- 757 名前:555 mailto:sage [2008/08/04(月) 18:11:21 ID:???]
- Negotiator(5表)
−下田− 送付資料に記されていたサポート要員と合流すべく、私は週明けの早朝、熱海に向かっていた。 下田から熱海までは約75km。関西の人間にはピンと来ないかもしれないが、淡路島縦断並みの距離(私も防女に入学するまでは淡路島と言われてもピンと来なかったのは確かだ)とにかく田舎だ! 熱海まで車で1時間半近くかかる。サポート要員の熱海到着時刻は午前7時13分の上り新幹線なので、夜明け直後に自宅を出ないと到底間に合わない。 WRXを走らせながら、合流予定のサポート要員について考えを巡らせていた。恐らく『そっち系』の人間だろう。考えられるのは張千尋と同クラス…強襲科の人間だ。強襲や両用とはここんところ折り合いが大変に悪い…少し困った… 春休の秋葉原事件以降、強襲、両用の学生に特別な感情を抱く(流行の言葉で言うと『萌えた』というそうな)国外の皆様から、彼女達に珍しいプレゼントが大量に届くようになった。 結構な事なのだが、品物が問題だ。大型のナイフや、破壊された兵器の部品、某国が試験的に戦場に投入していると思われる小火器の薬莢等々、自称『平和を愛する市民』が見たら卒倒しそうなモノが税関で差し押さえられる事態が続発したのだ。 防女としても、何らかの処置を取らねばならない。結果、贈られた側にも何らかのペナルティを科さねばならなくなり、本件の処分を担当した私の渾名は悪意を持って全校に知られるようになってしまった。 始末書、外出停止など軽微な処分に止めるべく、尽力したのだが…彼女達にその意は伝わらなかったようだ。まぁ、風紀委員は憎まれるものだと割り切ってはいる。大きな声では言えないが、某新聞社員のお土産どころの話ではないレベルのものもあったのだ… 今回は校務なので相手が私情を交えることはないだろうが、強襲、両用とはどうも組みにくい。『そっち系』でも比較的事務屋に近い諜報がサポート要員だといいのだが… 気分が滅入りそうになったので海岸通りを通ろうと135号線伊東市内手前で海岸に向かったのだが、これが失敗だった…平日の、それも早朝であるにもかかわらず、海水浴場近辺には気の早い連中が集中していた。これではペースが落ちる… ただでさえ遠回りなのだ。これでスピードを落としていたら時間に間に合わない…
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