FFDQバトルロワイヤル PART5
at FF
1:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/03/29 01:01 ks0YBFAu
PART4が落ちたのでたてました。
2:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/03/29 01:02 GZ/fLodH
ふーん
3:中立派
03/03/29 01:03 QE434U+g
どやどや
4:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/03/29 01:05 dOWmoSfH
URLリンク(icelake.hp.infoseek.co.jp)
5:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/03/29 01:21 hECjh6aB
+基本ルール+
・参加者全員に、最後の一人になるまで殺し合いをしてもらう。
・参加者全員には、<ザック><地図・方位磁針><食料・水><着火器具・携帯ランタン>が支給される。
また、ランダムで選ばれた<武器>が1つ、渡される。
<ザック>は特殊なモノで、人間以外ならどんな大きなものでも入れることが出来る(FFUのポシェポケみたいなものです)
・最後の生存者のみが、安全に帰宅することができる。
・日没&日の出の一日二回に、それまでの死亡者が発表される。
+首輪関連+
・参加者には生存判定用のセンサーがついた『首輪』が付けられる。
この首輪には爆弾が内蔵されており、着用者が禁止された行動を取る、
または運営者が遠隔操作型の手動起爆装置を押すことで爆破される。
・24時間以内に死亡者が一人も出なかった場合、全員の首輪が爆発する。
・日没時に発表される『禁止技』を使ってしまうと、爆発する。
・日の出時に現れる『階段』を二時間以内に降りなかった場合も、爆発する。
+魔法・技に関して+
・初期で禁止されている魔法・特技は以下の通り↓
「レイズ」「アレイズ」「リレイズ」「フェニックス(転生の炎)」
「ザオラル」「ザオリク」「ザオリーマ」「メガザル」「メガザルダンス」「精霊の歌」その他、復活系の魔法・特技
・全体攻撃の範囲は「攻撃側から見えていて、なおかつ敵と判断した相手全て」。
※現在の禁止技:
復活系の魔法・特技。
ルーラ、バシルーラ、テレポなどの転移呪文・魔法。および、リターン、デジョン、ラナルータ。
+ジョブチェンジについて+
・ジョブチェンジは人が近くにいないときにできる。
そのときにになんらかのアビリティをつけることができる。
・ジョブ特性は、ダメージ回避、落とし穴回避、まほうバリア、薬の知識のみ備わっている
6:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/03/29 01:22 hECjh6aB
+召喚について+
・通常召喚は不可
・特殊召喚はOK(継承、ぶちきれ、アイテム経由)
+戦場となる舞台について+
このバトルロワイヤルの舞台は日毎に変更される。
毎日日の出時になると、参加者を新たなる舞台へと移動させるための『旅の扉』が現れる。
旅の扉は複数現れ、その出現場所はランダムになっている。
旅の扉が出現してから2時間以内に次の舞台へと移らないと、首輪が爆発して死に至る。
現在の舞台は、DQ2ロンダルキア。
URLリンク(xb_lim.tripod.co.jp)
━━━お願い━━━
※一旦死亡確認表示のなされた死者の復活は認めません。
※新参加者の追加は一切認めません。
※書き込みされる方はCTRL+F(Macならコマンド+F)などで検索し話の前後で混乱がないように配慮してください。
※参加者の死亡があればレス末に、【死亡確認】の表示を行ってください。
※又、武器等の所持アイテム、編成変更、現在位置の表示も極力行ってください。
※人物死亡等の場合アイテムは、基本的にその場に放置となります。
※本スレはレス数500KBを超えると書き込みできなります故。注意してください。
※その他詳細は、雑談スレでの判定で決定されていきます。
※放送を行う際は、雑談スレで宣言してから行うよう、お願いします。
※最低限のマナーは守るようお願いします。マナーは雑談スレでの内容により決定されていきます
7:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/03/29 01:23 hECjh6aB
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。
みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであれば保管庫にうpしてください。
・自信がなかったら先に保管庫にうpしてください。
爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない保管庫の作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
できれば自分で弁解なり無効宣言して欲しいです。
8:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/03/29 01:26 pcu4s68Z
書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・極力ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。
9:笑う悪魔 ◆638FJ29rIc
03/03/29 01:45 Ao86IBlJ
【トーマス 所持品:鉄の爪 薬草×10 手紙 碁石(20個くらい) 現在位置:南東の森付近の平原。平原を南へ 行動方針:パパスについていこうと思ってはいる】
【パパス 所持武器:アイスブランド 現在位置:南東の森付近の平原。平原を南へ 行動方針:バッツと双子を捜す。最終的にはゲームを抜ける。跡地の旅の扉にて限界まで待つ】
【セフィロス:所持武器:正宗 現在位置:ロンダルキアへの洞窟(出口手前・ロンダルキア側)
行動方針:全員殺す・勝ち残る】
【エビルプリースト(現在の姿はファリス) 所持武器:危ない水着 変化の杖 ファリスのペンダント 現在位置:ロンタルギアの祠南に8マス・ファリスの墓
行動方針:天空の勇者(ソロ・クーパー)の始末】
【カイン:所持武器:ビーナスゴスペル&マテリア(回復) 現在位置:ロンダルキア洞窟近くの岩山
行動方針:セシルを止める】 (セフィロスへの苦手意識あり)
【リディア/エーコ/ピピン
所持武器:なし/なし/ロングソード
現在位置:ロンタルギアの祠
行動方針:セシルを探す?・祠で待つ/仲間を捜す・祠で待つ/リディアとエーコを守る。】
【リュック :所持武器:なし 現在位置:エビマジの研究室 行動方針:なし 】
【ミレーユ 所持武器:ドラゴンテイル・妖剣かまいたち・小型のミスリルシールド・水筒1.5? 現在位置:ロンダルキアの西の橋から南へ 東部の森へと向かう 行動方針:占いで見た人に会う(ロック、エリア)】
【ロック(全身に浅い傷) 所持武器:吹雪の剣 現在位置:ロンタルギア東の森(狭い方)から北へ
