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仲村佳樹作品SS&妄想スレ5



1 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/07/18(火) 22:04:50 ID:???]
仲村佳樹作品妄想スレッドです。
SS職人随時募集中
全年齢向けでヨロ。エロはエロパロ(21禁)へ
妄想や未来予想などの話題でもOK

【暫定ルール】
 ・荒らし、煽りは放置
 ・転んでも泣かない
 ・sage推奨?
 ・970レスor480KB越え辺りでスレ立て

◆◆このスレの内容を本スレへコピペする行為は厳禁です◆◆

588 名前:田舎○行こう!2 mailto:sage [2006/08/29(火) 18:46:09 ID:???]
「ちょっとっっ!どぉお〜〜してこのツナギでなの!!??」
「し、しょーがないわよ、先方からの要望なんだから〜」
ドピンクのラブミーツナギを着て噴火する奏江を、キョーコは必死でなだめた。
「事務所内だけならともかくよ!?TVなのよ!?
日本全国にこの姿が映し出されるのよ!!?イロモノイメージが
ついちゃったら、どうしてくれるのよ!!」
私は女優なのに〜〜!と憤慨する奏江に、キョーコは頭を抱えていた。

「おい、カナエっ!何騒いでんだよ。女のクセにみっともねーぞ!」
「飛鷹君!」
二人が振り向くと、腕を組んで踏ん反り返った飛鷹が立っていた。
奏江が笑いかける。
「久しぶりね。・・・背が伸びた?」
「成長期だからな!見てろよ、すぐに追い越して見せるぜ!!」
得意げに更に反り返った飛鷹の横に、キョーコがサッと並ぶ。
「・・・135cm、ってとこね?」
「137cmだっっ!!」
手で自分と比べてにんまりと笑ったキョーコを、飛鷹はむくれて睨みつける。
「モー子さんの身長追い越すには、まだまだ遠いわねぇ・・・」
ふるふると頭を振ってため息をつくキョーコと
ますます頭から湯気を噴出す飛鷹を、奏江は呆れて眺めていた。

と、そこへ。
「待たせたな」
新たな声が割り込んだ。

589 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/29(火) 18:46:21 ID:???]
職人さんキタ━━(゚∀゚)━━!!
wktkでお待ちしてます。

590 名前:田舎○行こう!3 mailto:sage [2006/08/29(火) 18:46:54 ID:???]
(こ、この声は・・・)
恐る恐る振り返ったキョーコは、よく見知った顔を見つけて
目を吊り上げた。
指を突きつけて叫ぶ。
「ぬぁんでアンタがここにいるのよっっ!!」
「何でって、出演者だからに決まってんだろーが」
腕を組んで胸を張る尚に、キョーコはますます頭に血を上らせる。
「私は聞いてないわよっっ!モー子さん、聞いてた!?」
「いえ、私は何も聞いてないわよ」

奏江に否定されて、今度は飛鷹に視線を向ける。
飛鷹はついっと顔を背けて、飄々とした声で答えた。
「おれは知ってたぞ。確か結構ギリギリに決まったはずだけど」
「何でコイツなわけ?私とモー子さんと飛鷹君なら、もう一人は飛鷹君の
親友とかが来るモンなんじゃないの!!?」
「芸能界に同世代の親友なんかいねーよっっ!周りは大人ばっかだ!!」
「そもそもっ!!」
キョーコはギラリと尚を睨みつけた。

591 名前:田舎○行こう!4 mailto:sage [2006/08/29(火) 18:47:56 ID:???]
「格好つけのアンタが何でこんなバラエティ色強い番組に出ることにしたのよ!
普段なら絶対断るくせに!!」
一瞬詰まった尚は、負けじと言い返した。
「いつまでも同じ路線で売ってても、進歩がねーからな。
そろそろこの辺で違う畑にも挑戦することにしたんだよ!」
「嘘ね!アンタの事だもの、『君だったら、田舎臭い農作業へのイメージを
格好いいものというものに変えられる!君にしか出来ないんだ!!』とか
何とか、丸め込まれたんでしょ!!」
「うっっ・・・!」

(図星か・・・)
同時に思った奏江と飛鷹は、肩を叩かれて振り返った。

「ちょっとキョーコ、監督がいらしたわよ!」
奏江に大声で呼びかけられて、キョーコは我に返った。
そこにいたのは、人の良さそうな笑みを浮かべた、小太り眼鏡の・・・
どうみても普通のおじさん。
「何度も呼んだんですが、気づいてもらえなくて・・・準備はいいですか?」
どうやら暫く前からそこにいたらしい。騒ぎすぎて全く気づかなかったのだ。



592 名前:田舎○行こう!5 mailto:sage [2006/08/29(火) 18:48:39 ID:???]
「す、すみません、つい騒いでしまって・・・」
慌てて頭を下げたキョーコに、監督はあくまでも穏やかに答える。
「いいえ、楽しそうで何よりです。撮影もそんな感じでお願いしますね。
あ、申し遅れました、この度監督を努めさせて頂く石川と申します」
「あ、LME所属の京子と申します!宜しくお願いします!!
ところで、あの〜・・・」
キョーコは上目遣いに監督の顔色を伺った。

「どうしてこのメンバーなんでしょう・・・?飛鷹君が琴南さんを、
というのは伺ったんですが・・・」
「琴南さんと京子さんが仲がいいと聞きまして。それと、前に京子さんと
不破君が仲良くじゃれ合っていたのを拝見したことがあったものですから」
この4人なら楽しい撮影が出来ると思った、と言って
のほほんと笑う監督に、キョーコはぐらりと傾いた。
(仲良くなんて、ないんですけど〜〜〜!!)

「それじゃあ、打合せに入りますので第3会議室へ集合してください。
ロケは明後日から入りますので」


593 名前:田舎○行こう!6 mailto:sage [2006/08/29(火) 18:49:13 ID:???]
一行が着いたのは、北関東にあるロケ現場。
バスから降りると、さまざまな野菜の植えられた畑が
見渡す限り広がっていた。

「へぇ〜、都心からほんの1時間半なのに・・・」
「平日だから、高速も空いてたもんね。見て見て、モー子さんっ!
玉ねぎよっ!!」
「なんか倒れてんだけど、いいのか?・・・っつか、玉ねぎ半分
土から出てるけど、土ん中に出来るもんなんじゃねぇの?」
「誰もアンタに話しかけてないわよっ!ねえ、モー子さんってば!!」
「カナエーっ!!デッカイきゅうりが生ってるっ!
しかも『し』の字型してる!!こっちこっち!!」
「も〜〜、同時に呼ばないでよッ!私は一人なのよ!!あら、飛鷹君、
これ、もしかしてスイカじゃない?ピンポン玉より小さいのに縞があるわ」
「おい、キョーコ!これ何だ?先っぽからモサモサしたの生えてるんだけど」
「トウモロコシでしょ!!モー子さぁん〜〜・・・」

大騒ぎの4人を尻目に、大人達は挨拶を交わしていた。
「この度はお世話になります。どうぞ宜しくお願いします」
「いえいえ、農業に興味を持ってくれる人が増えるいい機会です。
それにしても、都会の若者には珍しいんですなぁ、地面から生えてる野菜は」
今回の収録の協力者は、趣味の菜園を定年後に本格的に始めたとの事だった。
「売り物ではないので、そんなに神経質にならず、楽しんで撮影して下さい。
沢山の種類の野菜を育てられるのも、家庭菜園ならではですしね」



