- 836 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2008/08/15(金) 06:41:37 ID:oj5ys8ya]
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盆の終わり、目の前の川面を橙色の灯籠が流れていく。 「綺麗……、でも何故かさみしい気持ちになります……」 デュラ子さんがつぶやく。 それも当然かもしれない。この灯籠はお盆に帰ってきた魂を、再びあの世へと送る明かり、別れのともし火なのだから。 僕も来年は送られる側になっているのだろうか。 「……只人さん、わ……私、本当は……」 デュラ子さんが、思いつめたような表情で言葉を紡ぎはじめる。 「本当は……、只人さんに……」 何故か僕はその先を聞いてはいけないような、デュラ子さんに言わせてはいけないような思いにとらわれた。 その思いを伝えるようにそっとデュラ子さんを抱きしめる。 「……はい」 デュラ子さんは僕の気持を理解したように、すこし寂しげに微笑んだ。 眼前の灯籠は止まることなくゆったりと流れ続けていた。
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