コードギアス 反逆のルルーシ ..
758:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 19:43:48 U69ISgnD
しえん
759:透明な檻 1/3
08/09/17 19:44:18 1pKFEKZM
「透明な檻」
―ふうん、きみは面白いね。でも今はちょっと邪魔かな。ね、シャルル?
「なんだ、辛気臭い顔をして。腹でも痛いのか? 今日は私の奢りだ。気にせずに飲め!」
「ノネットさん、だから僕は未成年ですって、何回言えば……」
陽気なノネットとは対照的にライは小声でぼそぼそと反論した。先ほどから周囲の視線を痛いほど
感じている。
それはそうだろうとも思う。ナイトオブナイン―本人は地味で目立たないなどと言うが―皇帝直属
のラウンズと訳の分からない若造が一緒に飲んでいるのだ。高級士官御用達のバーらしく、さすがに不躾
にじろじろ見る輩は居ないが、さりげなくこちらを伺う様子が分かる。
(それにこの色、やっぱり目立つな)
ジノ・ヴァインベルグとの模擬戦の後、私服に着替える間もなくノネットに拉致されたため、ライは
旧特派の制服のままだった。通常のブリタニア軍の制服は青を基調にしているが、特派はカーキだ。
キャメロットと名称を変えた後でも何故かそのまま引き継がれた。ナイトメアに予算を注ぎ込む余り、
備品などが後回しになりがちなのは変わらないらしい。
「本当の年齢はよく分からないとロイド伯爵に聞いたぞ?」
ノネットがマティーニのオリーブを齧りながら指摘すると、ライは黙って目の前のグラスに手を付けた。
彼の過去の記憶は未だに戻らない。しかし、自分の居場所を見つけた今はそれでもいいと思い始めていた。
曖昧な過去は時折、不明瞭な夢となってライを苦しめたが、その回数も本国に来てからは減っている。
いや、本国に来てからあの夢は見ない。
過去に囚われずに現状を見ることできるようになったことを喜ぶべきことなのかもしれないが、ライは
どこかそのことに引っかかりを覚えていた。
760:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 19:44:49 U69ISgnD
しえーんー
761:透明な檻 2/3
08/09/17 19:45:36 1pKFEKZM
ふと気付くとノネットがライを覗き込んでいた。
「すみません、ぼうっとして」
謝るライにノネットは静かに首を振り、そっと彼の頭を撫でた。
「お前も枢木も自分の中に仕舞い込んでしまうからな。性分だから仕方ないのかも知れないが、本当は
少し……。いや、なんでもない。気にしないでくれ」
言葉を濁して笑って見せたノネットの横顔は、ライには少しだけ寂しそうに見えた。
ゼロの起こした行動の余波がこの人にも影響を与えたのかもしれない。第二皇女コーネリアはエリア
11総督の地位を返上した後、行方知れずになっている。妹姫の仇を討つためだと実しやかに噂されて
いるが、そのことについてノネットは何も言わない。
「私はしばらく留守にするが、その間はよろしく頼むぞ」
ノネットはカードで支払いを終えるとそう言って、店の外で待っていたライの肩を叩いた。明後日から
再び戦地なのだと言う。ラウンズは本当に忙しい身だ。そんな中、自分のために時間を割いてくれたのに
上の空だったことをライは申し訳なく感じた。
「はい」
「うん。いい返事だ」
ノネットは鷹揚に頷き、軽くライを抱き寄せた。この人の前ではまったく子供扱いだ。ライは少し悔し
く思ったが、大人しくされるがままになった。
「だが、くれぐれも無茶はするなよ」
「貴女こそ」
小さく囁かれた言葉に同じように返す。
762:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 19:45:58 U69ISgnD
しえn
763:透明な檻 3/3
08/09/17 19:46:31 1pKFEKZM
キャメロットの研究開発室からほど近くに用意された自室に帰ったライは、うまく眠れずに寝返りを繰
り返していた。慣れないアルコールのせいだろうか。冷えたミネラルウォーターを冷蔵庫から取り出し、
一口飲むとかえって目が冴えてしまった。
こうなってはベッドに潜っても朝まで同じだろう。かと言ってロイドに渡された資料を読む気にもなれ
ず、エリア11から持ってきていた読みかけのペーパーバックを開いた。ブラックリベリオン前に発売
された本でルルーシュから借りたままになっているものだ。栞代わりにその辺の葉書やメモを挟む込む癖
があるライは時々、妙なものに出くわして驚くことがある。
その本から落ちたのは薄紅色の花だった。
「折り紙?」
エリア11式のペーパークラフトの花だった。見覚えのないはずの桜。見なくなった夢。
不意にライは自分が何か大切なものを失ってしまったことを悟った。
764:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 19:46:53 U69ISgnD
しえん継続中
765:独裁者の城 1/2
08/09/17 19:47:40 1pKFEKZM
「独裁者の城」
「休職、ですか?」
軍本部に呼び出されていたロイドが不機嫌そうに伝えたのはライに対する短い辞令だった。
「そんな……! どうして、突然」
セシルの疑問ももっともだ。次世代ナイトメアフレームの開発は急ピッチで進められている。
キャメロットの抱える枢木専用機の新武装に加え、そのランスロットをモデルにした量産型の調整には
プログラムシミュレーションによる期待値だけでなく、実動データが必要になる。枢木スザクが簡単に
動かせない立場となった今、テストパイロットの存在は貴重だった。
「だって、先週のメディカルチェックにも何も問題なかったはずじゃないですか! それを急に」
セシルに目を向けられてライは頷いた。定期健診では異常はなかった。
「はいはぁ〜い。そう言う訳で、君は今日はもう帰っていいよ。アッシュフォード家に話はつけておいた
から、エリア11に戻るってことで。僕たちも今日はもう、おーしーまーいー!」
ロイドはセシルの言葉が聞こえなかったように手を叩くと、大袈裟に業務の終了を宣言した。
「ロ・イ・ド・さ・ん?」
ライを追い出し、怒れるセシルの言をロイドはいつもの軽薄な笑みで受け流した。次いで、彼は眼鏡の
ブリッジを押し上げて向き直ると、優秀な秘書官を手招きしてマシンルームへと向かった。
空調の効いたマシン室は他の部屋よりもひんやりとしている。セシルは肌寒く感じるほどの気温に腕を
擦りながら示されたデスクチェアに腰かけた。ロイドは途中の自動販売機で買ったコーヒーを二つ、
デスクの上に乗せる。
766:独裁者の城 2/2
08/09/17 19:48:31 1pKFEKZM
「何があったんですか?」
「僕だって知らないよぉ〜。上の言うことなんか無視したいところだけど、強制除隊なんかチラつかされ
たらねぇ」
なんだかIDのことまで探りも入れられちゃたし。付け加えられた一言にセシルは血の気が引いた。
ライのIDは半ば違法のやり方で作られたものである。アスプルンド家と第二皇子の名を出せば追及される
ことはないはずだが、あえてそこを突いてくるとは。
「一体、誰がそんなことを……」
「さあねぇ〜? まあ、そんなことはどうでもいいんだけど、僕から大事なデヴァイサーを二人も
奪うってのは、許せないんだよねぇ」
ロイドは冗談めかして、ずずっと紙コップのコーヒーを啜った。セシルもつられたように一口飲み
こんだ。安っぽい香りが広がる。
「僕も手ぶらで帰るのは癪だったし、貰うもんは貰ってきたけどね。んふふふ」
一転して不気味な含み笑いを漏らしたロイドは紙コップを空にしてくしゃっと潰した。
「さてと、セシル君」
「はい、なんでしょうか」
珍しいロイドの真面目な声色にセシルは思わず背筋を伸ばした。
「偶には正攻法ってのも必要だよねぇ? しばらく書類仕事が続くけどよろしくね」
「Yes, My Lord」
滅多に使用しない返答でセシルは晴れやかに敬礼した。
767:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 19:49:48 U69ISgnD
しえんーー
768:マト ◆Dmf7s6g6us
08/09/17 19:50:38 1pKFEKZM
以上で今回の投下は終了です。
人の少ない時間帯に支援ありがとうございました。
感想などありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
駄目なら駄目とはっきり言って欲しいでござるよ……。
769:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 19:54:29 U69ISgnD
マトさんおつかれさまでした〜
いえね、後発の書き手としては目標のお一人なんですよ。ホントに
わたしはやたら長い文章になってしまうので、コンパクトにまとめられるとこなんか、習いたいくらいです
さて、わたしも投下準備に入りますね。15分たってからの20:10よりでいきま〜す
770:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:02:59 1pKFEKZM
支援します
771:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:06:00 mu7yUVmc
>>768
マト卿、GJでした!
