三国時代の文学スレッ ..
455:無名武将@お腹せっぷく
07/03/26 02:15:53
既に暁にして便ち去り、驂を逆旅(げきりょ)に税く。逆旅の嫗に問う。
逆旅は宿屋。
明け方になって立ち去り、馬車を宿屋に止め、宿屋の老婆に問い尋ねた。
嫗曰「[君何宿而来、]此東数十里無村落、止有山陽王家塚爾。」
水経注には[ ]の文句が付いている。
君 何(いずこ)に宿りて来るか
あなたはどちらで宿をとってきたのか
の意味
機は乃ち怪しみ悵(うら)み、昨路を還睇するに、空野霾雲、拱木日を蔽う。
方(はじ)めて知る 昨(きのう)遇う所の者は、信(まこと)に王弼なりと。
「怪悵」という熟語は辞書に載っていないが、類聚と御覧は「機乃怪、悵然、還睇昨路」
として、「陸機は驚き怪しみ、がっかりして昨日きた道を振り返って眺めると」と読める
還睇は振り返って見るの意味で辞書に載っている。
「空野霾雲、拱木蔽日」は水経注には「空野昏霾、雲攢蔽日」として、
水経注の考証を行った楊守敬によれば(楊守敬『水経注疏』)、水経注の方が
正しいらしい。
空野は「空と野原」と「何も無い野原」の両方の解釈が可能だが、後の句に「雲攢蔽日」
と空の様子を描写する表現がでてくるので、「何も無い野原」と解釈すると
空野昏霾(こんばい)たりて、雲攢(あつ)まりて日を蔽う
暗く何も無い野原が広がるなかりで、雲が集まって太陽を隠している
という意味だと思う。
方(はじめて)は現代中国語の「方始」「方才」の意味で、
「そこでようやく」「そこではじめて」のニュアンスだと思う。
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