行動方針:エリアを守る】
(弾切れのクイックシルバーとミスリルシールドは森に放置されています)
10:笑う悪魔 ◆638FJ29rIc
03/03/29 01:46 Ao86IBlJ
【「セリス」:記憶喪失 所持武器:ロトの剣
現在位置:祠西の山岳地帯中腹 行動方針:人を探す】
【とんぬら(DQ5主人公)/ルーキー/王女アニー
所持品:さざなみの剣/スナイパーアイ ブーメラン/マインゴーシュ
現在位置:台地北の森と祠西の山岳地帯の境目あたりの湖畔
行動方針:王子を助ける、パパスに会う/ライアンと合流/クーパーを探す】
【エリア 所持武器:小型のミスリルシールド・ミスリルナイフ・加速装置・食料2ヶ月20日強分&毒薬
水1,5リットル×2 フィアーの書×7 小型のミスリルシールド 現在位置:ロンタルギア北の森(やや北西より、つまり北北西?(w)から風の反応へ
第一行動方針:森を抜け、風の反応に追いつく
第二行動方針:クリスタルの戦士との合流】
(エリアは一度だけ召喚魔法『シルドラ』を行使可能)
【ザックス 武器:無し(バスタードソードは地面に落ちたままです)
現在位置:ロンダルキアの洞窟5F 行動方針:とりあえずスコールを何とかする→エアリス・ティファの捜索】
【スコール(負傷) 所持武器:なし 現在位置:ロンダルキアの洞窟5F
行動方針:ザックスを殺す→人形状態ではあるがリノア以外は殺す】
【リノア 所持武器:妖精のロッド・月の扇/アルテマ×1 現在位置:ロンダルキアの洞窟5F
行動方針:スコールと行動する】
【マリベル/ラグナ(両足欠損)/エアリス/ティーダ/ギルガメッシュ 現在位置:ロンダルキア洞窟近くの雪原
所持武器:エルフィンボウ・いかづちの杖・エドガーのメモ/参加者リスト/ 癒しの杖/無し/無し/
行動方針:打倒セフィロス→このゲームから抜ける】
【バッツ(魔法剣士 時魔法)/クーパー
所持武器:ブレイブブレイド/天空の盾 現在位置:ロンタルギアの北西の森から南へ(中央の砂漠を通る)
第一行動方針:(戻るかそのまま南へ行くかは次の人に託します)
第二行動方針:アリーナ(アニー)、とんぬら、パパス、エーコの仲間(名前しか知らない)を捜す
最終行動方針:ゲームを抜け、ゾーマを倒す】
11:笑う悪魔 ◆638FJ29rIc
03/03/29 01:47 Ao86IBlJ
【セシル 所持武器:暗黒騎士の鎧 ブラッドソード 源氏の兜 リフレクトリング 弓矢(手製)
ギガスマッシャー 現在位置:大陸北部山脈、西の湖側 】
第一行動方針:参加者を殺す(エドガーorハ−ゴンを優先)
第二行動方針:不明
最終行動方針:勝利する。
【ライアン 所持武器:大地のハンマー
現在位置:祠西の山岳地帯 行動方針:仲間を探す?】
【アリーナ 所持武器:イオの書×4 リフレクトリング ピンクのレオタード
現在位置:地下通路(大陸中央付近) 】
第一行動方針:ソロを止める(倒してでも)
第二行動方針:クラウドをティファに会わせる
最終行動方針:ゲームを抜ける
【クラウド:所持武器:ガンブレード 現在位置:地下通路(大陸中央付近)】
第一行動方針:エアリスorティファを探す。
第二行動方針:不明
最終行動方針:不明
【デスピサロ/サマンサ:所持アイテム:正義のそろばん・『光の玉』について書かれた本・
勲章(重装備可能)現在位置:地下通路(大陸中央付近)】
第一行動方針:休息
第二行動方針:腕輪を探す
第三行動方針:勝利者となる(ピサロ)生き残る(サマンサ)
12:笑う悪魔 ◆638FJ29rIc
03/03/29 01:48 Ao86IBlJ
【ヘンリー 所持武器:ミスリルアクス イオの書×3 現在位置:ロンダルキアの祠西の山岳地帯】
第一行動方針:とんぬら達を追う(遭遇すれば他のキャラも倒す)
第二行動方針:皆殺し
最終行動方針:全てが終わった後、マリアの元へ逝く
【アグリアス ジョブ:ホーリーナイト スキル:時魔法 装備武器:スリングショット
なべのふた マンイーター 現在位置:ロンダルキアの祠西の山岳地帯】
第一行動方針:ヘンリーに見捨てられないようにする
第二行動方針:ティファを倒す
最終行動方針:元の世界に帰還する
【オルテガ 所持武器:水鉄砲 グレートソード 覆面 現在位置:ロンダルキアの祠の離れ
行動方針:、メルビン達と話し合う 離れの探索、アルスを探す】
【リバスト 所持武器:まどろみの剣 現在位置:同上
行動方針:同上】
チョコボが奥に隠れています。
【モニカ/アーロン:所持武器:エドガーのメモ(ボロ)/折れた鋼の剣 現在位置:祠の離れ
行動方針:モニカを助ける アーロンの傷を完治させる、仲間を探す】
【メルビン/ガウ 現在位置:祠の離れ 所持武器: 虎殺しの槍 /なし
行動方針 モニカを助ける、仲間を探す、ホフマンの仇をうつ】
【ゼニス 所持武器:アンブレラ 羽帽子? 現在位置:神殿南の山地 頂上
行動方針:夕方までのんびりする、神殿へ行く、物見遊山】
【マゴット(MP残り僅か、左目負傷、気絶) 武器:死神の鎌 現在位置:ハーゴンの執務室
第1行動方針:ハーゴンから儀式について習う
第2行動方針:不明
最終行動方針:ゲームから脱出、仲間と合流】
13:笑う悪魔 ◆638FJ29rIc
03/03/29 01:49 Ao86IBlJ
【ティファ(療養中) 所持武器:無し 現在位置:神殿近くの森(砂漠との境界線上)
行動方針:傷を癒す】(夕方の放送時までには回復)
【デッシュ 所持武器:なし 現在位置:神殿近くの森(砂漠との境界線上)
行動方針:エドガーに会う・首輪の入手】
【ジタン:所持アイテム:仕込み杖、グロック17、ギザールの笛 現在位置:神殿
第1行動方針:見張り
第2行動方針:サマンサとピサロの殺害
最終行動方針:仲間と合流、ゲームから脱出】
※ハーゴンの執務室に移動
【ハーゴン(あと二日で呪文使用不能、左手喪失、)
武器:グレネード複数、裁きの杖、ムーンの首、グレーテの首、首輪×2 現在位置:神殿近くの砂漠
第1行動方針:マゴットの治療
第2行動方針:授業 、
最終行動方針:ゲームの破壊】
【導師:所持武器:天罰の杖 星振る腕輪 現在位置:神殿近くの砂漠
行動方針:首輪の入手 エドガーに会う それ以外は不明】
※執務室へと移動開始
※キラーマシーンBとハーゴンのランタンは破壊されました。
14:笑う悪魔 ◆638FJ29rIc
03/03/29 01:51 Ao86IBlJ
エドガー:所持武器:ボウガン&天空の鎧(装備不可)
現在位置:ロンダルキア中央西よりの山地
行動方針:魔法使い、デッシュを探し首輪を解除する、】
【アルス/ティナ: 所持武器:対人レミラーマの杖・天空の剣・黄金の腕輪/プラチナソード 、チキンナイフ
現在位置:ロンダルキア中央西よりの山地
行動方針:仲間を探す】
【バーバラ:所持武器:果物ナイフ・ホイミンの核・ペンダント・メイジマッシャー
現在位置;ロンダルキア中央西よりの山地
【テリー所持武器:なし 現在位置:中央西よりの山地の南にある平原
行動方針:謎の剣士の敵(ティナ)を取る、】
【ピエール 所持武器;珊瑚の剣 現在位置;神殿 行動方針:不明】
(結構迷ってます)
【セーラ(気絶中) 所持武器:アサシンダガー 現在位置:神殿 行動方針:騎士様を探す&皆殺し】
(ブレイズガンは神殿内に放置)
