コードギアス 反逆のルルーシ ..
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306:捏造特派ENDif
08/09/13 23:28:55 59kRVoAo
「あの、一体僕に何か・・・」

「うん、君の事は前から気にかけていてね。特にバトレーからの報告の後からは」

「!!ということは、ご存知と言うことですか・・・。僕を、またあの研究に・・・」

バトレーから聞いたということはまたあの実験を・・・。
ここは逃げるしか・・・、いや、無理だ。この傷さえなければ。
だが、そんな僕を見ながら、彼は今日一番の衝撃の一言を口にした。

「いや、そんな事はしないよ。君に頼みたいことがあるんだよ。
 私の騎士になってもらえないか?」

「な、僕を騎士に・・・!?」

ブリタニア皇族にとって騎士とは自らの剣であり盾。主人の命を絶対とするもの。
騎士として代表的なのは、やはりコーネリア皇女のギルフォード卿だろう。
彼のように公私ともに支える存在。
だが、それに自分が、それも次期皇帝との呼び声も高いシュナイゼル皇子の。



307:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:31:30 qGbnAXpX
 支援

308:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:32:36 /moqg2qA
支援

309:捏造特派ENDif
08/09/13 23:33:41 59kRVoAo

「そう構えないでくれないかい。君にとっては急かもしれないが、私は以前より、
 君の活躍を知り、興味を持ち、君ならと思ったのだよ。
 君の能力は優秀だ。戦闘に限らず、その政治的能力も高いと聞いた。
 だからこそ、是非私に、ブリタニアのために力を貸して欲しい」

シュナイゼル殿下にここまでかってもらえるとは思わなかった。
しかし、シュナイゼル殿下なら、騎士の一人や二人はいるだろうに。
そう思ったのが顔に出たのか、

「ああ、私には騎士は居ないのだよ。警護隊、親衛隊のようなものなら居るがね」

シュナイゼル皇子は言う。昔は居たのだが、やはり次期皇帝候補であるほど危険は多い。

次期皇帝の騎士となれば、とてつもない栄誉であるからだ。

また、シュナイゼルの騎士ともなると、周囲の羨望や嫉妬となり、狙われると言う。

特に最前線での戦いも多いため、生半可な実力では彼の騎士になっても死ぬだけだ。

だからこそ僕を選んだのだと言う。



310:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:34:39 qGbnAXpX
支援

311:修正
08/09/13 23:35:32 59kRVoAo
「そう構えないでくれないかい。君にとっては急かもしれないが、私は以前より、
 君の活躍を知り、興味を持ち、君ならと思ったのだよ。
 君の能力は優秀だ。戦闘に限らず、その政治的能力も高いと聞いた。
 だからこそ、是非私に、ブリタニアのために力を貸して欲しい」

シュナイゼル殿下にここまでかってもらえるとは思わなかった。
しかし、シュナイゼル殿下なら、騎士の一人や二人はいるだろうに。
そう思ったのが顔に出たのか、

「ああ、私には騎士は居ないのだよ。警護隊、親衛隊のようなものなら居るがね」

シュナイゼル皇子は言う。昔は居たのだが、やはり次期皇帝候補であるほど危険は多い。

また、シュナイゼルの騎士ともなると、周囲の羨望や嫉妬となり、狙われると言う。

次期皇帝の騎士となれば、とてつもない栄誉であるからだ。

特に最前線での戦いも多いため、生半可な実力では彼の騎士になっても死ぬだけだ。

だからこそ僕を選んだのだと言う。





312:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:35:38 /moqg2qA
支援


313:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:40:01 fEwZAgXA
支援

314:捏造特派ENDif
08/09/13 23:40:32 59kRVoAo
「返事は傷が治ってからで構わないよ。主治医の話では3日あれば復隊できるそうだよ。
 良い返事を待ってるよ、ライ君。ではこれで失礼するよ」

そう言って、殿下は部屋を出て行った。去り際に、

「そうそう、言い忘れていた。枢木君だが、ゼロを捕まえた功績でナイトオブラウンズになった
 そうだよ。君が一番気にしていることだろう。早速だが、1週間後にEU戦に派遣される。
 ラウンズ入りの結果、特派も解体、枢木スザク専属のKMFチームとして変わる。
 彼らもEUへと向かう。君はどうするのかな?ではまた」

と最後にそう言って去って行った。
シュナイゼル皇子の騎士。それはとてつもない栄誉だ。
あのように言ったが、僕に拒否権は無い。
それに、特派が解散された以上、僕は無所属になってしまう。
どこかの部隊に移されるのだろうが、彼らと離れ離れになってしまう。
その事実が、とても怖い。自分自身こんなに弱くなってしまったとは思わなかった。
僕を特派に誘ってくれたスザク。
飄々とモルモットのように扱うが、なんだかんだと言って優しいロイドさん。
まるで姉のように優しく見守ってくれるセシルさん。
そう、僕はこの特派での日々がとても楽しかったのだ。
それに、僕はスザクと約束したのだ。スザクとともに夢を掴むため。
そして、アッシュフォード学園の皆を守るために。
答えが出た。僕は・・・・・・。


315:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:42:09 qGbnAXpX
 支援

316:捏造特派ENDif
08/09/13 23:44:33 59kRVoAo
枢木スザクは格納庫へと向かう。
シュナイゼル皇子の指揮の下、EUとの戦争を行っていた。
現在こう着状態とのことで、自分の出番が来たのだ。
ナイトオブセブンとしての初任務だ。だが、緊張は無い。
ただ、残念なのが、いつもとなりを歩く戦友がいないと言う事。
それが、どこか寂しいと感じていた。

今回の作戦はシュナイゼル殿下の騎士と共に、前線でのかく乱が主な任務だ。
ラウンズは帝国最強の騎士。この程度で死ぬわけにはいかない。
ただ、殿下の騎士についてはまったく情報が入ってこなかった。
何でも最近任命されたばかりで、本国でもちょっとした騒ぎになったとか。
噂はどうであれ、自分についてこれなければ邪魔なだけだ。
そして、格納庫のランスロットへと向かうと、そこには。

317:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:45:54 /moqg2qA
支援

318:捏造特派ENDif
08/09/13 23:48:14 59kRVoAo
「ナイトオブセブン、枢木卿。シュナイゼル殿下が騎士、ライです。よろしくお願いします」

ライと、ランスロットの兄弟機、ランスロット・クラブがあったのだ。

「ら、ライ?君が、シュナイゼル殿下の騎士だって?」

そう、騎士専用のパイロットスーツを着たライが居るのだ。

「スザク、しばらくだったね。ラウンズ襲名、おめでとう。
 積もる話もあるけど、今は作戦時間が近い。さぁ、行こう!」

ライが手を差し出してくる。僕はその手を握る。硬い握手をし、

「ああ、君と僕、力を合わせれば出来ない事はないさ。背中は任せるよ、ライ」

「もちろんさ、そっちこそ、遅れをとるなよ?」

背を叩き、お互いに軽口を言い合い、それぞれの機体に搭乗する。

「ナイトオブセブン、枢木スザク。ランスロット、発艦!」

もはや緊張などどこかに行ってしまっていた。



319:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:51:15 qGbnAXpX
支援

320:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:51:39 /moqg2qA
支援

321:捏造特派ENDif
08/09/13 23:52:01 59kRVoAo
カタパルトに接続、射出体制に入る。
スザクとの再会で、とても昂ぶっていた。彼となら、どんな戦場だろうと乗り越えてみせる。
通信モニターにシュナイゼル殿下が写る。
一言二言話し、出撃の番が来た。
シュナイゼル殿下の顔に泥を塗らないためにも、またスザクのラウンズ初任務を成功させる。
そのために、

「ランスロット・クラブ、MEブースト」

クラブのユグドラシル・ドライブが唸る。
オペレーターのセシルさんの合図が来る。

「ZE―01b、ランスロット・クラブ、発艦!」

「発艦!!」

発艦し、フロートユニットを展開、浮上。

その空はとても青かった。


322:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:53:04 qGbnAXpX
支援!

