- 83 名前:名無しの笛の踊り mailto:sage [2008/06/22(日) 21:31:30 ID:/qVQ/Ews]
- モーツァルトが行ったか否かはあまり関係ないと思うが。
なぜそこまで「モーツァルト中心」な18世紀音楽史観を持たねばいけないのか、 俺もしばしば疑問に感じる。そもそも、ドイツ語圏自体が当時の先進地・中心地と 言えるかはかなり疑問なわけだしね。 ロシアの帝都ペテルブルクには、言う迄もなくモーツァルトは行っていないが、 ここは西欧のどの都市をも凌ぐ豪華さ・壮麗さを誇る新都市として18世紀に登場し、 イタリアやフランスから招かれた一流建築家が皇帝や大貴族のための壮大な宮殿群で 街を飾った。音楽でも、ガルッピ、サルティ、パイジェッロ、チマローザ という、当時の基準でモーツァルトを遥かに凌ぐ「超一流」どころの錚々たる面々 が次々と宮廷に招かれた。モーツァルトが行っていないというだけで 辺境や後進地になってしまうわけじゃない。むしろ、パリ、ロンドンと一緒で、 18世紀後期や19世紀の大物音楽家なら演奏旅行でも外せない重要地点。 16世紀の黄金時代以降の衰退期スペインの辺境性はしばしば言われることだが、 単純には割切れない。18世紀後半のスペインの王家はフランスの分家にあたる ブルボン家なので、文学などの分野ではフランスの影響が強く、 フランスの衛星国といっていい側面もある。統治制度などもフランスを模倣した 中央集権的なもので、中世的な封建制が健在だったドイツ語圏より進んでいる と言えなくもない。 スペイン音楽の後進性というのは、例えばアントーニョ・ソレール(1729-1783) の鍵盤曲で教会旋法が使われたりしていることを言ってるのかもしれないが、 彼はドメニコ・スカルラッティの弟子で、先進地イタリアの音楽を知らないわけではないし、 これは一面に過ぎない。
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