- 87 名前:名無しさん@お腹いっぱい。(兵庫県) [2020/04/10(金) 22:17:48 ID:jYx4psrZ.net]
- ・司馬
私は関東に対して劣等感がありましてね(笑)どうも関西というのは低くて関東は高いと思うから、つい悪口を言いたくなるんです。 日本の場合はキリスト教も入らず、儒教も薄くしか入らなかったものですから、モラルというものはがっちりした形では入らない。 そういう意味から言いますと、関東の武士たちの価値基準というのはただ一つといっていいくらい。つまり恥ずかしいことはしない。 「名こそ惜しけれ」といいますか、それが非常に強烈な倫理として全日本を支配したわけで、その気分はいまでも関東にあるわけです。 栃木県なんかにもあるわけですね。 ・ライシャワー 私はこう見えても関東生まれでしてね(笑)それで生まれたときから、どうも上方に対しては偏見を持っている。 つまり司馬さんがおっしゃったのと全く逆の形の偏見でして、若干優越感めいた偏見を関西に対して持っている。 ・司馬 私の素朴な関東への劣等感というのは、関東は善に対して興奮するところだと思っているんですね。 関西は現実的で何をしでかすかわからない、ルールがはっきりしない、そういう劣等感があります。 同時にそれはときどき開き直りになりますが、それの伝統の始まりは、やっぱり平安末期の関東武士の成立でしょうね。武士のモラルだと思います。 ・ライシャワー 先ほど私、上方に対して偏見を持っていると申しましたが、ちょっと誤解があるといけませんので申し上げますが、それはあくまでも子供のときの偏見であったということですね。 実は私は京都に一年間住んで、あの京都の一年間というのは、私の人生の中で最も素晴らしい一年に属していると思うんです。 (司馬遼太郎『東と西』P107-109、1980年の『週刊朝日』の対談より)
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