コードギアス 反逆のルルーシ ..
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255:保管者トーマス ◆HERMA.XREY
08/09/13 19:09:11 k0GoRGmJ
                          ―業務連絡―

7月20日 2000より、第二回移転を行います。最大で約2時間の間、関門を除く殆どのページが見にくい、若しくは見られない事態が想定されます。
また、現在 構造と嚮団人事を中心にした保管庫の大規模な改装を行っており、一部のコンテンツの更新が凍結状態にあります。更新を継続中のものは以下の通りです。

・SS単体、領地、部屋、スレ毎一覧、一ヶ月毎一覧、過去ログ

尚、改装期間中であっても誤字脱字の修正依頼などは普段どおり受け付けますので(当日の移行本番を除く)、その点はどうぞご安心ください。


256:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 19:41:00 /moqg2qA
>>255
お疲れ様です。
無理せず、ご自愛ください。

257:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 20:26:06 BpS1b7l+
>>255
いつもお疲れ様です!
でも日付にはツッコんでいいでしょうか? 9月20日ってことですよね?

258:255
08/09/13 20:52:32 k0GoRGmJ
>>257 失礼、そうです。うむー、誤字以前の問題ですなこれは。

皆様、ちょっと早いけどお先に失礼いたします。では。

259:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 20:56:32 /moqg2qA
トーマス様、お疲れ様でした。

今日は、静かですね。
景気づけというわけではありませんが、21時ごろ投下したいんですが、支援お願い出来るでしょうか?


260:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 20:59:01 cGxCkvxT
支援

261:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 21:00:17 /moqg2qA
支援表示ありがとうございます。
よろしくお願いいたします。

タイトル 蒼天の騎士 17話 嵐の前の…
カップリング なし

○注意点○
このSSは、オリジナル展開の為、アニメとは違う話になっています。
また、ナイトメアや設定なども本編とは違う解釈やオリジナルの部分が多々あります。
それらが駄目な方は、スルーをお願いいたします。
合計で10スレの予定です。

なお、投下は2分前後ごとに行う予定ですので、5分超えた場合は、トラブル発生と思っていただいて結構です。
その際は、再度投下しなおします。


262:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 21:01:14 t7hd/ooQ
支援

263:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
08/09/13 21:02:30 /moqg2qA
中華連邦が解体され、超合衆国となって1ヶ月以上が経とうとしていた。
たが、未だに代表が決まらず、超合衆国は大きな動きもとれず不安定のままであった。
その最大の原因は、合衆国中華とその周辺の合衆国との衝突にある。
かって中華連邦時代に苦渋を舐めさせられ続けた国々が、合衆国中華中心の流れに難色を示していたためだ。
また、機会さえあれば侵攻しようとするEUやブリタニアの動きも活発になっており、そのため黒の騎士団の主力は大陸から動く事が出来なくなっていた。


蒼天の騎士(17) 嵐の前の…



「ゼロ、相談とは何だ?」
イカルガの司令室に呼ばれた藤堂は、入ってくるなりゼロが座っている机に近づいた。。
彼にしてみれば、ゼロから相談というのはめったに無い事であり、よほどの事だと思ったのだ。
「ふむ、藤堂…今の現状をどう思う?」
ゼロは椅子に座ったまま、藤堂に問いかけた。
「こう動きが取れなくてはな…。なんとか打破したいが政治に関しては私にはどうする事も出来ん」
藤堂は、軍人らしい意見を述べる。

264:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 21:03:09 cGxCkvxT
支援


265:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
08/09/13 21:04:21 /moqg2qA
「そうだな。扇らが調整役で動いてはいるが、時間がかかりすぎる」
「確かに…。副指令は、相手の意見を聞きすぎる傾向にあるからな。
こういう事にはあまり向いてないのかもしれん」
「だが、彼以上に最適な人材がいない現状では、扇達にがんばってもらうしかないか…」
まるで確認をするかのようなゼロの言葉に、藤堂は自分の力不足を感じた。
そして、かってゼロの片腕として動いていたライ作戦補佐の有能さをしみじみ実感する。
彼がゼロの側にいれば、こういう状況にならなかったのではとさえ思えてしまう。
二人が黙った事でしばしの沈黙が司令官室を満たす。
ほんの1〜2分程度の沈黙ではあったが、藤堂にとってそれはとても長い時間に感じられた。
その沈黙は、ゼロが椅子から立ち上がることで破られた。
「やはり、そうするしかないか…」
ゼロは決断すると、藤堂の方を向く。
「藤堂、これから私は独自に行動する。よって黒の騎士団はお前に任せる」
「?!」
いきなりの言葉に、藤堂は言葉を失った。

266:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
08/09/13 21:06:22 /moqg2qA
「扇達にはそのまま調整役を続けさせろ。
時間は無いが、無理をして途中で超合衆国が瓦解してもらっても困るからな。
しっかりやるように言っておいてくれ」
そこまでゼロが指示を出した時、藤堂がやっと言葉を発した。
「なせだ…ゼロ。私では、君のように全体を見回しての判断などできんぞ」
「自分の事は良くわかっているようだな。だが、やってもらうぞ、藤堂。
この現状が超合衆国が軌道に乗るまで続くとは限らん。だから、打てる手は今のうちにすべて打ちたいからな」
「しかし…」
渋る藤堂に、ゼロははっきりと言う。
「藤堂鏡四郎。別に私と同じことをやれとは言わん。
きちんと方針さえ間違えなければ、お前なりに黒の騎士団を動かせばいい。
それに判断に困る時は、合衆国中華の黎 星刻に相談すればいい。
また、ディートハルトや行政特区のライには協力するようにきちんと連絡しておこう。いいな……任せたぞ」
そこまで言われてしまえば、返す言葉も無い。
そして、藤堂がゼロの申し出を受け、方針やいろんな作業の確認の打ち合わせが終わったのはそれから3時間後の事だった。


267:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 21:06:37 cGxCkvxT
支援

268:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
08/09/13 21:08:47 /moqg2qA
深夜、部屋のドアが控えめに叩かれた。
「どうぞ。開いてます」
書類整理をしていた僕の部屋に咲世子さんが入ってくる。
「夜分遅くすみません」
「かまわないですよ。ところで何かあったんですか?」
そう言って、ハッとして身構える。
「またからかうのは勘弁して下さい…」
「…あ…」
咲世子さんは、その言葉にしまったという表情をする。
「ああ…忘れてましたわ。道理で物足りないと思いました」
がくっ…。
思わず椅子から滑り落ちそうになった。
「で…用事は?」
椅子に座りなおしながら、咲世子さんの方を向く。
「こちらを…。ルルーシュ様から連絡がきております」
そういうと、特殊な装置の付いた電話機を手渡してくる。
「ルルーシュから?」
僕はそれを受け取り、電話機に話しかける。
「どうしたんだ…ルルーシュ」
「ライか…。すまないな、こんな時間に…」
少し沈みがちの声。
何かあったのか…。
不安が心の底から湧き上がってくる。

269:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
08/09/13 21:11:28 /moqg2qA
「実はな…」
言いにくそうだが、ルルーシュは教団殲滅作戦での事を話し始めた。
V.Vを捕らえる事に失敗し、Cの世界という別空間で皇帝と対峙した事。
そして、その皇帝との対峙の際、ルルーシュを庇いC.Cが倒れ、現在記憶が失われてしまっている状態である事。
また、超合衆国の計画進行スケジュールの大幅な遅れが深刻なのも大きな問題だった。
話しを聞いている僕でさえ動揺してしまうほどだから、それを実際に体験したルルーシュにとっては、この程度の動揺で済むはずも無いだろう。
「で、どうするんだ…これから…」
僕は、ルルーシュの話が終わると感情を殺した声で聞いた。
「すまないが、しばらくC.Cをそちらに預けさせてくれ」
「それは構わないが……」
暫くの沈黙の後、覚悟を決めた声でルルーシュは答えた。
「黒の騎士団が動けない以上、暫くは私独自で動こうと思う。騎士団は、藤堂に任せるのでフォローを頼む」
「わかった。任せてくれ。………それはそうと……ルルーシュ…君は大丈夫か?」
最後の言葉は、友人として彼に聞く。

270:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 21:12:15 t7hd/ooQ
支援

271:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
08/09/13 21:13:56 /moqg2qA
「ふっ…大丈夫だよ、ライ。無茶はしない」
少し明るめの声で答えが返ってくる。
「ならいいんだけどな…。
君は何でも自分で背負い込みすぎるからな。少しは僕も頼ってくれよ」
受話器の向こう側で、苦笑しているような笑いが漏れる。
「もう頼ってるさ。お前じゃなきゃ、ナナリーやC.Cを安心して預けられないからな」
「わかったよ。……でも、本当にきつい時は連絡をくれよ」
「ああ、その時は真っ先に連絡するからな期待していろ」
軽口のやり取りではあったが、互いに相手を心配している事がわかる。
そしてしばし談笑し、ルルーシュは最後に僕にこう伝言して電話を切った。
「そろそろ大きく何かが動きそうだ。注意しておいてくれ」と…。


272:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
08/09/13 21:16:03 /moqg2qA
そしてその夜は、ルルーシュの電話の後、もう1本電話を受ける事になった。
「やぁ、元気にしてるか、ライ」
「ええ、元気だけはありますよ、ノネットさん」
しかし、返事は返ってこない。
(あ……)
以前何度も言われた事を思い出し、すぐさま言い直す。
「いえ…義姉さん」
「そうかぁ、元気が一番だからな」
言い直した途端、返事が即答される。
(現金だな…相変わらず…)
苦笑が漏れる。
「いや、元気ならいいんだよ。相変わらずバリバリやってそうで安心した」
「義姉さんこそ、元気ハツラツって感じじゃないか…」
「当たり前だ。私はいつも元気だからな」
そういわれ、確かにその通りだと思ってしまいそうになる。
今までどんな事があっても前向きで元気に対応してきたノネットさん。
だか、見えないところで悩み苦労している事を僕は知っている。
伊達に1年近く世話になったわけではない。
だが、それは言うわけにはいかない。
言えばノネットさんを傷つける。
だから、いつもどおり軽口で対応する。

273:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 21:16:14 t7hd/ooQ
支援

274:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 21:17:23 qGbnAXpX
支援

275:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
08/09/13 21:18:49 /moqg2qA
「元気がない義姉さんなんて想像できないからね」
「こいつ…」
互いに笑いあう。
「そういえば3日後だったな…。皇帝陛下の行政特区日本の視察は…」
「ええ、そうですよ。おかげで今夜も遅くまで事務処理です」
苦笑が漏れる。
「あははは、がんばれよ」
「もちろんですよ。任せてください」
「おうおう、逞しくなったなぁ…。では、今度そっちに行った時は、模擬戦楽しみにしておくからな」
騎士になるまで修行と称して模擬戦でこってり絞られた事を思い出す。
「なるべくお手柔らかにお願いします」
「おいおい、お手柔らかにやったら意味が無いからな。本気でやるからな」
「ひいーっ…勘弁してください」
「あははははは…」
受話器の向こうから笑い声が響く。
だが、その笑い声はすぐに落ち着いた声に変わる。
「どうも嫌な予感がするんだ。それにこっちもEUの動きがきな臭いからな。何が起こるかわからん…気を付けろよ」
「僕の事を心配してくれるのはうれしいけど、義姉さんこそ気を付けてください」
「当たり前だ。ライの成長ぶりを見ない事には、死んでも死にきれんからな」
お互いに笑うと別れの挨拶をして電話を切った。

276:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 21:20:22 t7hd/ooQ
支援

277:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
08/09/13 21:20:47 /moqg2qA
電話が終わると椅子に深く座り、背もたれに身体を預けた。
独自に集めた資料や情報から何かが起こりつつあるという事は一応考えてはいたが、その考えが今の二人の電話から確信へと変わっていた。
だが、普通なら何か起こる場合には前兆があり、それによって予想が立てられるのだが、今回はありすぎて予想がまったく出来ない。
そう…一気に世界が動こうとしている感じがする。
だが、何もしないわけにはいかない。
出来ることをやっておかなくては…。
僕は、再び書類に手を伸ばし、作業を再開した。


278:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 21:21:40 qGbnAXpX
 支援

279:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 21:42:02 LD7xSfsI
sien

280:あしっど・れいん ◆M21AkfQGck
08/09/13 22:03:33 /moqg2qA
皇帝陛下の行政特区日本視察の当日。
僕は、式根島のブリタニア基地で案内役として皇帝陛下の乗るグレートブリタニアを待っていた。
この島と神根島は帝国直轄領となっており、先行して来ていたシュナイゼル殿下達はすでに到着し、警備についている。
「やぁ、実際に会うのは初めてだね、ライ卿」
「はい。行政特区設立の草案の際、映像電話でお話して以来です、殿下」
臣下の礼をとり、そう答える。
「まぁ、楽にしてくれ。硬苦しいのは抜きでいきたいからね」
「ありがとうございます。それに今回、こちらの基地利用の許可と警護の協力を頂き大変助かりました。
現在の特区内の治安部隊と騎士団の戦力では、とてもではありませんがここまでの警備体制は無理でしたから」
「気にする事は無いよ。一応、特区を承認した人間の一人だからね。協力は惜しまないよ」
シュナイゼルはそういうと微笑んだ。
裏表の無い笑顔のように見える。
だが、その笑顔を素直に信じる事は出来なかった。
本能が警告を発している。
「おや…そろそろだね。到着は…」
海の向こうに微かな点がいくつか見えてくる。
そして、その点の集まりの中にあるひときわ大きな1つの点「グレート・ブリタニア」に皇帝陛下が乗っている。
ごくりと唾を飲み込む。
何度か皇帝陛下とは直に会ったことがあるが、あの目の前にした緊張は忘れられない。
そして、以前ルルーシュの電話にあった皇帝と対峙したという話やCの世界という別次元の話…。
予想がつかない事を皇帝は実施しようとしている事だけはわかっている。
だから今回の視察がただで済むわけはないだろうと予想していた。
だが、僕は怯む訳にはいかない。
そう決心し、皇帝の到着を待つ。
しかし、その決意は意外な形で裏切られる事となる。

281:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 22:05:10 /moqg2qA
以上で終了です。
支援ありがとうございました。

猿にPCトラブルで最後になって書き込めなかった。
最近こんなのばっかりだ…。
祟られているのかなぁ…

282:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 22:18:51 59kRVoAo
新人ですが、投下してもよろしいでしょうか。
30分ごろに投下したいのですが、支援の方よろしくお願いします。

283:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 22:23:10 qGbnAXpX
>>281
あしっど・れいん卿、GJでした!
オリジナルを突き進むこのSS、ゼロが単独行動するとは……
先が読めず、ワクワクしますね
どういう結末へと向かうのか楽しみであります
と、いう訳で
貴方の次の投下を楽しみに待っています!
あと、人造人間も楽しみにしていますよー!

284:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 22:26:27 qGbnAXpX
おっと
>>282
支援しましょう

285:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 22:26:27 /moqg2qA
>>283
支援しますよ。
投下どうぞ。

286:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 22:26:45 6WiLy8Ws
>>282
支援しますよ

287:捏造特派ENDif
08/09/13 22:28:06 59kRVoAo
では投下します。
特派ENDのifです。
特区日本は成立せず、原作どおりに進みます。
ブラックリベリオン後です。
本作品は捏造によって出来てます。
シュナイゼルの設定もオリジナルです。
それでもよろしい方はどうぞ。

288:捏造特派ENDif
08/09/13 22:30:25 59kRVoAo
目覚めた時、全てが終わってしまったと知った。
そして目覚めと同時に世界の荒波に翻弄されてしまったのだろう。
その先にあるものが何なのか、まだ、僕にはわからない。
だけれど、僕は、僕たちは足を止めるわけにはいかないのだ。




僕は今、シュナイゼル殿下旗艦、アヴァロンの医務室に居た。
何故そんなところに居るのか、混乱した僕にドクターが順を追って説明してくれた。
そう、僕は・・・・・・。

289:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 22:30:53 /moqg2qA
すみません。
282でしたね。


290:捏造特派ENDif
08/09/13 22:33:14 59kRVoAo
行政特区日本。
ユーフェミア皇女殿下が唱えた限定的だが、イレブンが日本人へと戻れる世界。
スザクが、ユーフェミア殿下の専任騎士である枢木スザクの夢の第一歩が実現するはずだった。
だが、ゼロと二人きりで奥に行ったユーフェミア殿下が一人で戻った時、悲劇が始まった。

「日本人は殺さなきゃ」

とても正気とは思えないユーフェミア殿下の言葉を聞き、すぐさま止めようとした。だが。

「あなたは邪魔するの?邪魔するのなら・・・・・・」

気付いたときには腹に熱と衝撃が奔っていた。
撃たれたのだ、あのユーフェミア殿下に。
続けざまに2、3回撃たれ、意識を失う。
最後に聞いた声は、

「虐殺です!日本人は皆殺しです!!」

という彼女の声と、それに呼応したKMFの銃火器の銃声だった。



291:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 22:34:01 qGbnAXpX
支援

292:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 22:34:26 /moqg2qA
支援

293:捏造特派ENDif
08/09/13 22:36:49 59kRVoAo
行政特区日本。
ユーフェミア皇女殿下が唱えた限定的だが、イレブンが日本人へと戻れる世界。
スザクが、ユーフェミア殿下の専任騎士である枢木スザクの夢の第一歩が実現するはずだった。
だが、ゼロと二人きりで奥に行ったユーフェミア殿下が一人で戻った時、悲劇が始まった。

「日本人は殺さなきゃ」

とても正気とは思えないユーフェミア殿下の言葉を聞き、すぐさま止めようとした。だが。

「あなたは邪魔するの?邪魔するのなら・・・・・・」

気付いたときには腹に熱と衝撃が奔っていた。
撃たれたのだ、あのユーフェミア殿下に。
続けざまに2、3回撃たれ、意識を失う。
最後に聞いた声は、

「虐殺です!日本人は皆殺しです!!」

という彼女の声と、それに呼応したKMFの銃火器の銃声だった。



294:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 22:38:11 qGbnAXpX
 支援

295:捏造特派ENDif
08/09/13 22:38:18 59kRVoAo
ドクターの言葉によると、その後、黒の騎士団が乱入し、ブリタニア軍の殲滅と、
・・・・・・ユーフェミア様の殺害により鎮圧。
そして、この悲劇により、日本人、イレブンの一大武力蜂起が起る。
ゼロによる「合衆国日本」の建国宣言により、独立戦争が勃発した。
それは各地の静観していたイレブン全ても蜂起した反乱。
後にブラックリベリオンと称される反乱となる。
黒の騎士団の指揮の下、東京租界の構造を逆手にとった作戦。
租界外苑部のパージ、指揮系統の混乱。
勢いに優る黒の騎士団の攻勢。
だが、それも長くは続かず、リーダーのゼロの戦線離脱による混乱によって、
ギルフォード卿、そしてグラストンナイツの指揮の下、鎮圧された。
援軍としてこちらに向かっていたシュナイゼル殿下の合流もあり、
エリア11は完全に落ち着いたようだ。




296:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 22:38:41 /moqg2qA
支援


297:捏造特派ENDif
08/09/13 22:39:26 59kRVoAo
そして僕はロイドさんたちに運ばれここに居るらしい。

「・・・スザクは?スザクは無事なんですか?」

そう、枢木スザク。僕の友人にして、戦友。
ユーフェミア様を失った彼は、どうなっているのだ。
その時、

「ざ〜んねんでした〜。目が覚めたって聞いたから来たよ〜」

「ライ君!無事でよかったわ。どこか痛む所は無い?」

特派主任のロイドさんとそのお目付け役のセシルさんの二人が来た。

「ロイドさん、セシルさん。お二人も無事でしたか」

「うん、元気元気。君も大丈夫そうだねぇ〜。もうセシル君なんか顔真っ青にしてたんだよ?」

「ロイドさん!・・・けど、本当に無事で良かったわ、ライ君」

「ありがとうございます。心配かけてしまったようで・・・。それで、スザクは?」

ずっと気になっていた事を尋ねる。

298:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 22:40:24 qGbnAXpX
支援

299:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 22:42:55 /moqg2qA
支援

300:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 22:47:12 kXE5ANy+
また猿か。支援

301:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 22:51:27 /moqg2qA
なんか・・・最近多い気がする…。
支援

