- 1 名前:ぷぅぎゃああああああ ◆Puug571Ifs [2010/05/02(日) 10:29:01 ]
- 急遽、新装開店!(`・ω・´)
掌編、いつでも募集中! 採点、100点満点! 評価、コメント数行! 結果、コメント一行! 前スレ ワイが文章をちょっと詳しく評価する![2] love6.2ch.net/test/read.cgi/bun/1254570717/ ワイが文章をちょっと詳しく評価する! love6.2ch.net/test/read.cgi/bun/1249125836/ 文章の一部、よい! オチがない、よい! 他人の文章、ダメ! 点数の意味 10点〜、日本語が書ける! 20点〜、日本語の意味がわかる! 30点〜、読み物に近い! 40点〜、形にはなっている! 50点〜、楽しめる域に入る! 60点〜、作品として出せる! 70点〜、欠点がほとんどない! 80点〜、佳作の域に突入! 90点〜、未知の領域! 満点――、神様は評価できない! ここまでの最高得点78点!(`・ω・´)
- 355 名前:3/4 [2010/07/15(木) 04:09:19 ]
- 嫌になった私は苛々して瞬きして、気付いたら荒っぽくため息をついていた。
あなたから目を離した。灰色の海は消えた。私は黒いコーヒーのマグを両手で抱えるようにして持つ。唇をつけて、染み込むのを待つようにちょっとずつ飲む、飲まずに、舐めるくらいに口にする。 はちみつ入りコーヒー、はちみつって全然甘くないのだ。おまけに、黒いコーヒーに入れたらもっと黒くなるように感じるのだ。はちみつコーヒー、私はそんなはちみつコーヒーをひとりで飲んでいる。その人のまえに飲み物はない。 何も見えていない私の視界がどことなく暗くなる。あなたは私のマグに触れる。いつから?いつの間にか触れていて、あなたはそういう微かなこと、優しさのようなものを大切にしている。私が、欲しがるから。 ゆっくり、マグが傾く。あなたが傾ける。私は見ない。唇の隙間から染み込む黒い液体、唇のすきまを越えて、唇も越えていまや、もう、口角から流れる。黒い雫が、流れる。 薄暗くて、オレンジのカーテンから日がさして、シャツのさくら色は判らない。でもそこに、黒い染み。見えるよ。指でなぞる。さくら色のシャツ、世俗的なところがとっても気に入っていた。
- 356 名前:4/4 [2010/07/15(木) 04:11:35 ]
- 結局は、そうなのだ。分かりたくない私は、分かってしまう私で、それでも拒んでいる。
私の手には空のマグ、あなたが指一本で取り上げて、私の指は解けて、赤いマグから最後の黒い雫が落ちる。花柄の綿ローンのミニスカート、黒が似合うレモン色。 優しい所作でマグは音もなく置かれ、同じ静けさで物事は流転。分かりたくない私は、分かってしまう私で、それでも逃げない私で、彼はつまり私で、私は私だけで、つまり私と欲望とその部屋と流れ出したはちみつコーヒー。 きらきらした涙なんて流れ出したりしないのだ、できることなら黒い涙を、私を勇気づける、黒い涙を。 世の中は埋没、私と彼の中に。葬列のように、産婦人科のベッドの上みたいに、何もない、強い真空の、欲望。 欲しくないものが、欲しいものだから、世の中は埋没、彼の私の中に。あるいは私の彼の中に。
|
|