- 1 名前:ひよこ ★ mailto:sage [2021/08/02(月) 11:15:19.01 ID:niuHRoN29.net]
- https://mainichi.jp/articles/20210802/k00/00m/040/014000c
毎日新聞 2021/8/2 09:36(最終更新 8/2 09:36) 1079文字 https://cdn.mainichi.jp/vol1/2021/08/02/20210802k0000m040016000p/9.jpg 防犯のために内側からの電子ロックとなったベランダに通じるガラス戸=相模原市緑区で2021年7月4日、宮武祐希撮影 2016年7月に入所者ら45人が殺傷された事件の現場となった相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で1日、建て替え後の入所者の受け入れが始まった。事件で福祉施設の防犯対策の課題が浮き彫りになったことを受け、新園舎は厳重なセキュリティーを備えた施設となった。事件の再発を防ぐために、専門家は「設備などのハード面だけでなく、地域との連携といったソフト面の対策が重要だ」と指摘する。【高田奈実】 7月4日に報道陣に公開された新園舎には、防犯設備の数々が設置されていた。居住棟はすべて防犯ガラスにし、電気錠が整備された。事件前よりも防犯カメラの数を増やし、園の各所に侵入者が入った場合に反応する赤外線センサーを置いた。これらは事件後に県が設置した第三者委員会の報告書で指摘された内容を受けて設計されたものだ。 報告書は、殺人罪などで死刑判決を受けた元職員、植松聖(さとし)死刑囚(31)が窓ガラスを割って園内に侵入してから110番通報まで約40分を要したことなどを課題として指摘。対策として、防犯ガラスによる出入り口の強化や防犯ブザーの設置などハード面での整備強化と、ソフト面では防犯マニュアル作成や職員配置体制の見直しといった提言が盛り込まれた。 https://cdn.mainichi.jp/vol1/2021/08/02/20210802k0000m040015000p/9.jpg 防犯ガラスとなった新園舎のガラス戸=相模原市緑区で2021年7月4日、宮武祐希撮影 ハード面は運営側の財政事情もあり、一律的に対策を強化するのは難しい。ただ、ソフト面については、事件を契機に全国で福祉施設の防犯意識は高まった。 厚生労働省が17年、社会福祉施設を対象に実施した調査では、職員への教育を実施していると回答した施設が、事件前の3割に比べ事件後は7割に増えた。一方、地域住民など近隣関係者と連携した取り組みは「構築方法がわからない」「過疎地で高齢者が多く、防犯体制の構築が困難」といった理由から、「実施予定はない」との回答が52%に上った。 県の第三者委の委員を務め、防犯アドバイザーとして県内の障害者施設の防犯対策を指導した神奈川防犯連絡会の杉森和夫会長(74)によると、やまゆり園のような入所施設は昼と夜で職員の配置数が変わるため、外部との連携が重要になる。 杉森氏は「理想はハード面をしっかり整備することだが、予算の関係で十分でない施設もある。マニュアル作成など、ソフト面で意識づくりをしていくことが重要だ。日ごろから地域のごみ掃除に参加するなど地域や関係機関との連携を取り、開かれた園にすべきだ」と指摘。そのうえで「既にある防犯器具の機能や設置状況を知ることも重要だ。予算化するには意識を持ち続ける必要がある。利用者の安全をどう考えるか議論し、共有することが大切だ」と強調する。
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