- 466 名前:風と木の名無しさん mailto:sage [2009/03/06(金) 20:26:15 ID:wYPstHWG0]
- 萩.原.朔.太.郎の「恋.を.恋.す.る.人」
わたしはくちびるにべにをぬつて、 あたらしい白樺の幹に接吻した、 よしんば私が美男であらうとも、 わたしの胸にはごむまりのやうな乳房がない、 わたしの皮膚からはきめのこまかい粉おしろいのにほひがしない、 わたしはしなびきつた薄命男だ、 ああ、なんといふいぢらしい男だ、 けふのかぐはしい初夏の野原で、 きらきらする木立の中で、 手には空色の手ぶくろをすつぽりとはめてみた、 腰にはこるせつとのやうなものをはめてみた、 襟には襟おしろいのやうなものをぬりつけた、 かうしてひつそりとしなをつくりながら、 わたしは娘たちのするやうに、 こころもちくびをかしげて、 あたらしい白樺の幹に接吻した、 くちびるにばらいろのべにをぬつて、 まつしろの高い樹木にすがりついた。 朔.太.郎の薄暗い倒錯はエロス。 女装!女装!
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