- 738 名前:ゲームセンター名無し・前編 mailto:sage [04/03/26 20:23 ID:???]
- 一人暮らしを始めて、かれこれ半年。
『自立』と言う言葉の重さに、少しは慣れてきた今日この頃。 僕は何時も通り、行きつけのゲーセンにバイト代を注ぎ込む事にした。 友人に話すと必ず笑われるが、好きな物はしょうがない。 生活費の一部を削り、死なない程度の金額を財布に入れてある。 その『程度』は人によっては上下差が大きいが、多分僕は大丈夫な範囲だろう。 ゲーセンのドアをくぐり、すっかり店の端に追いやられたDDRに向かう。 今日はNAOKIオンリーで踊ろうかな……そんな事を考えていた矢先。 無い。 今じゃこの店では僕以外やっていないとすら思える、あの時代遅れの筐体が無くなっていた。 すぐには信じられず、それほど広くない店内を何度も見渡す。 それでも、あの大きくて目立つ筐体は見つからなかった。 もういい、もう止めよう。 DDRは無くなったんだ、と認めていた僕が居た。 いや、どっかに移動しただけだ。 それを絶対に認めたくない僕も居た。
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