1 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ [2005/12/29(木) 18:09:40 ID:X8E8tyxU]
75 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2006/07/22(土) 11:54:40 ID:HdkBe3vG] O-157 ,.‐´ `‐、 ,i´ ヽ i (●) (●) i ,i'i ,i'i, ,i' 'i, ヽ二フ ,i' i, かもしてころすぞ。>>1-74 i' ,i'ゝ__,ノ ,i i, ,i' ,i ,i ,i' i, ,i' ,i i, ,i ;i, i i, ,i ,i'i, i 'i,i' ,i' 'i, i i'i, ,i' 'i, i i 'i,
76 名前:fisianasan [2006/07/30(日) 19:47:44 ID:2dfZ0b16] ファイル test.html を作成できません
77 名前:fisianasan [2006/07/30(日) 23:44:57 ID:T+TOwwpR] 'Count' の設定に失敗しました
78 名前:fisianasan [2006/07/31(月) 00:05:37 ID:tDWaHfDL] Access violation at address 0049BED4 in module '7月分のアレ詰め合わせ.exe'. Read of address 00000014
79 名前:fisianasan [2006/07/31(月) 00:16:12 ID:l67LF3CZ] 'Count' の設定に失敗しました
80 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2006/07/31(月) 23:19:11 ID:ZlimNYcy] 病気スレだけあって、ウイルスの書き込みが多いですね
81 名前: p92d98f.sitmnt01.ap.so-net.ne.jp [2006/08/01(火) 19:57:02 ID:4y71nPp/] 【コンピュータ名】YOUR-N81S9QJHQA 【ユーザ名】中浦和の星(三宮宙泰) 【回数】148 回目 【今こんな事やってます】v.isp.2ch.net/up/e6454881f173.jpg
82 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2006/08/07(月) 00:08:47 ID:xW9ZEbk/] >>75 ここでこいつに会えると思ってなかった。
83 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2006/08/25(金) 23:48:23 ID:usHf29HR] キンタマ、山田、その他の亜種を擬人化してぶっ飛ばす
84 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ [2006/08/29(火) 17:01:18 ID:UW0CnK8r] 保守age
85 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:age [2006/09/25(月) 10:50:03 ID:lHLZflWu] 乳酸菌タンが宇宙へ… ttp://www.himawarimilk.co.jp/rossiya/p01.htm
86 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2006/10/03(火) 20:53:12 ID:rUTLd1dO] ええい授業でやったところだが おしっこの近い尿崩症タンはどうだ
87 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2006/10/15(日) 23:36:05 ID:arDcqgb1] ほ
88 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2006/11/01(水) 20:34:14 ID:/tvikBZg] ほっしゅ
89 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ [2006/11/22(水) 16:19:46 ID:wlbxX+1I] 保守
90 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ [2006/12/19(火) 15:22:58 ID:9tY6c8Fc] ノロウイルスの擬人化まーだぁ?
91 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/01/07(日) 22:08:44 ID:yQY6Wjbs] ttp://kasamatusan.sakura.ne.jp/cgi-bin2/src/ichi68729.jpg.html
92 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/01/07(日) 22:09:54 ID:jOpYjYEV] >>91 腸炎ビブリオ? とにかくカワユスwww
93 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/01/12(金) 16:15:03 ID:9uhhNwmq] ところで擬人化された病気が女の子の体の中で暴れ回って 女の子が苦しんでいるシチュが全く出て来ないのは何故だろう。
94 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ [2007/01/12(金) 20:14:10 ID:6j6T/9Ns] 親菌「フフフッ……どう?苦しいでしょ?」 女患「あぅ……ふあぁ…ハァハァハァハァ…」 親菌「いっぱい蝕んであげるからね(舌キス)」 女患「あぁっ!?くぅ…あうぁあ!!」 親菌「私の分身が身体の中に入ったわよ…もう逃げられないわ!」 女患「熱い……熱いィィ……!」
95 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ [2007/01/12(金) 20:17:24 ID:6j6T/9Ns] 【体内】 子菌「クスクスッ!ママ(親菌)の言ったとおり!凄く身体が弱ってる!」 免疫(女患と同じ姿) 「ご主人様をいじめないで!」 子菌「ダメッ!あんたも宿主も蝕んでやるっ!行け〜!雑菌達(触手・スライムなど)〜っ!」 免疫「やっ…いやっ!…ご、ご主人様…ご主人様ぁ…」 子菌「アハハハハ!」 親菌「フフフフフッ…」 女患「苦しい…苦しいよぉ…」 こんな感じか?
96 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/01/13(土) 18:18:36 ID:RJc5fwQf] >>94-95 いいね、続きキボン
97 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ [2007/01/13(土) 22:45:16 ID:UtVt9fAs] 乳酸菌は自動的にビジュアルが銀様となるのでしょうか
98 名前:94 mailto:sage [2007/01/14(日) 07:37:53 ID:yEK3d9tP] 「おばかさぁん」とか言いながら腸を守ってくれるのか。 ツンデレだな、乳酸菌は。 >>96 期待されてる…今週は忙しいから、とりあえず待ってくれ。
99 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/01/22(月) 18:50:59 ID:bPEqz+Fw] 保守
100 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/01/27(土) 07:11:28 ID:KaTGmTRT] 病気はデブサのイメージが・・・
101 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/01/27(土) 17:34:51 ID:6lW2niPx] というイメージを覆して超絶美人、とか。
102 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/02/02(金) 09:37:14 ID:JlxQ4dkS] キモブサウイルスが免疫娘を凌辱とか
103 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/02/04(日) 17:16:15 ID:c8AXiqeH] >>102 後のAIDSである。
104 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/02/09(金) 17:48:44 ID:mmPtVVSn]
105 名前:94 [2007/02/19(月) 20:49:05 ID:wVpKt4tY] やっとアク禁が解除された! とりあえず作品書いてみたけど、続きが思いつかんかったから別物にしてしまった。 それでも良かったら貼っていいかい?
