約が身上の孫家である。
「まぁ、誕生日と同じくらい特別な日ってことなんだよ…そうだ、大事なことを忘れてた」
「だいじなこと?」
蓮華によく似た「キョトン」とした顔が可愛らしい。

796 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/22(火) 22:01:03 ID:LCcPbfuoO]
支援物資のデコレーションケーキ投下ー

797 名前:父さまといっしょ・孫登編(3/5) mailto:sage [2009/12/22(火) 22:01:17 ID:HJxn3DEQ0]
「クリスマスの夜にはね、寝ている間に『サンタクロース』という人がやってきて、
良い子の枕元に贈り物を置いて行ってくれるんだ」
パァっと顔を綻ばせる孫登だったが、すぐに笑みを消して顔をうつむかせてしまった。
お腹でも痛くしたのかと心配になる一刀。
「どうした?お腹でも痛いのか?」
「…ちがいます」
「それじゃあ…」
どうしたと聞く前に、孫登の目から涙がこぼれた。
「登はいい子ではないから、おくり物はいただけません…」
「どうしてそんな、登は良い子だぞ?」
イヤイヤと首を振る孫登。
「登はわるい子です、今もいけないことをしています…」
「どうしてそんな…」
「父さまをひとりじめしています…」
「………」

798 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/22(火) 22:04:03 ID:LCcPbfuoO]
支援物資のブッシュドノエル投下ー

799 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/22(火) 22:05:34 ID:AMgrujjl0]
ケーキ食べたい支援

800 名前:父さまといっしょ・孫登編(4/5) mailto:sage [2009/12/22(火) 22:05:52 ID:HJxn3DEQ0]
「父さまがお仕事でつかれているのに、登はわがままを言ってついてきました」
「………」
「妹たちも皆、父さまといっしょに来たかったにちがいないのに、登は自分だけ…」
「登…」
「…じぶん、だけっ…」
嗚咽をこらえぼろぼろと涙を流す孫登を、ぎゅっと抱きしめる一刀。
「…登は良い子だ」
胸の中で首を振る孫登。
「登は自分がいけないことをしても、すぐ反省することができる子だ」
ぐすぐすと鼻を鳴らす孫登。
「それはとても簡単だけれど、実際に出来る人はそう居ないんだよ」
見上げる孫登の目元に、そっと口づけ涙をぬぐう。
「そんな登だもの、たとえサンタクロースが贈り物を忘れたとしても、俺が受け取りに行ってくるよ」
「…っ、どうざまっ!」
もはや我慢をすることも無く、ただただ一刀の胸の中で泣いて、泣いて、泣いた。

801 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/22(火) 22:07:31 ID:LCcPbfuoO]
支援物資のクリスマスプディング投下ー
ファザコンイイヨイイヨー

802 名前:父さまといっしょ・孫登編(5/5) mailto:sage [2009/12/22(火) 22:08:34 ID:HJxn3DEQ0]
泣き疲れて眠ってしまった孫登を背に城へ戻った一刀。
背負われた孫登を見て、異母妹たちは「わたしも、わたしも」と騒ぎはじめるが
一刀が指を口元にあてて「今は登の番だから」とたしなめると、泣き腫らした姉の寝顔を見て
妹たちは静かにそれぞれの母の元へと戻って行った。

「そう…登がそんなことを」
登を背負ったままの一刀が部屋に来て驚く蓮華だったが、事の次第を聞いて溜息をつく。
「あまりわがままを言わないから、ずいぶんと大人びた子なのだと思っていたのだけれど…」
また溜息。
「私は、母親失格ね…」
娘のように顔をうつむかせる蓮華の顎をつまんで上を向かせる。
もはや見慣れた「キョトン」とした顔に、そっと顔を重ねる。
「君は良い母親で、良い妻で、良い王だよ」
何度唇を重ねても、何度想いを重ねても、変わらず顔を赤らめる蓮華。
「いつもそうなのだから…でも、ありがとう一刀」
「どういたしまして、と、そうだ一つお願いが」
口元を笑みの形にしている一刀に眉をひそめる蓮華。
「書簡の提出は明後日まで、延ばせないわよ?」
「えー…じゃなくて!ケーキ買ってくれないか?一切れでいいから」
「…ケーキ?」

クリスマス当日、文字通り山のようなケーキを目の前に、孫登と異母妹たちが大はしゃぎしたことは、また別のお話。

803 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/22(火) 22:11:34 ID:LCcPbfuoO]
投下乙!
まあシャンメリーでも飲んでけ
蓮華可愛いよ蓮華



804 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/22(火) 22:13:15 ID:HJxn3DEQ0]
桃香完了、支援物資に感謝します。
なんか尻すぼみになってしまって恥ずかしい。
なんか蓮華の娘ならこんな感じかなー、と脳が湧いて書いてしまいました。

もしかしたらまたそのうち、ょぅι゛ょ編桃香するかもしれません。

805 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/22(火) 22:16:12 ID:zU6Ao58w0]
>>804


ぜひぜひ投下してくれ

806 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/22(火) 22:19:10 ID:v3DytDT10]
ネタが尽きてくるとオリキャラとか使い出してくるよな

807 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/22(火) 22:28:02 ID:EaphNtHWP]
そういえばクリスマスも近いけど
このスレの女性率ってどれくらいなんだろう?