その他
※アークマージがロンダルキアの何処かにいます
※現存するキラーマシーンは神殿内部の一体のみ
※神殿の地下部分は完全崩壊、地下から神殿への侵入は不可能(詳しくは前スレ>>336-338)
15:笑う悪魔 ◆638FJ29rIc
03/03/29 01:54 Ao86IBlJ
【ソロ(暗闇もしくは失明) 所持武器:エンハンスソード、イリーナの会員証、スーツケース核爆弾
現在位置:現在位置:ロンダルキア中央山地の南にある平原(小島のある湖の西)
行動方針:助けを求める
最終行動方針:デスピサロ打倒(現在もその気があるかは不明)
尚、スレ保管所はここ。
URLリンク(chiba.cool.ne.jp)
16:笑う悪魔 ◆638FJ29rIc
03/03/29 02:07 Ao86IBlJ
「あら…」
セーラは目を開けると、きょとんと周囲を見渡す。
「ここは……?」
自分はあの忌々しい魔物どもに追われて、何時の間にか汚らしいゴミ捨て場に足を踏み入れて……。
セーラはそこからのことを頭を抱えながら思い出す。
そういえば何か夢を見たような気がする、確か黒い服を着込んだ、そうあれは…紛れも無い。
「騎士様…夢の中で私を導いて下さったのですね」
セーラは自分で自分の胸を抱き、うっとりと夢の中での出来事を回想する。
「ああ、あのまま目覚めることなく騎士様の腕の中でいつまでもまどろんでいたかった物を」
と、そこで自分の傍らに置かれている短剣に気が着く。
その短剣は普通の短剣と違い、刀身が黒く塗られている、闇夜での使用を念頭に置いた暗殺用の物だ。
だが、セーラはその黒い刃をみて、別の解釈をしたらしい。
「貴方と同じ黒…ああ、この短剣でもって、悪を成敗せよとの仰せですね…騎士様、
セーラは貴方のために戦い、貴方のために死ぬる所存でございます、ああ、でも出来るならば二人で」
と、1人で盛り上がってるセーラだったが、そこで話声が聞こえる、2人組のようだ。
セーラは素早く短剣を胸の谷間に収めると、ふらふらとまるで疲れきったかのように2人組、
ハーゴンと導師、の前に姿を現すのであった。
「お助け……くださいまし…」
「なるほどのう……人を探しておるのか」
「ええ」
執務室へ戻る道すがら、ハーゴンと導師、それからセーラは色々と話をしている。
「その魔物の騎士が、セーラさんの仲間を殺したんですか?」
「そうですわ!しかもその罪を私に着せようと、もう少しで私は殺されるところでしたわ」
ハーゴンも導師も、セーラに対してはまるで疑いを抱こうとはしなかった。
17:笑う悪魔 ◆638FJ29rIc
03/03/29 02:08 Ao86IBlJ
セーラはつい数日前まで一国の姫君、その完全なまでの作法・話術等は彼らを篭絡するのには充分だった。
それにハーゴンたちは、長年の経験からまずはその人物の身のこなしに注目する、2人の見立てでは、
セーラはとてもじゃないが誰かを殺せるようなスキルを持っているようには見えなかった。
ともかく3人は執務室の前に立つ。
「をや、あの若造はどこに行きおった?」
ハーゴンはそこで護衛をしているはずのジタンの姿をきょろきょろと探し求める。
若造?あの金髪の方かしら?と、セーラは少し小首をかしげる。
「まぁいい、導師とやら頼みたい事がある」
ハーゴンは扉にかけていた魔法を解除し、開け放つ、とそこにはベッドの上で眠る女性がいた。
ハーゴンたちはその女性、マゴットのそばによって色々と治療を始める。
魔法で眠っているのだろうか?マゴットはうっとりと瞳を閉じている、顔半分は包帯で覆われてはいるが、
その顔を見た途端、とくん、とセーラの胸が鳴る。
(ああ……なんて素敵な)
あの眠れる女性の首筋をこの短剣で掻き切ったらば、どれほど良い声で鳴いてくれるだろうか?
あふれる血潮に身体を浸せばどれほど気持ちが良い事だろう。
その陰惨で、残虐な妄想に暫しセーラは我を忘れた、そう、やはりアークマージは彼女の心に重大な傷を
残していた、その影響の一端として、彼女の本来持っていた淫楽殺人癖がより病的に、かつ猟奇的、狡猾に
現れるようになっていたのだ。
そんなことは露知らず、ハーゴンたちはマゴットの治療を続けていた。
「どうじゃ…お主の呪文で直るか?」
「目の傷は多分大丈夫だと思う、体力と魔力についてはやっぱり無理をさせずに、、
このまま眠らせておくのが1番じゃないかな?、特に魔力の消耗がひどいからね」
「そうか、やはり刺激を加えずにこのまま寝かせておくか」
18:笑う悪魔 ◆638FJ29rIc
03/03/29 02:09 Ao86IBlJ
妙に神妙なその様子を見て導師がくすりと笑う。
「その人のことがよっぽど心配なんだね、もしかしておじさんの娘?」
「ばかをいえ」
一笑に付すハーゴンだったが、マゴットが大切な手駒であり、自分のプランの要であることは事実だ。
彼女に何かあれば計画は水泡と化す。
「魔法の効力が落ちておる……起こさぬようにな」
2人はそっと部屋を出て、廊下に出ようとする、その時初めてセーラが口を開く。
「あの……病人ですか?」
「まぁ、病気ではないが……過労といったところじゃな、それがどうかしたか?」
「いいえ、私になにかお手伝いできれば……こう見えても色々としつけられておりますので
そばについて看病くらいなら」
「そうじゃのう」
わざわざ看病を買って出てくれるのを断る理由は無い。
出来れば自分がそばに付いておきたかったが、キラーマシーンの件等、色々とある。
やはりここで大人しくしているわけにもいかなくなる。そのたびに扉をガンガンと叩かれるのは迷惑だ。
それにこの少女、わずかな時間だったが、話してみる限り怪しいそぶりは特に見えなかった、まず大丈夫だろう。
動きを見る限り、戦闘に長けているわけでも魔法が使えるわけでもなさそうだ。
「なら、その言葉に甘えるか、2時間ほどお願いできるか?」
だが、ハーゴンも導師も気がついていなかった…弱者には弱者の戦い方があるということを。
それは彼らが一流の使い手であるがゆえの重大な見落としだった。
と、そこに、とぼとぼとジタンが戻ってくる。
「どこに行っておった?」
19:笑う悪魔 ◆638FJ29rIc
03/03/29 02:10 Ao86IBlJ
「フライヤを弔いに……花を備えて腕を組ませてやるくらいならいいだろ…でも、身体がもうぐちゃぐちゃでさ、
腕を組ませるにも崩れてきちまって…」
そんな事だろうと思った、ハーゴンはジタンの肩に手を置く。
「持ち場を離れるな…後で略式で良ければ葬儀を行ってやる、ところでスライムの騎士を見なかったか?」
「いや、誰にも会わなかったぜ」
それからしばらく黙っていたジタンだったが、ふと呟く。
「なぁ、おっさんはこのくそゲームを壊して脱出するって言ってたな…だったら、
これから具体的には何をしようと思っているんだ?」
「話してもお前には理解できんぞ」
「俺は今まで、人を助けるのに理由なんていらないって思ってた……だけど
ダガー、ビビ、サラマンダー、フラットレイ、クイナ、ベアトリクス、そしてフライヤ…
こんなにもたくさん死んじまった、だから俺はあいつらのためにも絶対に正しい道を選ばないと
いけないような気がするんだ」
「頼む、アンタは何か理由があってまだ秘密にしておきたいんだろうけど、
このままだと自分が本当に正しいのか不安で仕方がないんだ」
そこで導師が口を挟む。
「僕にも聞かせてください、役に立てるかも」