106 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/02/19(月) 21:00:12 ID:RoeN8bIl] >>105 問題ないと思うよ
107 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/02/20(火) 10:17:41 ID:Xn0fsITR] >>105 是非
108 名前:94 [2007/02/20(火) 17:03:54 ID:o5Rdq6B5] 地下鉄駅から外に出ると、暗い空から雨粒が落ちてきていた。 大学に行く前に見た天気予報では降水確率はそう高くなかったのだが、 いつの間に出来たのか大きな水溜りが路上に点々としていた。 あんな物、信じなければよかった。いっそのこと雪にでも変わってくれれば、まだ救いがあるのに。 寒空から降りしきる大粒の雫は冬の寒さを更に際立たせ、吐く息を白くさせる。 ここにいて雨が止むわけでもない。意を決し、一つ身震いをしてから自宅への帰路を歩み出した。 アパートに着いた時には、服も髪もずぶ濡れになっていた。 できるだけ雨が避けられるように道を選んで帰ってきたのだが、努力は無駄に終わったようだ。 家の鍵を探すため鞄に触れると端から水が滴っていた。鍵が見当たらない。 鍵探しに苦心していると、どこに出かけていたのか隣に住む住人が背中越しに カバンの中身を覗き込み、傘を振ってから部屋に入っていった。 鍵はたっぷりと水を吸った参考書の下に転がっていた。これからは財布の中に鍵を入れておこう。
109 名前:94 mailto:sage [2007/02/20(火) 17:06:54 ID:o5Rdq6B5] 「駄目だ、風邪ひいちまう。」 ストーブの前で鼻を垂らし、残り数ミリも残っていない灯油の残量を目にして言葉を漏らした。 今日が金曜日だったのは不幸中の幸いか。熱を出しても二日はなんとかなる。 気象庁め。当たりもしない適当な予報を電波に乗せて。当てられないなら予報を出すな。 寒さは確実に体力を消耗させていき、ゾクゾクと寒気が背中を撫で上げた。 「これはいよいよもって危ないぞ。」 「そうね、あなたは風邪をひく。」 ……幻聴じゃない……今、確かに女の声が聞こえた。後ろに誰かがいる! 強盗か、はたまたオカルトの類か。気配が音も無く近づいて来ている。 寒いなんて話はどうでもよくなった。今は、この状況をどうするかだ。 声から察するに多分、相手は女だ。幽霊でもない限り接近戦に持ち込めば勝機はある。 凶器を持ってたとしても、押し倒してしまえばこっちのものだ。ここは奇襲するしかない! 気配は今、真後ろに立った。
110 名前:94 mailto:sage [2007/02/20(火) 17:12:45 ID:o5Rdq6B5] 「うわあああああっ!」 「キャッ!」 動きが止まった瞬間を狙って気配に勢いを付けて飛びつく。さわれる。よかった、幽霊じゃない! 暴れる女を強引に押し倒し、なお抵抗する女の腕を力任せに押さえつけた。 高校生ぐらいだろうか?想像より若い娘は、だいぶうろたえているようだ。 黒い瞳が驚きの眼差しでこちらを見続けている。 「そんな…私が見えるの!?」 「えっ?」 何を言ってるんだ、この娘は。もしかして基地外か?そんなことを考えた一瞬の隙だった。 娘が右足を思いっきり蹴り上げ、その足はこちらの股間に見事命中した。完全に不意を突かれた。 娘が放った金的は腕の力を奪い、束縛から逃れた彼女は、 こちらが悶絶する様を見つめながら壁際へと後ずさって行く。
111 名前:94 mailto:sage [2007/02/20(火) 17:15:15 ID:o5Rdq6B5] 「なんで?なんで私が見えるの?なんでさわれるの?」 「何、言ってるんだお前は…。」 「だって、おかしいじゃない!人間が病魔に触れるだなんて!」 「びょ、病魔?」 「…どうしよう…そ、そうか、無視して感染しちゃえばいいんだ! 相手が変な人間なのは嫌だけど、早く仕事を終わらせて仲間を増やさなくちゃ!」 駄目だこいつ。完全に基地外だ。家宅侵入の上に、言うことが支離滅裂だ。 こんな奴にからまれて、やっぱり今日は運が無い。きっと厄日なんだ。そうに違いない。 遂に目までおかしくなってきたか。基地外娘の周りが歪んで見える。ほら、娘の体が光に包まれて…? 幻覚ではなかった。彼女は本当に光の中にいた。 部屋中の空気が光に吸い込まれていく様な感覚が皮膚を通して伝わってくる。 いや、実際そうなのかもしれない。徐々に光が大きく、黒く変化していく様は、 空気中の何か不純な物を吸収し、膨れ上がっているように感じた。 そう、例えば……病原菌…とか。
112 名前:94 mailto:sage [2007/02/20(火) 17:20:53 ID:o5Rdq6B5] 突如として空気が移動しているような感覚が止んだ。 白光は今や黒い塊となり、渦巻き、中にいるであろう娘の姿は確認できなくなっている。 次第にその黒い塊は小さくなり始め、中心から徐々に娘が姿を現してきた。 ふたたび現れた彼女の姿は、光に包まれる前のそれとは大きく変化していた。 首から足まで全身を包み込む黒のボディスーツ。 黒かった長髪と瞳は、鮮やかな紫へと色を変えている。 そして、頭と尻から生えたスペード型の触覚と尻尾! 子供向けの教育絵本に出てくるバイキンじゃないのか。今の彼女の姿は正しくそれである。 「……えっ!?」 「さあ…覚悟してね。」 紫の瞳が、まっすぐにこちらの眼を見つめてる。 さっきまでのうろたえた眼はどこへ行っってしまったのか。 今そこにあるのはサディスティックな。それこそ獲物を弄ぶ様な、絶対優位者の眼だった。