ライはナナリーに対する記憶を書き換えられたんでしょうか
まぁ、後で明らかになるんでしょうが
なんかラストのロイドさんがカッコいいですねぇ
貴方が次に投下するのを全力で楽しみにしています!
>>769
支援します
772:BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y
08/09/17 20:11:05 U69ISgnD
こんばんは。スランプ気味で書いて書いて書くものの、まるでうまくいかない青い人です
今回“も”思いつき短編です
【本日の前書き】
・あとがき込みで10レスです
・メインはシュナイゼル
・オリジナル…、オリジナル…だよねぇ?
・ライ、哀れ。スザク、もっと哀れ
・あとがき劇場はV.V.欠勤につき、マリアンヌ様ご登場
773:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:11:23 mu7yUVmc
支援
774:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:11:29 1pKFEKZM
支援
775:1/10BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y
08/09/17 20:13:05 U69ISgnD
【覚醒 の 白き 戦乙女 〜あるいはデヴァイサーと呼ばれた男たちの慟哭〜】
月は人の心を惑わせる。
昔からよく聞く話だ。
いつか誰かが言っていた。
─月が赤く輝く夜は、この空の下でよからぬことを考えているヤツがいるものだ─
よからぬことなのか、そうでないのかはともかくとして、この赤く輝く月の下で帝国宰相たるシュナイゼル・エル・ブリタニアは、その執務室にて深く思索にふけっていた。
「閣下、一息つかれてはいかがですか?」
副官にして政務補佐官たるカノンの声にシュナイゼルの思考はようやく現世に帰還を果たす。
「おや? もうこんな時間だったのかい」
時計の針はすでに深夜を示している。窓からのぞく月もその身を天高く掲げている。悪い癖だと彼は笑った。
「やはり自分自身面白いと思える仕事には没入してしまうね。時間など忘れてしまうよ」
手渡されたコーヒーの香りを楽しみ、ふーっと息を吐いて彼は語り、喉を潤した。
「確かに興味深い試みだと思いますわ」
シュナイゼルのデスクに広げられた計画書を目で追い、カノンもつぶやく。
「この計画が軌道に乗れば、世界のカタチが変わります。この地上から戦争はなくなる…。いえ・・・」
─戦争という概念そのものが消失する……
ゴクリと喉を鳴らすカノン。
『我ながら陳腐な表現だこと……』
だが、そのような形容以上に的を射た表現が見つからない。ということは、
『わたし自身、陳腐な人間であるということなのでしょうね』
などとも思うカノンだ。
「すでに技研からは実戦投入も可能だと報告があがっていますわ。ただ…」
「ただ?」
カノンに似つかわしくない不明瞭な言葉にシュナイゼルは思わず聞き返した。
「検証作業に従事する部隊、それにパイロット…アスプルンド伯爵風に申し上げれば、デヴァイサーがおりません」
776:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:13:21 mu7yUVmc
師匠
777:2/10BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y
08/09/17 20:15:01 U69ISgnD
さもありなん、とシュナイゼルは一人嘆息した。
「なかなか軍部から賛同は得られないだろうね。そもそも彼らの存在意義を脅かすような計画なのだから」
えぇ、とカノンは頷く。
「すでに陸・海軍の戦略戦術研究所をはじめ、戦技教導部隊に軍務省の技術研究本部まで、ほとんどの関係部署から総スカンをいただいております」
「我ながら人望がないね」
とんでもない! とカノンは言う。
「閣下が後押しされるプロジェクトだからこそ、いまだに潰されずにすんでおりますのよ?」
カノンは陸軍省、海軍省、それらを統括する軍務省に統帥本部の軍官僚がいかに石頭で堅物で、評価に耐えない無能者たちで、そんな者共を相手しなくてはならないシュナイゼルが不幸なのかを勢いよく並べ立てる。
そんなカノンを苦笑しながらなだめるシュナイゼルだが、
「でも、当てはあるんだろう?」
そう、いたずらっ子のような視線をカノンに向けるのだ。
「もちろんですわ」
連ねる悪口雑言をおさめ、カノンは自身満々に答えた。
「閣下もご存知の人材を用意しておりますわ。運用には何の問題もないかと」
一冊の資料をデスクに置くカノン。その資料に記載された人物の顔、名前。それはシュナイゼルが見知った名前と顔。
彼が予想した通りの人物だった。
「やはり彼に行き着いたんだね」
「やはり彼に行き着きましたわ」
二人の視線を受ける人物の写真。
くすんだ銀髪の青年がカメラの向こう側に緊張した面持ちを向けていた。
「では、彼に託すとしよう。新しい世界の誕生を、ね」
「戦いのない平和な世界を、ですね」
カノンはその言葉の中にそっと『シュナイゼル閣下の管理・運営する』と付け加え、言った。
二人がプロジェクトを託す人物。彼の名を「ライ」と言う。
彼は今、北アフリカの地にあった…。
778:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:15:14 1pKFEKZM
支援
779:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:16:45 bcCJ43ld
支援
780:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:16:54 mu7yUVmc
支援
781:3/10BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y
08/09/17 20:17:00 U69ISgnD
・
・
・
一ヵ月後。北アフリカ─エル・アラメイン戦線。
60有余年を数える過去に、この地で大きな戦いがあったという。
砂塵吹きすさぶ荒野はどれほどの血を吸ったのか?
