- 223 名前:名無す [2011/01/23(日) 22:00:54 ID:/DnCHnBX]
- いや、「低く」が低高低になるのは伝統的な形だよ。ヒが無声化するため、アクセント核が起きづらく核がずれたもの。
三拍形容詞起伏型は、普通の起伏型の他に、第一拍に核を起きづらい変種、第二拍に核を起きづらい変種がある。 平板型0 重い (低高高) 重いけど (低高高低低) 重く (低高高) 重くて (低高低低) 重くなる (低高高高低) 重かった (低高低低低) 重ければ (低高低低低) 起伏型0 高い (低高高) 高いけど (低高低低低) 高く (高低低) 高くて (高低低低) 高くなる (高低低高低) 高かった (高低低低低) 高ければ (高低低低低) 起伏型1 低い (低高低) 低いけど (低高低低低) 低く (低高低) 低くて (低高低低) 低くなる (低高低高低) 低かった (低高低低低) 低ければ (低高低低低) 起伏型2 多い (高低低) 多いけど (高低低低低) 多く (高低低) 多くて (高低低低) 多くなる (高低低高低) 多かった (高低低低低) 多ければ (高低低低低) 上の例から分かるように、「低い」ではヒが無声化するため、連用形などヒに核が来ることが期待される活用形で核が後ろにずれている。 また、「多い」は長音を含むため、終止形など長音拍に核が来ることが期待される活用形で核が前にずれている。 「けど」など終止形接続の語が付いた場合、平板型の語には低く付く。ここから、実は平板型は尾高型であると見ることもできる。 京阪式が高高低であることからも分かるように、これは本来尾高型なのだが、「重い人」のように連体形の場合は核が消えて平板型になっている。 平板型の終止形の場合、二重母音アイのイに核を置くことになるが、東京方言ではこれを避ける傾向にあり、「重い」が低高低になることもある。 これが平板型と起伏型の統合傾向の要因にもなっているし、終止形の「重い」も低高低と発音されることが多くなっている。 「高くて」を低高低低とするような発音が増えてきたのは、終止形からの類推によるもの。ここが類推により変化している方言は多い。 ただし、「高くて」は「長くて」などよりも低高低が自然に感じられる傾向があり、それは「低くて」との類推かもしれない。 「〜なる」の形は高低で表記する都合で上のように書いたが、実際は一つの句として「タ]カクナ]ル」「ヒク]クナ]ル」のように二段階の下降を持つ形で発音されるのが自然。 なお、京阪式との対応では、「重かった」「重ければ」類は低高高低低と発音されるのが規則的で、これは西関東方言で聞かれる。
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