113 名前:94 mailto:sage [2007/02/20(火) 17:26:36 ID:o5Rdq6B5] 背中に寒気が走る。寒さから来る悪寒か。それとも、この娘の瞳の所為なのか。 立ち上がることが出来ない。頭の中身がハンマーで殴られた様に揺れている。 まるで…風邪をひいた時みたいじゃないか。こいつ、本当に風邪の…。 「立てないんでしょ。頭もグルグル回ってるよね。」 「お前、まさか本当に…。」 ゆっくり、ゆっくりと娘がこちらに向かってくる。全身から滲み出る威圧感。 突き刺る冷たい視線。抵抗する力が出ない。目が逸らせない。加速する脈拍。 もはや後ずさることしか出来なかった。 「諦めなよ。寒さで弱った身体じゃ、私から逃げられないよ。」 気づけば台所に追い詰められていた。こんな狭い所じゃ逃げられない。 獲物を追い詰め、満足そうな眼で見下ろす病魔。意識が朦朧としてくる。 背中が背の低い冷蔵庫にぶつかった。もはや隠れる場所すら無い。
114 名前:94 mailto:sage [2007/02/20(火) 17:29:00 ID:o5Rdq6B5] ……冷蔵庫? ……あっ!アレがある! そう、確かあれは冷蔵庫の扉ポケット。大学のレポート対策用に買っておいた筈だ。 もし、こいつが本当に風邪菌ならアレが効かない筈が無い! 震える手で冷蔵庫を開けると、そこには鈍く輝く茶色の小瓶が! 「あった!ユ○ケル黄帝液!」 「えっ、栄養剤!?や、やだ!やめなさいよ!」 やめるかバカ。 黄色い蓋に力を込めて、グルリと一回転。キリリッという心地良い音が台所内に響き渡った。 あの、なんとも呈し難い独特の香りが茶色の瓶の飲み口から上がってくる。 これを飲んでどうなるのかわからないが、この娘のうろたえ様を見ると悪い方には転がらないだろう。 それこそ某CMのファイト一発っぷりを凌駕する勢いで、瓶を口に近づけた。 お願いだ。状況を好転させてくれ!
115 名前:94 mailto:sage [2007/02/20(火) 17:31:45 ID:o5Rdq6B5] 「あっ、ああぁーーーっ!」 「きゅぅ〜〜〜〜っ、ぷはっ。」 「の、飲んだ…飲んじゃった…一滴残らず!」 「へへへ…ざまあ…みろ…。」 …遅かったみたいだ…意識が遠のく…。風邪菌娘が落ちた瓶を握り絞めてこっちを見てる…。 なんだ…結構、可愛い顔してる…じゃないか…こい…つ……。 … … … 気がつくと空に月が昇っていた。 雨はいつのまにか止み、ベランダの手すりに雨水が光っていた。 意識が定まらない頭で居間に大の字で仰向けになり、さっきまでのことを思い出す。蛍光灯がまぶしい。 台所で風邪菌娘と死闘を繰り広げていた…ような気がするが、そんな形跡は何処にも無い。 夢だったんだ、きっと。病魔だかなんだか知らないが、そんな奴が居るわけないだろう。
116 名前:94 mailto:sage [2007/02/20(火) 17:34:42 ID:o5Rdq6B5] 「とんでもない悪夢だった…。」 「夢じゃないっ!」 「うわあああぁ!!」 蛍光灯の明かりを遮って、あの風邪菌娘が顔を覗かせた。 こ、こいつ、本当に居やがったのか!クソッ、往生際の悪い奴め。 倒れてる間に出て行けばよかったのに、なんでまだ家の中に居るんだ! 「あんたが栄養剤で抵抗力つけたから、感染失敗しちゃったじゃないの! どうしてくれるのよ。媒体が無いと増殖できないじゃないの!」 「知るかそんなこと。他の奴にでも感染しろよ。」 「嫌よ!なんか、尻尾を巻いて逃げるみたいじゃない!」 「逃げろよ。実際、尻尾も持ってるじゃないか。」 「!!…ゆ、許せない!絶対、あんたに感染してやる!」
117 名前:94 mailto:sage [2007/02/20(火) 17:36:57 ID:o5Rdq6B5] しまった。火に油を注いだか。 「風邪の病魔はしつこいのよ!あんたなんて、私の培養槽になればいいのよ!」 「うるさい!出てけ!」 「イヤッ!居座ってやる!」 「俺の座布団に座るな!風邪菌の癖に炬燵に入るんじゃない!」 「ふんだ!この座布団を私の物にしてやる!」 「うわっ、なんだその黒い塊!何してるんだやめろ!」 「ふん、もう、この座布団は私の菌で一杯よ!座ったら風邪ひくわよ?」 「冗談じゃない!やめろ、尻尾を振って勝ち誇るな!」 こうして、自称風邪の病魔に付きまとわれることになってしまった。 こいつ、本当に感染するまで居座るつもりだろうか。ああ、駄目だ…頭が痛くなってきた…。
118 名前:94 [2007/02/20(火) 17:38:07 ID:o5Rdq6B5] とりあえず、こんなもんでいい?
119 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/02/20(火) 17:41:38 ID:8cwRGtaV] >>118 オケおけ キャラ的にはただのアデノウイルスとかその辺でいい?