594 名前:田舎○行こう!7 mailto:sage [2006/08/29(火) 18:50:47 ID:???]
撮影は翌日の早朝からのため、その日は民家の離れに泊まる事になった。
当然ながら部屋割は、キョーコと奏江、飛鷹と尚の二部屋に
分かれたのだが――その深夜。

暗闇の中、キョーコと奏江の部屋にそっと近づく影があった。
音を立てないように、細く障子を開ける。
そっと覗き込んだ、その時。

「テメェ、何やってんだ?」
ぎくりと肩を揺らした飛鷹が振り向くと、腕を組んで
ひくひくと顔を引きつらせた尚の姿があった。
「ガキのくせに覗きとは、いい趣味してやがんな?」
「っ・・・似たような造りで部屋を間違えただけだっ!ワザとじゃ・・・!」
「へぇ〜、お前は自分の部屋に戻んのに、いちいち足音忍ばせんのか」
「そーゆーアンタは何でここにいるんだよっ!」
「なんか様子がおかしいと思ったから後をつけて・・・」

ガンッッ!!
その時、障子が中から勢いよく開けられた。
ぎょっとした二人の前に現れたのは、
乱れた髪のまま、両手に枕を掴んで仁王立ちする奏江だった。


595 名前:田舎○行こう!8 mailto:sage [2006/08/29(火) 18:51:17 ID:???]
ゴゴゴゴゴ・・・どこからともなく、低い音が鳴り響く中、
目を伏せていた奏江は、カッと目を光らせた。
「ぅるっっさァ〜〜いっっ!!!」
同時に、驚愕の表情で固まっていた二人に
手にしていた枕を思い切り投げつける。

ガスッ!!と凄い音を立てて飛鷹と尚の顔面に炸裂するのを見届けもせず、
奏江はふんっ!と踵を返し、力いっぱい障子を閉めた。

「っっテェ・・・おい、お前のせいで酷い目に遭ったじゃねえか!」
「カナエ〜〜・・・」
「さすが、キョーコの友!恐ろしい女だ・・・
つか、何でお前あんなのがいいんだ?ずいぶん年上なんじゃねーの?」
「あんなのとは何だ!!少なくともあのピンクの悪魔よりずっと
イイ女だぞ!あいつのほうがよっぽど恐ろしい女だっ!!」
「んだと、このガキ!?」
「ガキって言うなーー!!」
小突きあいながらも、大人しく自室へ戻っていった二人だった。

596 名前:田舎○行こう!9 mailto:sage [2006/08/29(火) 18:51:54 ID:???]
さて、翌日。早朝から撮影が始まったわけだが・・・

「おぉ、キョーコ!!こっちのビニールハウス見てみろ、ナスだぞ!!
茎が真っ黒!葉もどす黒いし・・・何でこんなに気持ち悪ィ色してんだ?
おい、キョーコ、ちっとはこっちを・・・
イッデェ〜!!こいつ、ナスのくせにこの俺様を刺しやがった!!」
「ばっかじゃないの?
ナスのヘタ握ったら刺さるに決まってるじゃない、棘があるんだから!
ね、モー子さん、ミニトマトが一杯生ってる〜!まだ青いけど。
モー子さん、好き嫌いあるんだっけ?私トマト大好き〜!」
「おい、キョー・・・」
「ふ〜〜ぅん・・・さてはお前、あの黒い悪魔が好きなんだな?」
「んだと、このガキ!!何でこの俺様がキョーコなんぞ・・・!!
俺はな、ナイスバディーな女が好きなんだよ!誰があんな色気のない・・・
ガフッ!!」
「・・・なんか言った?このバカショー・・・!」
「あ〜、も〜〜〜!!!ちょっと静かにしなさいよ!!迷惑でしょっっ!!
誰よ、この面子に決めたのは〜〜!!!」
「・・・カナエが一番声大きいんじゃ・・・」

撮影の合間は、大騒ぎだった。




597 名前:田舎○行こう!ラスト mailto:sage [2006/08/29(火) 18:52:43 ID:???]
賑やかながら撮影は順調に終わり、一行は帰途についた。

「監督・・・これはこれで面白いロケでしたけど、えらく疲れましたね・・・
スケジュールとしては、そんなにキツイものじゃなかったはずなのに」
苦笑いしたスタッフに、石川は額の汗をぬぐって笑った。
「あぁ、君はまだ独身でしたっけ?子供が何人もいると、こんなもんですよ。
ウチは一番上が中2になったら大人びてしまいましたけど、
去年まではこんな感じだったので懐かしいですよ」
「あ、監督のとこはお子さん4人でしたっけ?というか、彼らは中学生より
子供っぽいってことですか?」
「ははは・・・」

「それにしても」
そのスタッフは、騒ぎ疲れて寝てしまった4人を見る。
「皆TVで見ていると大人っぽいので、今回は意外でしたよ。
素顔はやっぱり、まだ子供なんですねえ・・・」
石川は大きく息を吐き出すと、眼鏡を手に取った。
「ま、子供でいられるのは長くても20年。人生80年あるとすれば、
ほんの4分の1・・・そんなに急いで大人になることも、ないんじゃないですか?」

疲れ果てた人々を乗せて、ロケバスは野菜畑から遠ざかっていった。

598 名前:587 mailto:sage [2006/08/29(火) 18:54:25 ID:???]
なんか、10スレも使った割に中身がスカスカ・・・
状況説明ばっかりで埋まってしまったですよ・・・。
すみません、TVあんま見ないので撮影部分書けませんでした orz
誰か書いて下さる神様がいらっしゃると嬉しいんですけど〜!

あ、台詞の羅列のところ・・・どれが誰の台詞だか判るでしょうか?
判りにくいかも〜!!

では、お粗末さまでした。

599 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/29(火) 18:57:16 ID:???]
>>598さん、GJ!
松と飛鷹君、いいコンビだw
でもこれ、このまま放映して大丈夫なのか・・?w

600 名前:599 mailto:sage [2006/08/29(火) 18:59:52 ID:???]
あ、ごめん。「撮影の合間」ってあったの見逃してたorz

601 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/29(火) 20:15:51 ID:???]
乙( ´∀`)⊃
そうか考えてみればモー子さんもまだまだ若いんだったなw
大人顔であの性格なのですっかり忘れていた。

602 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/29(火) 20:31:51 ID:???]
撮影中、農家の跡取り息子(爽やか系イケメン)に手取り足取り、作業を教えてもらうキョーコ。
「京子ちゃん、筋がいいね」
「ありがとうございます〜」
等とちょっといい雰囲気に。
そっちが気になって気もそぞろの松。
横についてた農家のお父さんには「腰が入っとらん!」等と怒られ散々な目に。

この番組ちゃんと見たこと無いんで、適当な想像でスマソ。

603 名前:名無しさん@ピンキー mailto:sage [2006/08/29(火) 21:02:43 ID:???]
そこの農家の息子が、傍目から見ててもキョーコに好意を持ってて、
農家のおじさんとおばさんも「キョーコちゃんみたいな子が嫁に来てくれたらねぇ…」
とベタ誉め。
息子もまんざらでもなさそうだし、気になる松。

604 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/29(火) 21:35:43 ID:???]
GGGJ!!
蓮が出てこないSSって新鮮。
本誌のモー子さん不足が解消されますた(つД`)ヨカタッタヨー

ところで、細かいようだけど元ネタの番組って『■舎に泊まろう』じゃなかったっけ?

