- 252 名前:李智淑の終わらないアリラン mailto:sage [2006/08/01(火) 22:50:35 ID:jpuAHINE]
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お母さん 今こちらは寒くて暗いです きれいなホテルのネオンライトがきらめいた寛永寺坂ハイム裏の汚い路地でさえ 長い長い夜が終わればいつもかならず寒い夜明けの色が染みこんできましたが 今こちらはもっと寒くて暗いです それでもご飯を食べて辛い仕事に出て 次の日もまたご飯を食べて仕事に出て その繰り返しの毎日よりはずっと幸せです 一度閉じこめられれば再び逃げ出すことも出来ない獣のにおいがする裏路地で 番号をつけられて飼育されている私たちの 鏡台とベッドしかない六畳間にも 夜明けに夢を見る女の子たちの静かな寝息がまるでため息のように聞こえたものでしたが それさえ今は聞こえません 私たちの体を売って油を絞る悪徳経営者や憎い暴力団の連中 不潔な男の棒でいつも乱暴に私のお腹をかき回して くさい息を吐いては汁を流しいれる日本人 お母さん 私がどうして家族と別れてここに来るようになったのか どうして現代版奴隷契約書に印鑑ついて人肉市場に売られるようになったのか どうして前払いの永遠に減らない借金をたくさん背負わされ 男たちの性玩具になったのか どうして20歳という美しい季節に花を咲かせることもなくつぼみのままで折れたのか お母さん 私は本当に分からないです
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