狼と香辛料 ホロの麦 ..
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101:風の谷の名無しさん@実況は実況板で
08/02/13 14:54:45 N7LFL0h8
「まあ、積もる話は後にしよう。時間がない」
「つれないじゃないかヤレイ。せっかく村に寄ったというのに会えなかったんだぜ」
「その代わり、別の者に会っただろう?」
 ヤレイはロレンスの肩越しに後ろのホロに視線を向けて、後を続ける。
「俺もまさかとは思ったが、昔話の中に出てくるそれとあまりにもそっくりだ。村の麦畑に住みつき、その豊作凶作を自在に操れる狼の化身に」
 ホロがぴくりと動いたのがわかったが、ロレンスは後ろを振り向かなかった。
「そいつをこっちに渡せ。俺達は、そいつを教会に差し出して古い時代と決別する」
 ヤレイが一歩前に進み出る。
「ロレンス。そいつがいればミローネ商会をつぶすこともできる。その上関税を撤廃できれば、うちの村の麦は莫大な利益を生む。それはうちの麦を扱う商人にも同様だ。積荷に税金のかからない商品ほど儲かるものはないだろう?」
 ヤレイが二歩前に進むと、ホロがロレンスの服を掴んできた。ふらつくロレンスにもわかるほど、その手は震えている。
「ロレンス。重税のせいで苦しかったうちの村の麦を売ってくれたお前には全員が未だに感謝している。お前に優先的に麦の買い付けを認めるくらい造作もない。その上、俺とお前との付き合いじゃないか。なあ、ロレンス。商人なら、損得勘定くらいできるだろう?」
 ヤレイの言葉が頭にじんわりとしみこんでくる。税金のかからない麦。それは麦穂の先に金が実っているのと同じだ。ヤレイの取引に乗ればきっと財産は倍々で増えていくだろう。
 そして、資金ができればパッツィオに自前の商店を構えることも可能かもしれない。そうすればパスロエの村との優先的な麦の取引という武器を手に、どんどん商売を拡大していけることだろう。
 ヤレイの言葉の先には、あまりにも大きい夢が広がっている。
「損得勘定くらいはできるさ」
「おお、ロレンス」
 ヤレイが顔を明るくして両手を広げ、ホロが服を掴む手に力をこめる。
 ロレンスがなけなしの体力を使って後ろを振り向くと、ホロもロレンスのことを見上げてきた。
 琥珀色のホロの目は、ロレンスのことを哀しげに見つめたのち、すぐに伏せられた。
 ロレンスは、ゆっくりと前を向く。
「しかし、契約を守ることこそ良き商人の第一条件だ」

以上この後はアニメと同じ展開


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