302:捏造特派ENDif
08/09/13 23:18:27 59kRVoAo
「スザク君は、反乱の際に飛び出してしまって・・・。今は本国に居るの」

「本国?何故そんなところに・・・?!」

「あは〜、お手柄さ!大手柄を上げちゃったんだよ、彼。
 ゼロを捕まえちゃたんだってさ。凄いよね〜、僕も顔を見たかったのにな〜」

「ゼロを?!それで・・・本国に・・・」

スザクがゼロを・・・。仇をとったのか、スザク・・・。
僕が物思いにふけっていると、

「あ、そうだ。起きたら連絡しなきゃいけないんだった!」

突然ロイドさんが声をあげる。

「誰に、ですか?ロイドさん。私は聞いてませんよ?」

「うん、シュナイゼル殿下に」

「「シュナイゼル殿下!?」」

余りの衝撃に、僕とセシルさんは大きな声を出す。


303:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:23:01 /moqg2qA
支援

304:捏造特派ENDif
08/09/13 23:23:38 59kRVoAo

だが、そんな驚きを通り越した、更なる衝撃がやってきた。

「その必要は無いよ、ロイド」

扉が開いたかと思えば、なんとその人、シュナイゼル殿下がやってきたのだ。

「あれ〜僕まだ呼んで無いのに?どうしたんです、殿下」

そんな僕たちを尻目にまったく動じて無いロイドさんが疑問を口にする。

「ああ、主治医が報告してくれたんだよ。・・・ライ君、無事で何よりだ。
 君に用があるんだが。悪いけれど席を外してもらえないかな?」

と、殿下はロイドさんとセシルさんに命じる。

「わかりました。行きましょう、ロイドさん。ライ君、ゆっくり休むのよ?」

どこか不満そうなロイドさんを引きずって、セシルさんは退室して行った。


305:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:25:25 /moqg2qA
支援

306:捏造特派ENDif
08/09/13 23:28:55 59kRVoAo
「あの、一体僕に何か・・・」

「うん、君の事は前から気にかけていてね。特にバトレーからの報告の後からは」

「!!ということは、ご存知と言うことですか・・・。僕を、またあの研究に・・・」

バトレーから聞いたということはまたあの実験を・・・。
ここは逃げるしか・・・、いや、無理だ。この傷さえなければ。
だが、そんな僕を見ながら、彼は今日一番の衝撃の一言を口にした。

「いや、そんな事はしないよ。君に頼みたいことがあるんだよ。
 私の騎士になってもらえないか?」

「な、僕を騎士に・・・!?」

ブリタニア皇族にとって騎士とは自らの剣であり盾。主人の命を絶対とするもの。
騎士として代表的なのは、やはりコーネリア皇女のギルフォード卿だろう。
彼のように公私ともに支える存在。
だが、それに自分が、それも次期皇帝との呼び声も高いシュナイゼル皇子の。



307:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:31:30 qGbnAXpX
 支援

308:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:32:36 /moqg2qA
支援

309:捏造特派ENDif
08/09/13 23:33:41 59kRVoAo

「そう構えないでくれないかい。君にとっては急かもしれないが、私は以前より、
 君の活躍を知り、興味を持ち、君ならと思ったのだよ。
 君の能力は優秀だ。戦闘に限らず、その政治的能力も高いと聞いた。
 だからこそ、是非私に、ブリタニアのために力を貸して欲しい」

シュナイゼル殿下にここまでかってもらえるとは思わなかった。
しかし、シュナイゼル殿下なら、騎士の一人や二人はいるだろうに。
そう思ったのが顔に出たのか、

「ああ、私には騎士は居ないのだよ。警護隊、親衛隊のようなものなら居るがね」

シュナイゼル皇子は言う。昔は居たのだが、やはり次期皇帝候補であるほど危険は多い。

次期皇帝の騎士となれば、とてつもない栄誉であるからだ。

また、シュナイゼルの騎士ともなると、周囲の羨望や嫉妬となり、狙われると言う。

特に最前線での戦いも多いため、生半可な実力では彼の騎士になっても死ぬだけだ。

だからこそ僕を選んだのだと言う。



310:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:34:39 qGbnAXpX
支援

311:修正
08/09/13 23:35:32 59kRVoAo
「そう構えないでくれないかい。君にとっては急かもしれないが、私は以前より、
 君の活躍を知り、興味を持ち、君ならと思ったのだよ。
 君の能力は優秀だ。戦闘に限らず、その政治的能力も高いと聞いた。
 だからこそ、是非私に、ブリタニアのために力を貸して欲しい」

シュナイゼル殿下にここまでかってもらえるとは思わなかった。
しかし、シュナイゼル殿下なら、騎士の一人や二人はいるだろうに。
そう思ったのが顔に出たのか、

「ああ、私には騎士は居ないのだよ。警護隊、親衛隊のようなものなら居るがね」

シュナイゼル皇子は言う。昔は居たのだが、やはり次期皇帝候補であるほど危険は多い。

また、シュナイゼルの騎士ともなると、周囲の羨望や嫉妬となり、狙われると言う。

次期皇帝の騎士となれば、とてつもない栄誉であるからだ。

特に最前線での戦いも多いため、生半可な実力では彼の騎士になっても死ぬだけだ。

だからこそ僕を選んだのだと言う。





312:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:35:38 /moqg2qA
支援


313:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:40:01 fEwZAgXA
支援

314:捏造特派ENDif
08/09/13 23:40:32 59kRVoAo
「返事は傷が治ってからで構わないよ。主治医の話では3日あれば復隊できるそうだよ。
 良い返事を待ってるよ、ライ君。ではこれで失礼するよ」

そう言って、殿下は部屋を出て行った。去り際に、

「そうそう、言い忘れていた。枢木君だが、ゼロを捕まえた功績でナイトオブラウンズになった
 そうだよ。君が一番気にしていることだろう。早速だが、1週間後にEU戦に派遣される。
 ラウンズ入りの結果、特派も解体、枢木スザク専属のKMFチームとして変わる。
 彼らもEUへと向かう。君はどうするのかな?ではまた」

と最後にそう言って去って行った。
シュナイゼル皇子の騎士。それはとてつもない栄誉だ。
あのように言ったが、僕に拒否権は無い。
それに、特派が解散された以上、僕は無所属になってしまう。
どこかの部隊に移されるのだろうが、彼らと離れ離れになってしまう。
その事実が、とても怖い。自分自身こんなに弱くなってしまったとは思わなかった。
僕を特派に誘ってくれたスザク。
飄々とモルモットのように扱うが、なんだかんだと言って優しいロイドさん。
まるで姉のように優しく見守ってくれるセシルさん。
そう、僕はこの特派での日々がとても楽しかったのだ。
それに、僕はスザクと約束したのだ。スザクとともに夢を掴むため。
そして、アッシュフォード学園の皆を守るために。
答えが出た。僕は・・・・・・。


315:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:42:09 qGbnAXpX
 支援

316:捏造特派ENDif
08/09/13 23:44:33 59kRVoAo
枢木スザクは格納庫へと向かう。
シュナイゼル皇子の指揮の下、EUとの戦争を行っていた。
現在こう着状態とのことで、自分の出番が来たのだ。
ナイトオブセブンとしての初任務だ。だが、緊張は無い。
ただ、残念なのが、いつもとなりを歩く戦友がいないと言う事。
それが、どこか寂しいと感じていた。