「そうじゃな……」
たしかにギリギリまで伏せては置きたい、だがここまで来てつまらない理由で離反されるのも問題だ、
時間が無いし、人材は喉から手が出るほど欲しい。
差し障りのない概念・概要程度なら教えてもいいだろう、それでもかなり時間がかかるが。
「よかろう、ならジタンお前は会議室から机とイス、それから黒板を持って来い、この廊下で講義を行うぞ。
導師はワシと共に書庫へついて来い」
20:笑う悪魔 ◆638FJ29rIc
03/03/29 02:12 Ao86IBlJ
時間にして10分程度だが、また執務室を離れる事になる、出来れば自分は残りたかったが、
片手では机の持ち運びは不便だし、自分でなければほとんど焚書されたとはいえ、
書庫の本の位置は分からない、
ジタンを残してもいいのだが、今の状態で役に立つとも思えない。
ハーゴンはここをしばらく離れることをセーラに告げ、部屋の中から資料一式を取り出すと。
施錠の魔法を幾重にもかけた上で、さらにマヌーサを唱え扉が壁に見えるように偽装する、
見事な出来映えだ、これで大丈夫だろう。
ハーゴンたちは大急ぎで準備を進めに立ち去って行く。
そしてそれと時を同じくしてセーラはゆっくりと行動を開始したのであった。
【セーラ 所持武器:アサシンダガー 現在位置:神殿
第一行動方針:マゴットを殺す 第二行動方針:騎士様を探す】
【ハーゴン(あと二日で呪文使用不能、左手喪失)
武器:グレネード複数、裁きの杖、ムーンの首、グレーテの首、首輪×2 現在位置:神殿
第1行動方針:ジタンたちに授業
第2行動方針:マゴットに授業 最終行動方針:ゲームの破壊】
【導師:所持武器:天罰の杖 星降る腕輪 現在位置:神殿
第一行動方針:ハーゴンの授業を聞く
第二行動方針:首輪の入手 エドガーに会う それ以外は不明】
【ジタン:所持アイテム:仕込み杖、グロック17、ギザールの笛 現在位置:神殿
第1行動方針:ハーゴンの授業を聞く
第2行動方針:サマンサとピサロの殺害 最終行動方針:仲間と合流、ゲームから脱出】
【マゴット(MP残り僅か、左目負傷・睡眠中) 武器:死神の鎌 現在位置:神殿
第1行動方針: 睡眠し、体力・魔力の回復
第2行動方針:ハーゴンに呪法について習う 第3行動方針:ゲームから脱出、仲間と合流】
(授業は執務室前の廊下で行われます)
21:笑う悪魔 ◆638FJ29rIc
03/03/29 02:15 Ao86IBlJ
それはセーラにとっては簡単すぎる作戦の筈だった。
ハーゴン達は遠くに行ってしまったし、マゴットはよく眠っている、加えてハーゴンは扉に呪文をかけて出て行ったから邪魔が入る余地など無い。
自分も脱出出来ないが、あの連中を騙すなど造作も無い事の筈であった。
「………」
マゴットが寝返りを打つ、セーラに背を向ける形で横になっているマゴットのうなじがセーラの目に飛び込んできた。
「まあ!」
セーラの心が激しく躍る、何と綺麗なうなじなのだろう、このうなじから流れる血が、マゴットが苦しみながら力尽きていく様が、見たい。
心の欲求のままにセーラがダガーを構えて近付いたその時。
「!}
「ぐぅっ!」
突然マゴットが反転してセーラの鳩尾に拳をめり込ませる、更に腹を押えて下がるセーラに近くにあった鎌を振り下ろす。
「あぐぅっ!」
「……」
武術の心得の無いセーラにその一撃を完全に交わしきる事は不可能だった、肩口を深く斬られ、その衝撃で転倒してしまう。
「お待ちください、マゴットさん、私は敵では」
ヒュンッ!
セーラの言葉を無視して死神の鎌が唸りを上げる、マゴットの目はガラスの様に感情を示してはいない。
「こ、此処にいるのもハーゴンさんに頼まれて」
更に一撃を喰らい、左足を半ばまで切り裂かれる。
「きゃぁぁぁぁっ!騎士様っ!騎士様ぁっ!」
怯え、混乱したセーラは左足を引き摺って扉へと這い進む、マゴットはその間に鎌を構え直して様子を窺う、
ようやく扉まで辿り着いたセーラは近くの壁に寄り掛りながら何とか立ち上がった。
セーラが知らなかった事が3つある、ハーゴンはセーラの事を疑わなかったが同時に頼りにならぬ人物=計画の駒としては使えないと判断していた事。
そしてマゴットは唯一ハーゴンの脱出方法を知っていながらハーゴンと共に生き残り、共に首を狩っている事。
だからこそハーゴンはマゴットに意識があった事を導師に秘密にし、更に部屋に鍵をかけた、セーラという獲物を決して逃さない為に。
扉を開けようと悪戦苦闘するセーラは背後からマゴットに切り裂かれた。
22:笑う悪魔 ◆638FJ29rIc
03/03/29 02:17 Ao86IBlJ
セーラが自分の血溜まりで首を切られている頃、ハーゴンもまた書庫で自らの血溜まりに倒れていた。
突然吐血して倒れたハーゴンに大慌てで駆け寄り、回復呪文を唱え始める導師、癒しの光がハーゴンの身体に降り注ぐ。
「む、面倒をかけたな。」
「そう思うなら動かない事!」
身を起こそうとするハーゴンを導師が押し止める。
「ならばこの体勢で話す事にしよう、わしはもうじき死に至る、正確には3〜36時間といった所だろう」
海のような沈黙、石のような沈黙、そしてやっと導師の渇いた笑いがその沈黙を打ち破る。
「じょ、冗談でしょ?」
「こんな状況でジョークを飛ばせる程余裕のある人生を歩んできたつもりは無い。」
「じゃあこのゲームを壊すっていうのは嘘?」
「破壊はする、で、いつわしがジタン達と一緒に脱出すると言ったのだ?」
からかう様な笑みを浮かべながらハーゴンは今度こそ立ち上がりつつ首輪を放る。
「それ程知りたければわしの事も脱出計画の事も話してやろう、
それは兎も角貴様には仲間はおらんのか?いい加減心配してると思うのだがな」
(いるなら一旦追い返して逃走、いなければ引き込む事も考えて良いだろう、
船頭多くして船山に登るとも言うし、今日はもうこれ以上の揉め事は御免だ。)
23:笑う悪魔 ◆638FJ29rIc
03/03/29 02:18 Ao86IBlJ
【セーラ 死亡】
【ハーゴン(呪文使用不能、左手喪失、衰弱)
武器:グレネード複数、裁きの杖、ムーンの首、グレーテの首、首輪 現在位置:神殿の書庫
第1行動方針:授業
第2行動方針:不明
最終行動方針:ゲームの破壊】
【導師(MP減少):所持武器:天罰の杖 星振る腕輪、首輪 現在位置:神殿の書庫
第一行動方針:ハーゴンの話を聞く
第二行動方針:エドガーに会う
最終行動方針:不明】
【マゴット(MP0、左目負傷) 武器:死神の鎌、アサシンダガー、セーラの首(処理済)、首輪 現在位置:神殿の執務室
第1行動方針: ハーゴンに呪法について習う
第2行動方針:不明
最終行動方針:ゲームから脱出、仲間と合流】
24:笑う悪魔 ◆638FJ29rIc
03/03/29 02:21 Ao86IBlJ
――彼女は眠り続けていた。
自我は容易にかき消されてしまうくらいに希薄ではあったが、
確かにソコに存在していた。
まったく意識が無いわけではない。
時々、短い時間ではあるが半覚醒の状態が訪れる事があった。
――彼女は深い暗闇の海に浮かんでいた。
凶暴な、そして冷酷な暗闇。見えるものは何も無かった。
自分が何故ココにいるのか。自分が何なのかもわからなかった。
暗闇は圧倒的な冷たさと重圧を持って、彼女をかき消そうとする。
しかし、彼女は消えなかった。
何故、自分は消えてしまわないのか?