808 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/22(火) 22:28:41 ID:EaphNtHWP]
誤爆しちゃ

809 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/22(火) 23:28:30 ID:zGSTIfGO0]
>>804
娘達の年齢順はどんな感じなんだろうな?
EDのグラでは呂j以外はほぼ同時期に生まれたっぽい感じだが。

810 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/22(火) 23:34:11 ID:zlJ2Awdl0]
呉ルートエンディングでは、一刀の血を積極的に取り入れているので子沢山でしたが、魏と蜀ではどうなっているんだろう。
蜀は一刀が居るので後年に同様になるかもしれないのに、魏だと……

811 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/22(火) 23:40:46 ID:FVW3Gl/PO]
>>804乙〜
確かにちょっと尻すぼみに感じたけど面白かった。
登は自分もそんなイメージwww
ぜひ次も投下して欲しいかな。

812 名前:名無しさん@初回限定 [2009/12/23(水) 07:50:29 ID:a8oSTLXE0]
>>810
蜀はそのままずっとガヤガヤって感じがするw
で魏だと一刀は別の世界に行ったというより存在自体が消滅しちゃって
永遠に再会はないだろうなぁって予想

813 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 07:57:07 ID:2EsELquT0]
【恋姫デイズ】

天和「伯珪さんが一刀の子を生めるわけないよ、だって一刀はあたしの男なんだから…そうでしょ?」

白蓮「わ…私だって北郷の女になりたかった!だからあーんな事やこーんな事もしてあげたのに…!それだけなのに!なんで!どーして!」

天和「そんなに好きなのに包丁でメッタ刺しにするなんて…ホントにイカレてるね伯珪さんて♪」

白蓮「ノコギリで北郷の首チョンパして、わたしのお腹かっさばいたお前に言われたくない!」



814 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 08:39:34 ID:dUKsExeR0]
その二人、まったく絡まなかったなw

815 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 09:00:47 ID:rI5sn/a3O]
>802乙

816 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 14:07:27 ID:J5EUQm3i0]
>>814
絡んじゃダメだとバッジョが察したんだろう

817 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 14:24:08 ID:GjCd19Di0]
同陣営じゃないから日常で会うのは中々難しいし、天和は軍人じゃ無いから戦場でも会わない。
絡むチャンスがあるとしたらアフターくらいか。

818 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 17:36:00 ID:7IxmN5GN0]
>>812
それは俺も同意
ただ帰るだけなら苦しんだりしないだろうし、死んだようなもんかもしれない
身の破滅って言われてるしね

819 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 17:45:32 ID:8dBNvA7m0]
しかし魏ルートで居なくなってしまった一刀は、あの後どうなってしまったのだろう。
型月世界の英霊のようにあるべき場所へと還っていったのか、それともマブラヴの因果導体のように別の世界へと転移したのか。

820 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 18:04:21 ID:waWyO09I0]
ここってイラストもOKなん?
ラジオで言ってたバインバインの鈴々ってこんな感じだろうか
ttp://kissho.xii.jp/1/src/1jyou100290.jpg


821 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 18:30:20 ID:IKIU1K9d0]
ばいんばいん鈴々は既に原画家が描いてて原作スレでもアニメスレでも既出だよ
ttp://score.nexton-net.jp/image/doghouse_image/gazou/inugoya20090327.jpg

822 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 18:33:23 ID:yg69nzEE0]
恋姫キャラの中ではそこまでばいんばいんではないな

823 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 18:59:09 ID:waWyO09I0]
先をこされたのだ…



824 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 19:01:47 ID:bCl3QsEo0]
>>821
何故だろう……恋に見えてしまうのは

さて、久し振りに桃香!
内容は“肉饅くれなきゃ、悪戯するぞっ!”の続き……と言うか、ねね視点となっとりまふ

6レス分、相変わらず短いんだけどオラに力を分けてくれ!(感想的な意味で

825 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 19:07:35 ID:bCl3QsEo0]
前言撤回、どうやら7レス分程になりそう……

では気を取り直してっ!

826 名前:ねねの受難(1/7) mailto:sage [2009/12/23(水) 19:09:06 ID:bCl3QsEo0]
―ねねの受難―


最近恋殿の御姿が見当たらないのです。
戦場において飛将軍呂奉先の傍に常に在りと謳われた陳公台ともあろう者が……不覚なのです。
で・す・が!
コレもアノちんくしゃが悪いのです!
アイツが……アイツが、恋殿を誑かすのがそもそもの原因なのです!
――北郷一刀。
天の御遣いとか何とか言われてますがトンだ甘チャン君主なだけなのです。
まぁ、恋殿を受け入れてくれた事に関しては感謝してやらない事もないのですが……それさえなければ唯のち●こなのです!
本当にアッチにもコッチにも手を出して――それで誰からも恨みを買わないのが凄い所なのですが――兎に角いけ好かない奴なのです!
アイツが謀ったかの様な頃合で私の恋殿を街に連れ出しやがるから、二人で一緒に居られる時間が少ないのです。
まぁ、恋殿はお優しいですからな……ですがそれを利用して恋殿を誑かそうとするち●こは油断なりません。
この前だってそうです!私を一人除け者にして……探し出してみれば二人でお昼寝!
お・ひ・る・ね!
しかも恋殿は気持良さそうにアイツの腕を枕にして眠っているのです!
羨ましいと思いませんか!?――いや、ち●この腕枕が羨ましいのではなくて、恋殿の寝顔が拝見出来るのが羨ましいだけなのです!

