- 72 名前:名無番長 [2017/09/25(月) 21:28:07.22 0.net]
- 小倉北署の留置所で松永と同時期を過ごしたとい中年の男に話を聞いた。
「運動の時間に五人ずつ連なって運動場に行くんだけどね、ちょうど階段の 真ん前に松永の個室があったんだよ。そこを通ると、松永はいつもニコニコしながら 正座して、大声で一人一人に『おはようございます』 と挨拶するんだ。帰りも同じ ように『お疲れさまでした』 と挨拶する。俺も前科三犯だからいろいろ見てきたけど ね、あんなの初めてだなあ。普通はしょんぼりして、人が通れば顔を隠すもんだ。 最初は感心していたけど、あれが有名な松永だと聞いて、『あんな悪いことする奴がねえ!』 とびっくり仰天したよ。 『松永はずいぶん愛想が良いですね』 と職員に言ったら、 『あの馬鹿野郎、反省の色がまったくない』 と怒っていたよ。冷やかしのつもりで 『松永さん、頑張れよ!』 と声をかけたらね、嬉しそうな顔して、『はい、ありがとうございます!』 なんて頭を下げるから、思わず吹き出してしまった」 このような礼儀正しい振る舞いは、小倉拘置支所に移動してからも一貫しているらしい。 『消された一家』 あとがきより
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