605 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/29(火) 21:56:09 ID:???]
GJ!わーいモー子さんだ〜(´∀`)
ラブミーコンビが出ると何だか潤うなぁ。


606 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/29(火) 22:05:18 ID:???]
>>604
パロだからいいんじゃまいか?



607 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/29(火) 22:42:29 ID:???]
ワロス(笑)
久々にコメディちっくで楽しかった(^O^)/

608 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/30(水) 05:15:44 ID:???]
夢を見まつた。
キョーコがスーパーで買い物していて、ふと蓮根を手に取り、ラベルを見つめ
(“蓮”の字を見るとドキドキするわ・・・・・・・・・これって、恋?)
そして、蓮根を手に頬を赤らめていたw


キョーコには早く自覚してもらいたいが、こんな自覚の仕方はイヤスorz


609 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/30(水) 07:13:27 ID:???]
蓮根を手に頬を赤らめるって……なんかエロくね?

蓮根

610 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/30(水) 12:57:13 ID:???]
蓮(の男)根

611 名前:608 mailto:sage [2006/08/30(水) 13:05:56 ID:???]
ご、ごめん、エロネタのつもりは無かったんだが・・・orz

612 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/30(水) 18:01:45 ID:???]
>>611
609は想像力豊かなんだとおもう。

613 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/30(水) 18:45:44 ID:???]
ワロスwww

>>608
謝らなくてもww

614 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/30(水) 23:18:33 ID:???]
流れよまずに書き込みます。

ずっと前から思ってたんだけど、エステ「ラ・パルレ」のCMみたいなのを、蓮キョでやってほしい〜。

615 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/30(水) 23:31:26 ID:???]
エステのCMだと、もちっと出るとこ出てた方がええんじゃまいか?w>キョーコ

616 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/31(木) 00:57:37 ID:???]
痩身美肌系ならいいんじゃない?
サトエリとガックンみたいなヌード系じゃなくて。
初めてのデートでおめかしの一環でエステへどうぞ。
ピカピカになって彼をびっくりさせちゃえ、みたいなとか。



617 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/31(木) 01:05:03 ID:???]
>>615
言われてみればw そこまで考えてなかった。
あの雰囲気好きだったんだけどね。

618 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/31(木) 01:10:32 ID:???]
ごめんなさい、リロってなかったです。

>>616さん
それもいいですね。その方がキョーコのイメージかも!

619 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/31(木) 01:16:46 ID:???]
昔あった「絶対綺麗になってやる」ってエステのCM、
松を見返してやるってキョーコの心理と、
共通する物があるな、と今オモタ。

620 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/31(木) 03:42:22 ID:???]
あったなー絶対綺麗になってやる、って。
よく覚えてないけど泣き怒りだったっけ?
キョーコに似合いすぎなCMかもw

621 名前:587 mailto:sage [2006/08/31(木) 19:55:21 ID:???]
>>604
あ、そっかーー!
すみません、素で間違えました orz

>>606さん、フォローありがとうございます・・・。

622 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/08/31(木) 23:03:37 ID:???]
13レス予定とちょっと長めですが、投下します。

623 名前: mailto:sage [2006/08/31(木) 23:05:11 ID:???]
「お姉様、大変、大変なの!」

ここはLME事務所内の、とある一室。
ラブミー部の雑用仕事を一人黙々とこなしていたキョーコの元に、
勢い良く駆け込んできたのは社長の孫娘マリアである。

「あら、マリアちゃん、久しぶりね。
どうしたの?そんなに慌てて」

「だって・・・」

息をはぁはぁと整えながら、マリアは続ける。

「私、見てしまったんですもの!」

「何を?」

「蓮様が、蓮様がぁ〜〜」

声を震わせ言ったマリアは、見開いた大きな瞳から、涙をポロポロとこぼした。
突然のことにキョーコは驚き、マリアの傍に駆け寄ると、
目線を彼女に合わせる様に膝をついた。

「敦賀さんがどうしたの?」

「デートしてらしたのよぉ〜〜〜!!」

マリアはわぁっと顔を覆って盛大に泣き喚く。
キョーコは今し方聞いたマリアの言葉が、
自分の胸の奥をチクリと棘の様に刺した気がしたが、
まずは目の前で泣きじゃくっているマリアを慰める方が先である。

624 名前: mailto:sage [2006/08/31(木) 23:06:53 ID:???]
(マリアちゃん、敦賀さんのこと大好きだものね)

キョーコはそう思い、マリアを抱き締め、宥める様に髪を撫でてやる。
ところが、マリアはいやいやする様に首を振り、言った。

「お姉様!お話はまだあるのよ!」

マリアは涙に濡れた目でキョーコを見つめる。

「蓮様とデートしていた人、誰だと思う?」

「・・・・・さあ、誰かしら?」

何故か聞きたい様な、聞きたくない様な気持ちだった。

「モー子さんよ!」

!!キョーコは頭の中が真っ白になった。
(敦賀さんとモー子さんが・・・・)
信じられなかった。
(モー子さんは、どうして話してくれなかったのかしら?
もう隠し事はしないって約束したのに、私達親友なのに・・)

キョーコは哀しくなるが、その哀しさの向こうで、
さっきより強く胸の奥が痛むのを感じた。
(何だろう、これ・・)
マリアがしゃくり上げながら言った。

「私、蓮様はお姉様のことが好きなのだとばかり思っていたわ」

625 名前: mailto:sage [2006/08/31(木) 23:08:08 ID:???]
「マリアちゃんったら何言ってるの、そんなことないわ」

キョーコはそう言いながら、以前坊として聞いた蓮の言葉を思い出した。
(あの時、敦賀さんが言ってた“女子高生の好きな人”
って、モー子さんのことだったのね)
ズキン。又胸が痛む。
(モー子さんなら、綺麗でお芝居も上手で・・。
敦賀さんとお似合いよね)ズキンズキン。胸の痛みはますます強くなる。

「お姉様だって、蓮様のことが好きなんでしょう?
私、分かるもの!」
切り裂く様な痛みがキョーコの心を襲った。

(私が・・・・・敦賀さんを・・・好き・・?)
キョーコは自分の心に問い掛ける。
(私、ずっと敦賀さんに追い付きたいと思ってた・・・。
いつか、隣に並べる様な役者になりたいって)
だが、今自分の心の底には確かに“役者”としてだけでなく、
一人の“女の子”として、いつも彼の“隣”にいたいという想いが存在していた。
例え親友の奏江でも、その場所は譲りたくなかった。(でも・・・・)
キョーコの瞳に涙が溢れた。止めようとしても止まらない。

626 名前: mailto:sage [2006/08/31(木) 23:10:21 ID:???]
(もう遅いわ、敦賀さんはモー子さんを選んだんだもの)
こんなことなら今更気付きたくなかった、
自分の胸の奥で、いつの間にか強く育っていた熱い想いに。

「お二人が愛し合ってると思ったから、私は泣く泣く
蓮様と結婚するという夢を諦めたのに〜。
大好きな蓮様と大好きなお姉様が結ばれたら、
どんなに素敵なことだろうって」
マリアは自分の涙をぬぐい言った。
「でも大丈夫、私はお姉様の味方よ。ほら、この呪いグッズで二人を別れさせれば・・」