答えるものがいようはずもない。そして、今また大地は戦場と化していた。
「ぜ、前衛部隊の総てが音信途絶! 呼び出しにもまったく応答しません!!」
「全滅…なのか? 我がEU最強の精鋭ナイトメア部隊一個師団が三十分を待たずに全滅だと?!」
─バケモノか……
陸戦艇の指揮座につく将軍はその座席からずり落ちかけていた。
悪夢だ…。正に悪夢。死神に魅入られたとしか思えないこの戦場。
そう、死神だ。ブリタニアの死神が襲いくるのだ!
「どうにかせねばならぬ! 何としてもここで! ここを抜かれればブリタニアに本土への道が開かれるのだぞ!!」
逃げ出したい思いは、ある。正直言って怖い。当たり前だ。誰だって命は惜しい。
だが、逃げる事などできない。彼は軍人であり、彼の後ろには丸裸の祖国が、本土があるのだから。
脳裏によぎるのはブリタニアに降り、その占領政策によって悲惨を極める他国の人々の姿……。断じてならない。祖国を人民をそのような境遇に陥らせる事など!
「右翼にまわったナイトメア部隊を呼び戻せ! なんとしてもヤツを抑えるぞ!」
オペレーターに指示を出しつつ、彼もまた覚悟を決める。
「予備部隊も総て出す。総力を挙げてブリタニアの白い死神を拘束しろ! ヤツをこの地に封じ込めるのだ!」
そう、必ずしも撃墜する必要はなかった。拘束するだけでいいのだ。
戦闘に次ぐ戦闘で死神─ランスロットのエナジーは更なる長時間の戦闘継続には耐えまい。
『ならば…ヤツがエネルギー切れを起こすまでこの戦場に封じ込めるまで……』
それは悲壮な覚悟だった。
兵士たちの…部下の命そのものを弾丸とする、失うことを前提とした作戦。それは彼にとって、
『将帥としては無能の極み…っ!』
食いしばる唇の端から彼の無念が赤い色をなして零れ落ちる。それを彼の参謀たちは、部下たちは見逃さない。
「閣下……!」
782:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:17:16 1pKFEKZM
支援
783:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:18:46 bcCJ43ld
支援
784:4/10BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y
08/09/17 20:19:01 U69ISgnD
彼らに向かい、将軍は答える。
「諸君、私たちは軍人としては無能・暗愚の極みだ。だが、それでもこの胸に宿る、戦人の意地をブリタニアの死神にみせてやろうではないか」
「閣下!」「司令官殿!」「将軍!」彼の言葉に敬礼を繰り返す男たち。その中に若い青年将校がいた。
「閣下! わたしもお供させてください!」
若い。まだ三十歳そこそこか。彼の名を将軍は記憶の中から探り出した。
確か士官大学校を出たばかりの俊英の呼び声も高い男だ。かつての日本、エリア11に留学の経験もあったという。
「ならん」
有史以来、星の数ほども繰り返されてきた拒絶の言葉を彼もまた口にした。
「なぜですか!」
くいさがる若い士官。だが、彼ははっとした。
『あの、いつも厳しい将軍閣下が笑っていらっしゃる?!』
将軍は彼に語りかけた。
「なぁ、きみ。死ぬのは我ら年寄りだけでいい。我々は君たち若い世代に大きな借金を残していくことになる…」
かつてない柔和な笑みを浮かべ、将軍は若者に託すべき言葉を捜していた。そのように思えた。
「しかし、この戦いによって祖国が、本土が救われるのならば我々の犠牲には意味が残る。軍人としての体面は保たれる」
つまらない面子ではあるがね。そういって彼は笑った。
「そして、それを後世に伝えるのは君たちの役目だ。君たち若者が死んでしまってはどうするのだね?」
「閣下………」
老人は若者に道を委ねるのだ。そうして彼に退艦を促した時!
「来ます! ナイトメア一機! 識別信号はランスロットタイプです、ブリタニアの死神ですっ!!!」
オペレーターの悲鳴にも似た報告が陸戦艇のブリッジに響き渡った。
「もう、肉眼で視認できる距離まで近付かれているぞ! 策敵班は何をしていたかっ!」
再び指揮座に座りなおし、将軍は指示を出し始めた。いざとなればこの陸戦艇を体当たりさせてやるつもりであった。
「君、どうやら生き延び損ねたな」
青年もまた微笑んだ。
「閣下と一緒ならば、寂しくはないでしょう」
いい返事だ! ともう一度笑い─それはとても哀しげな笑顔であったが─将軍は軍人としての責任を果たす顔へと戻った。
785:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:19:07 mu7yUVmc
支援!
786:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:20:20 1pKFEKZM
ごめん。席外す。支援
787:5/10BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y
08/09/17 20:22:02 U69ISgnD
「全戦力をもってヤツを迎え撃つ! 我らの後ろには剥き出しのEU本土が、祖国がある! 総員、命を惜しむことなかれ!」
おうっ! とブリッジに男たちの声が響く。
そして、彼らの気迫を掻き消すかのように警告音が響いた。
オペレーターがそれを確認する。
「前方に敵機! ランスロットです……って違う? あ、ランスロット・クラブでした……、いや違う、げ……あれ? え? 違うよね? えぇ? なにコレ? うそーん」
オペレーターの素っ頓狂で不明瞭で不正確で不真面目なその報告に将軍は怒った。
「報告は明瞭にせんかっ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
返事は返ってこない。
その時、ブリッジ内のスピーカーから音楽が流れてきた・・・。
《《《 だ い す き 、 ハ〜○ィ〜〜〜》》》
そのあまりにも可愛らしい少女の甘々な声に、セカイがその動きを止めた………。
・
・
・
痛車(いたしゃ)というものがある。
それは漫画・アニメやゲームなどに関連するキャラクターやメーカーのロゴをかたどったステッカーを貼り付けたり、塗装を行った車、あるいはそのような改造を指す。
そのネーミングは、ニ次元キャラクターを描いた車で走り回る「痛い車」という自嘲とデザインのアクが強い事で有名なイタリア車を示す「イタ車」(いたしゃ)にかけたものであった。
EUエルアラメイン方面軍の人々の眼前にせまる“ブリタニアの死神”が、正に“ソレ”だった。
白いボディ、青いアクセント、背部のフロートユニット。それは、彼らEUに多大な損害を加えてきたランスロット・コンクエスターの兄弟機、ランスロット・クラブの姿そのものだ。
ただ、それらの意匠をどこか遠い、時空さえ超越した遥か彼方、限界の向こう側、果てしない宇宙の深遠へと追いやるほどのモノがその機体を彩っていた。
それは、実に模範的な<<少女>>であった。
788:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:22:10 mu7yUVmc
ならば私の全力をもって支援
789:6/10BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y
08/09/17 20:26:51 U69ISgnD
模範的な少女─未来を感じさせるスタイリッシュなその身体は成熟と未発達の狭間を感じさせ、手にしたマイクはこの甘い歌声の主であることを彼らに悟らせるのだった。
「あ、あれは…っ!!」
声をあげる青年将校に将軍が振り返る。
「知っておるのか、きみ!」
青年は額の汗を拭うこともせず、「あ、あぁ……」とどこぞの雷電のように答えた。
「あれは、かつての日本─エリア11が生み、育て、世界に誇る一大産業までになった………」
ゴクリ。誰かの喉が鳴った。それだけのことであるのに、ブリッジどころか戦場全域にまで響くかのような大きな音に聞こえた。
「あれこそいわゆる一つの[自在装甲戦“痛”機]、世界に名だたる、THE・MOE!!! 今は亡き日本の、最 高 の 文 化 !!!」
「な、な、なんだってぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーっっっ!!!」
「機体の前面から下半身、脚部にいたるまでを覆い尽くすかのように描かれた愛らしい少女の姿、あの抜群のプロポーション、魅惑のショートカット! あれはまさしくアイマス、それも星○美希、それもあの覚醒verだあぁぁぁッッッ!!!」
「ジーザス。なんてこった、奴らは正気じゃない」
「いかれてる。なんて扇情的なイラストなんだ。何かが奥深いところからこみ上がってきそうだ…」
将軍が、参謀たちが口々に動揺を口の端に乗せる。青年も自分自身動揺を隠せないものの、必死の形相で説明を続けた。
「かつて、日本で隆盛を誇ったMOE! それらはまさに最高の存在! 決して日本だけのムーブメントではなかったのです」
ブリタニアで、EUで、中華連邦で…、それらのムーブメントは確かに社会を侵食していた。それはわかる。だが、それがなぜ戦場にあるのだ!