120 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/02/20(火) 21:31:23 ID:snVNie6k] なにこの良スレ
121 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/02/21(水) 00:48:51 ID:PciUTYsF] >>94 goodjob 病気って物凄くマイナスイメージあるから萌え擬人化するのは大変だな。
122 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/02/21(水) 17:42:08 ID:fS+qbjPK] 漫画の神様も結核菌を萌え擬人化してんだぜ。しかも菌と人間のラブロマンス。 魔物娘スレでも言われてたけど、ほんと節操の無い神様だな。良い意味で。
123 名前:94 mailto:sage [2007/02/21(水) 18:21:07 ID:o+vVLinK] >>119 菌の名前とか特徴がわからないから病気の擬人化。 スレタイも病気の擬人化だし。 >>122 38度線の怪物だっけ? 好評だから出来てる分だけ続き貼り付けるよ。 これ以降は、もう少し待ってくれ。
124 名前:94 [2007/02/21(水) 18:23:01 ID:o+vVLinK] 風邪菌娘が家に居座ってから丸一日。未だにこいつとの攻防は続いていた。 奴はベッドでも菌を培養し始めて、それ以来ベットは占拠され昨夜は床で寝ることになった。 こいつが居座ってからの間、一秒も気を抜くことが出来なかった。 隙が出来ると、こいつは色々な手段で身体を弱らせようとしてくる。 この一日だけでも、ベッドを奪われ、ベランダに締め出され、 背中に氷を放り込まれ、灯油を捨てられ、風呂に水を張られ…。 あぁ、今も炊飯器の中に自分の菌を放り込もうとしてる。 「やめろ。お百姓様に失礼だろうが。」 「放せー!こうすれば、確実に体内に入るでしょ!」 「駄目だ。お前、農家の人に申し訳ないと思わないのか?」 「うっ、う〜…。」 振り回していた腕の動きが止まり、炊飯器から離れた彼女は不機嫌そうにベットに腰掛けた。 変なところで良心が働いているらしい。枕を抱きしめながらこちらを睨む姿が妙に笑えてしまう。
125 名前:94 mailto:sage [2007/02/21(水) 18:24:40 ID:o+vVLinK] …この娘は本当に病魔なのだろうか?確かに、目の前で突然姿を変えたり、 変身した後の瞳に見据えられると頭がグラグラしたり…思い当たる点は沢山ある。 でも見た目は普通の女の子だ。人間離れした行動を取ってはいるが、やっぱり人間臭い。 そんな部分が、彼女を病魔という印象から遠ざけているのだろう。 「あんたが風邪をひけば万事解決するの!感染させてよ!」 風邪菌娘は口を開くと悪態ばかりついていた。 昨日から一晩中「感染させろ」「出ていけ」の押問答ばかりを繰り返している。 病魔というからには、人間にまとわりついて病気にするのが役目なのだろう。 娘は職務を忠実に果たしている。しかし、人間側としては易々と感染されるわけにはいかない。 そして、そこに衝突が起きる。至極当然のことだが、ずっと口喧嘩しているのも正直、疲れてきた。 彼女は疲れないのだろうか?娘は親の敵でも見るような眼つきで睨み続けるばかりだった。
126 名前:94 mailto:sage [2007/02/21(水) 18:26:01 ID:o+vVLinK] このまま膠着状態を続けるのは精神衛生上、良くない。 互いに理解しあう必要がある。まだ彼女の名前すら聞いてないじゃないか。 そうだとも「お前」「あんた」で呼び合っていて、良い関係を築けるはずがない。 まずは、ここから改善すべきだ。そう、この風邪菌娘に快く退室してもらうために! 「なぁ、その『あんた』って言うのやめてくれないか?」 「あんたは私の獲物でしょ?獲物に名前なんて必要ないじゃない。」 ひ、一蹴りされた…こいつ…人が下手に出てやれば! いかん、ここで怒ったりしたら全てが台無しだ。また口喧嘩の押問答が始まってしまう。 あくまでも穏便に、紳士的に接しなければ。相手が病魔だとしても、誠意は伝わる筈だ。
127 名前:94 mailto:sage [2007/02/21(水) 18:26:45 ID:o+vVLinK] 「……じゃあ、お前の名前は何て言うんだ?教えてくれよ。」 「名前なんて無いわよ。」 「名前が無い?」 「私は病魔だもん。同じ兄弟姉妹が何億、何兆の単位でいるから一人一人に名前なんて付けない。 もっとも、名前があったとしても獲物のあんたには教えないけど。」 「ふーん、名前が無いのか、お前。」 「病の世界ではそれが普通なの。」 なるほどね。病原菌だから仲間が多いのは当たり前か。 だからと言って、ここで食い下がるわけにはいかない。 初めて作れたコミュニケーションの場だ。折角のチャンスを離してなるものか。
128 名前:94 mailto:sage [2007/02/21(水) 18:28:20 ID:o+vVLinK] 「じゃあ、名前を考えないとな。」 「いらないわよそんなの。人間って名前が無いと意思の疎通も出来ないの?」 「そう言うなって。そうだな…風子…なんてどうだ?」 「うわ、安直…オリジナリティーの欠片も無いのね。やっぱり名前なんていらない。」 …どこまでも可愛くない奴め。一度、人類の本気を見せ付けてやろうか? そうだな…栄養剤であそこまでビビったんだ…アルコールでもかけてやれば……。 ………今、とんでもない想像が頭の中に広がった。 アルコールをかけられた娘が、悲鳴をあげながらドロドロに溶け始めて…。 駄目だ!それは駄目だ!未知との遭遇で済む事が、インディペンデンス・デイになってしまう! そ、そうだ、紳士的にするんだった!日本人は怒らない!
129 名前:94 mailto:sage [2007/02/21(水) 18:30:34 ID:o+vVLinK] 「…そ、そうかな。結構、可愛いくないか?呼んでみるか?風子〜?」 「そんな名前いらないってば!」 「ツンケンするなって。なっ、風子。」 「うるさ〜い!私は風邪の病魔なの!名前なんて無いのよ!」 「だから風子って名前を付けたんだろ。名前が無いと不便だろ?」 「なんで私が、人間『ごとき』に名前を付けられなきゃいけないのよ!」 ……限界。 その後、一時間に渡って人類の威厳を賭けた口論が続いた。 アルコールこそ出さなかったものの、その怒声はアパート住人の反感を買うこととなった。 風邪菌娘はこっちを睨みっぱなしだ……もう許してくれ。
130 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/02/21(水) 23:54:31 ID:fS+qbjPK] >>94 続きモツカレ。 俺もSS書いてみようかな。物語なんて書いたこと無いけど。
131 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/02/21(水) 23:57:54 ID:sq8C0hFj] >>130 書け書け 書かなければ何事も始まらない たまには自分の中にある衝動を文章にしたためてみるのも面白いぞ
132 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/02/22(木) 03:13:27 ID:z3Ede0kr] ただ、投稿する前に自分で 1日置いてから読んでおいたほうが良い それと嗜好を分かってもらえるような 知り合いがいればそいつにも一度読んでもらっとけ 叩かれても良いなら 別にやる必要はないだろうけどな
133 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/02/22(木) 10:51:37 ID:sDRb0Pq2] まぁひどい叩かれ方をされてもちゃんとその中身を見極めて精進すればいいと思う
134 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/02/24(土) 20:00:53 ID:9bEv2hY4] ttp://kasamatusan.sakura.ne.jp/cgi-bin2/src/ichi76490.jpg.html 二年以上逃げたら負けかなと思ってる。 てかこのスレまだあったのか。。
135 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/02/24(土) 20:19:18 ID:2GWEL91I] >>134 ピロリ菌?
