- 509 名前:見ろ!名無しがゴミのようだ! mailto:sage [2012/12/25(火) 22:44:51.90 ID:/Q98G4tQ]
- 「アンタの幸運は、異常なほど価値がある」
「どのくらい」 「無自覚で神のオレと渡り合えるくらい」 「はあ!?」 神と。そりゃ異常だ! というかエルライトも神だったのか? 確かに死神(・)だから、神ではあるか……。 ……じゃなくて。いや、それもあるけど。 ――無自覚? 「おい、もしかして僕が生きているのって」 「ああ。無自覚に"幸運"を発動して、神の一人のオレが与えた"死"を拒絶した。 しかも、自覚して使いこなせていれば完全に拒絶できただろうに、無自覚だったから中途半端に拒絶しちまったんだよ」 拒絶、しきれなかった。 僕が神と渡り合えるとかなんだと突飛な話だが、なるほどそれなら僕が"生きていないが死んでない"ということも納得がいく。 しかしまた疑問ができる。 「僕は……これからどうなるんだ」 ゛生きていないが死んでない゛僕は、一体どうすればいいのか。 するとエルライトは、ふわりと宙に浮いて僕を見下ろした。 「アンタが自分で死なない限り、オレに出会って死にかけるまでの時間を、永遠にループしていく。そんだけさ」 まぁ頑張れや。 エルライトはにたりと笑って、消えた。 午前六時三十分二十一秒。 起床。 「ふぁあ……」 欠伸のあとに、鳴り響く目覚まし時計を手に取る。安っぽいデジタル時計。 左上にチカチカと点滅する、四月一日。嘘の日。 そして僕は、また落胆する。 「まだ……終わらないのか」 これが僕の朝の風景。 これが僕の―― 二万八千一回目の、四月一日。 悪魔のような毎日。 本当に嘘ばかりの日々を、僕は虚ろに。
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