「一説によれば、ブリタニアの日本侵攻はサクラダイトの確保ではなく、MOEムーブメントを手中に収めんがための軍事行動であったとの分析があります。イスラエルのモサドは一時それを証明するに足る証拠を入手したとか…」
まさか……力なくつぶやく参謀に青年は頭を振った。
「そんな話、唐突に言われても認めたくはありませんね。わかります。」
急に冷静さを取り戻した青年。だが、彼らの目は眼前の痛車、もとい痛ランスロットに釘付けのまま、だ。
ギュウインっと音をたて、彼はターンを決めるとビシっとモニター上の痛ランスロットを指差した。ビシっと。
790:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:27:16 mu7yUVmc
支援
791:7/10BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y
08/09/17 20:32:35 U69ISgnD
「あの機体に描かれたアイマス、それは我らヨーロッピアン・ゲーマーにとって、まさしく涙の象徴」
その時、彼が涙を流していたことに始めて気が付いた男たちであった。いそいそとハンカチを渡す将軍。青年はビーーーッと鼻をかんだ。
「曰く、頼むナ○コ、こっちでも販売してくれ! 曰く、時々思うんだよ、俺、日本人だったらなって。曰く、だまされるな!どうせ日本でしか出やしない!」
彼は息継ぎなしで言い切った。
「そうした男たちの羨望と諦観と絶望の涙にまみれた…、アイマスッ! まさか、この地でその姿を目にすることがあろうなんてっ!!」
それも箱○版、それも○井美希のペイント…。
結局、我がドイツでは発売されなかったんですよねー、箱○版。青年は肩を落とし、涙で襟元をびしょびしょにした。
うんうんと参謀たちも口々に不満を上げ始めるのだ。
「つーかさ、何と言ってもギャルゲーは日本製なんだよな」
「スポーツや車ゲーは負けてないよ。むしろこっちに限るけどさ。でもギャルゲーは無理だって。発想力からしてウチらじゃ対抗できねーよなー」
「向こうのゲームやろうとしたら、本体からして日本verのシステムそろえなきゃいけないじゃん? 金がいくらあっても足りねぇての」
どうどう。青年はそれら参謀たちをひとまずなだめすかして落ち着かせる。
「見てください、あの機体」
ランスロット・クラブ・痛は悠然とそこにあった。
その機体に描かれた星井美○は大胆不敵な笑顔で彼らを見下ろしている。
その瞳に見つめられると、彼らはどうにかなってしまうのだ。
「かなわない、な」
将軍がポツリとつぶやいた。
「我らEU最強を誇る機甲部隊が破れるのですか……」
「戦う意志を奪うためのMOE、やる気を失わせる兵器としてのHENTAIか。畜生、ブリタニアの悪魔どもめ!」
「勝てるはずがない………。第一あんなのを相手に真面目に戦争しろとでも?」
あー、わかるわかる。書いてる本人すらどうにかなりそうだもん。
「まして、あれは星○美希・覚醒ver。そう、あれこそ・・・─覚醒 の 白き 歌姫─」
そこは茶髪の歌姫ってするべきじゃん? だってそれって語呂が悪いじゃん? つーか、タイトルの方は戦乙女ってなってるじゃん? 外野でごちゃごちゃ言ってる連中を尻目に将軍は嘆息した。
792:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:32:56 mu7yUVmc
支援!
793:8/10BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y
08/09/17 20:34:00 U69ISgnD
─時代が変わったようだな─
ランスロット・クラブ・痛は銃弾の一発を放つでなく、ただそこにある。
その機体に描かれた少女の姿が、戦域総てをカバーする甘い歌声が彼の戦意を根こそぎ奪っていた。
─この機体こそ、歴史を変える─
MOEが戦場を覆い尽くし、HENTAIが兵士から戦う意志を奪う未来を彼は確かに見た。
「THE・MOE、最高の文化か」
自分が口にした言葉を発した将軍に、青年は振り向いた。
「閣下?」
「君は言ったな。MOEこそが最高の文化だと。至高の存在だと」
至高とまでは言ってねーんだけどなー。と思いつつも、青年は「はい、そうです」と答えた。
「ならば我々の敗北は歴史の必然だったのだろう……」
将軍は静かにそうつぶやいた。
なぜなら・・・、
「最強ごときが最高にかなうわけがないのだからな」
青年は将軍を蹴り飛ばし、座席から突き落とした。
「オチがいきなりクローズネタかよっ!!!」
・
・
・
その日、エジプト北部に位置する地中海に面した港湾都市。アレクサンドリア西方106kmに位置するこの地をかけたブリタニア帝国とEU軍の戦いは終結をみた。
多くの命を吸い取った荒野を舞台とした戦いのあっけない幕切れ。それはブリタニアの新たなる恐ろしさを世界に知らしめることとなり、
「しくしくしくしくしく………」
一人の青年騎士の心に尋常でない傷を残したのであった。
・
・
・
794:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:34:14 mu7yUVmc
支援
795:9/10BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y
08/09/17 20:36:45 U69ISgnD
シュナイゼルは報告書を精読していた。
五度目である。
天才であるところのシュナイゼルは同じ書類を二度三度と精読することはまずない。
その彼が何度も読み直す。それは尋常でない熱意を感じさせるものであった。
彼のおそらくは心からの満足気な笑みにカノンはホっとした面持ちでいた。
「閣下ご考案のMOE・ATTACKは予想以上の効果を示しておりますわ」
エルアラメイン以来、MOE・ATTACK─戦痛機による敵軍の戦意喪失を企図した視覚・聴覚刺激による無血攻撃戦術は驚きの戦果をあげていた。
「戦わずして勝つ。かつてどんな英雄もなしえなかった新戦術の誕生。おめでとうございます、閣下」
ありがとう。そう答え、シュナイゼルは満足気に頷く。
「今回の成果を受けて、この新戦術を主にして運用するチームを立ち上げることになってね」
カノンもそれは初耳だった。
「それはおめでとうございます! よく皇帝陛下がお認めになられましたね?」
「あぁ、陛下にはちょっとした献上品をね。快く認可いただけたよ。ライマーなんとかと言ったかな? それなりに貴重なCDやらグッズやら、色々とね」
それも初耳だった。皇帝陛下がライマーユニ? 寵姫の誰かにでもプレゼントするのだろうか? 皇帝自身がそれを欲するとは想像もしないカノンだった。
「それで、その専任チームとは?」
あぁ、とシュナイゼルは真剣な面持ちに戻る。
「新たにラウンズとなった枢木スザク卿を部隊長として専属スタッフを編成することになったよ。陛下としてもお気に入りの彼に新部隊の司令を任せたいとおっしゃってね」
「ではライ卿は?」
カノンのもっともな質問に、少し沈痛な面持ちで彼は答える。
「わたしとしても彼には継続して参加してもらいたいところだったんだが、彼には外れてもらうことになったんだ」
一人の愚将は二人の名将に勝る。シュナイゼルはそんな名言を引き出して、ライの新戦術運用チーム脱退を説明した。
「残念がるでしょうね、ライ卿」
「本当に残念なことだ、わたしもね」
後日、新戦術運用評価部隊「チームM.O.E」隊長となった枢木スザクはその部隊着任にあたって絶句し、慟哭したという。
それは、もっぱら友人であるライ卿の部隊離脱を嘆いてとのことであるが、歴史はそれが事実かどうかの実証をしてはいない……。
796:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:36:54 mu7yUVmc
支援!
