- 1 名前:ぷぅぎゃああああああ ◆Puug571Ifs [2010/05/02(日) 10:29:01 ]
- 急遽、新装開店!(`・ω・´)
掌編、いつでも募集中! 採点、100点満点! 評価、コメント数行! 結果、コメント一行! 前スレ ワイが文章をちょっと詳しく評価する![2] love6.2ch.net/test/read.cgi/bun/1254570717/ ワイが文章をちょっと詳しく評価する! love6.2ch.net/test/read.cgi/bun/1249125836/ 文章の一部、よい! オチがない、よい! 他人の文章、ダメ! 点数の意味 10点〜、日本語が書ける! 20点〜、日本語の意味がわかる! 30点〜、読み物に近い! 40点〜、形にはなっている! 50点〜、楽しめる域に入る! 60点〜、作品として出せる! 70点〜、欠点がほとんどない! 80点〜、佳作の域に突入! 90点〜、未知の領域! 満点――、神様は評価できない! ここまでの最高得点78点!(`・ω・´)
- 57 名前:名無し物書き@推敲中? mailto:sage [2010/05/25(火) 13:32:13 ]
- ――お婆ちゃん、私もう我慢できないよ、まだなの?
――もう少し待ちな、きっともうすぐ来るはずだから。 ――いつもそう言うじゃない!私だって馬鹿じゃないんだから、 もうあそこは使えない事ぐらい判るわよ!いい加減別の場所を探そうよ、お婆ちゃん。 ――まあまあ、落ち着きな、まだ来ないと決まった訳じゃないんだし――あ、ほら見な、来たよ。 ――ほんと?あ、ほんとーだ、やっと来たね、お婆ちゃん!絶対逃がしちゃダメだよ、私もう死にそう。 ――わかってるさ、大丈夫、絶対捕まえるからね、さあさあ準備だよ。 ――あーあ、待ち遠しいなあ。 ――さあ来た、さあ来た、いひ、いひひひひ。 友人が訪ねて来る為の部屋の飾り付けを終え、ベッドに横になった私は、 ざわざわと波が奏でる海の声に耳を傾けながら、今日も海が泣いていると感じた。 思うのではなく、ただ感じるのだ。その漠然とした感情がどこから沸いてでるのか、 私は不思議に思いながらも、この海声の優しい調べのおかげで、 長年の懸念だった不眠症が治った事には感謝の気持ちで一杯だった。 そして、この家に居着いてからずっと夢に現れるあの女性に逢える事にも。 先月、マイホームを購入しようと不動産屋を訪ね回ったが、 なかなか条件に合う物件が見つからず、意気消沈しながらとぼとぼと帰路についていたところへ、 あの古ぼけた小さな不動産を見つけたのは天の計らいだったのかもしれない。 応対に出た老婆は薄気味悪かったが、この海沿いの古い家に引っ越して来て良かったと、改めてそう思う。 今宵も私は海の声に導かれて眠りへと誘われるのだろう。 船が沈没するように、自意識が深みへと落ちて行き、そして――
- 58 名前:名無し物書き@推敲中? mailto:sage [2010/05/25(火) 13:32:55 ]
- ――気づくと、私は海の中にいた。目の前にはあの女性がいる。
腰まで届きそうな長い黒髪を漂わせ、美しい裸体を惜し気もなく披露し、 エメラルドグリーンに輝く鱗に縁取られた優雅な鰭。彼女はとても美しく、 満面の笑みを浮かべて私を手招きしている様は、まるで一幅の絵のようだった。 私は彼女触れたさに歩み寄ろうとするが、一向に前へ進めない。 そんな私を冷やかすように、彼女は妖艶な微笑を浮かべながら私の手を取り、海の底へと導いていく。 まるで風が吹いているかのように後ろへと靡く長い髪から 覗く美しい横顔に見取れていると、いつの間にか海底にたどり着いていた。 周りを漆黒の闇が彩る海底で、まるで灯台の常夜灯のように、 仄かに光る彼女の姿は、抗いようのない魅力に溢れていた。 彼女は艶かしい表情を浮かべながら、ゆっくりと私に近寄ってくる。 彼女が欲しくて堪らないのに、私の体は石のように動かず、 亀のようにゆっくりゆっくり近づいて来る彼女を見ているうちに、 燃え上がる情欲は押さえようもないほどに高まり、もどかしさに気が狂いそうだった。 彼女はゆっくりゆっくり近づいて来る。後少し、もう少し。彼女の唇、彼女の胸、彼女の―― ――あーあ、まだ次の獲物は来ないの?私もう死にそう・・・・・・。 ――おやおや、しょうがない子だねえ、もう少し辛抱強さを身につけてほしいよ、まったく。 ――あら、私はお婆ちゃんと違って育ち盛りなのよ、辛抱強くしてたら干からびちゃうわよ。 ――そう思うなら、今度からはゆっくり味わいな馬鹿娘。 ――言われなくてもそうするわよ、このくそば――あ、見て見て、獲物よ、獲物が来たわ! ――おや、ほんとだね。そらそら、準備だよ馬鹿娘。今度はゆっくり味わいな。 ――分かってるわよ、お婆ちゃん♪
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