- 383 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ [2008/11/11(火) 15:15:37 ID:ELEPBpz9]
- 妹のブラザーコンプレックスは、年々ひどくなっていくようだった。
両親は、僕が構いすぎるからだ、と笑うのだが、こればかりはどうしようもない。 親子ほどに年齢の離れている妹に頼まれると、大抵のことには嫌とは言えない。 「ピーマンを食べて」 「お買い物に連れていって」 「大きくなったら結婚して!」 さすがに最後の願いを聞き入れることはできないのだが、おかげで僕は長年のピーマン嫌いを克服してしまった。 いつものように、妹に見送られて仕事に出かける。 そして、いつもとは違って、玄関に立った僕に妹が駆け寄る。 まるで、跳び箱の踏み切り板にそうするように、僕の足に飛び乗って。 いってらっしゃい、と言いながら、大きく背伸びをする。 昔は届かなかったのに、ずいぶんと背が伸びたものだな、と場違いな感心をして。 それが、僕のファーストキスだった。
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