- 712 名前:マヂレス mailto:sage [2006/06/22(木) 20:59:45 ID:fHyotKIa0]
- (中略)
そして、こうした変容は、主君と家臣との相互の心理状況に、多くの歪曲を加えていった。 主君は、如何なる無理でも諾々として服従する家臣に慣れ、益々その我儘、横暴の傾向を強 め、家臣を酷使し、その匍匐するさまをみて満足するようになった。 家臣は、益々強化される主君の嗜虐傾向に対して、益々低頭して、その中に悦びを見出すよ うになった。 いわば、家臣なるものは凡て、或る程度のマゾヒストになり、主君なるものは、多少ともサ ジストになったのだ。本来のそれと異なるのは、対象が異性でなかっただけである。 我国の完成した封建の時代は、かくて、少数のサジストと、膨大なマゾヒストの群によって 構成され、その嗜虐性と被虐性のバランスの上に維持されてきたのである。 (南條範夫「第三の影武者」に収録の「被虐の系譜」より抜粋)
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