妖しげな木彫りの人形を掲げるマリアに、キョーコは首を振った。
「マリアちゃんが敦賀さんのことも、私のことも大好きと言ってくれる様に、
私にとって、敦賀さんもモー子さんも大切な人なの。だから、・・・・もういいの」

「お姉様・・・・」

キョーコは微笑みを浮かべていた。
それはとても痛々しくて哀しげで。
マリアはそれ以上何も言えなくなってしまう。
(この気持ちは気付かなかったことにしよう、それで今迄通り・・)
キョーコはそう決心した。



627 名前: mailto:sage [2006/08/31(木) 23:12:01 ID:???]
それから、数日が経った。
キョーコはなるべくあの日のことを考えない様にしていた。
蓮とも奏江とも顔を合わせていない。
「今迄通り」と思っても、実際二人にどんな顔をして会えばいいか、
キョーコには分からなかった。
幸い仕事が忙しく、それに没頭することで気は紛れた。
今日は「きまぐれロック」の収録日、今は休憩時間である。
キョーコは坊の着ぐるみを一旦脱ぎ、スタジオの隅でロケ弁を食べていた。
(今日はハンバーグ弁当〜♪)
大好物の登場に、キョーコの心も躍る。
(これで目玉焼きが乗ってたら、完璧なんだけどね)
そんなことを考えながらハンバーグを口に運ぶと、
突然キョーコの脳裏に蘇ってくる。
ファミレスでハンバーグを食べる自分を、楽しげに見つめていた彼の微笑み。
「いや、美味そうに食べるなぁ、と思って」という彼の声。
(やだ、もう・・)
そこへ「キョーコちゃん、隣いいかな?」という声。
ブリッジロックのリーダー、石橋光である。

628 名前: mailto:sage [2006/08/31(木) 23:13:33 ID:???]
「光さん、お疲れ様です!」
立ち上がって挨拶しようとするキョーコに、
光が「あ〜、そんなのいいから」と言いながら、隣の椅子に腰掛ける。
そのまま二人並んで、しばらく黙々とハンバーグ弁当を食べる。
やがて、光が口を開いた。「キョーコちゃん、もしかして、今日ちょっと元気無い?」
キョーコは言い当てられた様な気がしてドキリとするが、
何でもない風を装って言った。
「そんなことないですよ、元気もりもりです!」

「ほんと?なら、いいんだけど」又、沈黙。
(光さん、今日はいつもより静かね、どうしたのかしら?)
そう思ってると、光が又話し始めた。
「俺、・・・・キョーコちゃんの何にでも真直ぐにぶつかっていく所、素敵だと思う。
だから、いつでもキョーコちゃんは、キョーコちゃんらしくいたらいいんじゃないかな」

(光さん・・・)

「・・・ありがとうございます」

光の不器用だけど暖かい言葉は、キョーコの心に染み渡った。
(いつでも私らしく、真直ぐにぶつかっていく・・)

629 名前: mailto:sage [2006/08/31(木) 23:15:06 ID:???]
その日の収録も無事に終わり、TBMのビルを出た途端、
キョーコのバッグの中で携帯が震え出した。
ディスプレイを確認すると、“非通知設定”の文字。
(まさか・・・・)

今一番聞きたい、でも聞くのが怖い、あの人の声。
恐る恐る通話ボタンを押す。
「・・もしもし」

「ああ、最上君、今終わったかね」
LME社長ローリィ宝田であった。

「あ、社長さん、お疲れ様です」
胸に宿る一抹の淋しさを隠すように、キョーコはいつもより一層明るい声を出す。

「大事な話があるんだが、今から時間は取れるかね?」

「分かりました、事務所に帰ったらよろしいですか?」

「いや、今から指定する場所に来て欲しい、住所は・・・」

* * * * * * * * * * * * キョーコがローリィに指定された場所に付くと、
そこは小じんまりとしてはいるが、趣味のいいフレンチレストランだった。
(本当にここで合ってるのかしら?)
キョーコの服装は、言わずとしれたラブミーつなぎである。
それで店内に入るのは、いささか抵抗があった。
(そこらのファミレスやハンバーガーショップとは違うもの、ね)

630 名前: mailto:sage [2006/08/31(木) 23:18:02 ID:???]
店のドアには「貸切」の札が掛かっていた。
(貸切だし、社長さんも一緒だし、大丈夫よね)
キョーコは意を決してドアを開けた。
「最上様ですね、いらっしゃいませ、お待ちしておりました」
恭しく出迎えたウェイターの案内で店内を進む。
(あれ、誰もいない)
貸切なのだから他の客がいないのは分かるが、
呼び出したはずのローリィの姿も見当たらない。
「こちらのお席にどうぞ」
ウェイターの示した席にキョーコが座ると、
「少しお待ち下さいませ」ウェイターは一礼すると、その場を離れていった。
一人にされたキョーコは少し不安になる。
(とりあえず、待っていたらいいのよね)
その時、フロアーの入り口に人の気配がした。
(あ、社長さんかしら)
キョーコは立ち上がり、そちらを見る。
そこに立っていたのは、社長のローリィ宝田ではなく―――。
「敦賀さん」
ピンクの薔薇の花束を手にした敦賀蓮だった。

631 名前: mailto:sage [2006/08/31(木) 23:20:05 ID:???]
「最上さん、誕生日おめでとう」
蓮はそう言って、花束を渡す。
受け取ったキョーコの鼻を薔薇の甘い香りがくすぐった。
(誕生日・・・・・・すっかり忘れてた・・・)

「あ、ありがとうございます・・・・・・あの社長さんは?」

「ごめん、呼び出したの俺なんだ、社長は協力してくれただけ」

「はぁ・・・」
何だか狐につままれた様な想いだった。

「今日は、最上さんに大事な話があるんだ、聞いてくれる?」

「は、はい!何なりと」

ところが、蓮は何度か口を開きかけるのだが、なかなか本題に入らない。
咳払いしたり、うつむいたりして、全くいつもの蓮らしくない。
(どうしたのかしら・・?)
しばらくその様子を見守ってたキョーコだったが、
そうしていると、心の中に想いが溢れてくるのを感じた。
(私、やっぱりこの人が好き・・・)

632 名前:マロン名無しさん mailto:sageしえん [2006/08/31(木) 23:20:10 ID:???]
しえん

633 名前:10 mailto:sage [2006/08/31(木) 23:21:16 ID:???]
もう、自分の気持ちを偽ることは出来なかった。
光の言葉が脳裏に蘇る。
(いつでも自分らしく、真直ぐに・・・)
結果は目に見えていた。奏江との友情も、きっと終わりになるだろう。
それでも伝えたかった、胸を熱く焦がすこの気持ちを。
「敦賀さん・・・・・・好きです」
それは、溢れる想いがそのまま形になった様な声だった。
蓮が顔を上げる。一体何が起きたのか分からない、という表情で。
「最上さん、今何て・・・?」