そこで初めて、彼女は自分が何かを抱えている事に気がついた。
圧倒的な暗闇に対抗する力強い光。
刃のような冷気に対する暖かい炎。
重圧に対するやわらかい力。
一枚の虹色の羽だけが、彼女を護っていた。
この羽は、自分に生きろと言っている。
彼女は悔しさと、はっきりとしたもどかしさと、絶望を感じた。
どうしたらココから抜け出せるのかわからない。
感情だけは、完全に覚醒していた。
しかし、それも次第に闇に落ちていく。
彼女は自分の抱えている炎を意識しながら、再び眠りについた。
【リュック :所持武器:なし 現在位置:エビマジの研究室 行動方針:なし 】
25:笑う悪魔 ◆638FJ29rIc
03/03/29 11:56 Ao86IBlJ
保守
26:保管庫
03/03/30 09:31 S1c1U1zf
「じゃ、行こうか」
そういってバッツは、未踏の雪の中を歩き始めた。
「いいの?」
クーパーが追いかけながら尋ねると、バッツは振り返って答えた。
「もうすこしだけだ。城までは行かなくても、ここまできたんだからちょっとだけ行こうぜ。
エーコたちには心配をかけるかもしれないけどさ」
それっきりバッツはまた黙りこくってしまい、クーパーも話し掛けることはなかった。
しばらくして二人は森を抜けた。
「なにも、ないね」
しばらく続いた沈黙を破り、クーパーが口を開いた。
森を抜けたが、誰に会うわけでも何か見つかるわけでもなく、見慣れた白い地平線が続くだけだ。
バッツはそれに「そうだな」と小さく相槌を打ち、地図を広げた。
この先にはちょっとした山脈があり、越えるには骨が折れそうだった。
そこを抜けると、凛冽たる寒気のする大地にはおおよそ不釣り合いな砂漠が広がっている。
平地よりも移動に手こずることは間違いない。
どんなに粘っても最低限砂漠のあたりで引き返さねばならぬだろう、
もっとも、できるだけ早く祠に戻らなければならない以上、ここから先に進むのは理屈に合わないし、
体力を消耗する割りにはなんの収穫もない可能性が高い。
だがそれでも、バッツは進めるだけ進みたかった。
それは未知の大地を探検したいという生まれてから衰えたことのない子供じみた好奇心からでもあったが、
どちらかといえばレナとファリスの死に対する自分の心がまだ落ち着いていなかったからだった。
――二人の生きた痕跡が、この地の何処かにあるんじゃないか?
勿論、それを見つけても現実はなにひとつ変わらないが。
バッツは地図をしまい、少し空の方を仰いで言った。
「山地を抜けよう。なにもなかったら、祠に戻る」
何を言われてもクーパーはバッツについていくつもりだったので、
それがやや理不尽な行動であっても、特に疑念をもたず素直にバッツの跡を追った。
27:保管庫
03/03/30 09:33 S1c1U1zf
山道の傾斜は存外緩く、このまま続けば二人はさほど疲れずに山を抜けることができそうだった。
勾配がきつくなっていくようであれば、途中で引き返すことも十分に考えられるが。
路傍には逞しく雪を掻き分けている草がちらほらと見え、
バッツはそれらひとつひとつにいちいち目を配っていた。
見た目はちっとも綺麗ではなかったが、その姿は悠然としていて、
このゲームに参加しているものには少なからず感ずるところがあるのかもしれない。
特に、悲しみと怒りと、憎しみの最中にある者にとってはなおのことだ。
もっとも、その受け取るメッセージは個々によりけりといえる。
そうして、バッツはなにか物思いに耽っていたが、ふいに声を上げた。
先まで視界に映るどれにも関心を示さなかったクーパーも立ち止まっていた。
山の下に湖が見える。
それは別段他の湖と代わり映えのしないものだったが、
山の上からということが相俟ってか、水面に反射している光がとても煌びやかであった。
見る者の心情の変化という点でも、祠にある湖とは別物に見えるかもしれない。
二人はどちらが声をかけるともなく立ち止まり、しばらくの間その場に佇立していたが、
やがて聞こえてきた叫び声によって、須臾止まりかけた時の流れは何事もなかったかのように動き出した。
「なにがあったんだ?」
バッツは叫び声の方向に顔を向けた。その先にはこれまでと変わらぬ道が続いている。
「い、行こう!」
クーパーは硬直していた足を一気に解き放ってかけだしていこうとしたが、それをバッツはひきとめた。
「クーパー、ちょっと待てよ」
「えっ…なんで?誰か、いるかもしれないよ?」
落ち着いたバッツの声と対照的に、クーパーの声はやや興奮していた。
「誰かいるかもしれないから、待てっていってるんだ」
そういうと、クーパーは刹那バッツの顔を見つめ、すぐに「あ、そうか」と足を止めた。
そうこうしているうちに叫び声はますます激しくなり、悲鳴まで聞こえるようになった。
バッツは一息つき、言った。
28:保管庫
03/03/30 09:34 S1c1U1zf
「クーパー、今の状況はわかってるなよな」
「う、うん」
おずおずと頷き返すと、そのまま続けた。
「この向こうに誰かいることは間違いない。それも、どうやらただごとじゃなさそうだ。
わかってると思うけどな、厄介事に関わったらろくなことがない」
クーパーは何も言わなかった。
バッツはそれを見ると、躊躇無くいった。
「行くか行かないかは、お前に任せる」
「…え?」
そのとき、にわかに空気が張りつめた。
「祠にエーコたちを残していること、俺たちの目的、そして今俺たちは殺し合いをしてるってこと、
そのへんをよく考えて、決断してくれよ」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
「なんだ?」
バッツは少し面倒くさそうに尋ね返した。そう言われると、答えることはできなかった。
クーパーからしてみれば、この事態はまったく予想していないことなのだ。
――そもそも山に来たのはバッツ兄ちゃんの考えあってのことじゃ?
なんで、急にこんなことをいうのだろう?