今回の作戦はシュナイゼル殿下の騎士と共に、前線でのかく乱が主な任務だ。
ラウンズは帝国最強の騎士。この程度で死ぬわけにはいかない。
ただ、殿下の騎士についてはまったく情報が入ってこなかった。
何でも最近任命されたばかりで、本国でもちょっとした騒ぎになったとか。
噂はどうであれ、自分についてこれなければ邪魔なだけだ。
そして、格納庫のランスロットへと向かうと、そこには。

317:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:45:54 /moqg2qA
支援

318:捏造特派ENDif
08/09/13 23:48:14 59kRVoAo
「ナイトオブセブン、枢木卿。シュナイゼル殿下が騎士、ライです。よろしくお願いします」

ライと、ランスロットの兄弟機、ランスロット・クラブがあったのだ。

「ら、ライ?君が、シュナイゼル殿下の騎士だって?」

そう、騎士専用のパイロットスーツを着たライが居るのだ。

「スザク、しばらくだったね。ラウンズ襲名、おめでとう。
 積もる話もあるけど、今は作戦時間が近い。さぁ、行こう!」

ライが手を差し出してくる。僕はその手を握る。硬い握手をし、

「ああ、君と僕、力を合わせれば出来ない事はないさ。背中は任せるよ、ライ」

「もちろんさ、そっちこそ、遅れをとるなよ?」

背を叩き、お互いに軽口を言い合い、それぞれの機体に搭乗する。

「ナイトオブセブン、枢木スザク。ランスロット、発艦!」

もはや緊張などどこかに行ってしまっていた。



319:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:51:15 qGbnAXpX
支援

320:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:51:39 /moqg2qA
支援

321:捏造特派ENDif
08/09/13 23:52:01 59kRVoAo
カタパルトに接続、射出体制に入る。
スザクとの再会で、とても昂ぶっていた。彼となら、どんな戦場だろうと乗り越えてみせる。
通信モニターにシュナイゼル殿下が写る。
一言二言話し、出撃の番が来た。
シュナイゼル殿下の顔に泥を塗らないためにも、またスザクのラウンズ初任務を成功させる。
そのために、

「ランスロット・クラブ、MEブースト」

クラブのユグドラシル・ドライブが唸る。
オペレーターのセシルさんの合図が来る。

「ZE―01b、ランスロット・クラブ、発艦!」

「発艦!!」

発艦し、フロートユニットを展開、浮上。

その空はとても青かった。


322:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:53:04 qGbnAXpX
支援!

323:快風
08/09/13 23:53:22 59kRVoAo
以上で投下を終了します。
時間がかかってしまい申し訳ありません。
シュナイゼルに関しては本編にまだ騎士が出て無いので、
今のうちにと思い、このような設定に。
このまま、シュナイゼルと一緒に、ラスボスへの道へ?
皇帝とワンみたいな関係になってくのか。
とりあえず読みきり的に書いてみました。
できればこの設定のまま続けたいものです。
支援、ありがとうございます。


324:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:53:34 /moqg2qA
支援

325:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:56:40 /moqg2qA
>>323
面白かったです。
シュナイゼルの騎士か…。
考えた事なかったなぁ。
だから、すごく新鮮な感じて読めました。
出来れば続編希望という事で…www

なお、投下前に何レスぐらいか書いたほうがいいと思いますよ。
支援する方も目安になるしね。

326:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/13 23:58:15 qGbnAXpX
>>323
快風卿、初投下乙&GJでした!
斬新な設定にぐいぐい引き込まれました
読んだ後の満足感もかなりのものです!
貴方の素晴らしきSSをこんなカタチでGJでした!
そう、ならばこそ、貴公の次の投下を全力を挙げて楽しみに待たせていただきます!

327:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 00:00:13 ko8bt2am
>>325
続編ですか。頑張って書いていきたいものです。
内容的には中華まではオリジナルというか好き勝手に書けそうですが・・・。

次回からは、何レスか書くようにします。
感想ありがとうございます。

328:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 00:04:04 ko8bt2am
>>326
ありがとうございます。2ちゃん初心者なので手探り状態でした。
満足いただけて幸いです。続き書けるよう頑張ります。

329:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 00:13:27 DLgerIle
>>323
初投下お疲れ様でした。
新しい展開でどきどきします。続きがあるならば期待してお待ちします。

さて、20分くらいから投下したいと思います。
5レス程度ならば支援は不要でしたっけ?

330:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 00:14:49 vNySOK/B
念のため支援します。

331:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 00:15:23 nUSiVa3j
>>329
全力を挙げて見守ります

332:マト ◆Dmf7s6g6us
08/09/14 00:21:10 DLgerIle
時間ですので投下開始します。

・タイトルは「魔女の食卓」
・カップリングはライ×C.C.

・これを含めずに終了宣言まで6レスです。

333:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 00:21:54 vNySOK/B
支援

334:マト ◆Dmf7s6g6us
08/09/14 00:22:26 DLgerIle
   「魔女の食卓」


 日曜日、ちょっとした外出から戻ると、クラブハウスはトマトソースの香りで満たされていた。
「昼食はピザかな」
 既に午後一時を回っていたが、朝がゆっくりだったため、まだそれほど空腹は感じていない。僕は自室
の扉を開き、そこで固まった。
 C.C.が居る。いや、彼女が居るのはいつものことだ。チーズ君を抱えて僕のベッドを占領しているのも
いつものことだ。しかし、「私に近づくな。寄らば噛みつく」という顔で転がっているのはいかがなものか。
 不機嫌オーラを感じながらも、僕は部屋に踏み入った。ここの主は僕である。堂々としていていいはずだ。
 たぶん。
 ポケットから携帯電話を出して充電器に置くと、付けられていたストラップの黄色いマスコットが
小さく音を立てて滑り落ちた。C.C.の目が確認するように一瞬そこに留まる。僕はあえて魔女の無言の
圧力を無視し、借りた本の続きを捲りはじめた。

335:マト ◆Dmf7s6g6us
08/09/14 00:23:13 DLgerIle
「何かあったのか?」
 素直に負けを認めよう。十分ともたなかった。ちなみに本の内容は一行も頭に入っていない。
「今日の昼食はピザだそうだ」
「うん。匂いで分かった。よかったじゃないか」
 キッチンから漂ってくる香りはルルーシュのお手製トマトソースだろう。咲世子さんが育てている
プランターのバジルも少し減っていたようだ。
「お前は誤解をしているな。私のためじゃないぞ。ナナリーが食べたいと言ったからだ。
 あのシスコンめ」
 C.C.は心底嫌そうに吐き捨てた。
「お陰で今日は大手を振ってピザを食べられるじゃないか」
 隠れ住んでいるC.C.はルルーシュのカードで注文するより他なく、いつも彼に小言を言われながら
電話している。その小言を彼女が聞いているかどうかは知らないが。
 しかし、C.C.は顔を顰めた。
「あいつが作ると言い出さなければな。塩分過多だとか、添加物がどうとか、化学調味料がダメだ
とか……。私が食べたいのはヘルシー志向と真逆を行く高カロリー高脂質でジャンクな味だというのに!」
 その高カロリー高脂質のブリタニアンな食事を一日三食続けていて、体型が変わらないのがこの魔女の
不思議の一つでもある。摂取したカロリーは一体どこに消えているんだろうか。毎日「ダイエット!」と
叫んではお茶菓子を我慢しているシャーリーが聞いたら本気で怒りだすだろう。