827 名前:ねねの受難(2/7) mailto:sage [2009/12/23(水) 19:11:23 ID:bCl3QsEo0]
思わず“ちんきゅーさんだんきっく”をお見舞してやろうかと思いましたが……
――恋殿が寝ているのです、歯噛みしながら立ち去った私を誰か褒めまくると良いのです!特に生かされたち●こ!!
そして今日も今日とて恋殿は居ません……折角時間が出来ましたから市にでも誘おうと思ったのですが……。
聞き込みの結果、市に行った事が判明したのです……アノちんくしゃと!
何度も何度も私の計画を潰してくれやがります。さっさと独りで野垂死ねば良いモノを……。
兎にも角にも先ずは恋殿を負わねば!
アノ行動の根源がち●こから発せられてそうな奴の事です、飽きもせずに市に連れてったに違いない筈なのです!
ねねの明晰なる頭脳に掛かればアイツの行動など簡単に割り出せるのですよ。
もし卑猥で下劣な真似をしていたら……『新技』で撃退してやるだけです!

そんなこんなで城を出て市を目指すと……居らっしゃったのです、恋殿が!
――ち●こが一匹傍に居なかったらどんなに良かった事か。本当に邪魔な奴なのです。
アイツと何かしら喋っている様ですが私には関係無いのです。
今、私の視界には嬉しそうな恋殿しか入っていない――本当に嬉しそうで、幸せそうな、恋殿しか。

828 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 19:16:07 ID:6FvZhKIKO]
しえん

829 名前:ねねの受難(3/7) mailto:sage [2009/12/23(水) 19:17:58 ID:bCl3QsEo0]


――……恋殿、あんな男の何が良いと仰るのです。

いつかした会話を、思い出す。

――あんな甘チャン君主の下に就いては後々不安が残るだけなのですよ!?
――みんな、お腹空いてた時……ご主人様、助けてくれた。
――ねねも、みんなも、恋も、首を刎ねられないで……こうして、生きてる。

それはアイツに助けて貰った後の事。

――確かに助けて貰ったのです……斬首を免れ、将にも任命されたのです。
――ですが、アイツは甘過ぎるのですよ、恋殿。
――いつか、必ず……アイツに甘さの“ツケ”が回って来る筈なのです。
――……そんな日、来ない。来させ、ない。
――……え?
――恋が、ご主人様……守る。
――だから、そんな日は来ない……大丈夫。

言い切った恋殿の瞳には決意の焔が渦巻いていて。

――……何故、アイツの為にそこまでするのです、恋殿!?
――…………好き、だから。

その言葉を紡ぎ出した時の恋殿は幸せそうに微笑んでいて。

――ご主人様の事、一刀の事、好きだから……。

まるで宝物を取り出すかの様にそう言い切った恋殿を、私は何故か羨ましく感じてしまったのです――

830 名前:ねねの受難(4/7) mailto:sage [2009/12/23(水) 19:21:05 ID:bCl3QsEo0]


「……余計な事を思い出してしまったのです」
ブンブンと頭を左右に振って雑念排除。良し、尾行続行!
矢張りと言いますか何と言いますか……恋殿は行き付けの店で肉饅各種を買って貰った御様子。
ふんっ、あのちんくしゃの事ですから下心満載で買ったに違いないのです。
嗚呼、矢張り恋殿はこのねねが守らなければ……。
そんな事を考えていた、その時なのです。
「っ!?」
元気一杯に肉饅を頬張っていた恋殿の口元に付いていたモノをちんくしゃが食べやがったのです!
しかも最初は無自覚だったのか事も無げにしていて恋殿の視線で気付くと云う!
更には恋殿もそれから意識しだして羞恥に頬を染めながらチラチラとアノち●こを見て……。
…………可愛いですぞ、恋殿。
――じゃなくてっ!
“今直ぐアノ桃色甘々空間を止めなくては――”
その言葉を抱いた瞬間にはねねは駆け出して身を空中へと躍らせていたのです。
「ちんきゅーーーーきぃーーーーーーーーーーっく!!」
空を裂き、憎きちんくしゃへと迫る足裏。
だが敵も然る者、今までの行動から予測していたのか反射の御蔭か避けやがります。
それでもねねは勝利を確信してしてました。
何故なら、この時の為の『新技』!
着地した衝撃を余す事無く膝を折って吸収し、そのまま跳ね上がっての後ろ回し蹴り。
この『追尾型ちんきゅーきっく』からは逃れられない筈!
案の定ちんくしゃは地に伏してピクリとも動きやがりません。
「恋殿ー!卑劣なち●こは退治致しましたぞー!」
「ご主人様っ!?」
……え?
恋殿、何処へ行っているのです?
ねねは此処に居ますのに、何でそっちに行っているのです?
どうしてそんなに血相を変えて、心配そうな顔をしているのです?
ねねは、ねねは、そんな恋殿の顔を見たくはなかったのです――

831 名前:ねねの受難(5/7) mailto:sage [2009/12/23(水) 19:26:08 ID:bCl3QsEo0]