323:快風
08/09/13 23:53:22 59kRVoAo
以上で投下を終了します。
時間がかかってしまい申し訳ありません。
シュナイゼルに関しては本編にまだ騎士が出て無いので、
今のうちにと思い、このような設定に。
このまま、シュナイゼルと一緒に、ラスボスへの道へ?
皇帝とワンみたいな関係になってくのか。
とりあえず読みきり的に書いてみました。
できればこの設定のまま続けたいものです。
支援、ありがとうございます。


324:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:53:34 /moqg2qA
支援

325:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:56:40 /moqg2qA
>>323
面白かったです。
シュナイゼルの騎士か…。
考えた事なかったなぁ。
だから、すごく新鮮な感じて読めました。
出来れば続編希望という事で…www

なお、投下前に何レスぐらいか書いたほうがいいと思いますよ。
支援する方も目安になるしね。

326:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:58:15 qGbnAXpX
>>323
快風卿、初投下乙&GJでした!
斬新な設定にぐいぐい引き込まれました
読んだ後の満足感もかなりのものです!
貴方の素晴らしきSSをこんなカタチでGJでした!
そう、ならばこそ、貴公の次の投下を全力を挙げて楽しみに待たせていただきます!

327:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 00:00:13 ko8bt2am
>>325
続編ですか。頑張って書いていきたいものです。
内容的には中華まではオリジナルというか好き勝手に書けそうですが・・・。

次回からは、何レスか書くようにします。
感想ありがとうございます。

328:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 00:04:04 ko8bt2am
>>326
ありがとうございます。2ちゃん初心者なので手探り状態でした。
満足いただけて幸いです。続き書けるよう頑張ります。

329:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 00:13:27 DLgerIle
>>323
初投下お疲れ様でした。
新しい展開でどきどきします。続きがあるならば期待してお待ちします。

さて、20分くらいから投下したいと思います。
5レス程度ならば支援は不要でしたっけ?

330:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 00:14:49 vNySOK/B
念のため支援します。

331:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 00:15:23 nUSiVa3j
>>329
全力を挙げて見守ります

332:マト ◆Dmf7s6g6us
08/09/14 00:21:10 DLgerIle
時間ですので投下開始します。

・タイトルは「魔女の食卓」
・カップリングはライ×C.C.

・これを含めずに終了宣言まで6レスです。

333:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 00:21:54 vNySOK/B
支援

334:マト ◆Dmf7s6g6us
08/09/14 00:22:26 DLgerIle
   「魔女の食卓」


 日曜日、ちょっとした外出から戻ると、クラブハウスはトマトソースの香りで満たされていた。
「昼食はピザかな」
 既に午後一時を回っていたが、朝がゆっくりだったため、まだそれほど空腹は感じていない。僕は自室
の扉を開き、そこで固まった。
 C.C.が居る。いや、彼女が居るのはいつものことだ。チーズ君を抱えて僕のベッドを占領しているのも
いつものことだ。しかし、「私に近づくな。寄らば噛みつく」という顔で転がっているのはいかがなものか。
 不機嫌オーラを感じながらも、僕は部屋に踏み入った。ここの主は僕である。堂々としていていいはずだ。
 たぶん。
 ポケットから携帯電話を出して充電器に置くと、付けられていたストラップの黄色いマスコットが
小さく音を立てて滑り落ちた。C.C.の目が確認するように一瞬そこに留まる。僕はあえて魔女の無言の
圧力を無視し、借りた本の続きを捲りはじめた。

335:マト ◆Dmf7s6g6us
08/09/14 00:23:13 DLgerIle
「何かあったのか?」
 素直に負けを認めよう。十分ともたなかった。ちなみに本の内容は一行も頭に入っていない。
「今日の昼食はピザだそうだ」
「うん。匂いで分かった。よかったじゃないか」
 キッチンから漂ってくる香りはルルーシュのお手製トマトソースだろう。咲世子さんが育てている
プランターのバジルも少し減っていたようだ。
「お前は誤解をしているな。私のためじゃないぞ。ナナリーが食べたいと言ったからだ。
 あのシスコンめ」
 C.C.は心底嫌そうに吐き捨てた。
「お陰で今日は大手を振ってピザを食べられるじゃないか」
 隠れ住んでいるC.C.はルルーシュのカードで注文するより他なく、いつも彼に小言を言われながら
電話している。その小言を彼女が聞いているかどうかは知らないが。
 しかし、C.C.は顔を顰めた。
「あいつが作ると言い出さなければな。塩分過多だとか、添加物がどうとか、化学調味料がダメだ
とか……。私が食べたいのはヘルシー志向と真逆を行く高カロリー高脂質でジャンクな味だというのに!」
 その高カロリー高脂質のブリタニアンな食事を一日三食続けていて、体型が変わらないのがこの魔女の
不思議の一つでもある。摂取したカロリーは一体どこに消えているんだろうか。毎日「ダイエット!」と
叫んではお茶菓子を我慢しているシャーリーが聞いたら本気で怒りだすだろう。

336:マト ◆Dmf7s6g6us
08/09/14 00:24:29 DLgerIle
「その上、あの白兜のパイロットまで呼んで……」
 一番の理由はそれだったようだ。C.C.はチーズ君に顔を埋めて目を瞑ってしまった。既に顔見知りで
あるナナリーだけならばともかく、スザクまで居るとなると彼女が同じテーブルの席につくわけには
いかない。
 C.C.はそのままベッドに横になった。不貞寝するつもりなのだろう。階下では来客を迎えたらしく、
弾む会話が漏れ聞こえてくる。決して大きくないはずなのに、今日に限って彼らの声は奇妙によく通り、
この部屋にまで伝わってきていた。
「お前も行って来い」
「……C.C.」
「別にいつものことだ。後でうんと奢らせてやるから、あいつにそう言っておけ」
 彼女は顔だけ上げると、いつもの無表情でそう言って僕を追い出した。


 ダイニングルームではスザクを迎えて昼食の準備が整いつつあった。氷で満たされたグラスに熱い紅茶
を注いでいたスザクが目敏く僕を見つけた。
「やあ! お邪魔しているよ」
「今日は軍の方は休み? 偶にはゆっくりしていきなよ。ルルーシュもナナリーも喜ぶ」
 ちょうどキッチンからナナリーがピザの皿を運んでくるところだった。
「そうですよ、スザクさん! ここのところ、ちっともいらっしゃらなくて。お兄様も……。
今日はうんとお話ししてくださいね」
 ちょっと拗ねてみせるナナリーにスザクは優しく笑いかけた。僕はナナリーの頭を軽く撫でてから、
横を通り抜けてキッチンに向かった。

337:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 00:24:38 vNySOK/B
支援

338:マト ◆Dmf7s6g6us
08/09/14 00:25:36 DLgerIle
「ルルーシュ」
「いいところに来た。追加が焼き上がる。向こうに持っていってくれ」
 きちんとエプロンをかけて一人奮戦していたルルーシュはオーブンの様子を気にしながら、
ドレッシングをかき混ぜていた。
「それ、上に持っていっていいかな? あと、コーラを二本」
 ルルーシュは手を止めてしばらく僕を見つめ、軽く息を吐いた。
「……アイスティーにしておけ。ナナリーが淹れてくれたからな。二人には俺から適当に言っておく」
 野菜も食べろよなんて言いながら、ルルーシュはガラスのボウルに大量のサラダを放りこんでいく。
彼も彼なりにC.C.のことを考えているのだ。表現が下手なだけで。
「追加で宅配を頼むかもしれないけれど、いいかな?」
「必要なら俺に言え! いくらでも焼いてやるさ」
 魔女の伝言に自棄になったルルーシュの声を背に聞きながら、僕は自室へと戻った。

339:マト ◆Dmf7s6g6us
08/09/14 00:26:39 DLgerIle
 仰々しいフードカバーに呆れたのか、C.C.はしばらくぽかんと口を開けていた。僕が噴き出しそうに
なるのを堪えていると、彼女はゆるゆると眉を寄せ渋面を作ってみせた。
「馬鹿だろう、お前たちは。それとも私を虚仮にしているのか?」
「お代わりは自由だそうです。電話一本で係の者が飛んできます」
 僕はなるべく澄まして、用意されたテーブルクロスを広げピザとサイドメニューを並べた。
「だいたい私はこんなにお上品に澄ました奴じゃなくて、ジャンクフードの方が……。
 それにポイントシールが貯まらないじゃないか」
 まんざらでもない表情の癖にC.C.はぶつぶつと文句を並べている。僕はとどめに隠し持っていた立方体
をぽんと彼女の前に置いた。
「……おい、これをどこで手に入れた?」
 たっぷり三十秒ほどそれを見つめた後、C.C.は恐る恐るそれを手に取った。四角いルービック・
キューブは表面に彼女の愛する黄色いマスコットが描かれている。
「ピザハウスでアルバイトしてる友達がくれた。ほら、これを付けてるだろ? 好きだと思われたらしい」
 僕は充電器に置いたままになっている携帯電話を示した。C.C.が勝手に括りつけたストラップは彼女が
抱いているものと同じ形をしている。C.C.は何故か深く溜息を吐いた。
「この女たらしが」
 確かにその友達は女の子だが、たらし込んだ覚えはない。言われなき批判だ。
「自覚がないようだな。最も性質が悪い部類だ。……まあ、いい。冷めないうちに食べるぞ」

 C.C.はピザを一切れ手に取り、それから思い出したように付け加えた。
「私が満足するまで付き合えよ?」
 魔女はにやりと良くない笑みを浮かべた。

340:マト ◆Dmf7s6g6us
08/09/14 00:28:24 DLgerIle
以上で投下終了です。
途中、支援ありがとうございました。

本編が殺伐としているので、まったりしたのを書きたくなりました。

341:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 00:35:38 vNySOK/B
>>340
おおー…ツンデレだ…www
やっぱC.Cはこうじゃなきゃね。
しかも…他のキャラもいい味出してるなぁ。
なんかゲームの途中であってもおかしくない話ですね。
GJでした。



342:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 00:36:45 nUSiVa3j
>>340
マト卿、GJでした!
C.C.……ヘルシーフード<ジャンクフードなのかよ!
ほのぼの、まったり、どんとこい!
良いSSをありがとうゴザイマシタ!
次の投下を全力でお待ちしております!

343:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 10:39:44 Rl2M5AjR
>>340
GJ! 
和むなぁ。
今日の本編が殺伐とした内容であったとしても、このSSを思い出して耐えれそうです。

344:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 10:54:38 6iz4LTXD
 おはようございました。前回の続きを投下します。
 ちなみに、最後のレスと投下宣言が同じになってます。
 17レスを予定してます。
 ゆっくり投下しますが、猿になったら携帯でその旨をお知らせします。
<オリキャラ。オリ設定注意>

345:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 10:57:04 6iz4LTXD
 シーン6『アッシュフォード 学園』Cパート


 スザクは驚いていた。
 なにせ、ユフィの羽ペンを銜えたアーサーを追いかけてきて、トマト置き場でシャーリーとルルーシュと着ぐるみという不思議な組み合わせに出会ったと思ったら、なぜか自分が乗るはずだったKMFが現れて、トマトの入った大きなコンテナを力強い動作で抱えたからだ。
『これを会場まで運べばいいんだろ?』
 KMFからのスピーカー越しに、聞き慣れた声が響いた。
「まさか……ジノ!?」
 そうスザクが言い終わらない内に、KMFのランドスピナーが砂煙を撒き散らし、唸りをあげた。
『はは、面白いな。庶民の学校は〜』
 そこはナイトオブスリーの名を持つ一流の騎士。機体以上に重いトマトのコンテナを持っているにも関わらず軽快にKMFを操り、校舎を軽やかに曲がると、一目散にピザを焼く会場に向かっていった。
「ピザ女が!」
 ルルーシュが副会長の責任感からなのか慌てた様子でその後を追い、さらにシャーリー、着ぐるみと続く。
 スザクはその光景を眺めて呆然とした。
(一体何がどうなっている?)
「スザク!」
 その時、ルルーシュ達が走っていったのとは逆の方角から私服に戻ったロイと、相変わらずウェイトレス姿のアーニャが駆け足でやってきた。
「ロイ。それにアーニャ。これは一体……」
 スザクが聞くと、ロイは肩をゆらし、大きく一息つくと歯噛みしながら憎々しげに告げた。
「すまない。ジノを止められなかった……」
「えっ、どういう……」
「悪ふざけだよ! ジノの性質の悪い病気だ!」
 その言葉に、スザクは呆れ顔で「ああ、成程……」と納得した。
「まぁ、KMFに乗っちゃった以上仕方が無いよ。それより僕はアーサーを―」
 その時、スザクの隣にいたこの学園の会長。ミレイ・アッシュフォードは、こちらの肩を軽く叩いて言った。
「スザク君。あれ、アーサーじゃない?」
「へっ?」
 スザクは反射的にミレイが指で示した方角を見る。そこにはジノのKMFに追いかけられているアーサーがいた。もちろん羽ペンを銜えている。
「ああっ! 本当だ!!」
 スザクも慌てて駆け出した。

346:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 10:58:42 nUSiVa3j
支援

347:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 10:59:01 4AznWd6k
支援致します

348:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 10:59:21 6iz4LTXD
 ○

 スザクまで走っていったのを見送って、ロイは深々とため息をついた。
「全く。ジノは本当に……」
 どうしようも無い奴である。
 ロイとてジノと付き合い始めて一年になるが、いまだに彼の行動の不規則さは予想もできない。
「あ〜あ。予定変えなきゃ」
 その時、ロイの隣からスッと現れた女性が残念そうに、でもどこか楽しそうなニュアンスを感じさせる口調でボヤいた。
 少しウェーブのかかった金髪。悪戯好きな猫を連想させる瞳。抜群に良いからだのスタイル。美少女ではなく美女。
「? あなたは……」
 ロイが眼鏡を指でかけ直しながら聞くと、その女性はニコッと笑って答えた。
「私? 私はミレイ。この学校の生徒会長です」
 それを聞いてロイは少し驚いた。妙に大人びた外見なので、若い教師辺りだと思っていたからだ……。
(いや、まて。生徒会長という事は……)
 ロイは、上司に行うのと同じ仕草でピッと背筋を伸ばした。
「となると、あなたはこの場の責任者ですね。今回は私の連れが大変迷惑な事をしてしまい、なんとお詫びすればよいのか……」
 丁寧に頭を下げると、ミレイと名乗った女性は今度は上品に微笑んだ。
「あ、いえ、気になさらないで下さい。面白くなってきたし」
「はっ、面白く?」
 ロイが聞き返すとミレイは、スカートの裾を広げて一礼した。
「では、私もそろそろ会場に向かわねばなりませんので失礼いたします。ごきげんよう。キャンベル卿」
 貴族らしいその仕草は、ロイが一瞬頬見惚れてしまうほど優雅なものだった。
 ちなみに、余談だがそのミレイの仕草に見惚れているロイの隣でアーニャがムッとした表情を浮かべたのだが、ロイは気付かなかった。
「……ご親切にどうも」
 ロイがそれだけを何とか返答すると、ミレイはまた微笑んで、
「では……よっしゃ〜。待て待てスザクにルルーシュ〜!」
 ドレスのスカートを翻しながら大またで走り出した。
「……」
 ロイがその変わり身の早さに小さく驚いていると、隣のアーニャが不機嫌そうに聞いてきた。
「知り合い?」

349:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 10:59:54 nUSiVa3j
 支援

350:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:01:05 4AznWd6k
支援

351:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 11:02:12 6iz4LTXD
「へ? ……いや知らない。初めて会った人だよ。何で?」
「ロイの事、キャンベル卿って言ってた」
 ここで、ロイははたと気付いた。
「ああ、そういえば……」
 確かにそうだった。ロイはこの学園で誰にも一度も名乗ってないのに、ミレイは「ごきげんよう。キャンベル卿」と言った。
 ロイは首を傾げた。
「あの人。何で僕の事知ってたんだろう……どこかで会ったっけ?」
 ロイはミレイという名前を、脳の中で検索にかけた。
 該当。一件。
 ロイはポンと手を叩いた。
「思い出した。あの人、アッシュフォード家のご令嬢だ」
 隣でクレープを頬張るアーニャもロイの言葉を聞いて「ああ、そういえば」と頷いた。
 アッシュフォード家の令嬢といえば、ロイ・キャンベル専用KMF“クラブ”の開発者であるロイドの婚約者である。彼女が夫になるかもしれない人の担当の騎士ぐらい、知っていても不思議ではない。
「しまったな。ロイドさんに世話になってる手前、もっとちゃんと挨拶しておけばよかった……」
 ロイドさんの奥方になるのなら、自分にとってもあのミレイさんとは一生の付き合いになるかもしれない。人との関係というのは第一印象が大切であり。できることなら、もう少ししっかり挨拶すればよかった。とロイは後悔した。
「あの人は婚約済み……」
 その時、後悔するロイの隣で、アーニャが何かを考え込み……そして、
「うん、ノープロブレム」と頷き、食べかけのクレープをパクっと頬張った。
 ちなみに一体何が“問題無し”なのかは、彼女自身にしか分からない。
「ん? 何か言ったアーニャ?」
「ううん。何でもない……」
 アーニャは首を振ると、ロイの裾を軽くクイッと引っ張った。
「それよりロイ。スザク達。走っていったけど、面白い事になる?」
「面白い、ねぇ……」
 ロイは面白いという表現はえらく不謹慎のような気がしたが、もうここまできたら別段怒る気も沸かなかった、
「ああ、多分そうなる……」
 ロイは力なく言った。
 間違い無くジノの悪ふざけによってアーニャの言う意味での面白い事態にはなるだろう。それは断言できた。

352:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:03:20 4AznWd6k
支援

353:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 11:05:40 6iz4LTXD
 もっとも、ロイにとっては全くもって頭が痛い話だが……。
「じゃあ記録してくる」
 アーニャはクレープの最後の一口を頬張って、包み紙をポケットにしまうと、身を屈め、そして次の瞬間、優れた身体能力を生かしてスザク達を追いかけるために走り出した。
 そしてあっと言う間に離れていく走るウェイトレス、アーニャ・アールストレイム。それを見送って、ロイはまた苦笑した。
「好きだな、アーニャも……」
 面白いものがあると分かれば、いつも、

『アーニャ・アールストレイム……発艦!』

 と言わんばかりの勢いで走っていく。その様子は本当に、アヴァロンから発進するランスロットのようだ。
 ロイは自分の想像のおかしさに吹き出しながら、ゆっくり歩いて皆の後を追い掛けようとした。
 その時、
「!」
 ロイはとんでもない事に気付き、驚きおののいた。
 だんだんと離れていくアーニャ。もちろん彼女はまだ、あのウェイトレスの格好である。
 そして、あの服のスカートは短い。それこそいかがわしいお店の店員並に。
 そして、アーニャの体力は一般のそれを大きく上回る。イコール。アーニャは足が速い。イコール、足が速いと受ける風の影響が大きい。イコール、その風の影響でスカートがめくれ、後ろから見ると思いっきり白いのが……。
「ちょっ!? アーニャ待て! それを着て走るな!」
 ロイは顔を真っ赤にして、一目散に駆け出した。しかし、アーニャは小柄なのもあって素早い。すぐに追いつけない。
「アーニャ! 止まれ!」
 何度か校舎の角を曲がり、途中。なんか汗を垂らしながらバテている学生の横を通りすぎた。しかし、二人の距離は縮まらない。
「アーニャぁぁぁ!」
 呼びかけても、絶叫してもアーニャは止まらない。どうやら、走るのに夢中で聞こえてないらしい。
(ああ、くそ!)
 ロイは心の中で毒付いて、走る速度を速めた。
 どうやら、あのオテンバを止めるためには、走って追いつくしかないらしい。
『中の人。違いま〜す。それでも僕は! 焼きたいピザがあるんだぁぁぁ! なんちゃって♪』
 その時、またまたジノの悪ふざけの声がスピーカー越しに学園に響いた。

354:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:06:26 nUSiVa3j
支援

355:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:10:18 ko8bt2am
中の人自重ww支援w

356:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 11:10:54 6iz4LTXD
 ○

 その後、ロイはなんとか人目に付く前にアーニャを止める事に成功した。
 そしてKMFから降りて合流してきたジノを小突き、ミレイの所まで引っ張っていき、頭を下げさせて詫びを入れさせたころには、もう日は沈みかけていた。そしてあたりはあっと言う間に暗くなり、遂には夜になった。
 今、ロイはアッシュフォード学園のクラブハウスにいた。隣には私服に戻ったアーニャもいる。
 ここには二人だけだった。
 ジノはミレイに詫びを入れた後、なぜか彼女と意気投合して校庭で一緒にダンスを踊っている。
 スザクはピザの一騒動の時、ピザを焼くかまどの近くででアーサーを抱えていたのは見かけたが、すぐにどっかに消えた。携帯にかけても繋がらない。
 ロイとアーニャもミレイにダンスに誘われたのだが「柄ではない」と断り、「それなら。ウチの学校見てって下さい」というミレイ勧めもあって歓迎会だけに参加していたら、足を踏み入れない場所の見学をする事にした。
 人気の無い校舎を回り。裏庭を回り、雑木林を探索し、そして、ロイは今ここにいた。
「へぇ、ここ“も”クラブハウスか」
 ロイは周りを見ながら、床の軋む廊下を歩く。
 外からは、校庭で行われているダンスに合わせたゆったりとした音楽が聞こえてくる。
 アーニャは携帯で写真を撮りながら呟いた。
「ここはとても静か。別館のクラブハウスと違って……」
 ロイは苦い笑みを浮かべた。
「そうだね。何度も死にかけたね……」
 ここに来る前に立ち寄ったクラブハウスの別館は、部屋に入った瞬間サイレンが鳴ったり、落とし穴があったり、いきなり水撃銃が飛び出してきたりと、なぜか悪意のこもったトラップが満載で、何度も殺されるかと思った。
 しかし、聞けばそれでも昔、ある生徒会役員が別館の大掃除をしてから大分マシになったらしく、今回ロイ達が遭遇したトラップはその掃除の取りこぼしだったらしい。
 しかし、ロイ達が経験したトラップのあの量で取りこぼしだというのなら、その掃除をしたという生徒会役員はそれこそトラップの嵐に晒されて無事にすまなかったのではないだろうか?
 ロイはその生徒会役員が今も五体満足でどこかで元気に暮らしている事を祈りつつ、廊下を進んだ。

357:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 11:14:14 6iz4LTXD
「それにしても。クラブハウスって言う割には何のクラブも入ってないんだな」
 先ほど回ってきた別館はトラップという異常なものを除けば、建物内は様々なクラブの私物に溢れており、その場所で行われている、または行われていた活動内容が良く窺えるいわゆる普通のクラブハウスだった。
 対して、ここはほとんど空き部屋であり、しかもほとんど私物が置いていない。これではクラブハウスと言うよりは一風変わったホテルや空室の多い寮と言った方がしっくりくる。
 アーニャは撮った写真を携帯で整理しながら言った。
「一階は大きなホールだった」
「そうだね。もしかしたら、共同の多目的ルームならぬ多目的施設なのかも。寝泊りとかできるのはオマケみたいな感じで」
「ホールでは飲んで騒いでドンちゃん騒ぎ。そして酔っ払った人たちはベッドのある空き部屋に放り込む。そんな感じ?」
「あ〜アーニャ。一応ここは未成年者が通う神聖な学校だから」
 すると、アーニャはそのどことなく眠たげにも見える瞳を、携帯からロイに移した。
「それをロイが言う? 今朝、ジノとロイを起こすのは苦労した」
 今日の朝。ロイとジノは部屋で酔いつぶれて床で重なるようにして寝ていた。それを発見して、叩き起こしたのはアーニャだった。
 ついでに、二日酔いでフラフラな二人を介抱したのもアーニャだった。
「……」
 ロイはそれを思い出して冷や汗を流し口をつぐんだ。
 アーニャは更に言った。
「お詫び」
「はい、申し訳ありませんでした……」
 ロイは歩きながら素直に頭を下げた。しかし、アーニャは納得がいかないらしく、小さく唇を尖らせた。
「……謝れば済むと思ってる」
「いえ、思ってません。以後気をつけます……」
「前から言いたかった。ジノもロイもお酒飲みすぎ。体に良くない」
「ごもっともです」
「本当に分かってる?」
「イエス・マイ・ロード。いつもご迷惑をおかけしております……」
 珍しく二人の注意の攻守が入れ替わった瞬間だった。ロイは困った顔で頭を下げ続けた。
 実は、ロイはお酒、特にワインが大好きだった。

358:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 11:16:37 6iz4LTXD
 一年ぐらい前、ジノと一緒に食事をした時、彼に食後のワインを勧められて、そのまま二人で飲み明かしたのがいけなかったと今になって思う。
 そしてあれからすっかりワインの味にはまり、暇な夜はジノと飲み明かすのが習慣になってしまった。
 そして、それをアーニャは快く思ってない。
 ちなみに、本当にアーニャが快く思っていない理由は、体の健康云々というのももちろんあるが、ロイが暇な夜というのはとても珍しいのに、それを全部ジノに掻っ攫われて面白く無いという点である。
 アーニャだって、ロイとは夜、お菓子をつまみながら二人で夜通しおしゃべりをしたいのである。
 ただ、悲しいかな。ナイトオブセロはそんな乙女心を微塵も感じる事はできず、ただペコペコと頭を下げ続けた。
 その態度が、更にアーニャをイライラさせるのも無理は無かった。
「いっその事。お酒飲むのやめたら?」
「いえ、もう、二日酔いになるまで飲みません。次から気をつけますからそれだけは―ん?」
 その時、ロイはふと足を止めた。隣にいたアーニャもそれに習う。
「?……どうしたの?」
 アーニャが聞くと、ロイは「あっ、いや」と曖昧な返事をした後、視線と体を横に向けた。
 そこは木製の扉があった。
「ここがどうかしたの?」
「……」
 アーニャが更に聞く。しかし、ロイは黙り込んで何も答えない。
「ロイ?」
 もう一度問いかけて、ロイは始めて自分が呼ばれている事に気付いた。
「ん? 何かなアーニャ」
「ここがどうかしたの? って聞いた」
「いや、どうかしたって訳じゃないんだけど……」
 言いながらも、ロイは足を前に踏み出して扉を開けた。軋んだ音と共にあらわになった部屋。
 中には机とベッド、そして一つのタンスが置いてあるだけ。私物らしきものは何も無かったので、どうやらここも空き部屋らしい。
「? ロイ。この部屋がどうかしたの?」
「……いや、何でもない。……というか、なんで僕はこの扉を開けたんだろう?」
 眉間に皺をつくりながらも、ロイはゆっくりとした足取りで部屋の中に入っていった。アーニャはロイのその行動を不思議がりながらも、後に続いて扉をくぐった。
「? 意味も無く扉を開けたの?」

359:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:17:08 nUSiVa3j
支援!

360:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 11:19:13 6iz4LTXD
 アーニャが部屋の中にあったベッドにポスンと音を立てて腰掛けながら聞くと、ロイは部屋においてあった机を指でなぞりながら、
「うん。というか体が勝手に動いた」
 と、部屋全体をグルリと眺めながら答えた。
「?」
 アーニャは首を傾げた。しかし、ロイも首を傾げたい気分だった。
 部屋に入ったのは本当に何も考えずに取った行動だった。なぜか、この扉の前に立つと、この部屋の中に入るのが当たり前。という気がして仕方が無かったのだ。
「本当に……なんで僕はこんな部屋に入ったんだろう……」
 ロイは頬をポリポリとかきながら、部屋の中を何度も見回し、そしてその度に言いようのない不思議さに困惑した。
(この部屋……見覚えがある?)
 そんな気がした。しかし、ロイはすぐにそれを否定した。
(いや、それは無いな……)
 なにせ、自分がエリア11に来たのはつい最近であり、この学園には今日初めて足を踏み入れたのだ。
 しかし、どうもこの部屋にいると、
「なんか……。なんかこう、モヤモヤしてくるな……」
 ロイが呟くと、アーニャがチラリとロイを見て、
「ムラムラ?」
「……」
 ロイは心の中に湧き上がっていた何とも言えない感情を一時引っ込めて、そのアーニャの聞き間違いを即座に訂正した。
「違う。間違っているよアーニャ。モ・ヤ・モ・ヤ。モヤモヤって言ったの僕は」
「そう」
 アーニャはそう納得したあと、携帯を操作し始めながら、
「じゃあ、前から一度聞いてみたかったんだけど……ロイは私といてムラムラする?」
 訳の分からない事を、本当に唐突に聞いてきた。
「…………」
 ロイは長い沈黙の後、
「ごめんアーニャ。良く聞こえなかった。今、何て言った?」
 幻聴だと思って―いや、幻聴だと願って聞き返す。しかし、アーニャの小さな口から出てきたのは残念ながらそれが幻聴でないという事を証明しただけだった。
「だから、ロイは私といてムラムラする? って聞いた」
「……」
 どうやら、聞き間違いではなかったようだ。ロイは当然の如く戸惑った。
 おそらく、スザクに『ロイ! 実は僕はテロリスト、ゼロだったんだ、ふはははははは!』と荒ぶるゼロのポーズを取りながら告白されてもここまで戸惑わないだろう。

361:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:19:49 moRWPeYD
支援

362:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:19:50 nUSiVa3j
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363:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:22:40 fiweccIG
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364:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 11:23:35 6iz4LTXD
(どういう意味だ? というか僕にどう答えろと……) 
 考えても分からない。分かるわけが無い。なのでとりあえず、
「しません! っていうかいきなり何言いだすんだよアーニャ……」
 アーニャは携帯から顔を上げて、眉をひそめた。
「それは私に対する侮辱?」
「……なんでさ」
「“ジノが言ってた”。女が男にムラムラしないって言われるのは侮辱されているのと一緒だって」
(また君か! 厄介な奴だよ君は!!)
 そう心の奥底で嘆き、うなだれるロイを尻目に、アーニャは違うの? と言いたげに首を傾げた。
「……」
 ロイは、余計な事しか言わない友人に対して、自分の奥底から静かな怒りがふつふつと沸いてくるのを感じた。
(そうかジノ。そんなに僕からのフレンドリー・ファイアがお望みか)
 とりあえずロイは、今度ジノに会ったら出会いがしらにボディーブローを見舞う事にして、改めてアーニャと向き直った。
「というか、アーニャ。そもそもムラムラの意味分かってる?」
 そう聞くと、アーニャは困った顔をした。
「……実を言えば分からない。でもジノはロイに聞けって言ってた。きっと事細かく手取り足取り詳しく教えてくれるからって……」
(うん。ボディじゃなくて顔を殴ろう)
 ロイは―ジノが! 謝るまで! 殴るのをやめない! と固く心に誓った。
「で、ロイ。良い機会だから教えて。ムラムラって、何?」
 ベッドの上から、二つの無垢な瞳がこちらを覗き込む。
「……」
 ロイはしばらく黙考しつつ、脳を高速で回転させた。
 このまま何も言わないのは不味かった、そもそも、教えなかったとしてもアーニャの事だからその手に持った携帯を駆使しインターネットでクグるだろう。そうなったら終わりだ。
 そして、ロイは答えを導き出した、
「……複数の村をまとめて示す事だよアーニャ。“村々”っていう言葉が旧日本にはあるんだ」
 ロイが身を屈め、アーニャと視線を合わせて非常に苦しい事を言うと、彼女はまた不思議そうに首を傾げた。
「? なんでそれが、女性への侮辱に繋がるの?」
「さぁ? アーニャもあんまりジノのいう事は気にしなくていいんじゃないかな。だってあのジノの言う事だし」
「……」

365:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:24:15 nUSiVa3j
支援!

366:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:24:50 moRWPeYD
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367:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 11:27:47 6iz4LTXD
 あんまりな言い草だったが、今ここにナイトオブスリーを擁護する人間は誰もいなかった。というか、多分ブリタニア全土を見ても彼を擁護する人間はいないだろう。
「“村々”をどうやって手取り足取り教わる事になるの?」
 アーニャに聞かれて、ロイはニッコリと微笑んだ
「はは、馬鹿なジノと違ってアーニャは賢いから、別に口で言うだけで教えられるんだよ」
「ジノは馬鹿なの?」
「軍人、同僚、仲間としては優秀だけど。友達としては残念ながら……」
 と、ロイが湧き上がる怒気を理性で押さえつけながら言うと、
「お楽しみの所。失礼いたします!」
 と、ロイとアーニャの側面から声がかかった。二人は咄嗟の事に驚きながらも動揺はせず、声の方に素早く振り返る。
 いつの間にか。ロイとアーニャが入ってきた部屋の入り口には一人の人物が立っていた。
(! 僕が気を取られているとはいえ、人の気配に気付かなかった!?)
 ロイは表情を変えないまでも内心は驚いていた。自分が気配を感じずにここまで人の接近を許すなど、ラウンズのメンバー以外では始めての事だった。
 やがて、その人物が数歩前に出る。するとその姿が月明かりに照らされて、その容姿が明らかになった。
 扉の前にいたのは女性だった。
 褐色の肌。アスリートのようなしなやかな肉体。それを強調するスウェットスーツ。半そでの上着。彼女は油断の無い足取りで近寄ってくると、やがてロイ達と適した間合いでピタリと止まる。
「……あなたは?」
 ロイが今までの少々間の抜けていた感情を捨て去り、レンズ越しに淡々とした強い視線を浴びせながら尋ねると、女性は背筋を伸ばしてブリタニア式の敬礼をしてから名乗った。
「ブリタニア軍機密情報局所属。ヴィレッタ・ヌゥであります。ナイトオブシックス様とナイトオブゼロ様ですね?」
 そのいかにも軍人らしい話し方から出た言葉を聞いて、ロイは首を捻った。
 機密情報局?
 機密情報局と言えば、通常の軍情報部とは別系統の独立した皇帝直轄の諜報部局である。その存在は別に秘匿もされておらず、空港の職員でも知っているある程度オープンな組織だ。
 だが、決してどこにでもいて良い組織では無い。それなのになぜこんな場所にその諜報部員がいるのか?
「……」

368:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:28:33 moRWPeYD
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369:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:29:34 fiweccIG
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370:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 11:31:07 6iz4LTXD
 ロイが相手の意図を掴めず、ナイトオブゼロである事を肯定するか否定するかを迷っている内に、アーニャが「そう」と答えてしまった。
「……」
 ロイは仕方なく「何か?」とそのヴィレッタと名乗った女性に尋ねた。
 ただ、まだ本当にブリタニアの機情の人間と決まったわけではないので。ロイは相手の一挙一動に対応できるように、足幅を相手に気付かれないように広げ、どんな動きにも対応できるように構える。
 それに並列して、目の前の女性がどんな行動をとっても対処ができるように脳の中で何十通りのシュミレーションを一瞬で済ませた。こうしておけば例え目の前の女性が急にナイフや銃を取り出して襲い掛かってきても、とりあえず、頭脳だけは取り乱さない。
かたやアーニャも、どうやら完全に信用はしていないらしく、ベッドから腰を上げて立ち上がり、手に持っていた携帯を懐にしまうと、両手を自由にさせて、相手を見据えた。
 当のヴィレッタは姿勢を崩さずに言った。
「ここは機情の作戦区域であります。そして、このクラブハウスは一般人の立ち入りを禁止しております。よって、恐れながら今すぐに退館をお願いいたします」
(……作戦区域?)
 ロイはそのただ事では無い言葉に、他人に気付かれない程度に眉をピクリと上げた。
 今日、ロイはこの学園を隅々まで回ったが、生徒のイベントに対する熱意がすさまじすぎる点を除いてはいたって普通の学園だった。
 少なくとも、普通の情報局ならともかく、わざわざ皇帝陛下直属の諜報機関が作戦行動を行うような場所には思えなかった。
 ロイは、ヴィレッタと名乗った女性を値踏みするような目で見た。
(なぜだ? テロリストでもこの学校にかよっているのか? それとも、皇族クラスの親族でも学校に通ってて、護衛をしているのか? それとも……)
 ここで、ロイは自分が様々な思考を巡らせている事に気付いて、(……っと、悪い癖だな)と、かぶりをふった。
 何か分からない事があると、すぐにその答えと、そのさらに裏まで理解しようとする、自分の癖。
 確かに、その姿勢は軍人として必要なものだが、度を超すのはやはりよくない。

371:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:31:24 moRWPeYD
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372:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 11:34:24 6iz4LTXD
 この目の前の機情の軍人が、完全に軍人としてこちらに声をかけているならばともかく、自分達が言われていることは、“ここは一般人は立ち入り禁止なので、出て行ってください”。という学園の警備員にも言われそうな些細な内容である。
 それに、女性の服装を見るに、どうやらここの教師“役”をしている人のようだ。なら、ただ単にその教師という立場から、一般人として遊びに来ている自分たちに注意を促しているだけという可能性も高い。
 つまり……確かにこの学園でどんな作戦が行われているのかというのは気にならなくもないが、気にしたところで仕方が無いとも言える。
 ブリタニア程大きな国家ともなると、このように隠密でしかも一見不可解に見える作戦の数は格段に多い。しかもロイはラウンズという立場上その作戦を知る機会も多く、それらを一つ一つ気にしていたらキリが無い。
 ロイは、とりあえず軽く頭を下げた。
「そうですか。すみません。この場所が立ち入り禁止だとは知らなかったものですから」
 ロイは続けて言った。
「では、すぐに出て行きます」 
「お願いします」
 ヴィレッタは、スッと横に移動し、部屋の入り口の前を開けた。
「ほら、行こうアーニャ」
「分かった」
 そして、二人はヴィレッタの横を警戒しながら通り過ぎ、廊下に出た。ヴィレッタはその様子をずっと眺めていたが二人が退出するのを黙って確認すると、最後に扉を閉めて廊下に出てきた。
「ご迷惑をおかけしました。ヴィレッタさん」
「ごめんなさい」
 二人が揃って頭を軽く下げる。
「いえ。任務ですから」
 ヴィレッタはそう言って、また背筋を伸ばして敬礼した。
 そしてロイとアーニャは、きびすを返して元来た道を戻る。
 ちなみに、後になって知ったことだが。ここはあのテロリスト。“ゼロの左腕”ライが生活していた場所であり。ロイが入った部屋もそのライが生活していた部屋だった。

 ○

 この場所―クラブハウスは、ルルーシュが生活している以上色々と秘密が多い。一般人ならともかく、ラウンズにうろつかれると困る。
「あれが、ナイトオブゼロとナイトオブシックスですか」
 ヴィレッタがラウンズの二人を引き返させ、その姿が見えなくなって安堵の息を吐くと同時に、廊下の影から一人の少年が現れた。
「ロロ……」

373:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:34:53 moRWPeYD
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374:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 11:38:56 6iz4LTXD
 ヴィレッタは視線だけをその少年に向ける。
 栗色の髪。童顔とも言える顔立ち。しかし、その瞳だけは大人以上に据わっている。彼はその瞳で、ラウンズの二人が去っていた廊下を見て言った。
「それにしても。なぜ、わざわざ逃がすような真似を? 僕なら二人同時に殺せたのに。ここなら人もめったに来ないから死体の処理も楽だし」
 無垢そうな外見に似合わず、そう淡々と言うヴィレッタの部下―ロロ・ランペルージ。
 その言葉に嘘は無い。それは上司であるヴィレッタが一番良く分かっていた。
 このロロは、あどけない少年のような外見とは裏腹に、中身はただの殺人鬼である。事実、ヴィレッタの部下もこのロロに無意味に何人か殺害されている。
 実を言えば、ナイトオブセブンの依頼でナイトオブゼロとシックスを監視していたロロとヴィレッタがクラブハウスに入っていった二人を連れ戻すために追いついた時、このロロはあろうことか懐からナイフを取り出して、
「これは、兄さんの敵を減らすチャンスか……」と二人を殺そうとした。それを制止したのがヴィレッタだった。
「馬鹿を言うな」 
 ヴィレッタは腕を組みながら勢い良くロロに向き直り、言った。
「こんな場所で皇帝陛下直轄のラウンズを二人も“失踪”させるつもりか」
 怒気を交えた視線を送るヴィレッタとは対照的に、ロロは冷めた視線を返した。
「陛下―いや、皇帝程度への報告は何とでもなります。そうでしょう?」
 ロロは皇帝陛下直轄である機密情報局の一員でありながら、その皇帝を卑下するようなニュアンスを漂わせた。
 いや、そもそももう彼はブリタニアの皇帝を敬意を込めて呼ぶ必要は無かった。なぜなら、彼は―ロロはすでにブリタニアの敵となっていた。
 つまりは裏切ったのだ。この世界の三分の一をすべる大国を……。それも自らから進んで。
 ロロの主はもはやシャルル・ジ・ブリタニアではなく、ブリタニアの敵であり彼の最愛の兄、ルルーシュ・ランペルージだった。
 ヴィレッタかかぶりを振った。
「お前は分かっていない。あの二人がこんな場所でいなくなれば―特にナイトオブゼロがいなくなれば、彼と親交の深いシュナイゼル殿下やオデゥッセウス殿下を初め、同僚のヴァインベルグ卿。エニアグラム卿。クルシェフスキー卿あたりも必ず動く。
そうなれば、私たちなど一瞬で終わりだ」

375:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:39:30 nUSiVa3j
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376:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:41:10 moRWPeYD
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377:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 11:41:39 6iz4LTXD
 そう説明するヴィレッタをロロはまたもや冷めた視線で見据え、そして、次にその視線をナイトオブゼロたちが去っていった方向に戻して、笑みを浮かべた。
「……へぇ、愛されてるんですね。あの、ロイって人」
 ヴィレッタは、そのロロの何も理解して無さそうな顔にたまらなく腹が立った。
「笑い事じゃない。情報部の大部分の馬鹿共はナイトオブゼロの性格自体が大人しいから、情報部の信用を失墜させた“あの事件”での事を恨んで堂々とキャンベル卿を中傷するが、私から言わせればその行動は愚かな事この上ない。
 考えてもみろ。一人敵に回す事によって、その国の皇帝陛下と宰相閣下と第一皇子殿下が敵になる人間が他にいるか?
 いないだろう。ナイトオブゼロの恐ろしさはその戦闘技術でも、その頭の良さでもない。人望だ。確かにキャンベル卿の支援を表明している人物は少ない。しかし、それはあくまで、実利的な付き合いではないからそう見えるだけであって、
実際の奴の親交範囲は少ないながらもその質は並じゃない。並じゃないからこそ。ナンバーゼロがいなくなればブリタニアの多くの大人物が、その原因を熱意を持って解明に走る。……これは言い換えれば、奴を敵に回す事は、
 ブリタニアの怒りを買うといっても大げさじゃない」
「あの事件?」
 ロロは首を捻った後、「ああ」と納得した。
「東ロシア戦線でナイトオブゼロが情報部が提出した報告を真っ向から否定して、しかもそれが合っていたものだから、情報部の長ドクトリン将軍含め上層メンバーの面子が丸つぶれになったあの事件ですか……」
 ドクトリン将軍と言えば、ブリタニア内で“泣く子も黙る”と言われている猛者であり。情報部だけでなく軍部全体に強い影響力を持っている人物だ、このドクトリン将軍の意見はあのシュナイゼル殿下も無下にはできないと言われている。
しかし、そのドクトリン将軍が提出した情報を、ロイは多くの皇族が参加する会議で根本から、しかも真っ向から否定した。しかも、ロイの発言は後に正しかった事が証明され、もし、最初にドクトリン将軍を初めとする情報部が提出した情報を鵜呑みにし、
軍を進めていたら、司令官であったシュナイゼル殿下の身も相当危なかったと言われている。これにより、シュナイゼルのロイに対する信頼は確固たるものになり、逆にドクトリン将軍の面子は丸つぶれになった。

378:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:42:15 moRWPeYD
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379:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 11:45:29 6iz4LTXD
そのせいで、ロイはドクトリン将軍に逆恨みされており、色々と不遇な扱いを受けている。
それは主に戦果の天引きや、能力の過小評価等の情報操作だ。お陰で、ロイは戦場でいくら武功を立てようともそれが軍全体に伝わらないし、評価も上がらない。一般人にもその実力が知らされない。
 なので、ロイはいつまでたってもうだつのあがらないラウンズ。としてブリタニア全体に認知されたままなのである。
 しかし、当のロイはそんな事をされていると知っていても文句など一つも言わない。なので、本当ならロイを擁護したい一部でありながらも大きな力を持った皇族や、貴族、そして軍人はなにもできない。こういう問題は第三者が騒げばよいというものではないのである。
「僕はあの将軍は好きじゃありません」
 そこだけは、ロロは歳相応の子供の顔でボヤいた。
「そこは私も同感だ」
 ヴィレッタも同意した。そもそもあの将軍は好意を抱けるような人物ではない。上司にもなって欲しく無い。
というのがヴィレッタの意見だった。同じ情報を扱う部署でも、ドクトリン将軍の息のかかっていないこの機密情報局に配属になった事に素直に感謝したいぐらいだった。
「それにしてもヴィレッタ隊長。あなたのキャンベル卿に対する評価は実に的を得ていますね。騎士として戦場を駆けるよりこちらの方が向いているんじゃないですか?」
 ヴィレッタはロロを睨んだ。
「……裏切り者から誉められても嬉しくない」
「これからもその明晰な頭脳で僕達兄弟の支援をお願いします」
「っ……」
 ヴィレッタは口をつぐんだ。
 目の前のロロはブリタニアの敵である。しかし、すでにヴィレッタにとってロロは敵ではなかった。
 そう、ヴィレッタももうブリタニアから見れば裏切り者なのだ。もっとも、それはロロと違い自ら望んでではなく、脅されてそうなったのだが……。
「……それにしても。まるで王様みたいですね。あのナイトオブゼロは」
 ロロが唐突に言った言葉に、ヴィレッタは顔を向けた。
「なに?」
「一人を敵に回すと。国が敵になる」
 ロロが自嘲気味に笑った。それは、いくつもの死線をくぐりぬけたヴィレッタが寒気を感じるほど暗く、でも少し悲しげな笑み。

380:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:46:06 nUSiVa3j
支援!

381:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:46:49 moRWPeYD
支援

382:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 11:47:46 6iz4LTXD
「……そうだ。そういう事だ。ナイトオブシックスはまだ良い。この場で失踪したとしてもどうにでもなる。だが、ナイトオブゼロだけはだめだ。皇族や、有力貴族の怒りに触れることだけは―」
「なら、今から追いかけてナイトオブシックスだけでも殺しておきましょう」
 そう言いながら、スッと目を細めるロロ。ヴィレッタは即座に反対した。
「それもだめだ。ナイトオブゼロを敵に回す事になる。ナイトオブゼロが支援を頼めば手を貸す大物は一人や二人じゃないと言っただろう」
「……つまり。少なくともこの学園では殺せない。今は二人を見逃すしかない。そういう事ですか?」
「そういう事だ」
「そうですか……」
 そして、ロロはまた無表情とも言える顔になって、
「でも、いずれ二人共殺します。兄さんのために」
 底冷えするような声でそう言った。
「……」
 ヴィレッタはそのロロの言葉を聞いて改めて背筋に寒気を感じていた。
 その時、ピピピという小さな電子音。
『んっ?』
 ロロと、ヴィレッタの小型通信機が同時に鳴ったのだ。二人は、それを慣れた動作で耳に当てる。
「どうした?」 
 ヴィレッタが聞くと、すでにギアスによってルルーシュの制御下に入っている部下が応答した。
『校舎屋上にいるゼロの所に枢木卿が向かっています』
「……そうか。分かった」
 ヴィレッタは通信を切る。そしてロロも同じ動作で通信機を切ると、こちらに顔を向けた。
 その顔は先ほどまでと違い、冷たい殺人鬼のものではなく、兄の危機を純粋に心配する弟のそれであった。
「僕は、兄さんの所にいきます」
「ああ……その方がいいだろう」
 そうヴィレッタが言うと、ロロはきびすを返し、早足で最愛の兄の下へ向かって言った。
 やがて、ロロが廊下の端に消える。そしてこの場所はヴィレッタ一人だけになった。
「その方がいいだろう。か……」


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5081日前に更新/483 KB
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