797:10/10BLUEDESTINY ◆i3Yio0CB.Y
08/09/17 20:38:41 U69ISgnD
【ぎあすあとがき劇場 マリアンヌ様がみてる】
投下終了と同時にわたしの横でマリアンヌ様がつぶやいた。
「ねぇねぇ、あおちゃん」
─なんですかぁ? と聞き返すわたし。
「あおちゃんって箱○ユーザーでしょ」
まってました! とばかりにわたしは頷いた。
─そうなんですよ。ばっりばりの箱○ユーザーなんですっ!
最初はエースコンバット6だけが目当てだったんですけどねーとつぶやくわたしにマリアンヌ様の目がきらめいた。
「じゃあデッドライジングは?」
─持ってますよぅ
「じゃあじゃあライオットアクトは?」
─持ってますともさ!
「じゃあじゃあじゃあ、BFBCとシャドウランとBULLYにオーバーロードッ!!」
─イエス、ユアハイネスッ!!!
わたしたちはガシっと友情の拳をかわした。
─今回のお話って、元はといえば、修理から帰ってきたわたしの箱○で兄が遊んでいたのが思いつきの始まりなんですよ
「というと?」
─兄がわたしの箱○でAC6やってたんですけどね、わたしのゲイツポイント(MSのネット内通貨)で勝手にアイマスの戦痛機ダウンロードして遊んでたんです
「あちゃー。兄ちゃま、やっちゃったのね?」
─やっちゃったんです。悔しいのでそれをネタにしたというわけです
もちろんゲイツポイントは倍返しで返してもらいましたけどー。そういうわたしに「倍返しは基本よねー」とマリアンヌ様は笑った。さすが庶民派はちがう。
ゲーマー二人、話はいつまでたっても尽きない。こうして夜更けまでゲーム談義は続いていくのでした。
─マリマンヌ様、もう夜ですけど、旦那さんは放っておいてもいいんですか?
「いーの、いーの。飯さえ作っておけば死にゃあしないってwww」
さすが庶民派は違ったwww
798:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:39:15 mu7yUVmc
支援
799:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:41:59 U69ISgnD
以上でした
すいません。なんか色々とホントにすいません
疲れているんだろうな、わたし
ほとんど一気に書き上げたので、色々矛盾とか誤字があるかもしれませんが、そこはまぁ…
察 し て く だ さ い
ちなみにこの話のあと、ライとスザクは仲が悪くなったとか、ならなかったとか、あじゃうじゃ…
800:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:45:47 mu7yUVmc
BLUEDESTINY先生、GJが……したいです
という訳でBLUEDESTINY卿、GJでした!
フハハハハハハ……笑いました
痛KMFとは、何処からそんな発想が、と思ったらそんな所からw
ランスロット・クラブ・痛、のネーミングセンスw
読み方はツー、でいいんですよね、たぶん
まぁそんな機体なら戦う気も失せますねw
貴公の次の投下を全力を挙げてお待ちしております!
801:保管者トーマス ◆HERMA.XREY
08/09/17 20:51:41 bcCJ43ld
お願い&確認しておきたいこと
>>黒猫にゃー子卿 前回からの続き物とのことですが、
0024-0629 を
メインイトル コードギアス 反乱のライ
サブタイトル 終わりと始まりの予兆
にして宜しいでしょうか?
>>マト卿 755から766までのものは一つに纏めますか?それとも分けますか?
>>BLUEDESTINY卿 20日の改装の際にお知らせを投下する予定ですが、その時に
貴方の作品を使わせて頂いて宜しいでしょうか?
あと、3点リーダの件はどうしましょうか?修正は直ぐに済みます。
802:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 20:54:38 U69ISgnD
>>801
ぜんぜん問題ありませんよ〜
むしろ拙作を使っていただいて感謝を〜
…は、一つ一つ修正してもらうのもお手数ですし、そのままでかまわないかなぁと
今後書くものに関しては気をつけていきますということで
803:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 21:06:13 eG2qKcq1
あ、戻った。
>>801
3話分なので分けてくださると嬉しいです。
名前欄を各タイトルごとに分けてますので、それを目安にしてください。
お手数をおかけいたします。
>>799
GJ!腹抱えて笑いました。
こwwwwれwwwwwはwwww
確実にやる気なくすwww
シュナイゼルもフレイヤなんかじゃなくて、コレ開発してれば世界平和は確定だったのにww
804:保管者トーマス ◆HERMA.XREY
08/09/17 21:06:45 bcCJ43ld
>>802 ……実を言うと、あの提言の直後にマクロを組んで、過去の全作品を修正したのでしたw
拒否されるわけではなさそうでしたので置き換えちゃいました。領地からご確認ください。
805:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 21:15:06 U69ISgnD
さすがに仕事が速いwww
絶対保管のギアスは伊達じゃありませんね〜
ご苦労さまでした&ありがとうございました〜!
806:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 21:31:15 vSHwmrHP
21:45に投下します。本文だけで8レス分あります。
807:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 21:33:37 FtdFKkxe
支援します
808:余暇 ◆kkvclxzIds
08/09/17 21:45:44 vSHwmrHP
ありがとうございます、そろそろ投下します。
リーライナものですが、妙な方向に行ってしまいました。
作者:余暇
タイトル:自称・緑茶の精、現る
カップリング:ライ×リーライナ
(設定及び注意)
・特派編スザクEND後
・ファンタジーもの?