それから恋殿は一人背負って城の方へ。
ねねも一緒に御供していたのですが、一度もこちらを見ようとはせず。
ずっと黙したまま、城の庭へ着いて膝枕でちんくしゃを寝かせてからも、ずっと。
そのまま何も言わないままかと、もしかしてずっと喋って下さらないのかと思い始めたその時です。
「――……ねね」
感情の起伏を一切無くした声で、ねねの真名を呼ばれたのは。
「…………はい、恋殿」
身体から溢れ出すのは冷たくも激しい殺気の奔流。
木々に留まっていた鳥達が一斉に飛び立つ程の、殺意に限り無く近い殺気。
ねねの行為が、恋殿の逆鱗に触れたのは明白でした。
「……恋、前にも言った。不意打ちするのは卑怯者のする事」
「…………はい」
「ねねは頭が良い……だから、分かってくれてると思ってた」
口調が平淡ながら饒舌になっている。恋殿が本気になられた証。
普段なら優しい光を湛えてくれている筈の瞳には、何の感情も見出せなくて。
それでも付き合いが長いだけに本気で怒っているのだと理解してしまったのです。
「それでも、ねね……続けてたから、恋、挨拶の代わりかと思ってた」
「…………」
「ご主人様も怒りながらでも、楽しそうだったから……ずっと、見てたのに……」
「……恋殿……」
嗚呼、ねねは越えてはならない一線を越えてしまったのですね。
戯れだからと何も言わずにいてくれた恋殿の心を、ねねは踏み躙ったのですね。
「……ねね、言う事…ある、はず」
「――申し、わ、け……」
ポロポロ、ポロポロと涙が頬を伝って行きます。
何故か涙が止まらない、止まらないのです。
「――……泣くなよ、ねね……」
「ッ!?」
「……ご主人、様?」
「そんな顔より……笑ってた方が、良い……ぞ……――」

832 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 19:27:20 ID:6rqPixe4P]
Hongouteigayomitaidesu

833 名前:ねねの受難(6/7) mailto:sage [2009/12/23(水) 19:29:25 ID:bCl3QsEo0]
――どうやら寝言だったみたいなのです。
まったく驚かすなのですよ……でも。
何寝ているのにねねの心配してるのですか……。
ち●この癖に。ちんくしゃの癖に。
そんな言葉を掛けられてしまったら、ねねは……――
「…………ねね、もう良い」
「恋、殿……?」
「ご主人様、心配してる……だから」
“もう怒る必要はない”、そう仰りたいのですね、恋殿。
寝言とは云えたった一言で怒りを納めてしまう程に慕っておられるのですね。
……少しは認めてやるのです、ちんくしゃ。
「でも、後でねねが自分の言葉で謝る……良い?」
「……はい、恋殿」
ようやく恋殿の表情が和らぎ、ねねもほっと一息吐けました。
取り敢えず目下意識を刈り取る様な攻撃は控える様にしないといけないと心に刻み込むのです。
恋殿を怒らせるのはねねも不本意ですし、何より身が持ちそうに――
「さて、話は終わった様ですな」
「!?」
いきなり背後から声が聞こえて心の臓が口から飛び出そうになったのです。
慌てて振り向くと青髪に白い衣、装飾過多な直刀槍『龍牙』を携えた星と……
「まったく、凄まじい殺気を感じ取ったから敵襲かと駆け付けてみれば……お前たちか」
呆れ果てた様な表情に黒髪を微風に靡かせながら青龍偃月刀を同じく手に携えた愛紗だったのです。
「あ、あれだけの殺気ねねが出せる訳ないのです!恋殿御一人の殺気なのですよ!」
「ふむ、恋が……コレはまた珍しい」
「滅多な事ではああも殺気は出さぬものだが……恋、何があった?」
「……ねねがご主人様昏倒させたから、怒ってた」
「「ほほぅ?」」
「ひぃっ!?」
瞬間飛んで来た眼光四つに思わず身が竦んで変な声が出たのです。
しかも同時に首根っこを掴まれて、ズルズル、ズルズルと……。



834 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 19:49:27 ID:6XJ8n78Y0]
支援

835 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 19:49:45 ID:6rqPixe4P]
北郷帝マダー

836 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 19:56:25 ID:OPr5uMOi0]
『ちんきゅー』Maximum Drive!支援

837 名前:ねねの受難(7/7) mailto:sage [2009/12/23(水) 20:00:03 ID:bCl3QsEo0]
「ま、待つのです、星、愛紗!一体何処で何をしようと言うのです!」
「ふふふ……それは勿論、なぁ愛紗……?」
「そうだな星……“少しばかり”話を聞かせて貰うだけ……ふふふ……」
「れ、恋殿ぉ!助けて下されええぇぇぇぇ!!」
星と愛紗に引き摺られて行く最中に確認出来たのは、優しくちんくしゃの髪を撫でる恋殿の愛しそうな表情と、
「……頑張って、ねね」
何故か励ましの言葉を贈って下さった恋殿の声だけなのでした。



後日、ちゃんとアノち●こには謝りましたですよ!
何故か頭を撫でられてしまいましたが……ムカついたので“ちんきゅーさんだんきっく”を喰らわせてやりましたです。
べ、別に照れ隠しとかそんなのじゃないですよっ!?

――えっ、星と愛紗に引き摺られた後に何があったのか?
そ、そそそそそそれはねねはなにもしらないのですほんとうですおぼえてないのですぅっ!

838 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 20:01:58 ID:bCl3QsEo0]
以上となりまふっ!
すっかりバイさるの事忘れてましてorz
支援、どうもアリガトウゴザイマシター!