136 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/02/24(土) 22:15:17 ID:9bEv2hY4] 乗り物はピロリ菌を意識。その他設定無し。 元々菌に顔は無かったが、顔を描いただけでグッと良くなった。擬人化恐るべし。
137 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/02/24(土) 22:44:10 ID:2GWEL91I] >>136 やはりそうか トン
138 名前:94 mailto:sage 第三話だよ [2007/02/25(日) 21:15:39 ID:H9n95EX6] 風邪菌娘が来てから二回目の夜。 口論の末、彼女との間にある亀裂は修復不能な大きさになっていた。 対峙して壁に張り付き睨み合い続けて30分。もはや怒りの限界点だ。 この風邪菌娘、可愛い顔してるくせに酷い跳ねっ返りだ。 心底、人間を馬鹿にして自らを増やすための媒体としてしか考えていない。 人間と病原菌の間に友好関係は生まれなかった。 人類誕生以来の敵同士だ。それが当然なのかもしれない。 「待ってよ、どこ行くの。」 「出て行くんだよ。お前と一緒に居たくない。しばらく家を空けてやるから、 頭を冷やして気が済んだら出てけ。次、帰ってきた時にまだ家に居たら…覚悟しろよ。」 「諦めないわよ。絶対に感染してやる!」
139 名前:94 mailto:sage [2007/02/25(日) 21:17:33 ID:H9n95EX6] こんな啖呵を切ってみたものの、何か考えがあるわけではない。 絶対に感染してやる…か。もし、本当に彼女が出て行かなったらどうする? いっそのこと風邪ぐらいひいてやればいいのか? いや、やっぱり家から叩き出すのが最良の選択か? クソッ、意地なんて張らずに別の奴に感染すればいいのに。 思慮を払うように力を込めて家のドアを開けると、隣家の住人がアパートの 階段を昇ってきていた。また、どこかに出かけていたようだ。 眼が合った。と、同時に話したことも無い隣人が口から言葉を発する。 「さっきの喧嘩、うるさかったよ。もっと静かにしてくれ。」 なんのことはない、文句を言いたかったらしい。人がイライラしている時に…。 ……えっ?喧嘩がうるさかった?
140 名前:94 mailto:sage [2007/02/25(日) 21:19:42 ID:H9n95EX6] 「女の子と喧嘩なんてしちゃいけないよ。優しくしてあげなよ。」 なんで『女の子』と『喧嘩』をしたって知ってるんだ? 人間には、病魔を知覚できないはずじゃなかったか? 普通の人間にも病魔の声は聞こえるのか? 「あぁ、その子か。可愛い子だねぇ。」 隣人の視線を辿ると、家の中で彼女がへたり込んでいるのが見えた。 隣人との会話を聞いて事の重大さに気づき、様子を見に来たのだろう。 そう、この隣人には娘の姿が見えている!病魔である娘の姿が! 「す、すいません!以後、気をつけますんで!」 「女の子をいじめちゃ駄目だよ?わかってるの?」 「ゴメンなさい!用事があるんです!すいません!」 「おい、ちょっと…。」
141 名前:94 mailto:sage [2007/02/25(日) 21:20:55 ID:H9n95EX6] 隣人の声を遮り、無理やりに玄関のドアを閉める。 隣人は何かブツブツ言ってるようだが、すぐにその声も止み、 隣家のドアが閉まる音が玄関越しに聞こえてきた。 風邪菌娘から、さっきまでの威勢は消えてしまっていた。 彼女の表情は明らかに何かに困惑している。 …この風邪菌娘と初めて会った時、こいつは確かに「なんで私が見えるの?」と言った。 だから今の今まで、自分が病魔の姿を見れるようになったとばかり思っていた。 しかし、隣人は病魔である彼女の声を聞き、姿を目視することができた。 行き当たる答えは一つ。大切なことだ、彼女には酷かもしれないが聞かなければならない。 「なぁ、今まで病魔を見ることが出来るようになったと思ってたんだけど…。」 「………。」 「お前が…人間に見えるようになったんじゃないか…?」 「もう…わかんないよ…。」
142 名前:94 mailto:sage [2007/02/25(日) 21:21:50 ID:H9n95EX6] それからは全く会話にならなかった。彼女は何を言っても返事をしなくなった。 相も変わらずベッドからこちらを睨みつけて、有無を言わせない姿勢を取り続けている。 だがその姿はどこか頼りない。ベッドの上の彼女の姿が酷く小さいものに見えた。 今日はもう寝よう。 照明スイッチを切り、冷たいフローリングに寝そべって体を毛布で包む。 時計が音を刻む暗い部屋の中、彼女はまだこちらを睨み続けているようだ。 ……一体、どうしろっていうんだ。
143 名前:94 [2007/02/25(日) 21:28:23 ID:H9n95EX6] 第三話だよ。 >>134 ミュータンス菌の人だよね? しばらく見ないうちに画力が上がったね。GJ。
144 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/02/26(月) 04:27:35 ID:vQIpSek0] >>94 GJ!