・リーライナの性格は想像です。
・リーライナは、ちょっとした能力を持っています。
本文は8レス分です。
809:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 21:46:22 FtdFKkxe
しえん
810:余暇 ◆kkvclxzIds
08/09/17 21:47:54 vSHwmrHP
『自称・緑茶の精、現る』
食料品店で買い物をしていると、何やら見慣れないものを見つけた。
「何これ、えーと、緑茶って書いてあるな。」
「おや、ライ様。お買い物ですか?」
そこへ、咲世子さんがやってきた。
「あ、咲世子さん。こんにちは。」
「こんにちは。まあ、それは緑茶ではありませんか。」
「咲世子さん、緑茶って何ですか?」
どうやら彼女は緑茶を知っているようだ。
「緑茶とは、エリア11、日本に古くからある飲み物です。特区日本が成立したことで、租界でも出回るようになったのですね。」
「へえ、そうなんですか。これ、おいしいんですか?」
「はい。多少の苦味はございますが、おいしいですよ。健康にも良いと聞きますし。」
そうなのか、一度試してみるか。
「咲世子さん、緑茶の淹れ方を教えてもらえますか。少し興味が出てきました。」
「ええ、喜んで。」
その後、僕は咲世子さんに簡単な淹れ方を教えてもらい、緑茶を買った。
811:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 21:48:36 FtdFKkxe
シエン
812:余暇 ◆kkvclxzIds
08/09/17 21:51:04 vSHwmrHP
学園のクラブハウスにある自室に戻った僕は、早速緑茶を飲むことにした。
「えーと、急須に茶葉を入れて。お湯を注ぐ、と。」
緑茶と一緒に買ってきた急須と呼ばれる道具に茶葉を入れ、お湯を注いだ。
「少しずついい匂いがしてきたな。そろそろかな。」
僕は湯のみに緑茶を注いだ。緑色の液体が湯気を立てている、なかなかおいしそうだ。僕は一口飲んでみた。
「ふむ、少し苦いな。でも結構おいしい。」
これは咲世子さんの言ったとおり、甘い和菓子と合うかもしれない。今度探してみよう。しかし、本当においしい。
「はあ、『緑茶うめぇ』、なんちゃって。」
思わず口をついて出た言葉。ところがこの言葉に、急須が反応して光り出した。
「えっ!?な、何だ?」
急須の口から白い湯気がたくさん立ちこめ、僕の視界を遮った。
そして視界が晴れると、僕は信じられないものを見た。
「う、うそ……。」
僕が座っていた向かい側のソファの上に、一人の女性が横たわっていた。長いストレートの金髪にコウモリの形をした髪留め。
胸元の大きく開いた、かなり大胆な紫色の服。いや、服というよりパイロットスーツに似た素材でできている衣装だ。
どうやら彼女は眠っているらしく、静かに寝息を立てていた。
813:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 21:52:26 FtdFKkxe
なんでやねんw支援
814:余暇 ◆kkvclxzIds
08/09/17 21:54:09 vSHwmrHP
「誰だよこの人。ていうか、どこから出てきたんだ。確か急須の中から……。」
僕は急須の中を見たが、変わった様子はない。いや、とにかく彼女を起こさないと。事情を聞かなくては。
「すいません、起きてもらえますか。」
僕は彼女を揺すった。
「うーん……。」
すると、彼女はゆっくりと目を開けた。じっとこちらを見ている。
「良かった、気がついた。大丈夫ですか?」
「ここは、どこですか?」
「僕の部屋ですよ。あなたは誰ですか、一体どこから……。」
僕は、彼女が急須と湯のみを見つめていることに気がついた。彼女はそれらを見た後、僕の顔を見つめる。
そんなに真剣に見られると、恥ずかしいのだが。
「それ、緑茶ですよね。もしかして、あなたが飲んでいたんですか?
『緑茶うめぇ』とか言いませんでした?」
「えっ、確かに緑茶ですけど。それに、『緑茶うめぇ』と言いましたけど、どうしてそれを…ぶっ!?」
突然、彼女に抱きしめられた。胸の柔らかい感触に顔をはさまれ、オーバーヒートしそうになる。僕はあわてて彼女から離れた。
「良かったー。こんないい男に召喚されるなんて、私もついてるわね。」
「い、いきなり何するんですか!それに召喚って何のこと?」
彼女はニコッと笑い、こう言った。
「申し遅れました。私はリーライナ・ヴェルガモン、『緑茶の精』をやってます。
これからよろしくお願いします、ご主人様♪」
僕の頭は思考を停止した。『緑茶の精』って何だ、そして僕が彼女のご主人様?突拍子すぎて思考が追い付かない。
815:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 21:54:57 mu7yUVmc
支援
816:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 21:56:08 bcCJ43ld
ワロスw 支援
817:余暇 ◆kkvclxzIds
08/09/17 21:57:06 vSHwmrHP
「とりあえず説明して下さい、『緑茶の精』って何ですか?」
僕が質問すると、リーライナさんは笑って答えた。
「読んで字の如くです。緑茶が好きな妖精の仲間、外見は人間ですけど。」
「妖精なんてこの世界にいるんですか?でも今も急に現れたし……。
そうだ、この急須の中から湯気が出てきて、それが晴れたらあなたがいたんだっけ。」
「そうです、ご主人様が呪文を唱えたから。」
呪文だって?僕がそれを唱えたと言うのか?
「『緑茶うめぇ』、それが緑茶の精を呼ぶ呪文なんです。でも誰でも呼び出せるわけではなくて、
十万人に一人の確率でしかないんです。そしてその十万人に一人が、あなたというわけです。」
「は、はあ。」
まさか冗談のつもりで言った言葉が、そんな非現実的な呪文だったとは。しかも確率低いな。
「でもあなたはどうして、緑茶の精なんですか?その服も見たところ、ナイトメアのパイロットスーツと同じ素材ですよね。
もしかして、ナイトメアに乗れるとか。」
すると彼女は、目を見開いた。
「わあ、よくわかりましたね。そうです、普段は私、ブリタニア軍でナイトメアに乗っているんです。
今日も訓練があったんですけど、それが終わった直後にご主人様に呼ばれたんです。」
「そ、そうですか。何だか悪いタイミングで呼び出したみたいですね。」
別に呼び出したくて、あんなことを言ったわけではないのだが。
818:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 21:57:26 mu7yUVmc
支援!
819:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 21:59:31 FtdFKkxe
もし入浴中だったら・・・
支援
820:余暇 ◆kkvclxzIds
08/09/17 22:00:47 vSHwmrHP
「ところで、ご主人様のお名前は何ですか?」
リーライナさんが尋ねてきた。しかし、その呼び方はどうにかならないのか。
「えーと、ライと言います。ところで、ご主人様と呼ぶのはやめ…」
「ええっ!?もしかして、『特派のダブルエース』のライさんですか?」
突然彼女が叫んだ。よく名前だけで、僕が特派にいるとわかったな。
「軍の女性達の間で大人気ですよ、『特派にものすごい美形がいる』って。」
「美形?この僕がですか?まさか、僕はそんなにいい男ではないですよ。」
「その謙虚な所が、また人気なんですよ。私、本当に運がいいなあ。」
リーライナさんが顔を赤らめ、うっとりしている。やはりあの薄着だから、風邪をひいたのだろうか。
「あの、上に何か着た方がいいですよ。風邪をひきますから。」
「あ、ご心配なく。ところで、何かして欲しいことってありますか?