839 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 20:03:51 ID:6rqPixe4P]
…………

840 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 20:08:06 ID:WYDFmQOJO]
>>838
ちんきゅーの格闘スキルが向上してきているな、いつの間にか実戦でも脚技で戦えるようになっていそうだ

恋の一途さには惚れるわ、本当に良い娘だ

841 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 20:14:10 ID:2jtO2chu0]
乙。
やはりねねはツンツンよのう

842 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 20:14:41 ID:zYmar1dD0]
>>838
恋とねねの話は何かほっこりするな

843 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 20:49:33 ID:yjN69f2X0]
>>838
ねねもかわいいなぁ。
おもしろかったです!乙



844 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 20:59:41 ID:dUKsExeR0]
うーん……ツンキャラはハーレムではいろいろとつらいんだよな
主人公を邪険にしたり、危害を加えたりするだけで悪者にされてしまう
だからハーレムは苦手なんだ

845 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 21:06:56 ID:sgx/E/bV0]
邪険にされたりすると喜ぶ主人公ならハーレムでも共存可能

846 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 21:10:16 ID:pqDNFzWG0]
ねねかわいいよ、ねね。

>>844
実際の所、一刀さんはねねや詠、桂花ですらうまくあしらってるのでなんも問題がない。

847 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 21:15:08 ID:mtZa+ch70]
ツンデレだとばれてる場合は周囲から生暖かい目で見守られてる場合もある。

理不尽だったりすると自分も苦手だけどねぇ。
ほかの女の子に迫られてる状態なのに主人公に暴力振るうとか。

848 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 21:33:25 ID:sgx/E/bV0]
ツンデレでも問題無い主人公で脳内検索してたら

『がはははは! ナイスだー! とーうっ!』

って叫んでる主人公が頭を過ぎった。
なぜだろう、アレと一刀さんが同じ次元の生き物に感じるんだぜ……

849 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 21:45:57 ID:2jtO2chu0]
刀と槍。どちらも武器だからじゃないだろうか

850 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 21:55:29 ID:dUKsExeR0]
>>846
桂花はドMという強い個性があるからそれでもいいけど
簡単にあしらわれてしまったらツンキャラとしての魅力は半減だろ
理不尽なのが苦手?逆だよ、理不尽だからこそいいんじゃないか
その理不尽が封じ込められたり、非難されたりするのが問題なんだ

851 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 22:08:24 ID:sgx/E/bV0]
>>849
うまいこと言ったなw

852 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 22:44:10 ID:rI5sn/a3O]
>849
座布団3枚

853 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/23(水) 23:22:07 ID:J5EUQm3i0]
>>849
洛陽を割譲しても良いレベル



854 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/24(木) 04:55:59 ID:EJ0YXCkLO]
>>844
>>850
同じベースソンでも恋姫無双より、春恋乙女の方が向いてるんじゃないか?
ハーレムゲーのスレに来てハーレム苦手って言われても

855 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/24(木) 09:21:51 ID:gxK8J44y0]
書くのが難しい・苦手って意味じゃないのか?

856 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/24(木) 09:53:15 ID:C8jjj/pG0]
無印は個別エンドもあるしハーレムってことはあまり気にならないからな
でも真やって、やっぱハーレムは苦手だな〜と思った
だから真に準拠すると全然人間関係をイメージできなくてさ
他の作者さまの真似して長編とかも書こうとしてみたけど
なかなか難しくて、ちょっと手に負えないような気配が……orz

857 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/24(木) 10:00:01 ID:CjmDnGVR0]
そういうの愚痴るのはせめて避難所でやろうぜ。

858 名前:一刀十三号 ◆vgiLUhkT66 mailto:sage [2009/12/24(木) 20:35:16 ID:7YP3via6O]
現在帰宅中
本日桃香予定の方居ますか?

859 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/24(木) 20:36:41 ID:gP9J9ZVcP]
ノシ

860 名前:一刀十三号 ◆vgiLUhkT66 mailto:sage [2009/12/24(木) 20:47:28 ID:7YP3via6O]
あなたはメーテル様でしょうか?

861 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/24(木) 21:29:52 ID:beoNKB8P0]
【遼来々】

霞「うおおっ!死ねや孫権〜!」

蓮華「キャッ!」

思春「蓮華さま!お怪我は!」

霞「チッ…もう少しやったのに…」

思春「張遼!私が相手だ!」

霞「甘寧か!かかってこんかい!」

蓮華「……」

一刀「蓮華!無事か?!」

蓮華「か…一刀…」

一刀「蓮華…お、お前…」

蓮華「ち、違う!これは違うぞ!長江に落ちて濡れただけだ!」

孫権が恐怖のあまりお漏らしをしたかどうかは永遠の謎である…

862 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/24(木) 21:51:43 ID:NxNuWZY3O]
>>861
布教乙

863 名前:一刀十三号 ◆vgiLUhkT66 mailto:sage [2009/12/24(木) 21:54:21 ID:7YP3via6O]
帰宅中断、職質中(笑)
ギャー!もうこんな時間(;_;)
準備溺死だい、時間の都合上、非難所に桃香しようと思ってます。
そんなにイブに野郎一人は怪しいか警備隊隊長一刀!



864 名前:メーテル ◆999HUU8SEE mailto:sage [2009/12/24(木) 22:15:46 ID:w8aOeS4x0]
わたしの名はメーテル……クリスマステキストを投下する女。

何事も無ければ22時30分より桃香予定よ、鉄郎。

865 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/24(木) 22:27:31 ID:4XgpW3pQO]
>>864
了解!
総員、支援砲撃用意!