145 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/02/27(火) 00:12:57 ID:t2BSSCSQ] >>94 画力なんて全く上がってませんぜ? そんなことより3話目GJ。 にしても、このスレって常駐どれくらいいるんだろうか‥‥ ttp://kasamatusan.sakura.ne.jp/cgi-bin2/src/ichi76924.jpg.html
146 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/02/28(水) 01:45:15 ID:KJl6Cv1l] >>145 とりあえずお気に入りに入れているから最低一人入る でも色々と用があったり実家に帰って足りするとPCがアレなので見たり見なかったり…
147 名前:94 mailto:sage [2007/02/28(水) 13:31:27 ID:AizMb0VF] 俺もいるでよ。もう虫歯菌を描かないの?
148 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/03/01(木) 23:06:01 ID:amDav3uW] 描いたよ。ベタ塗りだけど。 ttp://vista.crap.jp/img/vi7275777508.jpg 前の2枚も色塗ってみた。 ttp://vista.crap.jp/img/vi7275784484.jpg ttp://vista.jeez.jp/img/vi7275787919.jpg
149 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/03/01(木) 23:34:14 ID:amDav3uW] スマン。張りなおし。 ttp://vista.jeez.jp/img/vi7275952740.jpg ttp://vista.jeez.jp/img/vi7275956805.jpg ttp://vista.jeez.jp/img/vi7275960185.jpg
150 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/03/01(木) 23:57:36 ID:z7jhTGEo] エイズは1日に数十数百人を相手にする肉便器キャラって感じ。 当然やった相手はエイズに感染してほぼ確実に死にます><
151 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/03/02(金) 18:14:51 ID:Gfi81CzJ] でもエイズウイルスで死ぬのではなく エイズウイルスにより堕落し働かなくなった免疫系を尻目に 破壊活動をおこなう細菌とかウイルスにより亡くなるのであった
152 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/03/02(金) 21:57:24 ID:VMXkmSlf] 要するにエイズウイルスたんは 免疫娘を美味しく頂くドSの百合娘であると
153 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/03/02(金) 22:51:29 ID:dAEg6vlD] >>149 病気のくせにやけにパステルだなw
154 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/03/03(土) 08:35:10 ID:gYXfvJiJ] >>151 そりゃ周知の事実だろうがエイズ感染者の死亡率は高い。そういうことだ。
155 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/03/09(金) 14:15:54 ID:vm85mhRo] 保守
156 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/03/13(火) 02:54:34 ID:PQ6QuN7O] 4枚目。どんどん手抜きになってる気もしないでもない。 ttp://vista.crap.jp/img/vi7372203629.jpg
157 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/03/13(火) 14:37:15 ID:a1ffYW6s] >>156 描きやすいのが一番じゃないか…
158 名前:94 [2007/03/16(金) 21:07:54 ID:Mr0jcoqY] 横になってから、どの位の時間が経ったのだろうか? 無言のまま風邪菌娘の冷たい視線を背中に受け続け、眠りにつくこともできずに 暗い部屋の壁を見つめ続けていると、時間の感覚がなくなってくる。 僅か数分間なのかすでに数時間なのか、そんなこともわからない。 規則的に刻まれる時計の音が、狂った時間感覚を更に混乱させていた。 彼女は眠らないのだろうか。いつまで睨み続けているつもりだろう? 「……うっ。」 シンと静まり返った部屋の中に、突如として小さな声が響いた。 なんだろう、風邪菌娘が嗚咽を漏らして……泣いている? あの跳ねっ返りが泣いているのか? 顔を見たわけではないが、時折聞こえる押し殺したような嗚咽が、 状況判断に十分過ぎる確証を与えていた。間違いなく彼女は泣いている。 冷たく睨み悪態を吐いて、ひたすら嫌な奴に徹していたあの風邪菌娘が涙を流している!
159 名前:94 mailto:sage [2007/03/16(金) 21:09:02 ID:Mr0jcoqY] 「…ひくっ…うぅ…。」 …不安なんだろうな、無理も無い。 彼女は最大の武器である隠密性を失った状態で一人、人間の世界に放り出されてしまった。 姿が見える状態では、警戒されて人間に感染するのも難しいだろう。 もし、このまま家から叩き出されたら、行くあての無い彼女は一体どうすればいい? 良心に同情と罪悪の念が押し寄せてきた。優しさが足りなかったのではないか? いくら病魔とはいえ、女の子を怒鳴りあげて追い出そうとするなんて。 そうはいっても、こちらとしても襲われたりしてるわけだし…。 人間に見えるようになったなんて事情も知らなかったわけだし…。 だからといって、あんな可愛い女の子が右も左もわからない世界に放り出されたら、 どうなってしまうか想像できるだろう?それこそ悪い人間に捕まりでもしたら! 「……起きてるの?」