クーパーは、叫び声が聞いたときにすぐにでも駆けつけたい衝動に駆られたが、
こう改まっていわれると、なんとも行動には移しがたい。
それはつまり、自分の行動に責任が伴われるという実感に他ならなかった。
バッツのことを見つめ直した。
一点の曇りもなく明るい好青年だと思っていたが、
それが今はなんとぶっきらぼうに見えることだろう。
それはまさしく彼が今まで見せなかった一面であった。
強烈な出会いは、初対面の者に通常あるべき壁をいくらか取り除いてくれたのだ。
だがしかし、目の前にいる青年はその壁を少しなおしてしまっていた。
それも、おそらくは無意識のうちに。
29:保管庫
03/03/30 09:36 zmXoj9ZE
――…いや
クーパーは思った。
バッツの中に燻っていたなにかが、今この場に吹き出たというのは少なからずあるだろう。
これが彼の一面であることは疑いようのない事実である。
しかしクーパーは、バッツは本当はいまこの瞬間にもあの場に行きたいのではないか、と感じた。
それはなんとなくそう感じたに過ぎないが。
とにかく、バッツは躊躇っている。
二人であの場に行くことに、躊躇っている。
彼の心の中では、欲求と戻るべきという理性とが葛藤しているに逕庭ない。
どちらをクーパーが選択しても、彼はほっとしてそれに従うだろう。
蓄積されたなにかは、バッツの一面を表した。
もっとも、その兆候はずっとでていたのかもしれぬ。
バッツの気持ちは、「戻る」とも「行く」とも定まっていない。
相変わらず湖は眩しいまでに光を放っている。
つい先までの騒ぎはもう聞こえなかった。
時間はない。
いまこの瞬間、すべての権限がクーパーに与えられた。
【バッツ(魔法剣士 時魔法)/クーパー
所持武器:ブレイブブレイド/天空の盾 現在位置:ロンタルギアの中央北西の山地
第一行動方針:(戻るかそのまま行くかは次の人に託します)
第二行動方針:祠に戻る
第三行動方針:アリーナ(アニー)、とんぬら、パパス、エーコの仲間(名前しか知らない)を捜す
最終行動方針:ゲームを抜け、ゾーマを倒す】
30:保管庫2
03/03/30 09:37 zmXoj9ZE
既に日は傾きかけ、山の端にかかろうとしていた。この台地で散っていった幾千もの戦士たちの亡霊が
彷徨い出し、大地を蹂躙せんと蠢き出す時刻に,、小さな子供は何を考えて平原を歩いていたのか。
砂漠を越えてからは不安感が一層色濃くなった。
魔物はゾーマの力により排除されているから、その姿に怯えることはない。
何より危機は身近なもの、寒さと飢えだった。
敵を討とうという意思と、安らげる場所に早く行って楽になりたいという気持ちが天秤の上で揺れ動いていた。
エドガーと剣の稽古をする前から何も口にしていない。
大事に腰に巻きつけた袋は、確かめるまでもなく空の容器でしかなかった。
それでも手を突っ込んでみると、隅に固くなったパンのかけらがあった。
それを摘んで口に含んだ。
噛む所がほとんどないから歯軋りの音が聞こえただけだった。
その耳も、唸る風に長時間晒されて、嫌な音を遮ろうとするかのように遠くなりかけていた。
もう一人は、さながら方位を見失って大海原を彷徨う救命船のような者だった。
酷く自虐的な嫌悪感と、藁にもすがりたい魂からの叫びをごちゃ混ぜにした感情を持ちながら、
ここが何処かもわからずに平原を虚ろっていた。
光を失った目は轟き渦巻く感情とは裏腹に、穏やかで透き通っていた。
【テリー所持武器:なし 現在位置:中央西よりの山地の南にある平原
行動方針:謎の剣士の敵(ティナ)を取る、】
【ソロ(暗闇もしくは失明) 所持武器:、イリーナの会員証、
現在位置:ロンダルキア中央西よりの山地の南の平原(テリーより少し西)
行動方針:助けを求める
最終行動方針:デスピサロ打倒(現在もその気があるかは不明)
31:保管庫3
03/03/30 09:41 zmXoj9ZE
突然室内に引っ張り込まれたモニカ。
あまりの事態に思わず暴れようとしたが、口を塞がれ間接を決められ、あっさりと動きを封じられた。
動かない分にはなんら問題ないが、もがくだけでも節々がきしんで痛む。
喚くこともできず涙目の彼女の姿に、リバストは眉をひそめた。
「いささか乱暴ではないか?」
「安全に越したことはない。それにことを聞いたらちゃんと開放するさ」
オルテガは淡々と、モニカ言う。
「というわけで、少し話を聞かせてほしい。こんな状況なんで乱暴なのは勘弁してもらうがな」
オルテガはそう前置きしてモニカたち一行について尋ねる。
威圧的な男二人に、モニカは青ざめながらこれまでの経緯を話す。
二人は黙ってモニカの話を聞いていたが、壁の化け物に襲われたときに助けてくれた少年のことを話すとオルテガが反応した。
かなり…モニカにとって、意外な反応だったが。
「おお…そうか、そんなことがあったのか。アルスは心正しく育ってくれたのだな」
「その名前は会ったときにも聞いたな。誰だ?」
リバストの言葉に、オルテガは誇らしげに言う。
「わが息子だ」
「エーっ!!」
と。モニカの声が室内に響いた。
――
メルビン、ガウ、アーロンの三人は離れの様子をうかがっていた。
戦闘経験のないモニカから目を離したのは明らかに失敗だった、しかし今はその責任所在について問うことに意味はない。
アイコンタクトと小声でどうするかを相談しあう。
ガウが自分が暴れて中の気を引くといえばメルビンがそれを窘め、メルビンが話し合ってみようかといえば中にいるのがどんなヤツかわからないから危険だとアーロンがいう。
―ならばどうすればいいのでござるか。
―相手が何であれ、目的があるなら次の行動に出るはずだ、そこで先手を取る。
―がう…。
―まだ、どんなヤツなのかはわからん。だが、今の状態で暴れては逆にモニカが危険だ。
―冷静でござるな。まったく正論でござる。
32:保管庫3
03/03/30 09:42 zmXoj9ZE
そういったわけで、三人は息を殺して中の様子をうかがっていたのだった。
―ガウ殿、中の様子はどうでござるか?
―モニカが何か話してる。
―無事でござるか…
とりあえず、すぐには命をとられなかったことにほっとしながら、警戒を続けてしばらく。
「エーっ!!」
離れの中から、モニカの声が聞こえてくる。切羽詰った様子はない、が…
中で何かがあったことは間違いないだろう。
―アーロン殿、ガウ殿!
―がう!