あまり大したことはできませんけど、せっかく呼んで下さったので。」
なるほど、おとぎ話で言うところのランプの精と同じか。しかし、して欲しいことと言っても何もないぞ。とりあえず……。
「えーと、そのご主人様と呼ぶのはやめて欲しいんですけど。何だか恥ずかしくて。」
「えっ、ダメですか?じゃあ、『あなた』がいいですか、それとも『ダーリン』がいいですか?」
僕は頭を抱えた。それはそこへ行きつく過程を省き過ぎだ。
「じゃあ、ライさん……。」
いつの間にか隣に来ていた彼女が、僕の耳元で囁いた。彼女の吐息が耳にかかり、僕は耳まで真っ赤になった。
「うふふ、真っ赤になっちゃってかわいい。じゃあ、『ライさん』って呼ぶことにしますね。
ライさんも、私のこと呼び捨てにして下さいね。丁寧口調も禁止。これからもお願いしますね。」
「は、はあ。」
彼女が差し出してきた手を、僕は思わず握っていた。早くも彼女のペースに乗せられている気がする。
821:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 22:00:59 hXtt1uQR
>>819
破廉恥な! 支援
822:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 22:03:09 FtdFKkxe
>>821
いや、男なら頭によぎったはずだ!
書いたわしはドスケベだけどw
支援
823:余暇 ◆kkvclxzIds
08/09/17 22:06:13 vSHwmrHP
「あ、これおいしい。」
その後、僕たちは緑茶を飲みつつ、リーライナさんが持っていた芋ようかんを食べていた。
彼女から聞いて驚いたのだが、彼女はナイトオブテン、ルキアーノ・ブラッドリー卿が率いるヴァルキリエ隊に所属しているらしい。
ラウンズに仕えているというのも驚きだが、彼女のパイロットスーツを見ていると、ブラッドリー卿の趣味も疑いたくなった。
「それにしても和菓子って、本当に緑茶に合うな。」
「そうですか、良かった。」
彼女と過ごすティータイムも悪くなかったが、一つ気がかりなことがあった。
「ところでリーライナさん。」
「もう、呼び捨てにしてって言ったじゃないですか。そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに。」
「いや、やっぱり初対面だし。それより、どこか泊まる所はあるんですか?まあ妖精なら、移動も簡単にできるでしょうけど。」
すると彼女は、困ったような顔をした。
「それがそうでもないんですよ。ある程度緑茶を飲んで力をためないと、瞬間移動なんて大技はできないんです。
さっき芋ようかんを出した時にも力を使ったから、また補充しないといけませんね。」
何だか不便だな、それ。お腹がいっぱいになったら大変じゃないか。
十分後。
「よし、補充完了。それでは、そろそろ本国に戻りますね。ルキアーノ様がうるさいから。」
「あ、はい。それじゃ、お元気で。」
「はい。また伺いますね、ご主人様♪」
そう言うと、彼女は瞬く間に消えていった。
「ご主人様、か。不思議な人だったな。でも本当に、また来るのだろうか。
まあ僕に関わっても面白くないし、多分もう来ないだろう。」
一時の夢のようなものだった、僕は自分にそう言い聞かせていた。
明日からまた、いつもの日常が始まる。この時点ではそう考えていた、だが現実はそうではなかった。
824:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 22:06:24 bcCJ43ld
支援
>>822 そんな素晴らしいものは全力で投下するべきだと思うのですよ。
825:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 22:06:57 mu7yUVmc
>>822
ぶり○りざえもんが入浴中に呼び出されたことを思い出した
支援
826:余暇 ◆kkvclxzIds
08/09/17 22:09:24 vSHwmrHP
翌朝。僕がベッドの中で目を覚ますと、隣に柔らかい感触を感じた。目をこすりつつ、よく見ると……。
「うわあっ!?リ、リーライナさん?」
「ふふっ。おはようございます、ライさん。」
何故か、素肌にワイシャツだけを羽織った姿のリーライナさんがいた。正直、直視できない。
「そんなに驚くことないじゃないですか。私は緑茶の精、いつだってライさんのそばに駆けつけることができるんですよ。
それに、ライさんは私のご主人様。ご主人様を温めてあげれば、喜ぶかなーって。」
喜ぶも何も、驚きのあまり心臓が止まるかと思った。それにまさか、本当に来るなんて。
すると彼女は、僕にぴったりと体を寄せてきた。彼女の体温が伝わってきて、かなり恥ずかしい。
「そんなに緊張しなくてもいいですよ、だんだん慣れますから。こちらから突然お邪魔することもあるので、
心の準備はしておいた方がいいですよ。」
何て一方的な。僕が呼ばなくても来るなんて、どんな妖精だ。
「それでは、これで失礼しますね。一応、向こうでの生活もありますから。」
そう言うと、彼女は消えていった。何だったんだ、一体。僕は顔を洗うためにベッドから抜け出したが、
台所のテーブルの上に何かが置いてあるのに気づき、それに目をやった。
「これは、朝食じゃないか。書き置きもあるな、なになに……。」
『味は保証します、しっかり食べて頑張ってくださいね。リーライナより。』
書き置きを読むと、僕は何だか嬉しいような申し訳ないような、不思議な気分になった。
「へえ、彼女が。悪いことしたな、今度お礼を言おう。もちろん、緑茶もご馳走しなくちゃ。」
僕の目の前に現れた、不思議な妖精。その人は僕を振り回すようでいて、僕のことを考えてくれる心の温かい女性だった。
827:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 22:09:46 mu7yUVmc
支援
828:余暇 ◆kkvclxzIds
08/09/17 22:12:30 vSHwmrHP
おまけ
ここはブリタニア本国の政庁。私はライさんの所から戻った後、すぐに登庁した。
するとそこへ、後輩のマリーカがやってきた。
「おはよう、マリーカ。」
「おはようございます、先輩。ところで、昨日訓練が終わった後どこへ行ったんですか?
いつの間にかいなくなったので、驚きましたよ。」
まあ、そうだろう。私だって急に呼ばれて少しあわてたから。
「ちょっとね、素敵な殿方の所へ。」
それを聞くと、マリーカは目を輝かせた。
「ええっ、先輩恋人がいるんですか?いいなあ、どんな人ですか?」
「うーん、まだ恋人ではないわ。それに、今はご主人様と妖精の間柄だし。」
マリーカは首を傾げた。
「ご主人様と妖精?ご主人様とメイドなら理解できますけど、妖精ってどういうことですか?」
私はいたずらっぽく笑って言った。
「そのままよ、妖精が人間に恋するような、メルヘンチックな関係。今の所はね。」
噂に聞いていただけで、ぼんやりした憧れでしかなかった彼。でも実際に会って、はっきりした憧れに変わった。
正直に言うと一目ぼれ。彼に呼ばれた偶然を、単なる偶然にしたくなかった。
(これから、もっと私に夢中にさせてあげますよ、ご主人様。)
829:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 22:13:04 mu7yUVmc
支援!