160 名前:94 mailto:sage [2007/03/16(金) 21:09:45 ID:Mr0jcoqY] 突然、思考を遮って彼女が涙ぐんだ声をあげた。狸寝入りがバレたか。 良心の葛藤が体から滲み出してしまったのだろうか。 寝返りを打ち視線を上に向けると、初めて彼女の泣き顔を確認できた。 切れ長の目尻から涙をこぼし、その雫を拭おうともせずに彼女はこちらを見つめている。 「えっ、あぁ…うん。」 「マヌケでしょ?散々あんたのことを馬鹿にしてきて、その結末がこんな事になるだなんて。 人間には見つかる、感染にも失敗する…オマケに仲間の姿も見えなくなっちゃった…。」 話す彼女の頬を涙が伝うたび、罪悪感がより一層大きくなって良心を攻め立てた。 幼少の頃から『女の子を泣かしてはいけない』と教わり続け、それを忠実に守り続けてきたつもりだ。 しかし今、自分のせいで目の前の女の子が泣いている。それが衝撃的でならない。 彼女の涙一粒一粒が心に鋭く突き刺さり、自虐的になった言葉は悲壮感を際立たせた。 何より彼女の震える肩が華奢で、小さくて、弱々しくて。 今にも崩れて無くなってしまいそうなその姿が、同情心を激しく揺さぶっていた。
161 名前:94 mailto:sage [2007/03/16(金) 21:10:38 ID:Mr0jcoqY] 「私なんてこの程度よ、所詮は風邪の病魔だもん!弱った人間にしか感染できない、 栄養剤一本で簡単にやられちゃうような、人間の脅威にもなれない存在よ!」 頬を高揚させた彼女が、出会ってから一番の狼狽を見せた。 信じられない、これがあの自信満面で生意気全開の跳ねっ返り風邪菌娘か? 肩で息をして苦しそうな呼吸を整え始めた彼女の瞳が、何かを決心したような光を帯びていた。 すると突然、彼女は抱き絞めていた枕を投げ捨てベッドから立ち上がり、 頬から流れる涙を片手で拭い去って、廊下の方へと足を向け始めた。 「おい、どこ行くんだよ。」 返事は無い。だが、どこに行こうとしてるかすぐに見当が付いた。彼女は玄関へと向かっている。 家から出て行くつもりなんだ。身体を包んでいた毛布を蹴り上げ、彼女の後を追って立ち上がる。 と、その瞬間、一つの思慮が脳裏を駆け抜けた。『これでいいんじゃないのか?』
162 名前:94 mailto:sage [2007/03/16(金) 21:11:14 ID:Mr0jcoqY] 彼女は風邪の病魔だ。人間を忌み嫌って馬鹿にして、こっちも散々、嫌な思いをさせられた。 数時間前には口論にまで発展して、人間と病魔はわかりあえないという結論に達したはずだ。 そして、彼女を追い出そうと決心した。丁度いいじゃないか、彼女の方から出て行ってくれるんだぞ。 厄介者がいなくなる。罵声を浴びなくて済む。風邪をひかなくて済む。元の生活に戻れる。 望んでいたことじゃないか。なんで彼女を止める必要があるんだ? そうだとも、このまま放っておけばいい。厄介者がいなくなるんだぞ、厄介者が。 ……放っておけばいいのに……なんで、こんなに彼女の事が気になるんだ? 彼女を一人にしてはいけない。助けてあげないと。一緒にいてあげないと。 そんな意思が頭から、体から、腕に、足先に行き渡り、己の全てを侭に動かしていた。 彼女の右手が玄関のドアノブにかかる。駄目だ、出て行かないでくれ! 「痛いっ!何する……えっ?」
163 名前:94 mailto:sage [2007/03/16(金) 21:11:48 ID:Mr0jcoqY] 気付けば彼女の両手をドアに押し付け、立ったまま、覆いかぶさるように彼女と見つめ合っていた。 こんなに近くでこいつを見たのは初めてだ。彼女が潤んだ瞳を大きく見開いて呆然としている。 こんな必死の形相で止めに来るなんて、想定外の事だったのだろう。 彼女の頭から生えた二本の触覚だけが、顔の前でピョコピョコと動いていた。 「い、行くな。出て行くな。」 気まずさの中から捻り出した言葉が裏返る。 まるで自分が自分でないような、誰か別の人間が喋ったのではないかと思わせる声だった。 自分の意識から遠く離れた言葉。何故、そんな事を口走ったのかもわからない言葉。 彼女の涙を見て以来、心のどこかに出来たわだかまりが、自分とは別の思考を持って彼女と接しようとしていた。
164 名前:94 mailto:sage [2007/03/16(金) 21:12:26 ID:Mr0jcoqY] 「な、なによ…散々、出ていけって言ったのはそっちでしょ!」 「悪かったよ。困ってるんじゃないのか?行くあて無いんだろ?」 「今更なに?同情してるの?人間の同情なんていらないわよ!」 「そんなこと言ってる場合か?落ち着いて、よく考えてみろよ。」 「………。」 数瞬、彼女が動きを止めた。そして一つ深呼吸をして、今一度こちらの瞳を覗き込む。 その瞳の奥底にあるであろう本意を見出そうとするかのように、驚くほどまっすぐな視線を向けてきた。 彼女の紫色の瞳に、初めて会った時の寒気が走るようなものは無い。 そこにあるのは本当にまっすぐな、物事の本筋を素直に受け取ろうとする瞳だった。
165 名前:94 mailto:sage 連投規制 [2007/03/16(金) 21:16:10 ID:Mr0jcoqY] 「本当に悪かったと思ってる、事情を知らなかったんだ。 もう絶対に、怒鳴ったりしないから。 風邪をひくわけにはいかないけど、今の状態が何とかなるまで家に居ていいよ。 解決する方法を一緒に考えよう。」 「人間の癖に。」 「本当に悪かった。」 「……病魔に謝らないでよ。」 やがて瞳から何かを感じ取ったのか、彼女は視線を床に向け眼を合わせずに口を開いた。 「…人間が怖いのよ、凄く……本当に…本当に居ていいの…?」 彼女の口から飛び出した言葉は震えていた。 肩を振るわせ口に手を当てて、搾り出すようにして放った蚊の鳴くような声。 その言葉には彼女の本音が隠れていた。怖いのよ…と。
