クラナドSS専用スレッド その3
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650:うーん 07/01/13 03:06:50 D+A7WpKr0 「……芽衣さんが覚えていてくれるなら、風子もがんばれる気がします」 「はい」 頷きながら、わたしは一つ素敵なことを思いついた。 「約束しましょう、風子さん」 「約束、ですか?」 「はい。わたし、絶対にこの学校に受かって、それで」 一度口にしてしまえば、もう止まることはできない。約束っていうのは、それだけ意味のあること。 でも、だからこそ。 「入学式の日に、またこの場所に来ます。再会の約束です。わたしはもう地元に帰らなきゃいけないけど、そうすれば、また会えますよね?」 「……はい、約束です。風子もがんばって、この場所に来ます」 がんばってこの場所に来る、という言葉の意味がわたしには分からなかった。でも、わたしは頷いた。そうすることに意味があると思った。 「それじゃあ、風子さん」 「はい」 「また、その日に会いましょう」 「はい、約束ですっ!」 確かに笑って、わたしはその教室を後にした。 651:うーん 07/01/13 03:08:55 D+A7WpKr0 自分の中の違和感に気づいたのは、帰りの電車でのことだった。 ――今日、わたしは何をしてたんだっけ? 一瞬頭を過ぎった考えに、わたしは驚いて頭を振った。今日は、岡崎さんや渚さんと一緒に時間を過ごしたんじゃないか。 目を瞑って、今日の出来事を思い出す。二人を連れて歩くわたし。教室。 「え?」 教室? 細い細い糸を辿るように、おかしな記憶を思い起こしていく。 教室で過ごした時間。それはとても楽しいものだった。それは間違いない。 岡崎さんが をからかって、わたしもそれにちょっと参加して、渚さんが の味方をして。 が、二人に、ヒトデを渡して。 思考に、不可解な空白があった。 思い出せ、思い出せ。それはとても大切な記憶だ。わたしの中の何かがそう告げる。 ヒトデ? 「っ!」 思い立って、わたしは座席の下に置いた鞄を手に取った。自分でも分かるぐらいに慌ただしくチャックを開けて、その中を確認する。 着替えやら何やらの上にぽつんと置かれたのは。 木彫りのヒトデ。 「なんで、どうしてわたし……」 それを手に取って、ようやくわたしは思い出した。 昨日出会って、今日もまた一緒の時間を過ごした彼女のことを。ヒトデが好きで、姉の結婚を祝うためにそれの彫刻をしていて、小動物みたいで、目がくりくりとしていて、可愛くて、一緒にいて楽しい、だからまた会おうって約束をした―― ――風子さんのことを。 「忘れ……てたの?」 認めたくない。 でも、認めなきゃいけない。 風子さんがあれだけ不安がっていたことが、何となく、分かったような気がした。 原因は分からない。原理もさっぱり分からない。でも、今、確かにわたしは風子さんのことを忘れかけていたから。それを、わたしは事実として受け止めなければいけない。 「忘れない。約束したんだから」 自分に言い聞かせるように呟く。そうして、わたしはポケットからいつも携帯しているメモ帳を取り出した。昨日あったこと、今日あったこと、今起こったことの全てをそこに書き留めていく。 忘れない。 絶対、忘れてやるもんか――
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