鰊漁場 (作品データ)
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作品を読む

タイトルデータ
・作品名
  鰊漁場
・作品名読み
  にしんぎょじょう
・著者名
  島木 健作 

作品データ
・作品について
  1934(昭和9)年の作で、大正から昭和初期にかけて、鰊景気に湧く北海道小樽や余市・積丹の鰊魚場を舞台にしたものである。鰊漁場の漁師たちは、そのほとんどが農民で冬期の出稼ぎ人たちであるが、酒・女・やり場のない生活から、自分たちの労働者としての自覚に目覚めてゆく姿を描いたものである。作としては、人物がややパターン的な描写にとどまるなどまだ習作的であり、また主題もプロレタリア文学の好個のテーマを扱ったもので新しくはないが、当時の鰊漁場や社会を描き取った面があり、鰊労働の記録としても価値がある。鰊景気の背後にある漁師の過酷な労働や貧困の日常生活を克明に描いて、小林多喜二とはまた異なった迫力がある。(林田清明)
・仮名遣い種別
  新字新仮名

作家データ
・分類
  著者
・作家名
  島木 健作
・作家名読み
  しまき けんさく
・ローマ字表記
  Shimaki, Kensaku
・生年
  1903-09-07
・没年
  1945-08-17
・人物について
  島木健作(しまき けんさく) 1903(明治36)年9月7日〜1945(昭和20)年8月17日。北海道札幌市生まれ、本名朝倉菊雄。幼くして父と死別し、北海中学を卒業後、上京したが関東大震災により負傷して帰郷。北海道大学図書館、農学部に勤務した後、東北大学法学部選科に入学した。東北学連に加盟し、学業を捨て、香川県の農民組合で農民運動に参加したが、1928(昭和3)年の3.15事件で検挙、起訴され、肺結核もあって転向声明をした。1932(昭和7)年仮釈放後、東京・本郷で本屋を営む兄を頼った。農民運動などプロレタリア文学、転向問題などを扱ったものが多い。代表作には、処女作である『癩』(昭和9)、『再建』(昭和10)、評判の高かった『生活の探求』(昭和12)、死後に発表され、作者自身の人生を諦観したような『赤蛙』(昭和21)のほか、島木健作全集(創元社、国書刊行会)などがある。(林田清明)「島木健作

底本データ
・底本
  島木健作全集 第一巻
・出版社
  国書刊行会
・初版発行日
  1976(昭和51)年2月20日

工作員データ
・入力
  林田清明
・校正
  松永正敏


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