166 名前:94 mailto:sage テラウザス [2007/03/16(金) 21:17:11 ID:Mr0jcoqY] 獲物だ感染だと叫び続けていた彼女の言動の、根源にある物が見えたような気がする。 彼女は人間を恐れている。配慮が足りなかった、よくよく考えれば当然のことじゃないか。 人間は薬で彼女たち病魔を殺す。彼女が人間を恐れるのは当たり前だ。 その恐れが、彼女の人間に対する態度を尖らせていたのだろうか。 「安心していいよ。もう、絶対に酷い事しないから。」 言葉を聞いた彼女が顔を上げる。と、そこには、会って以来つり上がり続けていた 目尻を垂らし、眼から涙をポロポロこぼす彼女がいた。 「うぅ〜っ……人間の…癖にぃ…。」 床にペタリと座り込み泣きじゃくる彼女の涙は今までの物とは幾分、違って見えた。 不安からくる涙ではなく……いや、不安は残っているのかな。 でも、切羽詰った部分が薄れているような、今までのそれよりも柔和で、可愛げのある涙が溢れている。 それから暫く、緊張の糸が緩んだ彼女は、小さな声をあげながら泣き続けるだけだった。
167 名前:94 mailto:sage [2007/03/16(金) 21:18:06 ID:Mr0jcoqY] … … … 「人間にも変わったのがいるのね。」 「んっ?」 ベットにうつ伏せになった彼女の横で、ベットの縁に寄りかかりながら言葉に耳を貸す。 思い返してみれば、彼女の方から話題を振ってくるのは初めてじゃないか。 語感もだいぶ柔らかくなってきた。少しは心を許してくれたみたいだ。 枕の下に腕を入れて横を向く彼女の頭の上で触覚が動く。その姿が実に可愛らしく、微笑ましい。 さっきまで大喧嘩をしていたのが信じられないほど、穏やかに時間が流れていた。
168 名前:94 mailto:sage [2007/03/16(金) 21:20:10 ID:Mr0jcoqY] 「変わった人間だなって。普通、風邪菌が家の中に居たら嫌がるものでしょ? 実際、今さっきまで凄く嫌がってたじゃない。なんで突然、優しくしてくれるの?」 「さぁ…なんでだろうな。」 「なにそれ。やっぱり、人間ってよくわからないわ。」 何故、病魔に優しくするのか、正直なところ自分でもよくわからない。 彼女の涙を見て以来、彼女のことが妙に気になってしまう。多分、同情心がそうさせているのだろう。 彼女のことが不憫で可愛そうだから、こんなに気なるんだ。そうに決まってる。 だって、そうじゃなかったら……まるで、彼女に恋してるみたいじゃないか。 まさか。そんな筈がない。そりゃ確かに彼女は可愛いけど…人間じゃない。病魔だ。 人間では考えられないほどに鮮やかで、魅惑的な紫の瞳と髪を持っているし、 頭の上からは触覚、尻からは尻尾が生えてる。こんな人間いるわけないだろう。
169 名前:94 mailto:sage [2007/03/16(金) 21:21:34 ID:Mr0jcoqY] 価値観だって違う。見ろ、あの黒いボディースーツを! あんなピッチリと体のラインが出る服を着ようなんて、普通の人間は考えない。 精々、新体操選手とストレッチマンが着るぐらいのものだ。 ほら、あんなにピッチリと豊かな胸…が……ゆ、ゆたかな……。 「ねぇ、聞いてる?」 「はいっ!?なんでしょう!!」 「?…あんたの名前を教えてって言ってるの。」 「あっ、名前ね。名前名前……えっ!?」 驚いた。人間嫌いの彼女が、人間の名前を聞いてきた。 『獲物に名前は必要ない』とかなんとか言っていた彼女が、人間の名前を聞いてきた!
170 名前:94 mailto:sage [2007/03/16(金) 21:22:43 ID:Mr0jcoqY] 「そんなに驚かなくても……や、やっぱりいいわ…。」 「いいよ、教えてやるよ。」 「いいの、教わらない!人間は『あんた』のままでいいわ!」 「なんだよ、また意地張って……そうだ、じゃあ、お前の事を名前で呼ぼう。風子って呼んでいいか?」 「またそれ?もう少し、センスのある名前を考えられないの?」 彼女が怪訝そうな声をあげる。やっぱり風子は、お気に召さないらしい。 「なんだよ、やっぱり風子は嫌なのか?結構、気に入ってるんだけどなぁ。」 「別に…絶対に嫌ってほどじゃ……な、何とでも呼べばいいでしょ…。」 彼女は言い終わるなり寝返りを打って、ソッポ向いてしまった。 今や彼女は、尖った耳の先端まで真っ赤にして縮こまっている。 ときおり両手で頭を抱えては、自分の触覚を撫でたり引っ張ったりして… その手つきが妙に手馴れているのは、多分、それが彼女の癖だからだろう。
171 名前:94 mailto:sage [2007/03/16(金) 21:23:27 ID:Mr0jcoqY] 「そ、そうか。じゃあ、風子って呼んでいいんだな?」 風子という単語が飛び出すと、一瞬、触覚が大きく跳ね上がった。感情起伏が激しい触覚だ。 背中越しに彼女が小さく頷いたのが見える。どうやら合点してくれたようだ。 「わかった、これからよろしくな、風子。」 「…よろしく…ね。」 今まで以上に縮こまる彼女の…もとい、風子の背中。 随分と打ち解けたものだ。緊張がほぐれて落ち着いたのはわかるが、 こうも和気藹々としていると、逆に罠でも張っているのではないかと勘繰ってしまう。 いや、駄目だそんなことじゃ。少なからず、信頼してくれてるんだ。 風子の信頼に答えてあげなくては……。
172 名前:94 mailto:sage [2007/03/16(金) 21:24:55 ID:Mr0jcoqY] 「…ね、ねぇ。」 「うん?」 「手を繋いでくれない?寝てる間に逃げられそうで…その…怖くて。」 そう言って外された手袋から覗いた風子の手は雪の様に白く、絹の様な光沢を秘め、 震えながら握られたその手には、風邪菌とは思えないほどの温もりが…。 ……こ、これは……誘ってるのだろうか? そんな人間の苦悩をよそに、小さな寝息をたてる風子の髪を カーテンの隙間から伸びた月光が神秘的に照らしていた。
173 名前:94 [2007/03/16(金) 21:28:13 ID:Mr0jcoqY] 第4話だよ。 遅ればせながら虫歯菌GJ。 風邪菌を書き終わったら、次は虫歯かな。 いつ終わるのか知らんけど。
174 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/03/16(金) 21:48:29 ID:M0+CnfvL] >>94 GJ。次も楽しみにしてます。 5枚目。 ttp://vista.jeez.jp/img/vi7404893830.jpg
175 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ mailto:sage [2007/03/16(金) 22:08:40 ID:7uTg6wD+] >>173 >>174 そんな二人にGJ!を…