アーロンは無言で半ば折れた鋼の剣を抜き、うなずこうとする…
―いや、待て。
研ぎ澄ませていたアーロンの勘が、森の向こうから誰かがやってくる気配を察知していた。
その次の瞬間にはガウも気配に気付く。
―誰か…来る。
―むう、前門の虎、後門の狼といったところでござるな。
メルビンは油断なく虎殺しの槍を構えながら、つぶやいた。
――
エビルプリーストは前方に人の気配を感じて身を隠した。
彼(姿は彼女)の接近は既に気付かれていたのだが、自分に自信を持っているものは自分が出し抜かれることを考えもしないものだ。
「さて、ここは思案のしどころじゃ…じゃない、しどころね」
どうやら、向こうにいるのはそろって男らしい。ならば自分が出て行っても油断するか、受け入れてくれる可能性もある。
だが、無力な女性を装うということはそれだけで身を危険に晒すことになる。
「なにやら取り込んでいるようだし、様子をみるのもいいか…じゃない、いいかもね」
33:保管庫3
03/03/30 09:46 kaZrk/4n
祠の中にいるピピン、リディア、エーコは恐々と外の様子をうかがっていた。
これまでも何人かが祠に気付かず通り過ぎていった。しかし、オルテガが祠に気付いてからというもの、空気が違う。
そして今、そのオルテガが騒ぎを起こしている。もう、隠れていられなくなるかもしれない。
「いいですか二人とも。もし、外の誰かが祠の扉を開けたら、扉の合間を抜けてわき目もくれずに逃げなさい。
そしてできるならばクーパー様たちと同流するんですよ」
「でも、ピピンは…?」
「こんな足でも、何とか二人が逃げる時間くらいは稼げるでしょう」
この足ではとても走れない、という言葉は省いて、ピピンは微笑んだ。
もう自分は逃げることはできない。けれど、剣を振ることならできるだろう。
「そんな…そんなの」
今からもう泣きそうなリディアの頭を優しくなでる。
「僕だって死ぬのはいやですよ。でも、こうなることはずっと前から覚悟していましたから」
主から譲られたロングソード。それとともに託されたまだ幼い子供たち。
そう、私は誰かのために戦おうとしている。誰かのために死のうとしている。
「…馬鹿だよ。そんなことしたって誰も喜ばないよ」
「ええ。自己満足です。そして、そうやって生きることを誇りに思う男もいるんですよ。
おぼえておきなさい。そうすればきっと、エーコちゃんはいい女になれる」
「エーコはもうイイ女だよっ!」
エーコの強がりを、ピピンは心の底から好ましく感じた。
自分はきっと最後まで後悔しないだろうと思った。それが、嬉しかった。
34:名前が無い@ただの名無しのようだ
03/03/30 09:46 kaZrk/4n
とんぬら、アニー、ルーキーの二人と一体は湖を架ける橋を渡っている。
一行の行く手を遮るものはなく、特にアニーは上機嫌だった。
クーパーには悪いが、頼もしさではやはり父親は別格だ。
父親と一緒にいるだけで、もう何も恐くない。側にいるだけで勇気が湧いてくる。どんな敵とも戦える。
それは子供特有の純真さと残酷さかもしれないが、子供特有ゆえ、アニー自身は気付かない事である。
「この橋を越えた南の平原に出たら、誰かに会えるのかなぁ」
「南の平原に出たら、湖沿いに西に行ってみよう。地図だと、僕たちが雪崩に巻き込まれた山道はそこに出るみたいだから」
とんぬらとルーキーはそんなことを話している。アニーは興味がなかった。父に任せておけばいい。父が間違える事なんてないんだから。
こうして、ルビスの加護に守られているはずの祠にいくつもの意思が集っていく。
その先に何があるのか、誰も知らないままで。
【オルテガ 所持武器:水鉄砲 グレートソード 覆面 現在位置:ロンダルキアの祠の離れ
第一行動方針:アルスを探す】
【リバスト 所持武器:まどろみの剣 現在位置:同上
行動方針:特になし】
【モニカ:所持武器:エドガーのメモ(ボロ) 現在位置:祠の離れ
第一行動方針:オルテガたちから逃げる…今は和解の方向?
第二行動方針:アーロンの傷を完治させる
第三行動方針:仲間を探す】
チョコボが奥に隠れています。
35:保管庫3
03/03/30 09:47 kaZrk/4n
【アーロン
所持武器:折れた鋼の剣 現在位置:祠の離れのそば
第一行動方針:モニカを助ける
第二行動方針:仲間を探す】
【メルビン/ガウ
所持武器: 虎殺しの槍 /なし 現在位置:祠の離れのそば
第一行動方針:モニカを助ける
第二行動方針:仲間を探す
第三行動方針:ホフマンの仇をうつ】
【エビルプリースト(現在の姿はファリス)
所持武器:危ない水着 変化の杖 ファリスのペンダント 現在位置:祠の離れの手前
第一行動方針:アーロン、メルビン、ガウの品定め】
第二行動方針:天空の勇者(ソロ・クーパー)の始末】
【ピピン
所持武器:ロングソード 現在位置:ロンタルギアの祠
第一行動方針:外の騒ぎが静まるのを待つ
第二行動方針:リディアとエーコだけはなんとしてでも守る】
【リディア/エーコ
所持武器:なし/なし 現在位置:ロンタルギアの祠
第一行動方針:外の騒ぎが静まるのを待つ
第二行動方針:祠から逃げてバッツたちと合流
第三行動方針:仲間(セシル?)を捜す】
【とんぬら(DQ5主人公)/ルーキー/王女アニー
所持品:さざなみの剣/スナイパーアイ ブーメラン/マインゴーシュ
現在位置:北の森から祠に架けられた橋
第一行動方針:クーパー、ライアン、パパスとの合流】
36:保管庫3
03/03/30 09:47 kaZrk/4n
かなりたくさんの人が集まってます。
オルテガたち、メルビンたち、エビルプリーストはお互いかなり近くにいます。
そこから少し離れた場所にピピンたちがいて、
騒ぎが起こったら気付く位置にとんぬらたちです。
37:保管庫4
03/03/30 09:50 /zxmiQyc
嫌な予感は現実のものとなって、テリーの脳髄を刺激した。
おどろおどろしい人とおぼしき影を見たときから、テリーは体が石のように硬直して動けなかった。
見たこともなければ想像したこともない。敗残兵などという言葉は知らないが、知っていたらまさしくそれに近い
ものだと認識しただろう。
魔物ではなく人間で、自分の方に向かって歩いてくると確実にわかった時、
これは敵だと直ちにテリーは判断した。
テリーにとって魔物は良き友であり、頼れる仲間だった。知らない魔物も、テリーに襲いかかってくることはなく
連れ合いの三体の仲間(同じく魔物)にのみ牙を剥いた。、
何故なのかはわからなかった。ただそういうものなのだと、幼い心で理解した。
一方このゲームで凶暴さを見せつけた人間には、ひたすら恐ろしい感情だけを抱いた。
タイジュの国は皆穏やかで、策略性や攻撃性とは縁遠い人たちばかりだった。
それがこのゲームに巻き込まれたことで、考えを改めさせることになった。
―優しそうな人たちも本当は恐ろしい心を持っているんじゃないか
今いるこの世界だけが特別なのだと信じたかった。だがもしかしたらこれが人間の本当の姿なのかという
考えが頭の片隅をよぎったとき、テリーは子供心に酷いものだと思った。
見かけは大袈裟でとても角張っていて、陰険そうで怖い姿をしていても魔物は
餌をあげて手懐けたら、どんなペットよりも可愛かった。
一度仲間になれば、熱い友情が芽生え、苦楽を共にする人生のパートナーとなった。
力強さも、思慮深さも、勇敢さも、優しさも、全てテリーのために発揮してくれた魔物たちだった。