「好きって言ったんです、あなたが好きだって!
もう、何回も言わせないでください!」
キョーコの瞳に涙が滲む。

「・・・・・参ったな、先に言われた」

「え!?」

「俺がずっと言いたかったこと」
蓮はキョーコに歩み寄り、彼女の頬に伝う涙をぬぐってやる。そして言った。

「最上さん、俺も君が好きだ」

634 名前:11 mailto:sage [2006/08/31(木) 23:22:55 ID:???]
今度はキョーコがきょとんとする番である。

「・・・・・嘘・・・」

「嘘ついてどうするの」

「だって、敦賀さんはモー子さんと・・」

「モー子さんって・・・・・・琴南さん?何で彼女が出てくるんだい?」

「マリアちゃんに聞いたんです、敦賀さんとモー子さんがデートしてたって」
それを聞いた蓮は、おかしくてたまらないと言った様子で、笑い出す。

「何がおかしいんですか!?」
キョーコは顔を真っ赤にしている。

635 名前:12 mailto:sage [2006/08/31(木) 23:24:07 ID:???]
「ごめんごめん、君もマリアちゃんも物凄い勘違いしてるからさ」

蓮はそう言いながら、ジャケットのポケットから
ジュエリーケースを取り出し、キョーコに渡す。

「開けてみて」

それは、シルバーに小さなダイヤがあしらわれた、上品な指輪だった。

「・・・綺麗・・」

「君へのプレゼントを何にしたらいいか琴南さんに相談したら、
買い物に付き合ってくれてね。
マリアちゃんが見たのは、きっとその時だよ」

「・・・・本当ですか?」

「君も疑り深いな、どうしたら信じてくれるんだ」

「だったら、・・・もう一度言って下さい、好きって」

「一度だけでいいんだね?さっき先越された分、
百回でも千回でも言ってあげるけど」

「じゃあ、私は五千回、いいえ一万回言います」

「君も負けず嫌いだね」

636 名前:13 mailto:sage [2006/08/31(木) 23:25:34 ID:???]
二人は顔を見合わせて笑い、蓮はキョーコを優しく抱き締める。
まるで雛を守る親鳥の様に大きく暖かい彼の体温を、キョーコは全身で感じる。
「琴南さんに言われたよ、必ずキョーコを幸せにしてあげて下さいって」

「私、モー子さんと、一番の親友と同じ人を好きになったのかと思って・・」

そう言ったキョーコの瞳から、はらはらと涙が落ちた。
「俺が好きなのは君だけだ」

「・・・・花束も指輪も嬉しいけど、その言葉が一番嬉しいです・・・」

「これから、ずっと聞かせてあげるよ」

「目標1万回、ですよね」

「いや、数え切れない位。」

重なり合った二つの心そのままに、二人はいつまでも抱き合っていた。



637 名前:622 mailto:sage [2006/08/31(木) 23:34:27 ID:???]
以上です。
キョーコの気持ち自覚→告白を描きたかったのに、殆どプロポーズの様な展開にw
お店の人もいきなり長々とラブシーン見せられ、困ったことでしょうwww
因みにあそこはローリィの知り合いの店で、何があっても知らない振りをしてくれますwww
それにしても、自分もっと簡潔に書けないものかorz
駄文にお付き合い下さりありがとうございましたm(__)m

638 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/01(金) 00:56:22 ID:???]
(*´∀`*)GJ!
ステキ…プロポーズみたい。
蓮、バラを持って現れるなんて似合いすぎる。
>「これからずっと聞かせてあげる…数え切れないくらい」
いいなあ。

639 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/02(土) 09:04:19 ID:???]
夏休み終わったせいか、ちょっと静か?
バレとか来たら又賑わうかな?

640 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/02(土) 13:29:51 ID:???]
怒濤のように妄想しまくったからねぇ…。
難民にキャッチフレーズコンテストのバレと本編バレ予告来てますた

641 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/02(土) 16:53:13 ID:???]
> 怒濤のように妄想しまくったからねぇ…。

妄想バテですかw

642 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/02(土) 18:58:52 ID:???]
でも、お陰で夏を楽しく過ごせたよ。
ところで、>>622ですが携帯から投下してたんで、
PCで見ると一ヶ所改行ミスしてた事に今頃気付きましたorz
すみません・・・。


643 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/02(土) 20:13:02 ID:???]
>>622
いやいやGJ!
そろそろ本誌も恋愛モードになってきたし妄想広がりにも期待中。

644 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/02(土) 22:27:05 ID:???]
多分、分かる人殆ど、いや全くいないかもしれないマニアックネタでスマソのだが(ガクブル)
ヅ○で何回かやってる「うたかたの恋」が、蓮キョにピッタリに思えて仕方ない。
19世紀末のオーストリアが舞台の、皇太子と令嬢の悲恋物なんだけどさ。
(衣裳は基本軍服とドレス)
「殿下ではなく、ルドルフと呼ぶんだ」を
「敦賀さんではなく、蓮と呼ぶんだ」に脳内変換したり。
「お前を清らかなままにしておこうという誓いを、自分で破ろう」
と言って、姫抱っこで寝室へ・・・・・とかさ。
分かりにくくて本当にゴメン、大人しくバレ投下待ってる。

645 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/02(土) 22:46:30 ID:???]
>>644
知らないけど、聞いた感じがすごくいい。
(´∀`*)

646 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/02(土) 22:48:51 ID:???]
日立のwoooってテレビのCM、あれ蓮とキョーコでやってくれないかな。
黒木瞳をキョーコでおじさまを蓮で。

ああいう蓮もいいと思うんだけど。
常にかっこ良くて上位なだけじゃつまんない。



647 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/02(土) 22:56:02 ID:???]
〉644
知ってる。
マイヤーリンク事件って言えばわかるんじゃないかな?
オーストリアの皇太子ルドルフが令嬢マリー・ヴェッツエラと心中した悲恋話。

648 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/02(土) 23:04:21 ID:???]
>>644
知ってる。。映画も持ってる。
でもルドルフ=へたれ、マリー=野心的ってのが脳内設定されてるからなぁ。
ちょっと大人な感じの恋愛物に20才超えたキョーコが挑戦、蓮と共演なんかいいなー。
同じヅカなら「凱旋門」(ファシズム旋風の中ドイツから亡命してきた医師とイタリア人女性の悲恋)
        「二人だけが悪」(アルゼンチンで元CIAの男が旧友を死に追いやった男と対峙
                   →それに協力した女性と恋に落ちる=タンゴ踊る)

映画なら「ムーランルージュ」のような純朴な青年と高嶺の花みたいなのも面白いかも。

漫画なら「ワルツは白いドレスで」がいいけど、そうなると蓮=インド人になってしまうよorz

649 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/02(土) 23:12:34 ID:???]
インド人の蓮w似合わネーwww

豚切ってスマンがプチ妄想。
最近の流れで妻設定に萌えていたが、普通に交際宣言のみでも萌エス。
恥ずかしくてマスコミから逃げ回るキョーコ。
彼女は恥ずかしがり屋なので勘弁してあげてください、俺が答えますから、とインタビューを受けノロける蓮。
ますます恥ずかしくて悶絶するキョーコの図。

650 名前:644 mailto:sage [2006/09/02(土) 23:14:29 ID:???]
わ、意外と反応あってビックリ。
確かに史実のマリーはしたたか説ありますよねw
私は純粋で健気なヅカ版マリーを、キョーコに当てはめてました。
ついでに調子に乗って、

フランツ・ヨーゼフ(皇帝 ルドルフの父)→ローリィ
ステファニー(政略結婚したルドルフの妃)→モー子さんor逸美ちゃん
エリザベート(皇后 ルドルフの母)→飯塚さん
ブラッドフィッシュ(ルドルフの従者)→リーダー

とかさ。大人しくするって言ったのに暴走しちゃったよorz

651 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/02(土) 23:18:19 ID:???]
ワーグナーのオペラ、「さまよえるオランダ人」なんてどうだろう?