866 名前:真・恋姫無双 外史 「美羽と七乃と賛多黒臼」(1/8) mailto:sage [2009/12/24(木) 22:31:49 ID:w8aOeS4x0]
 美羽の朝はそれほど早くない。
 夜は早かろうが眠くなったら気ままに寝るのだが、朝は誰かが起こしに行かない限り、昼近
くまで起きてこないのだ。
 そして、そんな彼女を起こす仕事は、ただ起こすだけに終わらない。
 かの美少女君主様は、寝起きしばらくは「うにゅ」と鳴くだけの可愛らしくも無力な生き物
であるので、顔を洗う、歯を磨く、服を着替える、朝食をとる、その他さまざまな支度、これ
ら一切を世話してやらねばならないのだ。
 このなかなかに大変な朝のお役目は、以前は七乃が一人で行っていたものだが、今は月と七
乃が日替わりで交代して行っている。
 当初七乃は『お嬢様のお世話は私がするんですっ!』と言い張ったのだが、袁家を中心とす
る勢力の規模も大きくなっており、それによって仕事も増え、彼女自身相当に忙しい身の上に
なってしまっている。現実問題として毎朝の時間、美羽にべったりとくっついているのは難し
くなっているのだ。
 これはなにより、以前とは違ってその仕事をきっちり監視監督しているお目付の軍師もいる
のが大きい。
 それでも要領良くほどほどに手を抜きつつも、きっちり片付けて美羽に構う余裕があるあた
り如才ないのだが、やはり多忙には変わりなく毎朝美羽を起こすのは物理的に不可能だ。
(なお、彼女とは正反対に、真面目にかっちり仕事をこなすが故に、時間を上手にやりくりで
きないのが陳宮である)
 一方、月に関しては美羽自身も彼女のことを気に入っており、月も美羽のことを自分の妹の
ように可愛がっていることから、美羽の世話係としてはこれ以上望めないほどの適任者であっ
た。
 それでなくとも洛陽の都で窮地を救われ、その上生きていく場所まで作ってくれたことを、
月は深く感謝している。
 美羽に関する苦労なら、買ってでももしたいというのが正直なところなのだ。
 そういうわけで、月は多忙を押して世話する七乃と、交代で朝のお勤めを果たしていた。


867 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/24(木) 22:35:18 ID:MJ11lzR60]
F-2

868 名前:真・恋姫無双 外史 「美羽と七乃と賛多黒臼」(2/8) mailto:sage [2009/12/24(木) 22:35:26 ID:w8aOeS4x0]
「何の音かな……?」
 月が疑問を漏らしたのは、そんな朝の勤めを果たすために彼女の部屋の前に来たときだった。
 普段なら朝のこの時間、シンと静まりかえっているはずの部屋の中から、今日はなにやらド
タドタと物音がするのである。
 これが戦慣れした武将たちであったなら不審に思うところであったろうが、月は特に気にす
ることもなく戸を叩いた。
「美羽ちゃん、起きてるの……?」
 月は声をかけてから遠慮がちに戸を少し開け、そこからひょっこりと顔を覗かせた。
 すると中にいた美羽から、元気良く声がかけられた。
「おお、月か。今日もおはようなのじゃ!」
 朝、部屋の中でこんなふうに美羽から挨拶されるというのが既に異常事態だが、月が目にし
た部屋の中はもっと尋常ならざる様相であった。

 部屋の中には、既に着替えを済ませた美羽の他に、
『はっ!』
『ほっ!』
『せいやっ!』
『そいやっ!』
 と、かけ声を出して作業する、屈強そうな体つきをした男たちが数名いたのである。
 彼らは、美羽の部屋の窓に何かを取り付けようとしたいたり、天井に何かを取り付けようと
している。
「えと……美羽ちゃん?」
「ん?……おおっ!」
 月がやや怯えた視線を男たちに向けていることに美羽が気づくと、コホンと一つ咳払いをし
てから説明を始めた。
「こやつらは七乃配下の、親衛隊の者たちじゃ。今朝は少々頼み事があって来てもらっておる」
『『『『はっ! 我ら袁術様親衛隊、〔内装†無双〕であります!!』』』』
 男たちは美羽の紹介に呼吸を合わせ、一斉ぐるりと顔を向けて、黄金色に焼けた顔に無駄に
白い歯を輝かせて月に笑いかけた。
「へぅ」
 それは月でなくとも、悲鳴を漏らしてしまうのは仕方がない不気味なマッチョフェイスであった。


869 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/24(木) 22:36:23 ID:5M7Rsd+x0]
支援

870 名前:真・恋姫無双 外史 「美羽と七乃と賛多黒臼」(3/8) mailto:sage [2009/12/24(木) 22:37:36 ID:w8aOeS4x0]
 そして部屋の中。
 未だ男たちが作業する音がトンテンカンテン響いている。
 内装†無双の皆さんが作業する音をバックに、美羽と月は円机を前に並んで座っていた。
 円机の上には、美羽の朝食が並べられている。
 美羽の健康は勿論、目を楽しませることも考えられた、色とりどりのおかずが、何種類も少
量ずつ皿に乗せられている。
 無論、これらの献立を考えているのも七乃である。
「美羽ちゃん、今日は一人で起きられたんだね」
「うむ、今日はなにやら自然と早く目が醒めてしまってのぅ」
 それを聞いて月はにっこりと微笑む。
「うん、それはいいことだね」
 美羽が早く目覚めてしまった理由には月も心当たりがある。そこまで思い至って笑ったのだ。
月にとって美羽のこういう気質は実に好ましいものであった。
 だが、笑ってから思い出したように、部屋の隅で作業する男たちを見ながら月は問いかけた。
「……あの、それで、あの人たちは一体何なのかな……」
 美羽が早起きをした理由と、〔内装†無双〕の存在がどうしても結びつかなかった。
「うむ、こやつらは今晩の仕掛けを任せてあるのじゃ。次は卵焼きが食べたいの」
「仕掛け?」
 そう言って、月は箸で卵焼きを割ると、自分でまず一口食べて、何の問題もないことを確認
してから、残りを美羽の口元へ持っていった。
「あーん」
「はむ」
 毒味である。
 本来は毒味役が事前に箸をつけて、食膳に毒が盛られていないかを確認するものであるのだ
が、美羽の場合はこうして直前に毒味をするのが常であった。

871 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/24(木) 22:39:57 ID:4XgpW3pQO]
こんな所で朝飯はイヤだwww
支援砲撃!