テリーは涙ぐんだ。今魔物たちはいない。いるのは自分を殺そうとばかり考えてる人間だけ。
ぽろぽろこぼれ出す雫を抑えようとぐっと歯を食いしばった。
「ちくしょう!」
足元に転がっていた石をおもいっきり投げつけた。
石は放物線を描いてすーっと伸びていき、テリーが拒んだ「敵」の胸に命中した。
鈍い音がして、うっという呻き声が聞こえた。
その人は胸を苦しそうに押さえながら崩れこむように倒れた。
38:保管庫4
03/03/30 09:50 /zxmiQyc
あまりに呆気なかった。怒りに震えて猛然と掴み寄ってくることを予想していたのに。
テリーは暫し茫然と佇み、やがて用心することも忘れ近づいていった。
その人は地にうずくまったまま顔を上げようとしない。
緑の鮮やかな髪が顔に張り付いていて、不自然な形でまとまっているのが目に付く。
「……」
テリーは血の気が引いた。顔を上げたその人は、泣いていたのだ。
近所の子供が転んで足を怪我したときに、母親を泣きながら呼んでいる光景を思い出した。
そんなに痛かったのか それとも子供に石を投げつけられたことがとても悔しいのか
テリーは直立不動のまま、驚いてそれからどうすることもできなかった。
「うう……痛い…よ」
その声を聞いた途端に、テリーの心はガラスの破片が突き刺さったかのように痛みだし、
今までに感じたことのない激しい後悔の念が込み上げてきた。
この人は僕に何かをしたわけじゃない。僕が、ただ歩いていたこの人に石をぶつけたんだ。
ひどいことを僕がしたんだ。
魔物だってこんなことをしたら、僕を嫌いになる。嫌だ……そんなの
信じられるだろうか。まだ信じていたい。人間はきっと信じられる。
微かに残っていた人間への期待が想いを強くしていった。
テリーは唇を噛み締めた。想いを遂げるには勇気をふり絞らねばならない。
半分起き上がったその人をぐっと見つめた。
「さっきのは、僕が、やった…」
39:保管庫4
03/03/30 09:52 /zxmiQyc
「誰!? 誰がいるんだ。もうやめてくれ!」
テリーは言葉に詰まった。想像もつかない言葉が返ってきたからだ。
何を言ったのか瞬時には理解できなかった。
その人の目は先程流した涙は消え失せ、代わりに何処を見つめているのかわからない
不可思議さで飾られていた。
テリーはずっと視線を逸らさなかった。そしてようやくわかった。
ならばと、その人の手を握り締め、優しく話しかけた。
「僕はテリー。大丈夫だよ。何もしないから。
名前教えてよ」
その人はびくっと体を震わせて、怯えていた。その顔は目を細めて神に助けを乞う哀れな羊だった。
やがてテリーがいつまでも手を離さずにいるのを受け入れたように
深く頷いてゆっくりとつぶやいた。
「ソロ……」
そこだけ周りから隔絶されてしんみりとした空気が漂っていた。
まだ大人になりきれていない、しかしずっと年上の少年が、幼子にすがりついて泣いていた。
苦しい身の想いを涙声で訴えながら。
テリーはむっとするような臭いに顔をしかめながらも、荒ぶる心に一さじの鎮静剤を盛られたような、
奥底では充足するものを感じていた。
【テリー所持武器:なし 現在位置:中央西よりの山地の南にある平原
行動方針:謎の剣士の敵(ティナ)を取る、】
【ソロ(暗闇もしくは失明) 所持武器:、イリーナの会員証、
現在位置:ロンダルキア中央西よりの山地の南の平原
最終行動方針:デスピサロ打倒(現在もその気があるかは不明)
40:保管庫5
03/03/30 09:54 /zxmiQyc
えっちらおっちらとジタンはイスを持って執務室の前に立つ。
いくらなんでも数回に分けて運ばなければ、とても人数分を揃える事は出来ない。
面倒くさい作業だったが、それでも余計なことを考えずに済むだけでもマシというものだろう。
ともかくジタンはイスを設置して、また会議室にとって返そうとしたのだが……。
ズルリ。
背もたれを持つ手に妙な感触を残してイスが廊下を滑る、いぶかしげにジタンが床を見る、そこには。
「これは…血?」
いかにマヌーサで偽装していても、扉の隙間から溢れ出す赤いものまでごまかすことはできない。
くんくんと鼻を鳴らすとやはりかすかだが血の匂いが漂ってくる。
この部屋にいたのは……マゴットとそしてあのセーラとかいう女の子だ。
「何があったんだ……」
そのまま扉のある場所を押してみる……簡単に開いた、と同時にむせかえるような血臭が溢れ出す。
何回嗅いでも慣れない匂いだ、ジタンは鼻をつまんで思わず目を伏せる、と同時に彼は見てしまった。
あのセーラの首無し死体を……。
いきなりの死体とのご対面、しかもついさっきまで確かに生きていたのに……その残酷な事実に、
耐えきれず”うう”とうめき声を上げてしまったジタンだが、次の瞬間には抜け目なく状況の確認を行う。
「なんて奴だ…逃げようとした相手を後ろから…」
ぱっと見ただけでも分かるのは、セーラの傷がほとんど背中側についている事だ、さらにおぞましい事実も分かった、
血痕の状況から見て、おそらく彼女は生きたまま首を刎ねられたということだ……。
そういえばマゴットは!?
ジタンは周囲を見まわすが、ハーゴンの呪文の効果か、視界がやや悪い…部屋の中に隠れてるのかもしれないし、
もしかすると先に逃げたのかもしれない。
外に探しに行きたいが、あともう少しだけ状況を知りたい、ジタンはさらに死体を調べようと自分の背中を、
廊下側から部屋側に向けたその時、部屋の奥の机の下に息を潜めて隠れていたマゴットがジタンへと、
襲いかかったのであった。
41:保管庫5
03/03/30 10:02 LaCNqs9S
その回避し得ないかと思われた致命の一撃をジタンは紙一重で回避した。
視線を下に向けていたから助かった、それでもし床に映る相手の影を発見する事が出来なければ、
間違いなく彼もセーラと同じ運命を辿っていただろう。
「な!おまえはっ!」
次々と振り下ろされる鎌を床を転がりながら避けるジタン。
いきなりの攻撃に驚き慌てるジタンだったが、その正体を見てまた驚く、そうその姿はまごうことなく、
マゴットその人だったからである。
「おい!正気に戻…」
ジタンはマゴットに呼びかけるが、それは横薙ぎの鎌の一閃でさえぎられる。
今度も紙一重で避けたジタンは冷や汗を掻く、あと少し遅ければ首を斬り裂かれていた。
さらに容赦なく踏みこんでくるマゴットの斬撃を右に左に交わしながら、ジタンはあることに気がつく。
セーラの身体についた傷、あれは曲刃系の武器でつけられた傷だった、そう、例えば…
「まさか!お前がセーラを…」
その言葉にマゴットは答えない、ただクスリ…と笑っただけだ、その笑顔を見てジタンは確信した、
コイツは正気だ…素面でセーラを殺し、さらに今度は俺まで、ってまさか!
自分でこれまでわずかながらも感じていた様々な疑惑がここにきて一本の糸で繋がり始めた。
(おっさんは確かにこのゲームを壊すって言った…だけどもそれは俺たちのタメじゃない、
あくまでおっさん個人のため、俺達は駒ってことか?)
いや、駒ならまだマシだった、今の状況ではどう考えても生贄としか思えない。
ハーゴンへの怒りがふつふつと涌いてくるが、とりあえずは今この場を切りぬけなければ、
生贄にされてからでは文句も言えない。
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5379日前に更新/494 KB
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