830:余暇 ◆kkvclxzIds
08/09/17 22:17:09 vSHwmrHP
以上です、支援ありがとうございました。
とんでもない方向へ行ってしまった。予想外でした。
入浴中だったら……。それは考えていなかった。
また書くと思うので、参考にします。
次に投下する時は、ユフィものにします。一つ書きかけがあるので。
831:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 22:24:13 mu7yUVmc
余暇卿、GJでした!
呼び出される緑茶の精
クレ○んのぶり○りざえもんを思い出した私は異端なのかもしれない
妖精……リーライナって一体……
とりあえず芋ようかん出すって凄いよね
貴方の次の投下を待っています!
……ユフィもいいけど卜部もね、期待してます
832:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 22:25:11 FtdFKkxe
乙でした。
洒落で言ったのですが、採用された嬉しいなw
ジャスミン茶やプーアル茶など別の茶の精だしても良さそうですし
こういった話も好きなのでシリーズ化希望!
833:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 22:46:51 7hD92/xt
GJ
芋ようかんか…食べたら巨大化かな
834:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 23:39:09 5XwDEgbD
余暇卿GJでした。
その発想はなかったわってレベルじゃねぇぞってくらいGJ!
45分より投下してよろしいでしょうか?
835:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 23:45:07 mu7yUVmc
どーぞ、支援します
836:快風
08/09/17 23:46:42 5XwDEgbD
では投下します。
8レスほどです
837:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 23:47:07 mu7yUVmc
支援
838:邂逅
08/09/17 23:47:56 5XwDEgbD
膠着状態になっていたEUとの戦争。
停戦が破られイタリア州軍の戦線が押し返されそうになっていた。
その状況を打破すべく、シュナイゼル皇子の下抗戦にでる。
そして、殿下の騎士たる僕も前線へと向かうのだった。
そこで僕は、自らの残した罪を見る事となることをまだ知らない。
839:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 23:48:35 mu7yUVmc
支援!
840:邂逅
08/09/17 23:49:29 5XwDEgbD
「ナナリー皇女殿下、御目通りの許可を頂き感謝します。
シュナイゼル殿下が騎士、ライ・アスプリウスです」
久しぶりに見たナナリーは、本物で、確かに彼女は皇女なのだと感じる。
「ライさん!?ライさんなのですか?」
彼女からすれば特区の事件で僕が負傷した事は聞いているはずだ。
さぞや心配をかけてしまっていたのだろう。
「ご無事だったのですね。心配しました。あの時、ライさんが負傷したと聞いて。
今は、シュナイゼル兄様の騎士になられたと聞きましたが・・・」
やはり泣かせてしまったようだ。こんな姿をルルーシュに見られたら殺されてしまう。
行方不明と聞いたが、ナナリーにとってさぞや心細いことだろう。
841:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 23:49:44 mu7yUVmc
支援
842:邂逅
08/09/17 23:51:18 5XwDEgbD
「うん、とても良くしていただいてるよ」
そう、身元が定かで無いような僕を取り立てていただいた方なのだから。
「戦場でも活躍なさってるとか・・・、余り無茶な事はしないでくださいね」
確かに功績は着実に、シュナイゼル殿下の名に恥じないようにしているが、
心配をかけてしまう。彼女は失うことを恐れているのだろう。
そんなナナリーの手をとり、やさしく握る。
「大丈夫だよナナリー。僕は必ず生きて帰るから。
君に折り紙を教える約束をしただろう?だから、必ず帰るさ」
「ライさん・・・。はい、約束ですよ?」
小指を差し出しながら僕に確認をとるかのように約束を口にする。
僕も小指を差し出し、絡める。
「約束する。嘘にはしないよ。指きりげんまんってね」
日本、エリア11に伝わる約束のおまじないをする。
そう、ナナリーに嘘はつかない。だから・・・。
843:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 23:51:48 mu7yUVmc
支援!
844:邂逅
08/09/17 23:53:01 5XwDEgbD
EU戦線の前線に着き、戦況を現地司令官に聞く。
指揮系統をシュナイゼル殿下に移し、早速確認する。
「ふむ、小高い丘を盾にされてしまってるのか。定石どおりの配置のようだね。」
確かに定石どおり、だがそれだけに手堅い。
「だが、わざわざそれに付き合う必要は無いね。」
通常通りに向かうだけでは損害は大きくなってしまう。
遠征軍にとっては危険度が上がってしまう。
「運んできたフロートユニットをとり付けた部隊でかく乱及び撃破といこうか。
ナイトオブセブンは既に単独行動に打って出ている様だし、作戦を伝えてくれ。」
「イエス・ユアハイネス!」
武官が復唱しそれぞれが指示どおりに動く。
殿下がこちらを向き、
「さて、ライ、君には・・・・・・」
845:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 23:53:14 mu7yUVmc
支援
846:邂逅
08/09/17 23:55:35 5XwDEgbD
「お前がシュナイゼル殿下の騎士か、なんだ随分とガキじゃねぇか。
俺の足をひっぱるんじゃねぇぞ」
ナイトオブテン、ルキアーノ・ブラッドリー卿だ。
ブリタニアの吸血鬼の異名をとる男。
「ん?ほぉ〜、これはこれは、ガキ呼ばわり失礼した。まさか同類様と会えるとはな」
同類?何の事だ。僕の疑問を感じたのか、ブラッドリー卿は、
「俺と同じ人間にとっての大事なものを奪うのが大好きな野郎だろ?」
「大事なもの?」
「そう、お前の大事なものはなんだ?そう、命だ!
日常では罪となるが、戦場では英雄となる。堂々と奪うことができる。
お前は俺と同じだ。大勢の命を奪ってきたんだろう?」
その言葉が呪詛となって僕を絡みつく。そう、僕は沢山の死山血河を築いてきた。
「何嫌悪してんだ。奪う事はブリタニアの国是だ、かの狂王もやったことだろう?
まぁ、お互い楽しもうぜ?」
そう言って、格納庫へと向かっていくブラッドリー卿。
彼の言う事に何も反論できなかった。
そう、全ては僕から始まったこの連鎖。
彼のような人間を生んだ元凶。
そんな事を考えてしまっていた。
847:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/17 23:56:29 mu7yUVmc
支援!
848:邂逅
08/09/17 23:58:43 5XwDEgbD
そうこうしていると、補給に戻ったスザクがこちらにやってくる。
「ライ?こんなところで何ぼんやりしてるんだい?早く搭乗しないと・・・」
そうだ、彼も、日本人たちもこの国是の被害者・・・。
僕は、なんて罪深い事を・・・。
表情が暗くなったのを察したのか、
「ライ、君が何に落ち込んでいるのか、僕には少しわかる気がする。
君は罪を犯して、それに殉じようとしているね?」
スザクがまるで心でも読んだかのようにピンポイントでついてくる。
そんな僕の考えを読んだのか、
「ああ、僕もそうだったから。でも、君は違う。やりなおす事はできないかもしれない。
けど、変えていく事は出来るはずだ。嘘をついたのなら、貫くしか無い。
少なくとも、僕は君の味方のつもりだよ」
スザクが手を差し伸べる。そう、いつも彼には救われる。
世界に色を失くしてしまったときも。
きっかけはいつもスザクが与えてくれるのだ。
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5083日前に更新/483 KB
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