336:マト ◆Dmf7s6g6us
08/09/14 00:24:29 DLgerIle
「その上、あの白兜のパイロットまで呼んで……」
 一番の理由はそれだったようだ。C.C.はチーズ君に顔を埋めて目を瞑ってしまった。既に顔見知りで
あるナナリーだけならばともかく、スザクまで居るとなると彼女が同じテーブルの席につくわけには
いかない。
 C.C.はそのままベッドに横になった。不貞寝するつもりなのだろう。階下では来客を迎えたらしく、
弾む会話が漏れ聞こえてくる。決して大きくないはずなのに、今日に限って彼らの声は奇妙によく通り、
この部屋にまで伝わってきていた。
「お前も行って来い」
「……C.C.」
「別にいつものことだ。後でうんと奢らせてやるから、あいつにそう言っておけ」
 彼女は顔だけ上げると、いつもの無表情でそう言って僕を追い出した。


 ダイニングルームではスザクを迎えて昼食の準備が整いつつあった。氷で満たされたグラスに熱い紅茶
を注いでいたスザクが目敏く僕を見つけた。
「やあ! お邪魔しているよ」
「今日は軍の方は休み? 偶にはゆっくりしていきなよ。ルルーシュもナナリーも喜ぶ」
 ちょうどキッチンからナナリーがピザの皿を運んでくるところだった。
「そうですよ、スザクさん! ここのところ、ちっともいらっしゃらなくて。お兄様も……。
今日はうんとお話ししてくださいね」
 ちょっと拗ねてみせるナナリーにスザクは優しく笑いかけた。僕はナナリーの頭を軽く撫でてから、
横を通り抜けてキッチンに向かった。

337:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 00:24:38 vNySOK/B
支援

338:マト ◆Dmf7s6g6us
08/09/14 00:25:36 DLgerIle
「ルルーシュ」
「いいところに来た。追加が焼き上がる。向こうに持っていってくれ」
 きちんとエプロンをかけて一人奮戦していたルルーシュはオーブンの様子を気にしながら、
ドレッシングをかき混ぜていた。
「それ、上に持っていっていいかな? あと、コーラを二本」
 ルルーシュは手を止めてしばらく僕を見つめ、軽く息を吐いた。
「……アイスティーにしておけ。ナナリーが淹れてくれたからな。二人には俺から適当に言っておく」
 野菜も食べろよなんて言いながら、ルルーシュはガラスのボウルに大量のサラダを放りこんでいく。
彼も彼なりにC.C.のことを考えているのだ。表現が下手なだけで。
「追加で宅配を頼むかもしれないけれど、いいかな?」
「必要なら俺に言え! いくらでも焼いてやるさ」
 魔女の伝言に自棄になったルルーシュの声を背に聞きながら、僕は自室へと戻った。

339:マト ◆Dmf7s6g6us
08/09/14 00:26:39 DLgerIle
 仰々しいフードカバーに呆れたのか、C.C.はしばらくぽかんと口を開けていた。僕が噴き出しそうに
なるのを堪えていると、彼女はゆるゆると眉を寄せ渋面を作ってみせた。
「馬鹿だろう、お前たちは。それとも私を虚仮にしているのか?」
「お代わりは自由だそうです。電話一本で係の者が飛んできます」
 僕はなるべく澄まして、用意されたテーブルクロスを広げピザとサイドメニューを並べた。
「だいたい私はこんなにお上品に澄ました奴じゃなくて、ジャンクフードの方が……。
 それにポイントシールが貯まらないじゃないか」
 まんざらでもない表情の癖にC.C.はぶつぶつと文句を並べている。僕はとどめに隠し持っていた立方体
をぽんと彼女の前に置いた。
「……おい、これをどこで手に入れた?」
 たっぷり三十秒ほどそれを見つめた後、C.C.は恐る恐るそれを手に取った。四角いルービック・
キューブは表面に彼女の愛する黄色いマスコットが描かれている。
「ピザハウスでアルバイトしてる友達がくれた。ほら、これを付けてるだろ? 好きだと思われたらしい」
 僕は充電器に置いたままになっている携帯電話を示した。C.C.が勝手に括りつけたストラップは彼女が
抱いているものと同じ形をしている。C.C.は何故か深く溜息を吐いた。
「この女たらしが」
 確かにその友達は女の子だが、たらし込んだ覚えはない。言われなき批判だ。
「自覚がないようだな。最も性質が悪い部類だ。……まあ、いい。冷めないうちに食べるぞ」

 C.C.はピザを一切れ手に取り、それから思い出したように付け加えた。
「私が満足するまで付き合えよ?」
 魔女はにやりと良くない笑みを浮かべた。

340:マト ◆Dmf7s6g6us
08/09/14 00:28:24 DLgerIle
以上で投下終了です。
途中、支援ありがとうございました。

本編が殺伐としているので、まったりしたのを書きたくなりました。

341:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 00:35:38 vNySOK/B
>>340
おおー…ツンデレだ…www
やっぱC.Cはこうじゃなきゃね。
しかも…他のキャラもいい味出してるなぁ。
なんかゲームの途中であってもおかしくない話ですね。
GJでした。



342:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 00:36:45 nUSiVa3j
>>340
マト卿、GJでした!
C.C.……ヘルシーフード<ジャンクフードなのかよ!
ほのぼの、まったり、どんとこい!
良いSSをありがとうゴザイマシタ!
次の投下を全力でお待ちしております!

343:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 10:39:44 Rl2M5AjR
>>340
GJ! 
和むなぁ。
今日の本編が殺伐とした内容であったとしても、このSSを思い出して耐えれそうです。

344:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 10:54:38 6iz4LTXD
 おはようございました。前回の続きを投下します。
 ちなみに、最後のレスと投下宣言が同じになってます。
 17レスを予定してます。
 ゆっくり投下しますが、猿になったら携帯でその旨をお知らせします。
<オリキャラ。オリ設定注意>

345:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 10:57:04 6iz4LTXD
 シーン6『アッシュフォード 学園』Cパート


 スザクは驚いていた。
 なにせ、ユフィの羽ペンを銜えたアーサーを追いかけてきて、トマト置き場でシャーリーとルルーシュと着ぐるみという不思議な組み合わせに出会ったと思ったら、なぜか自分が乗るはずだったKMFが現れて、トマトの入った大きなコンテナを力強い動作で抱えたからだ。
『これを会場まで運べばいいんだろ?』
 KMFからのスピーカー越しに、聞き慣れた声が響いた。
「まさか……ジノ!?」
 そうスザクが言い終わらない内に、KMFのランドスピナーが砂煙を撒き散らし、唸りをあげた。
『はは、面白いな。庶民の学校は〜』
 そこはナイトオブスリーの名を持つ一流の騎士。機体以上に重いトマトのコンテナを持っているにも関わらず軽快にKMFを操り、校舎を軽やかに曲がると、一目散にピザを焼く会場に向かっていった。
「ピザ女が!」
 ルルーシュが副会長の責任感からなのか慌てた様子でその後を追い、さらにシャーリー、着ぐるみと続く。
 スザクはその光景を眺めて呆然とした。
(一体何がどうなっている?)
「スザク!」
 その時、ルルーシュ達が走っていったのとは逆の方角から私服に戻ったロイと、相変わらずウェイトレス姿のアーニャが駆け足でやってきた。
「ロイ。それにアーニャ。これは一体……」
 スザクが聞くと、ロイは肩をゆらし、大きく一息つくと歯噛みしながら憎々しげに告げた。
「すまない。ジノを止められなかった……」
「えっ、どういう……」
「悪ふざけだよ! ジノの性質の悪い病気だ!」
 その言葉に、スザクは呆れ顔で「ああ、成程……」と納得した。
「まぁ、KMFに乗っちゃった以上仕方が無いよ。それより僕はアーサーを―」
 その時、スザクの隣にいたこの学園の会長。ミレイ・アッシュフォードは、こちらの肩を軽く叩いて言った。
「スザク君。あれ、アーサーじゃない?」
「へっ?」
 スザクは反射的にミレイが指で示した方角を見る。そこにはジノのKMFに追いかけられているアーサーがいた。もちろん羽ペンを銜えている。
「ああっ! 本当だ!!」
 スザクも慌てて駆け出した。

346:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 10:58:42 nUSiVa3j
支援

347:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 10:59:01 4AznWd6k
支援致します

348:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 10:59:21 6iz4LTXD
 ○

 スザクまで走っていったのを見送って、ロイは深々とため息をついた。
「全く。ジノは本当に……」
 どうしようも無い奴である。
 ロイとてジノと付き合い始めて一年になるが、いまだに彼の行動の不規則さは予想もできない。
「あ〜あ。予定変えなきゃ」
 その時、ロイの隣からスッと現れた女性が残念そうに、でもどこか楽しそうなニュアンスを感じさせる口調でボヤいた。
 少しウェーブのかかった金髪。悪戯好きな猫を連想させる瞳。抜群に良いからだのスタイル。美少女ではなく美女。
「? あなたは……」
 ロイが眼鏡を指でかけ直しながら聞くと、その女性はニコッと笑って答えた。
「私? 私はミレイ。この学校の生徒会長です」
 それを聞いてロイは少し驚いた。妙に大人びた外見なので、若い教師辺りだと思っていたからだ……。
(いや、まて。生徒会長という事は……)
 ロイは、上司に行うのと同じ仕草でピッと背筋を伸ばした。
「となると、あなたはこの場の責任者ですね。今回は私の連れが大変迷惑な事をしてしまい、なんとお詫びすればよいのか……」
 丁寧に頭を下げると、ミレイと名乗った女性は今度は上品に微笑んだ。
「あ、いえ、気になさらないで下さい。面白くなってきたし」
「はっ、面白く?」
 ロイが聞き返すとミレイは、スカートの裾を広げて一礼した。
「では、私もそろそろ会場に向かわねばなりませんので失礼いたします。ごきげんよう。キャンベル卿」
 貴族らしいその仕草は、ロイが一瞬頬見惚れてしまうほど優雅なものだった。
 ちなみに、余談だがそのミレイの仕草に見惚れているロイの隣でアーニャがムッとした表情を浮かべたのだが、ロイは気付かなかった。
「……ご親切にどうも」
 ロイがそれだけを何とか返答すると、ミレイはまた微笑んで、
「では……よっしゃ〜。待て待てスザクにルルーシュ〜!」
 ドレスのスカートを翻しながら大またで走り出した。
「……」
 ロイがその変わり身の早さに小さく驚いていると、隣のアーニャが不機嫌そうに聞いてきた。
「知り合い?」

349:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 10:59:54 nUSiVa3j
 支援

350:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:01:05 4AznWd6k
支援

351:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 11:02:12 6iz4LTXD
「へ? ……いや知らない。初めて会った人だよ。何で?」
「ロイの事、キャンベル卿って言ってた」
 ここで、ロイははたと気付いた。
「ああ、そういえば……」
 確かにそうだった。ロイはこの学園で誰にも一度も名乗ってないのに、ミレイは「ごきげんよう。キャンベル卿」と言った。
 ロイは首を傾げた。
「あの人。何で僕の事知ってたんだろう……どこかで会ったっけ?」
 ロイはミレイという名前を、脳の中で検索にかけた。
 該当。一件。
 ロイはポンと手を叩いた。
「思い出した。あの人、アッシュフォード家のご令嬢だ」
 隣でクレープを頬張るアーニャもロイの言葉を聞いて「ああ、そういえば」と頷いた。
 アッシュフォード家の令嬢といえば、ロイ・キャンベル専用KMF“クラブ”の開発者であるロイドの婚約者である。彼女が夫になるかもしれない人の担当の騎士ぐらい、知っていても不思議ではない。
「しまったな。ロイドさんに世話になってる手前、もっとちゃんと挨拶しておけばよかった……」
 ロイドさんの奥方になるのなら、自分にとってもあのミレイさんとは一生の付き合いになるかもしれない。人との関係というのは第一印象が大切であり。できることなら、もう少ししっかり挨拶すればよかった。とロイは後悔した。
「あの人は婚約済み……」
 その時、後悔するロイの隣で、アーニャが何かを考え込み……そして、
「うん、ノープロブレム」と頷き、食べかけのクレープをパクっと頬張った。
 ちなみに一体何が“問題無し”なのかは、彼女自身にしか分からない。
「ん? 何か言ったアーニャ?」
「ううん。何でもない……」
 アーニャは首を振ると、ロイの裾を軽くクイッと引っ張った。
「それよりロイ。スザク達。走っていったけど、面白い事になる?」
「面白い、ねぇ……」
 ロイは面白いという表現はえらく不謹慎のような気がしたが、もうここまできたら別段怒る気も沸かなかった、
「ああ、多分そうなる……」
 ロイは力なく言った。
 間違い無くジノの悪ふざけによってアーニャの言う意味での面白い事態にはなるだろう。それは断言できた。

352:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:03:20 4AznWd6k
支援

353:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 11:05:40 6iz4LTXD
 もっとも、ロイにとっては全くもって頭が痛い話だが……。
「じゃあ記録してくる」
 アーニャはクレープの最後の一口を頬張って、包み紙をポケットにしまうと、身を屈め、そして次の瞬間、優れた身体能力を生かしてスザク達を追いかけるために走り出した。
 そしてあっと言う間に離れていく走るウェイトレス、アーニャ・アールストレイム。それを見送って、ロイはまた苦笑した。
「好きだな、アーニャも……」
 面白いものがあると分かれば、いつも、

『アーニャ・アールストレイム……発艦!』

 と言わんばかりの勢いで走っていく。その様子は本当に、アヴァロンから発進するランスロットのようだ。
 ロイは自分の想像のおかしさに吹き出しながら、ゆっくり歩いて皆の後を追い掛けようとした。
 その時、
「!」
 ロイはとんでもない事に気付き、驚きおののいた。
 だんだんと離れていくアーニャ。もちろん彼女はまだ、あのウェイトレスの格好である。
 そして、あの服のスカートは短い。それこそいかがわしいお店の店員並に。
 そして、アーニャの体力は一般のそれを大きく上回る。イコール。アーニャは足が速い。イコール、足が速いと受ける風の影響が大きい。イコール、その風の影響でスカートがめくれ、後ろから見ると思いっきり白いのが……。
「ちょっ!? アーニャ待て! それを着て走るな!」
 ロイは顔を真っ赤にして、一目散に駆け出した。しかし、アーニャは小柄なのもあって素早い。すぐに追いつけない。
「アーニャ! 止まれ!」
 何度か校舎の角を曲がり、途中。なんか汗を垂らしながらバテている学生の横を通りすぎた。しかし、二人の距離は縮まらない。
「アーニャぁぁぁ!」
 呼びかけても、絶叫してもアーニャは止まらない。どうやら、走るのに夢中で聞こえてないらしい。
(ああ、くそ!)
 ロイは心の中で毒付いて、走る速度を速めた。
 どうやら、あのオテンバを止めるためには、走って追いつくしかないらしい。
『中の人。違いま〜す。それでも僕は! 焼きたいピザがあるんだぁぁぁ! なんちゃって♪』
 その時、またまたジノの悪ふざけの声がスピーカー越しに学園に響いた。

354:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:06:26 nUSiVa3j
支援

355:名無しくん、、、好きです。。。
08/09/14 11:10:18 ko8bt2am
中の人自重ww支援w

356:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 11:10:54 6iz4LTXD
 ○

 その後、ロイはなんとか人目に付く前にアーニャを止める事に成功した。
 そしてKMFから降りて合流してきたジノを小突き、ミレイの所まで引っ張っていき、頭を下げさせて詫びを入れさせたころには、もう日は沈みかけていた。そしてあたりはあっと言う間に暗くなり、遂には夜になった。
 今、ロイはアッシュフォード学園のクラブハウスにいた。隣には私服に戻ったアーニャもいる。
 ここには二人だけだった。
 ジノはミレイに詫びを入れた後、なぜか彼女と意気投合して校庭で一緒にダンスを踊っている。
 スザクはピザの一騒動の時、ピザを焼くかまどの近くででアーサーを抱えていたのは見かけたが、すぐにどっかに消えた。携帯にかけても繋がらない。
 ロイとアーニャもミレイにダンスに誘われたのだが「柄ではない」と断り、「それなら。ウチの学校見てって下さい」というミレイ勧めもあって歓迎会だけに参加していたら、足を踏み入れない場所の見学をする事にした。
 人気の無い校舎を回り。裏庭を回り、雑木林を探索し、そして、ロイは今ここにいた。
「へぇ、ここ“も”クラブハウスか」
 ロイは周りを見ながら、床の軋む廊下を歩く。
 外からは、校庭で行われているダンスに合わせたゆったりとした音楽が聞こえてくる。
 アーニャは携帯で写真を撮りながら呟いた。
「ここはとても静か。別館のクラブハウスと違って……」
 ロイは苦い笑みを浮かべた。
「そうだね。何度も死にかけたね……」
 ここに来る前に立ち寄ったクラブハウスの別館は、部屋に入った瞬間サイレンが鳴ったり、落とし穴があったり、いきなり水撃銃が飛び出してきたりと、なぜか悪意のこもったトラップが満載で、何度も殺されるかと思った。
 しかし、聞けばそれでも昔、ある生徒会役員が別館の大掃除をしてから大分マシになったらしく、今回ロイ達が遭遇したトラップはその掃除の取りこぼしだったらしい。
 しかし、ロイ達が経験したトラップのあの量で取りこぼしだというのなら、その掃除をしたという生徒会役員はそれこそトラップの嵐に晒されて無事にすまなかったのではないだろうか?
 ロイはその生徒会役員が今も五体満足でどこかで元気に暮らしている事を祈りつつ、廊下を進んだ。

357:KOUSEI ◆g9UvCICYvs
08/09/14 11:14:14 6iz4LTXD
「それにしても。クラブハウスって言う割には何のクラブも入ってないんだな」
 先ほど回ってきた別館はトラップという異常なものを除けば、建物内は様々なクラブの私物に溢れており、その場所で行われている、または行われていた活動内容が良く窺えるいわゆる普通のクラブハウスだった。
 対して、ここはほとんど空き部屋であり、しかもほとんど私物が置いていない。これではクラブハウスと言うよりは一風変わったホテルや空室の多い寮と言った方がしっくりくる。
 アーニャは撮った写真を携帯で整理しながら言った。
「一階は大きなホールだった」
「そうだね。もしかしたら、共同の多目的ルームならぬ多目的施設なのかも。寝泊りとかできるのはオマケみたいな感じで」
「ホールでは飲んで騒いでドンちゃん騒ぎ。そして酔っ払った人たちはベッドのある空き部屋に放り込む。そんな感じ?」
「あ〜アーニャ。一応ここは未成年者が通う神聖な学校だから」
 すると、アーニャはそのどことなく眠たげにも見える瞳を、携帯からロイに移した。
「それをロイが言う? 今朝、ジノとロイを起こすのは苦労した」
 今日の朝。ロイとジノは部屋で酔いつぶれて床で重なるようにして寝ていた。それを発見して、叩き起こしたのはアーニャだった。
 ついでに、二日酔いでフラフラな二人を介抱したのもアーニャだった。
「……」
 ロイはそれを思い出して冷や汗を流し口をつぐんだ。
 アーニャは更に言った。
「お詫び」
「はい、申し訳ありませんでした……」
 ロイは歩きながら素直に頭を下げた。しかし、アーニャは納得がいかないらしく、小さく唇を尖らせた。
「……謝れば済むと思ってる」
「いえ、思ってません。以後気をつけます……」
「前から言いたかった。ジノもロイもお酒飲みすぎ。体に良くない」
「ごもっともです」
「本当に分かってる?」
「イエス・マイ・ロード。いつもご迷惑をおかけしております……」
 珍しく二人の注意の攻守が入れ替わった瞬間だった。ロイは困った顔で頭を下げ続けた。
 実は、ロイはお酒、特にワインが大好きだった。


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