872 名前:真・恋姫無双 外史 「美羽と七乃と賛多黒臼」(4/8) mailto:sage [2009/12/24(木) 22:40:37 ID:w8aOeS4x0]
「今宵は大捕物があるのでな、その準備なのじゃ。次は魚が食べたいの」
「お魚だね。……はい、あーん」
「はむっ」
 加えて美羽は箸も持たない。
 流石にこれは甘やかしすぎかなと思わないでもないのだが、美羽自身別に箸を使うことがで
きないわけでもなく、他の者の目がある前では普通に食事を取っているので、別にこのままで
もいいのかなと最近は思っている月である。
「それで、大捕物って何をするの?」
「はむはむ……。今日は栗州升とかいう行事の日らしい」
「うん、そうみたいだね」
「一刀の奴の話では、なにやら栗州升の日に靴下をつっておくと、賛多黒臼なる怪人が真夜中
に部屋に忍び込み、密かに贈り物を置いていくらしいのじゃ! ……次は芋が欲しいの」
「はいはい」
 栗州升と賛多黒臼。その話は月も一刀から聞かされている。
 なんでも天の国の行事で、西の方で産まれた偉い人の誕生日を祝う風習らしい。
 天の国の行事をお気に入りの美羽が、今日それを言い出すのは予想の範囲内である。
「それでな、妾は気づいたのじゃ! 賛多黒臼を捕まえてしまえば、奴が配ろうとしている贈
り物を、すべて独り占めできるではないか! とな」
「……はぇ?」
 その言葉を聞いて、思わす掴んだ箸から美味しそうな芋の煮物がポロリとこぼれ落ちた。
「賛多黒臼は、靴下を吊した者、すべての前に現れるそうじゃ。つまり、き奴めを捕らえれば、
この世のありとあらゆるものが手に入るということなのじゃ!」
「えーと……」
 月は改めて、部屋の中を見回した。
 よく見れば、窓辺に設置されようとしているのは、侵入者の身動きを封じるトリモチではな
かろうか。
 よく見れば、天井に設置されようとしているのは、侵入者を捕らえる網ではなかろうか。
 そして更によく見れば、そんなものがこの部屋中、いたる所に設置されているではないか。
 その意味に気がついた月の笑顔が、小さく引きつった。


873 名前:真・恋姫無双 外史 「美羽と七乃と賛多黒臼」(5/8) mailto:sage [2009/12/24(木) 22:43:27 ID:w8aOeS4x0]
 北郷一刀は確かに月に栗州升と賛多黒臼の話を教えていた。だが、月は美羽の口にした以上
の真実も聞かされていた。
 曰く、賛多黒臼の話は、子供だけが信じているおとぎ話なのだと。
 本当は賛多黒臼なんてどこにも存在しない。贈り物は親が賛多黒臼の代わりに子供に用意し
ているのだと。
 月はそれを聞いたとき、どうして子供にそんな嘘を教えるんだろうと彼に聞いたと。それを
聞かれた天の御使いである彼は、
『大人はさ、生きていくために嫌が応にも色んなことを知らなくちゃいけないんだと思う。だ
から子供の頃くらいは、夢を見た方が良いって思うんじゃないかな。そう思うから、昔子供だ
った大人は、子供のために幸せな嘘を教えるんだよ、きっと。今だけは、ってさ』
 そう答えて笑ったのを、覚えている。

 美羽はその真実に気づいていないようだった。
 彼女は無邪気に賛多黒臼が実在して、子供たちに贈り物を配ってまわるのだと信じている。
 そしてこのままいくと、罠に引っかかって捕まるのは、賛多黒臼ではない誰かに違いない。
 そのとき、美羽は一刀の言う『幸せな嘘』の真実を知るだろう。
 そこまで思い至ったとき、月は、
「あの……美羽ちゃん、そういうのは、いけないんじゃないかな」
 そう口にしていた。




874 名前:真・恋姫無双 外史 「美羽と七乃と賛多黒臼」(6/8) mailto:sage [2009/12/24(木) 22:46:37 ID:w8aOeS4x0]
「うん? どうしてじゃ?」
「うーん。美羽ちゃんがそうやって賛多黒臼が捕まえちゃったら、贈り物をもらうはずだった
他の人たちは、どうなっちゃうのかな?」
「無論、妾が独り占めじゃから、何ももらえんじゃろうな」
「それって、もらえなかった人はとても悲しいんじゃないかな? 泣いちゃうんじゃないかな
?」
 心なしか責めるようになってしまった月の言葉。それを耳にして美羽は、はっとした顔にな
り、それから可愛らしく眉間にしわを寄せた。
「むぅ、それは確かに……、そこまでは考えておらんかったのじゃ」
「美羽ちゃんだって、誰かが独り占めしたせいでもらえなくなったら、嫌な気持ちになるでし
ょう?」
「む、むむむ……」
 諭されて、美羽が唸りはじめた。
 基本的に美羽はアホの子であるが、悪い人間ではない。
 言って聞かせればわかる程度の分別は持っているし、それを言うのが月や七乃なら尚更だ。
「確かに月の言うとおりじゃな……よし、決めたぞ! 月よ、妾は賛多黒臼を捕らえるのを辞
めるぞ!」
 拳を掲げて力強く美羽が宣言する。
 それを聞いて月もぱちぱちと小さく手を叩いた。
「うん、それが……」
 『いいね』、と言いかけたそのとき、月の言葉を遮って、突如として戸口がドパァンッ! 
と音をたてて開かれた。

