- 208 名前: [´・ω・`] FL1-122-131-45-134.hrs.mesh.ad.jp mailto:sage [2010/04/06(火) 18:43:00 ID:nQlKQcbd]
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【名前欄】 【メール欄】sage 【*本文】 「幻王の略奪によって、熟女真の商人は、死んだのです。大商人と言われる者は、ほとんど死に ました。商人として、死んだという意味ですが。ご存知でしたか、楊令殿?」 「なんとなく、知っています。しかし、生女真から搾り取った富を、不正蓄財していたのですから、 それを幻王に摘発されたのは、自業自得でしょう」 「不正とみなしたのは、幻王です。阿骨打という帝の名で、すべてを不正とみなしました。営々として 蓄えたものまでです」 「利について、不正か不正でないかの線引きは、非常に難しい。国の都合で決められたりもする のでしょう」 「金国は、われわれの父祖の、血と汗で建国されたようなものなのです。倉に溢れる銀と言っても、 それは三代も四代もかけて蓄えられたものです」 「不正ではなかった、と主張したいのですか?」 「そうじゃ、楊令。いや、幻王。わしは、貴様を殺すために、ここまでやってきたのじゃ」 習泥忽は、懐刀を取り出した。梁山泊の聚義庁では、帯剣が禁じられていた。楊令は、帝にでも なったつもりか。習泥忽の剣は、聚義庁に入る前に、警護の兵が取り上げた。 しかし、安道全は、袖に隠せるほどの、小さく、切れ味のいい刃物を多く揃えていた。湯隆が打った 刃物だ。習泥忽は、それを取り出した。 「死ね、楊令」 習泥忽の刀が、楊令の喉を掻き切った。そして、心の臓を、深く貫いた。
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