652 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/02(土) 23:20:12 ID:???]
>>649
未来話は見てみたいね。子供が出てくる話ってどうなのかな?賛否両論ありそうだけど。
のろける蓮は見てみたいw
あと雑誌のインタビュー形式とか座談会形式で書かれたものとか面白そう。

653 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/02(土) 23:23:41 ID:???]
>644
私は知らないけど、その台詞は萌えるね。
見たくなったけどヅカかぁ。

>649
蓮の妻発言に萌え萌えだったけど、それもいいね。

>622
おお、久々なSSありがとう。
蓮へたれ過ぎw
本誌も早くキョーコの自覚編しないかなぁ

654 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/02(土) 23:23:53 ID:???]
>>652
朝や昼のテレビ番組の芸能コーナーで、新聞チェーック、と言いながら紹介されるはずw

655 名前:622 mailto:sage [2006/09/02(土) 23:38:44 ID:???]
>>653
これでも当初の構想よりは、大分ヘタ蓮じゃなくしたんですけどね〜w
予定では、蓮の告白を助けようとローリィ、社さん、モー子さんが
作戦を繰り広げて・・・みたいな感じだったんだけど、
蓮が振り回されっぱなしの為すがままになっちゃってww
しかも、ローリィと社さんの自己主張が強すぎて、収拾付かなくなった(爆)
後、形はどうあれ自分から「好き」っていうキョーコを
書いてみたかったってのもあって、最終的にこの形になりました^^;

656 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/02(土) 23:40:26 ID:???]
交際宣言インタビューをプチ投下。


蓮インタビュー記事より抜粋

▽彼女のどういうところに惹かれたんですか?

蓮「うーんそうですねえ・・・とにかく純粋なんですよ。彼女以上に純粋な女性に出会ったことはないですね、いまのところ。
  何に対してもまっすぐに向き合いますし。仕事に関してもそうですが、人間関係でも。
  まあ他にもいろいろ魅力的ですが、一番はそこですかね。ちょっと変わった人間でもありますけど、そこも好きですよ」

▽京子さん、変わってるんですか?

蓮「かもしれませんね(笑)あまり具体例をあげると彼女に怒られるのでアレですけど・・・
  一緒に仕事をした人ならわかるかもしれません。コロコロ表情が変わって面白いですよ」

(略)

記事まとめ。
『敦賀さんはとにかくずっとニコニコ笑っていた。これが噂の幸せオーラってやつか!
 彼女のことホントに好きなんだねえ、と言う私に、迷いもなく「ええ、もちろんですよ」と。
 こっちが照れてしまうような台詞をサラリと言うあたり、まさしくこれぞ敦賀蓮。
 芸能界一抱かれたい男、の座は、恋人が発覚した後も当分奪われることはないだろうと確信したのだった』



657 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/02(土) 23:44:29 ID:???]
>>656
GJ!萌えた(*´Д`)ハァハァ

658 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/03(日) 00:03:13 ID:???]
ヅカで思い出したけど、むかし川霧の橋っていう山本周五郎原作の芝居があったけど
久しぶり見ていいなぁと思ったと同時に、スキビを思い出したよw
主人公は典型的江戸っ子で、照れ屋で、どうでもいいことはポンポン言えるのに
肝心なことは言えない、そのもどかしさがここ最近の蓮を思い出させるなあと。
主人公は他の男(主人公に敵意を持ってる)に好きな女の子とられるんだけど、
女の子は結局ひどい目にあわされて(1巻最初の松並み)、主人公とよりを戻して
ハッピーエンド。最後の台詞が「もう、どこへも行くな」だた。
蓮の青天は恐ろしいことになりそうだ・・


>>656
イイ!
キョーコへの愛情が見事に率直w
堂々としてて、蓮らしいね。もちろん神々笑顔なんだろうなあ。

659 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/04(月) 00:16:48 ID:???]
>>656
GJ!!
インタビューに対して紳士な蓮良いですね〜。
交際宣言したら…って妄想してたら出来上がっちゃいました。
便乗して付き合い始めた感じの蓮キョ投下します。

660 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/04(月) 00:17:43 ID:???]
「キョーコ…一緒に来てくれないか…?」
「ショーちゃん…」

「まるで家政婦みたいじゃない…」

「あんな色気ねー女…」



--------
のわっっ…
はぁ…夢か…
あ、あれっ!?かっ、体が動かない…
金縛りってこんな感じなの?
私このまま呪われちゃう?
嫌だ嫌だ
せっかく好きな人が出来て…
仕事だってこれからなのに…



661 名前: mailto:sage [2006/09/04(月) 00:19:22 ID:???]
…あ…

嫌な夢見ちゃったなぁ
動けないと思ったら敦賀さんの腕だわ
まぁアイツのおかげで敦賀さんとも出会えたし
自分を見直すきっかけにもなったし
結果オーライよ、うん
一緒に暮らすようになってもうすぐ一ヶ月かな
まさかこうなるとは思いもしなかったもの
不思議なものね
目覚ましが鳴るまであと10分くらいあるなぁ
ふふっ気持ち良さそうに眠ってるわ
睫毛長いなぁ
肌もキレイ…
あ、瞼の奥で瞳がクリクリ動いてる
そろそろ起きるかな〜


よいしょっと
結構重たいの、敦賀さんの腕
鍛えてるんだよね
重たいんだけどわざと自分の上に乗せちゃう
だって好きなの、ここ
敦賀さんの腕に囲まれた胸の中
このぬくもりと静かに聞こえる鼓動が心地良い
ぎゅーっと抱き締めて…
ぎゅーっと抱き締め返されて

662 名前: mailto:sage [2006/09/04(月) 00:20:39 ID:???]
…あれ?起きたかな…って
苦しい苦しい
ギブギブ!!
「クスクス…おはよう」
「おはようございます、もう…いつから起きてたんですか?」
「さっきだよ。なんかうなされてたでしょ。そのまま起きるのかなぁと思ったら、キョロキョロしたり潜り込んできたり可愛くって」
「観察してたんですか…」
クスクスと笑っている蓮に、キョーコはちょっぴり膨れて口先だけ動かして抗議している。
「キョーコだって観察してたでしょ。お互い様。」
いじけた振りをして再び潜り込んだ腕の中
やっぱり気持ちいい…

ピピピピッピピピピッ…
「「あ…」」
目覚ましに反応して顔を上げると敦賀さんと目が合った
眩しいくらいに微笑んでいる
「起きようか」
「ハイ」
チュッっと額にキスされて…
綺麗な瞳がゆっくりと近付いてきて…
…って、あわわわわわ
「ダメです、遅刻しちゃいますよ。朝食用意するので準備しててくださいねっ。」
「ハイハイ」
寸での所で敦賀さんの唇を押さえてにげてきちゃったわ


663 名前: mailto:sage [2006/09/04(月) 00:21:23 ID:???]
バスルームからシャワーの音がする
キッチンにいても敦賀さんの存在をそばに感じる
まるで新婚さんみたい…///
テキパキと朝食の支度をしながら、いつぞやの一緒に見たテレビ番組の記憶が甦り思い出し笑いをするキョーコでした。


