- 656 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2009/07/23(木) 00:49:30 ID:D8mBmNDx]
- 水滴が窓ガラスに当たって弾け、一筋の跡を残して消えていく。
梅雨は明けたというのに、外ではざあざあと雨が降っていた。 「ああ〜、何故こういう特別な日に限って雨が降るんスか!」 「まったくですよ、皆既なんて滅多にないことなのに」 佳望学園の職員室では白倉と跳月が愚痴をこぼしながら窓辺で頬杖を付いていた。 いつもはハードボイルドな獅子宮の顔もどことなく曇っているように見える。 職員室では他にも数名が、仕事の合間に、夏休み最終日の小学生のような顔をしながら外を見つめていた。 「て、天気はどうにもなりませんからね……。お二人ともそんなに落ち込まなくてもいいじゃないですか」 二人の傍へ寄り、泊瀬谷が声をかける。 彼女も数十年ぶりだ、と言われている日食を楽しみにしていたのだが、二人の背中を見て、落ち込んではいられないと感じたようだ。 だが楽しみを潰された二人には泊瀬谷の言葉も功を成さず。 跳月がどんよりとした声で呟く。
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