- 294 名前:病弱名無しさん mailto:SAGE [2020/08/15(土) 23:08:50.22 ID:IILTKe3A0.net]
- >>292
臨床試験の対象は、カップルの一方のみにHSV-2感染による性器ヘルペスの罹病歴があり、相手側がHSV-2に感染していない(血中からHSV-2のDNAまたは抗HSV-2抗体が検出されない)ことが確認された、男女1484組。無作為に2群に分け、感染者にバラシクロビル500mgまたはプラセボを1日1回服用してもらい、8カ月間追跡して非感染パートナーへの感染率を比較した。臨床試験の参加時には、カップルの両者にコンドームの使用などの感染防護策を指導。感染者の症状再燃時には、どちらの群に割り付けられた場合も、実薬500mgを1日2回5日間服用してもらった。 対象者の年齢の中央値は35歳(範囲:18〜76歳)、女性側が感染者であるケースが3分の2。半数にHSV-1との共感染があり、性器ヘルペスの罹病歴の中央値は8年(同:0〜51年)だった。非感染パートナーとの性関係期間の中央値は2年(同:0〜52年)。追跡期間中の性交渉回数の中央値は、バラシクロビル群(743組)が49回、プラセボ群(741組)が46回だった(同:0〜482回)。 試験期間中に20人が性器ヘルペスを新たに発症したが、バラシクロビル群からの発症は4人(0.54%)で、プラセボ群の16人(2.1%)より有意に少ないことが判明(ハザード比:0.25、95%信頼区間:0.08〜0.75)。非顕性感染も含めるとHSV-2への新規感染者は41人になったが、感染率はバラシクロビル群が1.9%、プラセボ群が3.6%で、バラシクロビル群で有意に低くなった(ハザード比:0.52、95%信頼区間:0.27〜0.99)。 試験期間中の感染者の性器ヘルペス症状再燃率は、バラシクロビル群(38.8%)でプラセボ群(77.3%)より有意に低かった(p<0.001)。バラシクロビル群の副作用発現率はプラセボ群と変わらず、長期連用による重篤な副作用は生じなかった。 ちなみに、試験期間中にコンドームを「ほぼ常に使用した」のは全体の2割だけで、試験開始時の指導にも関わらず4割は全く使用しなかったが、HSV-2の感染率はコンドームの使用カップルで低い傾向があった。感染率には性交渉回数との相関もあり、性交渉が頻繁なカップルほど感染率が高い傾向があった。また、よく知られていることだが、この試験でも感染率の男女差が認められ、「男性から女性」への感染率の方がその逆よりも高かった。
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