(おしまい)

664 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/04(月) 00:25:23 ID:???]
以上でした。
タイトルは「新婚気分」といったところでしょうか。
文章に稚拙な部分が多々あるかと思われる上に、
>>660に1と入れるのをうっかり忘れてしまいました。
修行し直してきます。

665 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/04(月) 00:33:10 ID:???]
GGGJ!(*´Д`*)
一緒に寝てて、蓮の綺麗な顔を間近で見れて、たくましい腕の中でぎゅっとされてて、
ウラヤマシス。そしてキョーコもカワイス!
もう、ラブラブあまあまで萌えまくりですよ。

666 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/04(月) 00:50:23 ID:???]
GJ!
二人が初々しくてイイ!(*´Д`)



667 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/04(月) 03:14:39 ID:???]
GJ!
キョーコかわいいよキョーコ(*´д`*)ハァハァ

668 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/04(月) 14:59:27 ID:???]
豚切スマソ。
只今とある老人福祉関係のパンフを見てたら
アニマルセラピーのドッグ紹介に「レン(チワワ)」と「ショウ(マルチーズ)」がいて
仕事中なのになんかいろいろ煩悩が噴きだしてしまった←重症orz

669 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/04(月) 17:49:25 ID:???]
100円ショップのダ○ソーに彼氏宛専用一筆箋が売っていた。
思わず、蓮に手紙を書くキョーコを想像した。

他に彼女、娘、息子、兄姉、弟妹、祖父、祖母宛てがあった。


670 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/04(月) 19:19:13 ID:???]
豚斬りで、短篇投下しまつ。一応、キョーコ視点。

671 名前: mailto:sage [2006/09/04(月) 19:20:31 ID:???]
休暇を利用して、敦賀さんと初めての海外旅行。
楽しかった日々もあっという間に過ぎて、今日帰国して来た。
成田空港で敦賀さんが突然、「キョーコ、俺にまかせて」っていうから、
「?」と思っていると、敦賀さんは私の右手をしっかり握ってくれた。
あったかくて大きな、敦賀さんの手、大好きな手。
そのまま、手を引かれる様にして歩を進める。
すぐに、敦賀さんの言葉の意味が分かった。
「敦賀さん、京子さん、お帰りなさい!」
「ハワイはどうでしたか?」
「婚前旅行だという噂もありますが、その辺りどうなんでしょう?」
待ち受けていたのは、沢山の報道陣。
戸惑いながら敦賀さんを見上げると、「まかせて、って言っただろ?」
そうね、ここは芸能界の先輩で取材慣れしてる敦賀さんにお任せした方がいいわね。

672 名前: mailto:sage [2006/09/04(月) 19:23:17 ID:???]
でも、報道陣の人達の前を通り抜ける時も、
敦賀さんは私の手を離してくれなくて。
最初は心強く思っていたけど、中継のリポーターさんが、
「あ、手をしっかり繋いでらっしゃいます!」なんて言うのが
聞こえてきたものだから、顔から火が出そうな位恥ずかしくなった。
思わず手を離そうとしたけど、力で敦賀さんにかなうはずもなく。
そのままの状態で、ムーヴィングウォークに乗った。
取材の記者さん達からは相変わらず、口々に質問が飛んでいる。
「敦賀さん、一言お願いします!」
「京子さ〜ん!」
とその時、敦賀さんがやっと私の手を離してくれたかと思ったら、
次の瞬間肩を抱かれ、そのまま敦賀さんのたくましい胸板に、頬を押しつけられた。
ちょっ、いくら何でもこの体勢は・・・!
顔から火が出そう、なんて通り越して、
自分が茹でダコみたいになってるのが分かる。

673 名前: mailto:sage [2006/09/04(月) 19:24:24 ID:???]
敦賀さんの声が私の頭の上から聞こえる。
「すみません、彼女疲れてるみたいなんで、程々にお願いします」
私の位置からは敦賀さんの表情は見えないけれど、大体は想像つく。
きっと――極上の紳士笑顔――。
リポーターの女性が尚も聞いてくる。
「敦賀さん、ハワイは楽しまれましたか?」
「ええ・・・・・・・今迄見られなかった彼女の色んな姿も見られましたし」
つつ、敦賀さんったら、いきなり何を言い出すんですかっ!?
私の頭の中をハワイでの日々がフラッシュバックして、
ただでさえ高鳴っていた心臓は、もうパンク寸前。
「そ、それはどういった・・・・・?」
「ご想像にお任せします」
敦賀さんがそう答えたと同時に、永遠に続くかと思った
ムーヴィングウォークが途切れ、私達は報道陣を後にした。
私が抗議する様に敦賀さんを見上げると、
「取材陣には答えすぎず、答え無さ過ぎず・・・・・・勉強になった?」
なんて笑顔で言われて、頭がクラクラする。
あぁ、私ったらやっぱり大変な人を好きになっちゃったのね・・・。
でも―――すっごく幸せかも、クラクラしちゃう位にね。

その直後、『蓮様(ハート)お姉様、お帰りなさい』と書かれた
横断幕を持ったローリィ、マリア、社(&お付きの人大勢)に
出迎えられ、今度はキョーコだけでなく、蓮の頭もクラクラしたのだった――。

674 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/04(月) 19:25:50 ID:???]
「愛しているといってくれ」をこのあいだ借りて観てたんだけど、2人の初めての
朝チュンシーンが、>>660さんの話と重なってすごく萌えました。もう重症。
今更だけど、豊悦が大好きになってしまった。もう狂おしいほどに(*´Д`*)
蓮のファンはこんな感じなんだろうか。

675 名前:670 mailto:sage [2006/09/04(月) 19:31:58 ID:???]
以上です。
海外に行ったことも、飛行機に乗ったこともない
(ついでに関西人で成田に行ったこともない)私が、
テレビ等を便りに貧困な想像力で書いてみましたw
ハートの出し方も分からなかったし・・・orz
御粗末様でした。

676 名前:674 mailto:sage [2006/09/04(月) 19:52:12 ID:???]
リロードしてなくて、途中でぶったぎってごめんorz
GJ!
>取材陣には答えすぎず、答え無さ過ぎず・・・・・・
(*´Д`) 答えすぎだーー!のろけすぎーー!
もう、ここまでさらけ出すということは、蓮はキョーコと結婚して、
俺のものだ誰にも渡さない、離す気がないことを宣言しているようですね。
GJです!



677 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/04(月) 20:14:21 ID:???]
>>670
クソーーー禿げ萌えたじゃねーか(*´Д`)ググググッジョブ
自分は照れるキョーコに禿げ上がることに気付きました。

>>668-669
完全なる妄想脳だなwww


仲間がいて良かったです…orz

678 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/05(火) 04:39:48 ID:???]
敦賀さん巻頭カラーいろいろな意味でおめでとう記念のつもりで
悩めるハタチを書いてみました。

……まず謝ります。蓮、ごめんよ。しかも長いし。

679 名前: mailto:sage [2006/09/05(火) 04:45:10 ID:???]
青年は隣の少女に聞こえないようにひっそりと、ひとつ
溜息をついた。

『敦賀蓮』についてくれているマネージャーが敏腕である
ことは疑いようもない。が、仮にも歴としたひとり暮らしの
男のもとへ未成年の女の子を送り込むのはいかがなものか。

ともすれば浮き立つ心をむりやり抑え込もうと、蓮は社への
非難をブツブツと口の中で唱えていた。

少し横に視線を流すだけで、明るい栗色の髪がやわらかく
揺れている様子が鮮やかに飛び込んでくる。

自分のみぞおちぐらいの身長しかない少女は、先ほどまで
食卓に乗っていた皿の数々を実に手際よく洗っている。単調な
作業でしかないはずなのに、彼女――――最上キョーコは唇に
うっすら笑みさえ浮かべていた。

……なにが楽しいんだろう?