「いけません美羽さまっ!!」


875 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/24(木) 22:49:52 ID:SYXQ8Zm30]
支援

876 名前:真・恋姫無双 外史 「美羽と七乃と賛多黒臼」(7/8) mailto:sage [2009/12/24(木) 22:49:53 ID:w8aOeS4x0]
 放たれた鋭い制止に、思わず二人の目がそちらに引き寄せられる。
 そこには軍服風ではあるが、プリーツスカートにニーソックスという、決して軍服ではない
袁術親衛隊の服を着た女性が立っていた。
「七乃!?」
 そう、多忙を極めているはずの七乃である。
 二人が呆然としていると七乃はつかつかと中に入ってきて、胸の前で両手をきゅっと握って
左右に振る、『いやいや』の動作をした。
「いけません、お嬢様ともあろう方が、ただ贈り物を享受するだけだなんて! 全然、ぜんっ
ぜん! そんなのらしくありませんよ!」
「なんじゃとっ!?」
 その言葉に、雷に打たれたように美羽が硬直する。
「いや、だがしかしそうかもしれんっ……。七乃や、妾は一体どうすればいいのじゃ!?」
「きっともっと美羽さまに相応しい、冴えたやり方があるはずです!」
「なんとっ!?」
「……えぇとー」
 盛り上がる二人に挟まれて月が、声を漏らした。
 せっかく上手く治まりそうだったものが、ものの見事に台無しである。

「はっ!? そうじゃ、妾は思いついたぞ!」
「流石美羽さまっ! 思わず期待しちゃいますっ! で、何を思いついちゃいましたか?」
「うむ、賛多黒臼が独り占めするはずだった賛辞を、妾が奪うじゃ!」
「ええっ! そんな!?」
 さも驚いた風を装って言う七乃であるが、顔の方は実に楽しそうだ。
「妾が賛多黒臼の代わりに贈り物を配るのじゃ。さすれば何も知らぬ俗人どもは、本当は妾が
与えたものとも知らず、ただ賛多黒臼を褒め称えるに違いない! その実、妾を褒め称えてい
るとも知らずにの!」

877 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/24(木) 22:51:35 ID:KoCUB/jd0]
SHIEN

878 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/24(木) 22:52:44 ID:NxNuWZY3O]
十三号氏まだー????????

879 名前:真・恋姫無双 外史 「美羽と七乃と賛多黒臼」(8/8) mailto:sage [2009/12/24(木) 22:53:51 ID:w8aOeS4x0]
「なあるほど! 美羽さま素敵です! 予算のことで後々詠ちゃんとねねちゃんが発狂する見
事にはた迷惑な思いつきですっ! しかもそれ、賛辞されてるの美羽さまじゃなくて賛多黒臼
なんですけど、面白そうだから言わないでおきますぅっ!」
「わはははっ! 良いぞ、妾をもっと誉めてたもっ!」
「いよっ、美羽さま! 三国一の策士っ!」
「そうじゃろうそうじゃろう。うはははは! よし、善は急げ、月も行くぞ! まずは配るも
のを集めるのじゃ!」
「へぅ……?」
「はぁーい。共犯者さま一名ごあんなーい」
「あ、あの……」
 おろおろとした月の手を、美羽と七乃が強引に引いていく。

 そんなわけで、袁仲はその日も平和であった。

 メリークリスマス!

880 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/24(木) 22:54:50 ID:exVc9nii0]
支援

>>878
いま避難所に投下中

外史スレと避難所に職人が同時投下ってすごいなw

881 名前:メーテル ◆999HUU8SEE mailto:sage [2009/12/24(木) 22:59:47 ID:w8aOeS4x0]
わたしの名はメーテル……投下終了を告げる女。
クリスマスだけれども、今回もいつもの通り美羽と七乃よ。

さて、以前に予告していたようなしていなかったような「歌合戦」ネタなのだけれど、まさかのアニメ版とのネタ被りのため、公開を延期させてもらうことにしたわ……
手直しがすんだら、また報告に来るわね、鉄郎。

882 名前:名無しさん@初回限定 mailto:sage [2009/12/24(木) 23:00:21 ID:4XgpW3pQO]
乙でした〜
続きが気になりますwww
外史スレと避難所行ったり来たりで大変だwww

883 名前:一刀十三号 ◆vgiLUhkT66 mailto:sage [2009/12/24(木) 23:05:19 ID:7YP3via6O]
すいません、ポカやりまして上の↑コテ廃棄します。間違って晒してしまいました。
非難所の桃香ごめんなさい、今日は桃香しただけで中断します。
寝かして下さい。
ごめんなさい。



884 名前:メーテル ◆999HUU8SEE mailto:sage [2009/12/24(木) 23:07:30 ID:w8aOeS4x0]
わたしの名はメーテル……早速脱字を発見よ、鉄郎。

>>まとめさんへ
876 名前:真・恋姫無双 外史 「美羽と七乃と賛多黒臼」(7/8)[sage] 投稿日:2009/12/24(木) 22:49:53 ID:w8aOeS4x0
の3行目を
袁術親衛隊の服を着た女性が立っていた。

袁術親衛隊の制服を着た女性が立っていた。
に、修正して掲載してくださると助かるわ……

「服」と「制服」じゃ大違いね、鉄郎……

885 名前:名無しさん@初回限定 [2009/12/24(木) 23:10:51 ID:982eNgcZ0]
サンタクロースのおじさん一応三国志の時代にぎりぎりかすってるね
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%81%AE%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%82%AA%E3%82%B9







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