- 14 名前:えびね ◆MlViGudk9NNM mailto:sage [2013/02/05(火) 04:16:58.39 .net]
- >>13のつづき
鈴木「さっきの『垂直性』とはまた違うけれど、全ての歴史の経過を一挙に高速でぶあーって流したみたいな、 そういう感じだし、高速イメージの具体性が小説的、物語的な予見をすべてぶっ壊してしまうっていうか、 もしそんな映像を短時間に見る事が出来るとすれば、人は瞬時に全ての歴史の持つ瞬間的な悲喜劇的爆発 をぼんやりと見ているような気になるんじゃないかな。彼はこの本を『これは何故か俺の本の中で一番売 れなかった本で、書評家が全員逃げやがった』って言ってたけど(笑)、でも今言った様な意味でも僕は 『ガダラの豚』がハリウッド映画だとすると、これは完全にニューヨーク映画だよね。つまりある所はロ ードムービー的であり、抑制の利いたビートニクなんだ。そしてそう言った事を全部分った上であれを書 けるというのは、やっぱり彼の作家としての端正さなんだと思う。彼は文章上手いからね。落語だって書 けるし。いずれにしろ、バッドチューニングとグッドチューニングを作家として同時にやってのける、こ のことはちょっと他の流行作家には真似の出来る芸当ではないね。」
|
|