「敦賀さん?」

「!」

 ふいに少女がくるりを首をまわしてこちらを見上げてくる。
黒目がちな大きな瞳といきなり焦点があって、蓮は軽く肩先を
震わせた。とっさに反応できず、瞬きを繰り返す。


680 名前: mailto:sage [2006/09/05(火) 04:47:30 ID:???]
そんな青年の様子にキョーコは不思議そうに小首を傾げた。

「敦賀さん、お皿洗い終わりましたけど……」

布巾を握ったまま呆けていたことに気づいて、蓮は軽く
うろたえた。もっとも、そんな心中の動揺はおくびにも
出さない自信はあったが。

「最上さんは手際が良いね」

にっこりと音がしそうなほど笑ってごまかす。大抵の女性は
これで騙されてくれる。自分の顔面がもたらす効果については、
役者として正確に把握しているつもりだ。

 しかし、世の中は広い。
 最上キョーコにだけは、この手は通用しない。

現に少女は血の気の引いた表情で固まってしまった。

毎度ながらの反応ではあるものの、そして彼女がそういう
行動を取るようになったのは蓮の自業自得なのだとしても――
―――恋愛感情を自覚してしまった女の子にこうも怯えられては、
やっぱり落ち込む。


681 名前: mailto:sage [2006/09/05(火) 04:51:04 ID:???]
両者の間に渦巻くどよんとした空気を振り払おうと、蓮は
おおげさにキョーコの鼻先で左右に手を振った。

「おーい、最上さん?」
「はっはいぃ!!」

裏返った声で返事する少女に苦笑しつつ、青年は何事も
なかったかのように平然と皿を拭き始めた。

「ありがとう。ここはもういいよ。そっちで休んでて?」
「そんなわけにはいきません!」

長年の接客業で自然と身に付いたのか、それとも根っから
なのか、キョーコは上下関係には基本的に体育会系な思考の
持ち主だ。

「先輩に押しつけて自分だけ休めませんよ」

憤然とそう言い返すと、皿洗いの間におちてきた服の袖を
まくり上げようとする。

細い手首にはまだ洗剤の泡がついたままで、蓮は無意識に
キョーコの手を押しとどめていた。

「ちょっと待って」

少女の袖口に指をのばしてから、自らの筋張った腕とくらべて
あまりに違いすぎる細腕が今さらながらに意識される。

こんなことで動揺する自分がおかしかった。



682 名前: mailto:sage [2006/09/05(火) 04:57:39 ID:???]
手をつないだだけで鼓動が跳ね上がるなんて段階は、とっくの
昔に通り過ぎている。

しかもこれは好きなコの手を握る以前の問題で、たんに水仕事で
服が濡れないようにしようとしているだけなのだ。

自嘲しながら、それでも蓮は自分の呼吸が浅くなっているのに
気づいていた。

手首をつかまれたキョーコが、びくりと大きく身体を震わせた
のが掌ごしに伝わってくる。

「このままだと濡れるから……」

我ながら言い訳じみた科白を少女のこめかみ辺りに囁きかけながら
男はゆっくりともう片方の手をのばした。

キョーコの細い手首から肘にかけて、蓮の関節が浮き出た長い
指が這うようにじりじりと進んでいき袖口をたくしあげる。

「そっちも」

有無を言わせない響きで、さらに反対側の腕を出すように告げる。

少女が眼元を赤く染めながらおずおずと差し出す手首を再び握りしめ、
蓮は少し強く彼女の腕を引いた。

683 名前: mailto:sage [2006/09/05(火) 05:00:08 ID:???]
あっけなくキョーコの腕は高々と持ち上げられて、まるで挙手を
するかのようにつかみあげられている。そのしなやかな指の先には
感情を消した、そのくせ強く光る双眸が少女を見据える。

蓮はなおもキョーコの袖口をゆるゆると巻き上げ始め、その間
おどおどと視線をさまよわせる少女を、どこか酷く醒めた場所から
観察していた。

いつもと様子の違う青年を敏感に感じ取ったのか、キョーコの眼が
緊張と不安で潤む。気づけば蓮は、キョーコに影を落とすほど
立派すぎる上背を誇る身体を傾けていた。

「………最上さん」

「っっぅつつ敦賀さんっ、後ろ!!」
「え?」

切羽詰まった声にとっさに後ろを振り返ると、物凄い勢いで
突き飛ばされた。不安定な体勢もあってか、しぶとくつかんでいた
手はあっけなくほどけてしまった。


684 名前: mailto:sage [2006/09/05(火) 05:02:44 ID:???]
「時計が止まってますよ!大変、敦賀さんの無遅刻記録に
傷がぁっ!!」

私コンビニに行って来ますぅぅ〜とエコーをきかせながら
キョーコは一目散に玄関へと駆け出していった。

こういうのって。

「なんて言うんだっけ……………………」

確か、ウサギが逃げるとか追うとかなんとか。

最上さん、俺がケータイのアラームで起きてること知ってる
クセに………。

もうちょっとのところで目の前から逃亡したウサギの後ろ姿を
思い出しながら、蓮は今度こそ遠慮会釈なく溜息をつきながら
行儀悪くソファに座りこんだ。

脱力しながらふとテーブルの隅に置いていたケータイを
取り上げる。いくつかボタンを操作したあとで、常の彼
らしくない乱暴な仕草でケータイを閉じた。


685 名前: mailto:sage [2006/09/05(火) 05:06:36 ID:???]
もはや日本で生活する上で、なくてはならない国語辞書機能
から記憶を頼りに逆引きしてたどりついた格言。

『去る者は追わず』

「…………それだけは、ごめんだ」

背もたれに深く身体を預けながらひとりごちた。天を仰いで
ほんのわずか眼をつむってから、反動をつけて上体を起こす。

力強い足音が徐々に遠ざかっていき、灯りのついたままの
広い部屋に静寂が押し寄せた。

時計の秒針が規則正しく動く音だけが小さく響いている。

686 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/05(火) 05:10:19 ID:???]
終了。

もう気障野郎でも夜の帝王でもヘタレでも良いじゃないか。

だってハタチなんだもの。そんな心境で見守る今日このごろ。

お目汚し失礼しました。



687 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/05(火) 05:41:08 ID:???]
GJ!!
蓮逃げられたwwカワイソスwww
ひそかにヘタ蓮好きな自分はうっかり萌え(*´д`*)

688 名前:マロン名無しさん mailto:sage [2006/09/05(火) 06:07:34 ID:???]
GJ!!萌えた(*´Д`)かわいいよ、この蓮。
ちょっと積極的じゃないか。
キョーコが逃げなかったらどうなってたんだろう。
想像すると萌え。
本誌でもこんな展開になるのキボン。






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