- 889 名前:見ろ!名無しがゴミのようだ! [2011/01/05(水) 18:26:24 ID:0+xTnDe0]
- 天空の城ラピュタは、王制を否定的に批判しています。
物語には二人の王族の末裔が出て来ますが…… まず、ムスカ大佐について考えてみましょう。 ムスカは、『愚かしい王族』の典型です。天空に聳える王城ラピュタの力を 悪用しようと企てますが、それはあえなく失敗に終わり、最後は、 「目が〜〜、目が〜〜」というセリフを残して舞台を去ります。 天空の城ラピュタが勧善懲悪をテーマの一つにした物語である以上、 大勢の人々を殺害したムスカは、死亡した可能性が高いのです。 ムスカは、まさに、『権威、権力に目のくらんだ愚かしい王族』を 地でいくキャラでした。 対照的に、シータは、『賢明な王族』の典型です。しかしシータは、 『滅びたはずの禍々しい王城ラピュタのために惨劇に巻き込まれる』 という呪われた運命の娘、として描かれています。 このアニメは、冒険譚というよりは王国の悲劇を描いた深い作品です。 そしてシータは、物語の最後に、「バルス」という禁呪を唱える事により、 自らの意志で『王族の末裔としての身分と運命』を捨て去り、 庶民の身分に戻ってしまいます。 そもそもシータは、この物語の最初から最後まで『庶民の娘』として 描かれています。それがシータの魅力となっています。 こうして物語と登場人物を眺めてみると、『天空の城ラピュタ』が、実は 『痛烈に王制を批判した作品』である事がわかります。 保守的な日本では、王制批判は禁忌です。それを内容に盛り込んだ アニメなどは、皆無に近い状態です。 少なくとも知名度の高い作品では、私が知る限り存在しません。 そういう意味で『天空の城ラピュタ』は、非常に希少価値の高い作品 であるわけです。 いやはや、もし(ネット)右翼の連中がこの事実に気が付いたら…… どうなるコトやら……(爆笑) 彼らは、『風の谷のナウシカ』や『もののけ姫』が嫌いで、それよりは 『天空の城ラピュタ』の方がまだましだ、という奇妙な理由で、この作品を 熱心に応援したりしていますから…… ま、「どうにもお気の毒さまみたいなものだ」というのが、私の感想です。 ジブリ作品で代表作といえば、『風の谷のナウシカ』か『もののけ姫』 になるのでしょうが、『天空の城ラピュタ』も、王制批判を盛り込んでいる、 という希少価値を考えると、上記の二つに遜色が無いような気がします。
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